激動の時代! 昭和前期が舞台の漫画31 Pt.

戦前&戦後、昭和30年代までが描かれる漫画5選

作成日時:2018-09-26 15:00 執筆者:マンガペディア公式

激動の時代! 昭和前期が舞台の漫画

出典:講談社

2018年10月、『昭和元禄落語心中』テレビドラマ化。昭和前期を舞台にした漫画を特集。関東大震災からの復帰、そして第二次大戦から戦後まもなくの激動の時代を生きた人々の、ヒューマンドラマ厳選5作品を紹介する。


刑務所に入所していたチンピラ・与太郎は、出所後に「昭和最後の大名人」と謳われる、落語家の八代目・有楽亭八雲への弟子入りを決意する。最初は弟子として認められていなかった与太郎だが、八雲は、与太郎の中に今は亡き親友である二代目・助六の芸の面影を見出す。そして八雲は「とある約束」を条件に、与太郎に落語の稽古をつけるのだった。

主人公である与太郎の師・八雲は、本作のもう1人の主人公である。彼は幼き日に家族から厄介払いされ、落語家の七代目・八雲に弟子入りした。その時、共に門をくぐったのが後の二代目・助六だった。やがて太平洋戦争が勃発し、師が助六を伴って満州へ慰問に行く中、八雲は疎開して師たちを待つ辛い日々を送っていた。ようやく終戦を迎え、明るい落語の未来を語る八雲と助六。ふたりはそれぞれ一人前の落語家となるが、思わぬ運命を辿ることに。物語の全ての根幹ともなっている「八雲と助六篇」は、激動の昭和を舞台に描かれるドラマチックなエピソードだ。2014年、2017年のテレビアニメ化に続き、2018年10月にテレビアニメ化。


昭和27年、時計塔のある館(後に幽霊塔と呼ばれる)の主・藤宮たつは、時計の針にくくり付けられて殺された。 犯人と目されていた、たつの養女・麗子も事件後、遺体で発見される。それから2年後、自堕落な生活をしていた青年・タイチは、テツオと名乗る謎の美青年から、一緒に幽霊塔の謎を解き大金を手にいれようと持ち掛けられた。

「幽霊塔」と呼ばれる館に眠る”財産”を巡るサスペンス作品。本作は、戦後に人々の暮らしが落ち着いてきた時代を舞台にしており、作中には戦後を象徴するカストリ雑誌(エログロやオカルトなどが主体)が登場する。主人公・タイチも、愛読していたカストリ雑誌で、幽霊塔の存在を知っていた。もう1人の主人公・テツオの正体は、時計塔の事件で自殺したとされる藤宮麗子であった。藤宮は男性の心を持っており、タイチに対しても男友だちとしてふるまっている。本作ではこのように、ジェンダー的な表現が緻密に描かれており、2014年にセンス・オブ・ジェンダー賞の大賞を受賞した。


昭和初年、生まれた村を出て、仕事と住む場所を求めて都会にやってきた少女・鹿乃子。彼女には人の嘘が「聞こえて」しまう能力があった。そのため村にいられず、都会の九十九夜町に来たのだが、ついに行き倒れてしまう。そんな彼女を救ってくれたのは、探偵・祝左右馬。左右馬は鹿乃子の能力を、「たくさんの人の力になれる」と肯定してくれた。

モダンレトロな世界観で描かれる、ミステリー作品。嘘を聞き取る特殊な能力をもっている、主人公・鹿乃子。彼女は、見栄や悪意から出た嘘だけでなく、人の善意からくる悲しい嘘までも聞き取ってしまうため、いつも苦しく、追いつめられていた。そんな時、見栄や悪意で嘘を吐かない、そして彼女の能力を知っても共にいてくれる左右馬と出会い、また、温かく善良な九十九夜町の人々にも救われ、やがて探偵助手としての道を歩みだす。本作は昭和初年を舞台にした作品で、随所にレトロな雰囲気が漂う。路肩で見世物をやって小銭を稼いだり、和装の時代らしく女性の特徴を着物の半襟で表現したり、誘拐された大富豪の令嬢の身代金が8千円(およそ1千300万円ほどに相当)であったりと、現代との相違を感じさせる描写も多い。コミックスには筆者の記したちょっとした解説も掲載されており、時代背景が楽しめる作品となっている。


『十十虫(てんとうむし)は夢を見る』

出典:秋田書店

関東大震災から復興しつつある帝都、東京。喫茶店「十十虫」の常連客である高月英兒は、高校をさぼり読書をしながらコーヒーを飲むのが日課になっていた。そんな彼は、無意識の内に他人の夢に現れ、必ず当たる予言をしていた。夢の中の彼は「十十虫」にいるため、人々は彼に会うため、この店に訪れるのである。

夢の中に現れ、助言で現実世界の問題を解決に導くモダン・ファンタジー作品。物語は昭和4年から始まる。主人公・高月は、当時エリートとされていた高校生。ヒロイン・叶美和子は物語の舞台となる喫茶店「十十虫」のウェイトレスで、その当時はポピュラーな女性の仕事のひとつに就いている。実際にあった上野公園の決起集会や、関東大震災後の混乱や悲劇も描かれている。また、和装の女性が多かった時代、普段は和装の美和子も洋服に密かな憧れを抱いていた。彼女が初めての給料で買ったのが乳バンド(ブラジャー)で、何に使うものかわからない家政婦が茶箪笥にしまってしまい、それを高月が夢で指摘するというエピソードも描かれている。


『当世白浪気質』

出典:秋田書店

戦後の爪痕が残る昭和23年、戦争帰りの青年・吉田虎之助は、美術品専門の泥棒を生業にしていた。ある日、お宝を探していた虎之助は田舎でバスを乗り間違え、閉鎖的な山村に迷い込んでしまう。そこで虎之助は、人間離れした美しい少女・千越と出会う。彼女は滅びゆく村を救うために、山神である白狼の生贄にされる運命にあった。

戦後間もない昭和を舞台にした物語。主人公・虎之助が迷い込んだ山村は、まもなくダム建設によって沈みゆく場所だった。閉鎖的で、生贄という風習も残っている。虎之助は都会で育ったこともあるが、戦争体験により生きることに諦観していて、迷信深い村人たちの行動を愚かだと断言。そんな彼に、「盗まれる」という形で彼と共に暮らすことになったヒロイン・千越。彼女は、新たな時代を恐れる村人に希望を与えつつも、冷静に村の終わりを悟っていた。やがて都会で暮らし始める虎之助と千越。2人は様々な事件に巻き込まれつつも逞しく生きていく。本作は世間知らずの千越に説明する形で、当時の風俗や世情が描かれているのも面白い。


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