独特の雰囲気を漂わせる、演出が変わっているアニメ10選82 Pt.

演出が変わっているため、独特の雰囲気を味わわせてくれるアニメを10作品紹介。

作成日時:2018-05-30 12:00 執筆者:マンガペディア公式

独特の雰囲気を漂わせる、演出が変わっているアニメ10選

出典:Amazon.co.jp

概要

アニメ作品にはいろいろな特徴がある。作風であったり、作画に力を入れていたり、音楽が特徴的であったり、全ての作品は何かしらに拘りを持って作られることが多いであろう。その中でも特に目を惹くのが演出である。演出が変わっているだけで視聴者はその作品に強い印象を抱くことは間違いない。今回は独特の雰囲気を味わわせてくれる演出のアニメ作品を10作品紹介する。

『Persona4 the ANIMATION』

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「アトラス」より発売されたPlayStation2用のゲームソフトを原作とした作品。ゲーム原作のファンにも歓迎されるように隅々まで配慮して作られており、演出や雰囲気などを忠実に再現している。そのため、他の作品とは一風変わった特徴的な演出が多様されている。本作の主人公「鳴上悠」が転校してきた土地には「マヨナカテレビ」という、とある噂が広まっていた。その真相を確かめようと「鳴上悠」「花村陽介」「里中千枝」は行動したところ、テレビの中に異世界があることを発見。異世界の存在、現実世界での事件との関連性などを調べてくうちに、彼らが知った真実とは。原作に忠実に作られていることが特徴の本作。様々な演出が原作のゲームに則ったものとなっており、アニメを通してゲームをプレイするのと同じ体験ができるようにとの意図を込められて仕上げられた。演出から楽曲に至るまで全体的にスタイリッシュな作風で統一されているが、それは「鳴上悠」らが通う高校の制服にまで及んでいる。男子の制服、学ランの襟の部分や、女子のスカートはチェック柄になっており、その他着こなし方で個性を表現。細部に至るまで緻密に練り上げられた本作は、一度視聴すると病みつきになるであろう。「マヨナカテレビ」の謎に迫りつつも人の心の闇について触れた、生々しいテーマを扱いながらも洗練された世界観を楽しめる作品。

『空中ブランコ』

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「奥田英朗」による連作短編小説集のアニメ化作品。小説は第131回直木賞受賞作であり、2005年にはスペシャルドラマとしてドラマ化もされた。アニメは2009年に「ノイタミナ」で放送され、高い評価を得た。小説1作目の『イン・ザ・プール』や同シリーズ3作目『町長選挙』に収録されているエピソードを含んでおり、2作目の『空中ブランコ』からは全エピソードがアニメ化。アニメ化に際して主人公の精神科医「伊良部一郎」の姿は3パターン描かれ、シーンごとに姿の使い分けがされている。それを含めた本作の演出は非常に目を惹くものであり、主要な患者以外のキャラクターとのタッチの差や一部キャラクターを実写で映し出すなど、視覚的に楽しめる作品でもある。原作からして一風変わった印象を受ける本作であるが、アニメ化では特徴的な視覚効果を取り入れ、さらに個性の強い作品へと進化した。さらには全体的にポップな印象を与える色使いをし、精神疾患をテーマにしているとは思えないコミカルさと親しみやすさを演出。主人公の「伊良部一郎」の性格もかなり変わっており、患者が注射されているのを見ることに興奮を覚える変態。し無茶苦茶なやり方で患者たちの心の病を対処してくが、案外その方法は間違っていないのである。好き嫌いの好みがはっきり分かれる作品であるが、ハマる人はハマる、そんな作品である。

『化物語』

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本作は「西尾維新」による小説のアニメ作品である。『〈物語〉シリーズ』の第1作目であり、「西尾維新」独特の言い回しや言葉遊びをそのままアニメにも反映させ、演出からも「西尾維新」の世界観を感じ取れるような1度見たら忘れられない特徴的な作品となった。高校生の「阿良々木暦」は5月のある日、クラスメイトの「戦場ヶ原ひたぎ」の秘密を知ってしまった。彼女は「怪異」と呼ばれる妖怪や神にあたる存在に遭遇し、自身の重さ、即ち体重を奪われていたのだ。この秘密をばらさないようにと猟奇的な脅迫を受けた「阿良々木暦」は、「怪異」の専門家「忍野メメ」の元に彼女を連れて行き、事件の解決に一役買うことに。この物語は「怪異」と関わった少女たちに出会った「阿良々木暦」が、「怪異」にまつわる事件を解決していくものである。アニメ化にあたり、ほぼ原作に忠実に再現されたため、「西尾維新」の世界観にどっぷり浸かれる作品に仕上がっている。監督の「新房昭之」の特徴的な演出技法も加わり、他では味わえない不思議で印象に残る作品だ。要所に散りばめられたギャグやパロディネタも豊富に盛り込まれ、登場人物の掛け合いを軸に物語を楽しめる。「怪異」と関わった少女たちはどの子も可愛く、シリーズを通して髪形がコロコロ変わるのも本作ならではの演出。単調に進むだけでなく時系列が前後することも特徴的。登場人物の掛け合い、例を見ない演出の嵐を堪能できる、満足感の大きい一作。

『ピンポン』

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「松本大洋」による漫画を原作とした作品。「湯浅政明」監督で2014年にテレビアニメ化された。「ペコ」こと「星野裕」と「スマイル」こと「月本誠」は「片瀬高校卓球部」に所属する幼馴染。「星野裕」は卓球の腕は確かだが、自身の才能に自惚れている節がある。あるとき、かつての強豪校だった「辻堂学園高校卓球部」に中国人留学生がやってくるという噂を耳にし、2人は偵察に行くことに。留学生の「孔文革」と対面した「星野裕」は試合をすることになるが、1点も獲れずに敗北。一方で強豪校の「海王学園高校卓球部」からは、「風間竜一」が「月本誠」を偵察にやってきていた。「風間竜一」は「片瀬高校卓球部」の顧問に宣戦布告をし、そうして彼らの熱いインターハイが幕を開けたのだった。「湯浅政明」が監督でテレビアニメ化された本作は、特徴のある絵柄と相まって独特の作品として仕上がった。作中では原作連載時に着想していたが、描かれずに終わったエピソードが多数映像化されている。そのため、漫画版とは違った1つの作品として完成され、新しい『ピンポン』の世界を楽しめる。原作に忠実に作られながらも、これまでとは違った楽しみ方を提供してくれたため、従来からのファンの評価も高い。「湯浅政明」の色も濃く映し出され、その演出が本作のどこか浮世離れした世界観を彩った。細かく繊細で迫力のある試合シーンや、鬼気迫るような登場人物たちの心理描写をアニメ版でも楽しんでほしい一作。

『四畳半神話大系』

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「森見登美彦」の小説を原作としアニメ化した作品。テレビアニメにおいて、「湯浅政明」が初の小説作品の監督を務めた。「森見登美彦」独特の言い回しや世界観をそのまま映し出すために、通常のアニメよりも文字数が多く、「脚本家と声優泣かせ」と呼ばれたことで有名。とある話では1話丸々登場人物が1人だけという異例の回があり話題にもなった。京都大学3回生の男子学生「私」が、自ら選んだサークルによって大学生活がいかに変貌したかを描いたストーリーである。その世界観には並行世界の要素が用いられており、主人公の「私」は各話異なるサークルに所属するという構成となっている。所属サークルは映画サークルやソフトボールサークルなど多岐に渡り、「私」はそれぞれの世界線でキャンパスライフを謳歌していた。最後には並行世界の存在に気付いてしまうが、それまでは薔薇色のキャンパスライフを夢見て、悪友の「小津」と不毛な大学生活を営んでいる。アニメは全11話で構成されており、10パターンの並行世界の話が展開された。各話に登場するサブキャラも「私」のキャンパスライフに刺激を与えており、本作をよりコミカルに彩っていた。思い人である黒髪の乙女「明石さん」や「小津」など、薔薇色のキャンパスライフを彩る登場人物も多数登場。登場人物の個性が小説版よりも引き出されており、巧みな言葉の言い回しに酔いしれる一作だ。

『蟲師』

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「月刊アフタヌーン」にて連載されていた少し不思議な物語を原作としたアニメ作品。「蟲師」を生業とする「ギンコ」という青年が主人公。彼は色んなところを旅し、「蟲」によって引き起こされる出来事や問題を対処していく。「蟲」というのは動物でも植物でもない、生命の原生体。全ての生命は、他を脅かすでもなく、ただ、それぞれが在るように在るだけである。「蟲師」の「ギンコ」は人と「蟲」、それぞれの在り方を理解し、壊すでもなく、ただ在るようにと促している。旅の道中で出合う「蟲」と、「蟲」に関わった人との話を描いていった作品である。本作は非常に独特の世界観と雰囲気を持っており、ハッピーエンドともバッドエンドともつかない終わり方をする。物語毎に違う土地を訪れ、そこで「蟲」と関わった人物を中心として展開されていき、基本1話完結で進んでいく。それ故に全体を通して複数回登場する人物は極めて稀である。本作の「蟲」の作画は全て手書きで作られていることが特徴。幻想的で、美しく、どこか不思議な雰囲気を作り出し、制作陣の作品に対する熱が感じられる仕上がりになっている。また、EDとして起用されているBGM超の音楽も毎話ごとに登場する「蟲」をイメージして書き下ろされた。どこまでも原作に忠実に作られ、心に静かに落ちてくるような物語たちは必見である。

『魔法少女まどか☆マギカ』

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「僕と契約して魔法少女になってよ」。謎の生き物「キュゥべえ」からそう告げられ、人類の敵である「魔女」と戦う少女たちの残酷で過酷な運命を描いた作品。魔法少女になることで何でも願いを叶えてあげると「キュゥべえ」に言われて悩む「鹿目まどか」だったが、先輩魔法少女の「巴マミ」が迎えた悲惨な結末を傍観者として見届けることで魔法少女の実態、成れの果てを知った。その理を変えるため魔法少女になることを決意した「鹿目まどか」は、魔法少女の運命に悩みながらも他の魔法少女たちと「魔女」を倒すことに。これまでの魔法少女ものの概念を大きく覆した話題作で、ダークファンタジーというジャンルを的確に再現した作品である。本作は日本だけでなく世界各国で放送、数多の賞を受賞し、その名を世界に轟かせた大ヒット作となった。これまでにない展開が次々に繰り広げられながらも、完全オリジナル作品故に先が見えないことから、その話題性は凄まじかった。また、細部まで作りこまれた魔法少女の設定、世界観が視聴者の議論を活発化させた。救いようがないほどに過酷な運命を辿る少女たちを映した作品であるが、その中で垣間見れる小さな希望と少女たちの思いがさらに本作へと惹き付ける要因となっている。1度見たらその衝撃が暫くは消えない、とても魔法少女のアニメ作品とは思えない雰囲気とストーリーを備えた傑作。

『正解するカド KADO: The Right Answer』

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「東映アニメーション」初となるフルCGキャラクター表現に挑んだ作品。東京、羽田空港に突如として出現した巨大な立方体。その一辺は2キロメートルにもおよび、謎に包まれていた。それは「カド」と呼ばれ、「カド」の出現時に居合わせた飛行機は乗客諸共「カド」に飲み込まれてしまった。政府は乗客乗員の救出及び安否確認、「カド」についての解析を急いだが、「カド」の上層部に2人の人物が姿を現した。1人は交渉官「真道幸路朗」、もう1人は「ヤハクィザシュニナ」と名乗る「異方存在」であった。「ヤハクィザシュニナ」は人類に「異方」のものを提供し、人類たちを衝撃に包んだが、彼にはある1つの目的があった。「真道幸路朗」との交渉を得て明かされた目的、「ヤハクィザシュニナ」の求めた「正解」とは一体何なのか。本作は対話を主軸として、人類と「異方存在」の交渉が進められる。淡々と対話により進められる物語の展開は、静かながらに惹き付けられるものとなっている。徐々に明らかになる「ヤハクィザシュニナ」の言う「正解」が分かったとき、物語の全容が一気に開け、衝撃を受けるであろう。一見難く硬そうな印象を受けがちな作品だが、その魅力は計り知れない。また、フルCGという技法がSFならではの世界観を一層リアルに表現しており、本作での鍵となる「異方存在」のイメージを的確に表現していた。物語も演出も余すところなく楽しめる作品である。

『すべてがFになる THE PERFECT INSIDER』

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「森博嗣」によるミステリー小説が原作の作品。作者のデビュー作であり、『S&Mシリーズ』の第一巻である。シリーズ名の「S&M」は主要登場人物「犀川創平」と「西之園萌絵」のイニシャルを指している。大学助教授の「犀川創平」と生徒の「西之園萌絵」は研究室の旅行で妃真加島に赴いた。そこには「真賀田四季」という、現存する最高の天才が住んでいる。彼女は天才として有名であるが、過去に犯した犯罪者としても有名である。「犀川創平」は「真賀田四季」に会えるのを楽しみに「真賀田研究所」へ足を運ぶが、そこで目にしたのは「真賀田四季」の変死体であった。完璧に監視され、さらには密室という条件化で発生した殺人事件の真相を暴こうと、「犀川創平」と「西之園萌絵」は推理を進めていくが、そこには驚くべき真実が隠されていた。「真賀田四季」が残した「すべてがFになる」とはどういう意味なのか。淡々としながらも物語の山場に向けて徐々に面白さを増していく作品であるが、アニメ化においても臨場感が溢れており、楽しめる作品となっていた。高度な謎が話数が進むに連れて明かされていく楽しさと緊張感は原作さながらである。特徴的なのはOPとED。OPはロトスコープを、EDはプログラミングを用いてグラフィックを生成するジェネレイティブ・アートの手法を用いており、本作を象徴する特徴となった。全体的に大人な雰囲気を味わいつつ、本作の持つ独特の雰囲気を堪能できる作品である。

『Fate/stay night Unlimited Blade Works』

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日本のとある街「冬木市」に数十年に一度現れる「聖杯」。それは持ち主のありとあらゆる願いを叶えるものだと言い伝えられている。7人の「魔術師(マスター)」と7騎の「使い魔(サーヴァント)」は契約を交わし、己の願いを賭けて「聖杯戦争」へと挑むのであった。「聖杯」を勝ち取ることが出来るのはただ1組だけ。最後の1組になるまで「聖杯戦争」は終わりを迎えないのだ。「衛宮士郎」は「魔術師」に選ばれ「セイバー」と契約し、「聖杯戦争」へと足を踏み入れた。同じく「魔術師」の「遠坂凛」と「アーチャー」ペアとは敵同士だが、互いに協力し合い、「聖杯戦争」を勝ち抜いていく。あらゆる強敵との戦いの末、最後に「聖杯」を手にするのは果たして。本作は『Fate/stay night』の第2ルートである。通称「遠坂凛ルート」。ここで登場する人物は全員同じであるが、物語展開が多少異なっているのだ。本作では「衛宮士郎」と「アーチャー」の対峙に焦点を当てて描かれている。「聖杯」をかけて戦う「使い魔」たちの戦いは、その映像美が戦いの迫力を最大限まで引き出している。火花飛び散る大迫力の戦闘シーンは、これまでのどの戦いを描いたものも凌駕してしまうほどだ。どこか美しさをも思わせる魔法の世界は目を釘付けにされる。『Fateシリーズ』のファンならば必ず押さえておきたい一作である。

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