「鍵」が物語のキーになる漫画62 Pt.

閉ざされた心の扉を開く鍵、謎を解く鍵、キーポイントにキーワード。鍵という言葉は、物語の中の数多くの場面で使われる。そこで今回は、特に「鍵」が物語の中で重要な役割を果たす作品をピックアップしよう。

本作は、「鍵」が手のひらサイズの少年の姿で登場する、実にユニークでファンタジックな設定の物語だ。鍵の化身であるケンは、とにかく鍵を開けたがっている。普通の家の鍵も開けられるが、彼が本当に開けたいのは、人の心の奥深くを閉ざす鍵。彼は、パートナーである謎の少女・きいと共に、心に鍵が掛かっている人々を探して街を流離う。あるときは両親の離婚のゴタゴタがトラウマとなり、結婚願望を完全に失ってしまった青年。またあるときは、姉とその婚約者の関係に心を痛める少女。ケンときいは、そんな人々の心の鍵を開け、“素敵なこと”を起こしていく。

本作における「鍵」は「魔法の鍵」。本作の世界の人々は、指に独特の模様を持って生まれてくる。それが、魔法の力を引き出すための鍵となっているのだ。ある者は炎を自在に操る能力の鍵を持ち、またある者は毒を生みだす鍵を持つ。そして主人公・ヨルドが持つ「闇」の鍵は、あらゆるものを吸収し消滅させる力を持つ。彼は幼い頃、鍵の力を暴走させ、ある街を丸ごと消滅させるという大惨事を起こしてしまった。その出来事は、彼の心に決して消えない罪の意識を刻み込んだ。そして事件から8年後、ヨルドの元に不思議な少女が訪れる。彼女の名はメメ。万物の心を覗く「識」の鍵の所持者だった。メメとの出逢いをきっかけに、ヨルドは己の鍵と向き合う生き方を模索し始める。

本作に登場する「鍵」は、主人公・一条楽が探し続けている「約束の鍵」だ。楽は、幼い頃に1人の少女と、永遠の愛を誓い合った。誓いの証として、楽は少女から錠つきのペンダントを受け取る。いつか再会できたら少女が持つ鍵で錠を開け、結婚しようと約束したのだ。それから10年、少女の顔も名前も思い出せない楽だが、約束のペンダントは肌身離さず持ち続けている。つまり、楽には心に決めた相手がいるのだ。そんな彼にとって、偽りとはいえ千棘と恋仲を演じるのは、少なからず抵抗がある。さらに、楽は気になるクラスメイトの女子・小野寺小咲が、意味ありげな「鍵」を持つことを知ってしまう。楽と千棘の「ニセコイ関係」は、波乱含みな状況で始まっていく。

本作に登場する「鍵」とは、街の平和を守るスーパーヒーロー「キーマン」だ。キーマンはスーパーマン風の衣装に身を包み、胸にはカギ穴のマーク、頭部には鍵を模した覆面という出で立ちのヒーローである。空を飛び、銃弾をも跳ね返す強靱な肉体を備えた彼は、凶悪犯を次々と成敗。瞬く間に市民の人気者となる。ところが、その「キーマン」が何者かに殺害されてしまう。死体には「Dr.NecRo」という文字が刻まれていた。その事件を捜査するティラノサウルスの獣人・アレックス警部は、バーで奇妙な少女と出会う。彼女の名はDr.ネクロ。「キーマン」の腹部に刻まれた文字と同じ名前である。彼女は、外見こそ10代前半の少女だが、実年齢は118歳の魔女だという。アレックスはDr.ネクロとともに、「キーマン」殺害事件の謎を追いかけていくことになる。

本作における「鍵」は「悪魔の鍵」。アクマゲームを取り仕切る悪魔を召喚する鍵である。この鍵の所有者は、一方的に相手に対してゲームを持ちかけ、望むものを賭けさせることができる。ただし悪魔は、ゲームに関しては公平中立。対戦者が望めば、鍵の所有者が要求したモノと同等の価値があるモノを賭けさせることができる。また、ゲーム内容は鍵の所有者が決定するのではなく、召喚された悪魔自身が選択する。ゲームの有利不利は、対戦者同士の総合的な能力と運次第というわけだ。主人公・織田照朝は、マルコとのゲームを皮切りに、悪魔の鍵の所有者による熾烈な戦いに巻きこまれていく。