元動物学者の男が経営する結婚相談所が舞台の人間ドラマ。藍野真伍が所長を務める「藍野結婚相談所」は、入会金が200万円と高額だが成婚率は100%。その驚異の数値の秘訣は、藍野の過去の職歴にあった。動物行動学の准教授だった藍野は、人間も動物の一種として考え、相手に相応しいパートナーを捜しだしていた。2017年TVドラマ化。
様々な悩みを抱えて結婚相談所を訪れる人々に、ぴったりのパートナーを見つけることが物語の軸。動物行動学の研究者だった所長の藍野は、変人で空気が読めず、マニアックな動物の知識を依頼人に語りだしてしまう。しかし、藍野の営む結婚相談所は、入会金200万円と高額だが成婚率は100%を誇り、依頼者は後を絶たない。その手法も非常に独特で、お見合いでは「恋愛感情」を防ぐためにインターネットを使用する。お見合いは明確な結婚条件を持って臨むものと考える藍野は、会話をモニター越しに留めることで、お互いの余計な感情や情報を排除させる。そうして依頼者たちは、自分たちの望むパートナーを見つけていく。
謎めいた古道具屋を舞台に描かれるオムニバスストーリー。街の片隅にある看板のない古道具屋、慈空堂。店の店主は若く美しい女性で、彼女の傍には、まるで人形のような子どもがクマのぬいぐるみを持って寄り添っている。その店を訪れた者たちは、物に込められた「想い」を知ることになる。
本作では古道具屋の慈空堂を訪れた人々が、店の道具に触れることで、物に込められた想いや大切な過去を知る。慈空堂の商品は決して安価ではなく、二束三文にも見える壺に3,000万円、使いさしのペン軸に1万円近くの値が付いている。客たちは当初その値付けに納得しないが、この店の品を買った者は、その後の人生が好転していた。そこに込められた思い出や想いを「見る」ことで心が救われていく。
手塚治虫の代表作である医療漫画。天才外科医にして無免許医師の「ブラック・ジャック」は、法外な報酬の代わりにどんな困難な手術も成功させる。そのため世界中から彼の力を借りたいと願う者が後を絶たない。ブラック・ジャックは、医療と人間の心の在り方に悩みながらも、人を救うためにメスを振るい続ける。
ブラック・ジャックは、無免許医師ながら神業的な技術で病める人々から嘱望されている。彼が法外な医療費を求めるのには、いくつかの理由があった。その1つは、幼い頃に命を救ってもらった恩師の遺志を引き継ぐため。彼が稼いだ治療費の大半は、自然保護や恩人への返礼などに使われている。彼が要求する報酬は法外な金額だけに、中には支払いを不当だと騒ぎ、踏み倒そうとする患者もいる。しかし、ときに野生動物を無償で助けたり、患者の考えに共感してただ同然で治療をしたりと、単なる守銭奴ではないのが彼の大きな魅力だ。
オーダーメイド紳士服を題材にしたファッション漫画。ナポリで暮らす織部悠は、「ミケランジェロ」と称された紳士服職人の名人マリオ・サントリヨの弟子。織部は特別料金を要求するものの、普通の職人には真似できない特急仕事を請け負っていた。特急仕事でも成果は確かなもので、彼のもとにはいつも無理難題な依頼が舞い込んでくる。
本作の主人公・織部は、若い日本人でありながら、ファッションの本場イタリアで名の知れた職人。名人の親方仕込みの技術は圧倒的だ。代金は高額だが、他の職人はやらない特急仕事をこなしている。その理由は、親方の治療費のためにカモッラ(イタリア・マフィア)から莫大な借金したためだ。治療も虚しく親方は帰らぬ人となったが、織部はカモッラに返金し続けていた。それゆえ、時にはカモッラの抗争に巻き込まれる危険な仕事もあったが、彼の腕を高く評価する大事業家のベリーニ伯爵の援助によってカモッラからの借金を整理する。やがてナポリに自身の店を持ち、織部のもとへは急を要する仕事が舞い込んでくる。
天才料理人の料理を通じて描かれるヒューマンドラマ。フランス料理の臨時シェフ味沢匠は、多額の報酬で契約し、潰れそうな店を立て直したり料理で人を癒やす。ときに彼のこだわりの強さが原因で周囲と確執を生むこともあるが、彼は意にも介さず、淡々と天才的な料理の腕を振るう。1995年TVドラマ化。
味沢匠はパリのリッツホテルで史上最年少のシェフを務めた経歴を持つが、今は流れの料理人として各地を転々とする天才的料理人。専門はフランス料理だが、和食や中華といった各国料理にも精通しており、その知識をフランス料理に活かすことも。そんな彼の報酬は100万単位と破格だ。そこまでして味沢を雇おうとする者には、超VIPの来客や、経営危機の起死回生の手段だったりと理由は様々だ。その腕を見込んで契約の継続を望む者もいるが、味沢は留まることはせず流れの料理人に戻っていく。