女子高生ながら「甲子園」を目指す「如月女子高校野球部」ナイン。「萌」アニメではなく間違いなく「すぽ根アニメ」である本作を、振り返ってみたい。
女子高生ながら「甲子園」を目指す如月女子高等学校野球部のナインの熱血ぶりを見てみたい!
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女子高生ながら「甲子園」を目指す「如月女子高校野球部」ナイン。「萌」アニメではなく間違いなく「すぽ根アニメ」である本作を、振り返ってみたい。
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正式名称は『プリンセスナイン 如月女子高野球部』。1998年、NHK-BS2の「衛星アニメ劇場」でオンエアされた。全26話。主人公「早川涼(はやかわ・りょう)」は母が一人で切り盛りするおでん屋の娘。忙しい時間帯には店の手伝いもするが、野球が得意で、特に投手としてひとたびマウンドに立てば、130キロ台の剛速球で大の大人をきりきり舞いさせるほどの腕前。中学を卒業したら、進学せずに母の店を手伝う心づもりだったが、名門・如月女子高校の理事長「氷室桂子(ひむろ・けいこ)」にその投手としての力量を買われ「特待生」として同高校に進学することになる。その条件はただ一つ、新設する「女子野球部」に入部すること!
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名門・如月高校野球部に新設された硬式女子野球部。目的は甲子園だという。ワンマン理事長・氷室桂子の表向きの目的は、疲弊し、堕落しきった高校野球界に風穴をあけること。だが、その思惑の陰には「早川涼が、かつて自分が愛した男・早川英彦(はやかわ・ひでひこ)の忘れ形見」という理由もあった。早川英彦は、かつて日本のプロ野球を代表する選手だったが、ある事件に巻き込まれて球界を永久追放されていた。英彦は失意のうちにこの世を去るが、その才能は娘の「涼」に受け継がれていた。氷室理事長は、その涼の才能を認めつつも、かつて愛した男の夢の残滓として、その残された子に活躍の場を与えてあげたいという思いの元、自分が理事長として君臨する女子高に「女子だけの野球部」を設立したのだった。とはいえ野球部最初のメンバーは涼と、全国中学野球大会の成績をもとにスカウトされた「吉本ヒカル(よしもと・ひかる)」と「東ユキ(あずま・ゆき)」の計3人のみ。新設・如月女子高野球部の最初の課題は「部員集め」から始めることになるのだった……。
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涼たちの努力もあって、なんとか9人の野球部員がそろった。中学時代にやり投げと100メートル走で記録を作り、俊足が武器の「森村聖良(もりむらせいら)」。柔道部に所属していたが格闘技には向かない性格の「大道寺真央(だいどうじまお)」。女子野球部を煙たく思っている如月女子高の校長の娘「三田加奈子(みたかなこ)」。「荒波スイング」を武器に強打を誇る高知のはちきん「堀田小春(ほったこはる)」。野球部などどこ吹く風、ただ自分をアピールして芸能界入りを目指す「渡嘉敷陽湖(とかしきようこ)」。そして氷室理事長の一人娘、天才テニスプレイヤーとして将来を有望視されていた「氷室いずみ(ひむろいずみ)」。9人そろった如月女子高校野球部の前に立ちはだかったのは、校長や他教師、PTAなどの無理解、高校野球連盟の「女子選手はこれを認めない」というルール、そして如月女子高校の兄弟校、隣接する如月高校野球部と1年生にして4番を務めるスラッガー「高杉宏樹(たかすぎひろき)」。もし女子野球部が高野連に認められ、地区大会に出場できたとしても、最大の壁となるのが高杉のいる如月高校野球部だった……。
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『プリンセスナイン』の絵柄は泥くさく、あまり美しいとは言えない。けれどそこにはスポ根マンガそのものの、血と汗と泥にまみれて立ち上がる人間たちの姿を垣間見ることができる。特に、打たれてもなお立ち上がる時の、炎に包まれた「早川涼」の姿、その瞳の中に燃え上がる赤い焔。まさに今の時代が忘れてしまった「根性」そのものである。その泥くささ、野暮ったさ、沸き上がってくるエネルギーをどうぞ感じ取っていただきたい。……かと思うと突然「お色気作戦」と言って「女の武器」を野球にとりいれてくるあたり、彼女たちはとってもしたたかである(1試合のみ)。
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