ニセコイ

家庭の事情により、偽物の恋人関係「ニセコイ」を演じる事になってしまった高校生・一条楽と桐崎千棘。二人が恋人を演じながら友人の小野寺小咲達と共に、自分達が出会った10年前の出来事の真相を探る学園ラブコメディ。「週刊少年ジャンプ」2011年48号から2016年36・37合併号にかけて連載された作品。2014年と2015年にはTVアニメ化され、2018年には実写映画化された。

正式名称
ニセコイ
作者
ジャンル
ラブコメ
レーベル
ジャンプ・コミックス(集英社)
巻数
全25巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第1巻

高校1年生の一条楽は、やくざ「集英組」の跡取り息子だったが、楽自身は身体的にも精神的にもやくざには不向きと考え、将来は公務員になりたいと思っていた。そんなある日、楽はアメリカからの転校生・桐崎千棘とぶつかったのがきっかけで、子供の頃から大切にしているペンダントを紛失してしまう。楽は10年前、旅行先で出会った初恋の少女・約束の女の子と愛を誓った。そこで二人は別れの日、楽が錠の付いたペンダント、彼女が錠の鍵を所持する事で、いつか再会した日にペンダントを開錠しようと約束していたのである。責任を感じた千棘は渋々楽といっしょにペンダントを探す事にする。そして二人は喧嘩ばかりしつつも、楽の友人である小野寺小咲のサポートもあって、どうにかペンダントを見つけるのだった。さらに楽は、この一件を機に、約束の女の子の正体は小咲ではないかと考えるようになる。楽は一度小咲と話をしてみようと考えるが、そうしようとした直前に父親・一条一征に呼び出される。それは、最近「集英組」との抗争が激化しているアメリカのギャング「ビーハイブ」と全面戦争を回避するため、「ビーハイブ」の一人娘と恋人のふりをしてほしいというものであった。仕方なく応じる楽であったが、その娘とは千棘であった。こうして正反対の二人の、偽物の恋「ニセコイ」が始まる。

第2巻

一条楽は「集英組」と「ビーハイブ」の全面戦争を避けるため、桐崎千棘と恋人のふりをする事になってしまう。それでも相変わらず喧嘩ばかりの楽と千棘だったが、二人には、やくざとギャングの家の子供という理由で、周囲になじめず苦労して来たという共通点があった。そんな千棘の過去を知った楽は次第に千棘と打ち解けていくが、ある日友人の舞子集から、小野寺小咲は楽の事が好きに違いないと告げられる。小咲は先日、楽のペンダントに見覚えはないと言っていた。だが楽は中学時代から小咲に思いを寄せており、たとえ小咲が約束の女の子ではなくても、その言葉に驚くのだった。その後、楽は千棘も交えて友人達とテスト勉強や水泳の練習を楽しみ、これまで友人がいなかった千棘は、小咲と宮本るりと親しくなれた事を喜ぶ。そこで千棘は、小咲とるりに、実は楽とは交際しておらず、事情があって恋人のふりをしているだけだと打ち明ける。これを聞いた小咲は、楽に告白する事を決意。るりのサポートにより楽と二人きりになる。しかし結局告白は失敗し、二人は進展せずに終わるのだった。一方、千棘は10年前、自分も楽と約束の女の子のように、男の子と愛を誓った事を思い出していた。

第3巻

一条楽達のクラスに、新たな転校生・鶫誠士郎がやって来た。しかし誠士郎は、クロードが楽を倒すために呼び出した刺客で、さらに女性であった。誠士郎はかつて孤児で、クロードに拾われて現在に至る。だが、クロードは中性的な容姿の誠士郎を男性と勘違いし、男性名である「誠士郎」と名付けてしまったのである。楽はそんな誠士郎に決闘を申し込まれ、善戦した事を機に誠士郎に認められ、同時に実は女性である事も知って親しくなっていく。一方その頃、桐崎千棘は誠士郎からも、自分が10年前親しくしていた初恋の少年の話をされた事で、当時の記憶を取り戻そうとしていた。そこで日記を読み返した千棘は一本の鍵を見つけ、また彼の手掛かりは、千棘を野生動物からかばってできた額の傷跡である事を思い出す。そのまま林間学校が始まるが、そこで千棘は、楽にも額に傷跡があり、そもそも楽は自分のペンダントの鍵を持った約束の女の子を探している事を思い出す。千棘は、もしかすると自分達はお互いに初恋の相手なのではと思うようになり、肝試し中に確信に近いものを得る。しかし、今ははっきりさせる事はやめ、偽物の恋人としての生活を続けようと決める。

第4巻

約束の女の子の正体は、やはり小野寺小咲ではないかという可能性が浮上した。小咲にもまた10年前に親しくしていた少年がおり、別れ際に彼から一本の鍵を受け取ったのだという。一条楽は、自分の持つペンダントを小咲の鍵で開錠できれば確証が得られると考えるが、桐崎千棘の誕生日パーティで、さらなる衝撃の事実が発覚する。千棘もまた小咲と同じ経験があり、さらに千棘の方には、楽の記憶と類似した思い出があったのである。そこで二人は、千棘の鍵で楽のペンダントを開錠できるか試す。しかし、いざ開錠しようとすると千棘は鍵を鍵穴に差し込んだまま破壊してしまい、修理が終わるまで、ペンダントを使った判別はできなくなってしまうのだった。落胆する楽であったが、その直後、千棘の父親であるアーデルト・桐崎・ウォグナーから、楽達はよく覚えていないようだが、10年前のある時期、楽、千棘、小咲の三人は非常に仲がよく、いっしょに遊んでいたと教えられる。一条一征からも、その当時の写真があるはずだと言われた楽は、その日から蔵の掃除を始める。しかしそこから出て来たのは、千棘でも小咲でもない見知らぬ少女が、楽や一征と三人でいっしょに写っている写真であった。

第5巻

一条楽達のクラスに、三人目の転校生・橘万里花がやって来た。万里花こそが先日の写真に写っていた少女であり、さらに楽の許嫁であるのだという。それは親同士が決めたものであり、楽も覚えていなかった。しかし万里花は今でも本気で、転校早々桐崎千棘にライバル意識を燃やす。そして楽に、10年前の出来事の真相を教えてほしければ、千棘と別れるよう告げるのだった。楽はこれを断るが、この直後万里花を怒らせた事がきっかけで、万里花が10年前親しくしていた「マリー」というあだ名の女の子であった事を思い出す。万里花は楽の好みに合わせ、当時とは容姿も言葉遣いも大きく変えていたため、楽は気づかなかったのである。万里花もまた鍵の所持者である事を知った楽は、万里花と共に千棘と小野寺小咲を呼び出し、自分達がかつて友人であった事、約束の女の子の所持品である鍵が、なぜか三本もある事を伝える。楽は万里花からの説明ですべてがわかると考えるが、万里花もなぜ鍵が複数あるのかまではわからないらしく、鍵の修理も終わらない事で、真相には近づけないままに一学期が終わるのだった。

第6巻

夏休みのある日、一条楽は友人達といっしょに行った海で桐崎千棘と喧嘩になり、気まずくなってしまう。そして、その後も楽と千棘は会う事なく夏休みを終え、二学期が始まっても、千棘は楽を避け続ける。千棘は自分達は本物の恋人ではないのだから、組の者達の目がない学校で親しいふりをする必要はないだろうとまで言い出す。これにショックを受けた楽は冷たく言い返し、ますます二人の関係はこじれてしまうのだった。そのまま学園祭の準備が始まり、楽達1年C組は出し物を演劇「ロミオとジュリエット」に決定。ロミオ役を楽、ジュリエット役を小野寺小咲に配役して稽古が始まる。しかし学園祭当日、小咲は落下事故に遭ったクラスメートをかばった事で、足をケガしてしまう。さらに小咲の代役として練習していた橘万里花は体調を崩しており、悩んだ楽は千棘であれば代役を務められるのではと考える。楽は千棘にこれまでの事を謝罪し、もし自分が千棘を嫌っているように見えたならば、それは誤解であると伝える。仲直りした二人は、抜群のコンビネーションで劇を成功させ、千棘はこの一件を機に楽への思いを自覚する。

第7巻

冬になり、クリスマスが近づいて来た。桐崎千棘はクリスマスを家族で過ごすらしいが、母親の桐崎華とはふだん離れて暮らしており、しかも華は怒ると非常に怖く、今でも会うと緊張するのだという。そんな華がクリスマスを前に日本へ来る事になり、楽は桐崎家で千棘、アーデルト・桐崎・ウォグナー、華の三人と食事をする事になる。そこで華は、一条楽がどのような男性か知りたいので、クリスマスまで自分の秘書として働くように命じる。もし華が楽を認めたなら、楽と千棘はクリスマスイブに、華からホテルの一室をプレゼントしてもらえるのだ。こうして楽は華といっしょに働く事になり、華の多忙さと厳しさ、そして優秀さを知っていく。さらに楽は、千棘と華のあいだには一つ誤解がある事に気づく。千棘は華といっしょに過ごしたいのだが素直に言えず、華も本当は同じ気持ちなのだが、千棘に嫌われていると思い込むあまり、千棘を避けていたのである。このままではいけないと判断した楽は、クリスマスイブの日、華に無理やり時間を作らせ、本来楽と千棘が過ごすはずだったホテルで華と千棘を会わせる。こうして二人は誤解を解く事に成功。千棘は、自分のために尽力してくれた楽に心から感謝するのだった。

第8巻

桐崎華が帰国し、年が明けてバレンタインデーになった。桐崎千棘小野寺小咲橘万里花の三人は、一条楽に渡すべくそれぞれチョコレートを作って来たものの、千棘と小咲は素直に言えず、万里花は逆に積極的過ぎて楽に逃げられてしまい、三人ともチョコレートを渡せないまま放課後になる。このままではいけないと考えた小咲と万里花は再アタックするが、二人ともその途中で事故に遭い、チョコレートを破損してしまう。しかし、万里花のチョコレートが割れた現場を目撃した楽は、こうなってしまったのは自分がすぐに受け取られなかったせいでもあると言い、割れたチョコレートを食べたうえに、お詫びとして今度万里花の願いをなんでも一つ聞く約束をするのだった。一方その頃千棘は、小咲がチョコレートを台無しにして落ち込んでいるのを目撃する。そこで千棘は、それが誰宛なのか知らないまま、いっしょにチョコレートを作り直さないかと提案。二人は最後までお互いが誰宛にチョコレートを作っているのか知らないまま励まし合い、チョコレート作りを完了させ、それぞれ別々に楽に渡す事に成功するのだった。

第9巻

春になり、一条楽達は高校2年生に進級した。そんな入学式の朝、楽は柄の悪い男性に絡まれおびえた末に気絶した少女を助ける。その後楽は校内で少女と再会するが、彼女は楽の事を一切覚えておらず、さらにその正体は小野寺小咲の妹・小野寺春である事が発覚する。しかも春は、楽に関する悪い噂を鵜呑みにしており、小咲が楽にだまされていると思い込むあまり、楽を敵視するようになってしまう。困った楽は誤解を解くべく、春は色々誤解しているし、そもそも先日春を助けたのは自分であると告白する。しかし春はまったく信じず、自分を助けてくれた王子様的存在が、楽であるはずはないと言い出すのだった。しかも春は、助けてもらった日に楽が落としていったペンダントを王子様の持ち物だと思い込んでいた。これにより、楽は返してもらうのは難しいのではと困り果てるが、その直後、春が崩落事故に巻き込まれる。そこで楽は春を助けたあとに春を悲しませないため、自分ではなく例の王子様が春を助けたという事にする。こうして春は、二度も楽に助けられた事を知らないまま、王子様への思いを募らせるのだった。

第10巻

夏のある日、一条楽は宮本るりから、体調を崩した小野寺小咲のお見舞いに行ってほしいと頼まれる。そこで楽は小野寺春と共に小咲の看病をするが、実は春も体調を崩していた。そんな春を案じた楽は二人まとめて看病をし、楽の心優しい人柄に触れた春は、楽を見直す。そして、しばらく楽に預けるという形で、ペンダントを返却するのだった。こうしてようやくペンダントを取り戻し安堵する楽であったが、今度は桐崎千棘の誕生日が近づいていた。しかし楽がすぐにそれを思い出さなかったせいで楽と千棘は喧嘩になってしまい、ようやく仲直りできそうだった放課後、楽は飛んで来たボールから千棘をかばって気を失ってしまう。そして楽が目を覚ますと記憶喪失になっており、さらに性格まで別人のようになっていた。現在の楽では、実家がやくざであるという事実を受け止められないと判断した千棘達は、話し合いの結果、ひとまず桐崎家に楽を泊め、翌日から楽が記憶を取り戻せるよう働きかける。しかしなかなかうまくいかず、逆にこれまでよりもさらに紳士的で親切な楽にときめき、振り回されてしまう。だが策が尽きかけたある時、橘万里花が、小咲の部屋で一冊の絵本を発見する。 

第11巻

小野寺小咲が所持していた絵本は、まるで一条楽と約束の女の子の関係を思い起こさせる内容であった。記憶を失ったままの楽もこの絵本には興味を示し、その場にいる全員で絵本を読んだ事で、楽は断片的に10年前の記憶を取り戻す。これによって桐崎千棘は、楽が真相を思い出すのではと期待する。しかし楽が思い出したのは、約束の女の子は少なくとも千棘ではなさそうだということだった。ショックを受けた千棘は、翌日楽に約束の女の子としてではなく、今の自分の事を思い出してほしいと懇願。これがきっかけで、楽はようやく記憶を取り戻すのだった。こうして千棘の誕生日パーティは予定通り開催され、楽と千棘は仲直りする。そして楽はもう一度例の絵本を読み返すが、絵本は大筋では楽と約束の女の子の思い出と一致しているものの、鍵を持った女の子は一人ではなく、四人も存在していた。これを千棘、小野寺小咲橘万里花にあてはめてもまだ一人多いと考える楽であったが、答えは出ない。そんなある日、万里花の友人である篠原御影が、楽達のクラスへ一日体験入学して来る。

第12巻

七夕が近づき、一条楽達の通う凡矢理(ぼんやり)高校では七夕大会が行われる事になった。七夕用に使われる笹は神主が用意する特別品で、この笹にかけられた短冊の願いは、高確率で叶うほど強力なものなのだという。それを知った小野寺小咲は思わず「楽と交際できますように」と書き、誰にも見つからないように高い位置に短冊をかけるが、当日急遽笹の配置場所が変わり、楽に短冊を読まれそうになってしまう。それだけはどうしても避けたい小咲は無理やり短冊を回収するが、このせいでケガをしそうになり、楽に助けられる。反省した小咲は短冊を書き直し、願いを楽の願いが叶いますようにという内容に変更するのだった。こうして一学期は終わり夏休みが訪れ、小咲は小野寺春も誘ってクラスの友人達と夏祭りへ行く。この時、小咲は春に小咲の思い人とは楽の事かと尋ねられ、素直に認めるが、春は不審に思う。楽と桐崎千棘が偽の恋人関係である事を知らない春には、楽が堂々と二股をかけようとしている不誠実な男性に見えたのである。しかしその直後、春は宮本るりと舞子集が、楽と千棘について話している現場を目撃。楽と千棘は、実際は交際していない事を知ってしまう。

第13巻

小野寺春は、一条楽桐崎千棘が家庭の事情で偽の恋人関係を演じている事を知り、これまでの誤解が解けた事で、楽への思いを自覚した。しかし、小野寺小咲も楽に片思いしている以上思いを打ち明ける事はできず、あきらめる事を決意する。そこで春は思いを断ち切り、楽と小咲を急接近させるべく、三人で水族館へ行く。だが、ここでも春は楽の優しさに触れ、あきらめる事も、楽と小咲を交際させる事もできずに終わってしまうのだった。この直後、楽は宮本るりに呼び出される。るりにはもうすぐ100歳になる曽祖父・宮本吉三がいるのだが、彼が一度るりの恋人に会いたいと言ってきかず、そもそも恋人のいないるりは困った果てに、楽と交際していると嘘をついてしまったのである。仕方なく楽はるりの恋人を演じる事にし、なぜか付いて来た舞子集と共に、るりの帰省先へ出かける。体調が悪いと聞いていた吉三が元気であった事にるりは腹を立てつつも安堵するが、女中の里中によると、吉三は気丈に振る舞っているだけで、本当はこれまでにないほど体調が悪化しているのだという。このままではいけないと考えた楽とるりは、吉三に嘘をついていた事を打ち明ける。そしてるりは、集が持って来ていた学校生活を撮った写真を使い、自分には恋人はいないが友人は多くおり、楽しい生活を送っているので、どうか心配しないでほしいと伝えるのだった。

第14巻

一条楽の幼なじみで、今ではチャイニーズマフィア「叉焼会(ちゃーしゅーかい)」の首領である奏倉羽が、日本に戻って来た。首領になってから初めての長期休暇を得た羽は、それを日本で過ごす事にし、しばらく凡矢理(ぼんやり)高校の教師として働くのだという。そんな羽もまた鍵を所持している事を知った楽は、以前絵本で見た、四人目の鍵の所持者とは羽の事であったのかと驚きつつ、ひとまず桐崎千棘達にこれを報告する。さらに羽は10年前の事をよく覚えているらしく、楽は約束の女の子の正体について尋ねる。しかし羽は、楽にとって大切なのは過去の約束ではなく今誰を思っているかという事であり、もし楽が本当に好きな女性を決めたら、その時に真相を教えると答える。これを受け入れた楽は、ひとまず今後のため、一条一征も交えた進路相談に臨む。楽自身は大学進学と決めているためすんなり済んだものの、千棘達はそうではないようで、特に小野寺小咲は進路に悩んでいるのだという。楽はそんな小咲を励まし、小咲はそれを受けて進路は決まっていないが、将来的に誰かのお嫁さんになりたいのは間違いないので、ひとまず料理の勉強から始めようと前向きになるのであった。

第15巻

秋のある日、桐崎千棘は奏倉羽にライバル宣言をされ、小野寺小咲と宮本るりはその様子を目撃してしまった。しかもその翌日から「集英組」は組員旅行で、留守番の一条楽と羽は一条家で二人きりになるのだという。これを舞子集から聞いた千棘、小咲、鶫誠士郎橘万里花の四人は急遽一条家を訪れ、集とるりも交えて八人でいっしょに過ごす事になる。さらにそこへ小野寺春、彩風涼、ポーラ・マッコイまで現われ、十一人は泊まり込みで遊ぶのだった。その直後、凡矢理(ぼんやり)高校は文化祭を迎え、春は、今度こそ楽と小咲を急接近させるべく、二人を自分のクラスの出し物であるお化け屋敷へ招待する。この作戦は無事成功したものの、楽への思いを断ち切る事はできず、春は複雑な心境になるのだった。そんな春に涼は、これから開催されるミスコンテストに参加するよう命じる。渋々応じる春であったが、涼が用意した衣装は好評で、コンテストは春と小咲の決選投票になる。ここでもし優勝すれば、楽が自分の事を意識してくれるかもしれないと考えた春は全力で戦い、見事優勝を果たす。優勝者の権利として、楽と後夜祭でダンスを踊るのだった。

第16巻

秋も深まるある日、一条楽桐崎千棘は、道で男達に追われている少女を助ける。彼女は親善大使として来日中のノンビ~リ王国の王女マルーシャ・ル・ヴィエ・ノンビ~リで、亡くなった母親が愛した日本を、一度この目で見て歩きたいという思いから、ホテルを抜け出して来たのだという。そんなマルーシャに共感した千棘は、二人が見分けもつかないほど似ている事を利用して、しばらくマルーシャと入れ替わる事を提案。千棘はホテルへ行き、マルーシャは楽の案内で観光を始める。そのうちに楽の生活に関心を持ったマルーシャは、一条家を訪れたり、小野寺小咲の実家である「和菓子 おのでら」でお菓子を食べたりと日々の生活を楽しむ。やがて夜になり、別れの時が訪れるが、別れの挨拶をしようとした途端、マルーシャの翻訳機として利用していたスマートフォンの充電が切れてしまう。しかしマルーシャは、練習して来た日本語で楽への感謝を伝え、後日行うスピーチにも前向きになって去っていく。そして楽は千棘を迎えに行くが、千棘はなぜかマルーシャの格好をしたままだった。千棘は楽には判別がつかないだろうと思い、からかうつもりだったのだが、一瞬で見抜かれてしまったのである。千棘はこれを嬉しく思いながら、いっしょに帰路につく。

第17巻

一条楽は、小野寺小咲の頼みで「和菓子 おのでら」の得意先の旅館でいっしょにアルバイトをする事になった。そこで楽は、以前小咲が言っていた初恋の男性とは、自分の事なのではと思う。しかし結局二人は進展する事のないまま、アルバイトを終えるのだった。その直後、奏倉羽が過労で倒れてしまう。従者の夜いわく、羽は孤独を嫌って周囲の期待に応えようとするあまり、頑張りすぎては倒れるのを繰り返しているのだという。そんな羽を案じた楽は、これからは自分も最大限協力するので、無理をしないでほしいと伝える。これを見ていた夜は、楽こそが羽の夫にふさわしいと判断。世襲制であるがゆえに存続の危機にある「叉焼会(ちゃーしゅーかい)」を救うため、二人を急接近させようとする。これにより、結局二人は結婚とまではいかなかったが、今までよりもさらに距離を縮めるのだった。こうして羽の問題は少し解決し、楽達は京都へ修学旅行へ行く事になる。しかし凡矢理(ぼんやり)高校では、以前旅行中に起きた問題から、旅行中の班はくじ引きで決める事になっており、友人グループの中で楽だけが違う班となってしまう。さらに楽は当日人助けをしたために遅刻し、同じく遅刻した小咲といっしょに、遅れて京都へ向かう事になる。

第18巻

修学旅行3日目。班ごとの自由行動が始まったが、友人グループで一人だけ違う班になってしまった一条楽は、班員達の強い希望で「阿波弥大参寺(あわやだいさんじ)」という、お寺と神社が併設された場所へ向かう事になった。この情報を聞きつけた橘万里花は、早速阿波弥大参寺へ向かい、見つけた楽をなぜか弓矢で狙い始める。阿波弥大参寺で借りられる弓矢には、神主から強力なまじないがかけられており、この弓矢を女性が意中の相手に命中させれば、縁結び効果が期待できるのだという。それを知らない楽は、万里花のみならず、桐崎千棘小野寺小咲にまで狙われる。そして最終的に気絶し、鶫誠士郎も含めた四人から矢を射られるのだった。こうして阿波弥大参寺での時間は終わり、楽が千棘と合流すると、そこに電話がかかって来る。その内容は「ビーハイブ」がアメリカへ帰国するため、千棘はもう楽と恋人のふりをしなくてもよいというものであった。この報せに千棘はショックを受け、楽も納得ができずにいた。そこで千棘は、自分だけでも日本に残れるよう頼むがうまくいかず、アーデルト・桐崎・ウォグナークロードに黙って一条家に居候する計画を立てる。しかしそれは筒抜けで、千棘は帰国まで自宅に監禁されてしまう。

第19巻

一条楽は、桐崎千棘クロードの手によって監禁されている事を知り、鶫誠士郎と共に救出へ向かった。そこで楽はクロードと一対一の戦いになりかけるが、そこへアーデルト・桐崎・ウォグナーが到着、帰国は取りやめになった事を告げる。こうして千棘は引き続き日本で暮らせるようになり、楽にお礼をすると共に、告白をしようとする。しかし鈍感な楽は、千棘は自分にとってかけがえのない親友であると言い出し、告白は失敗に終わるのだった。その直後のクリスマスイブ、小野寺小咲は掃除中に絵本の切れ端を発見する。それは以前、橘万里花が小咲の部屋で発見した絵本の続きと思われ、小咲はこれを楽に報告。切れ端の中に楽が自筆で書き足した文章が見つかった事から、約束の女の子とは、小咲でほぼ間違いないという事になる。小野寺春の勧めで、二人はそのままデートする事になり、小咲の持っている鍵で楽のペンダントが開錠できるか鍵店に頼んで確かめる事にする。結局ペンダントは、以前奏倉羽が言っていた通り通常の方法では開錠できず、さらに絵本自体はもともと小咲のものではない事が発覚する。約束の女の子探しは振り出しに戻ってしまったが、楽と小咲はまた一つ距離を縮めるのだった。

第20巻

大みそかの日、橘万里花一条楽といっしょに初日の出を見るため、楽を南の島へ連れ去り、二人きりで過ごそうとしていた。しかし二人は移動中に遭難してしまい、さらに万里花が体調を崩してしまう。これによって楽は、万里花の病状が想像以上に悪い事を知るが、万里花は詳しく語らず、二人は無事初日の出を見たあと、本田曜子らに助けられて帰宅するのであった。その直後、桐崎千棘は現状から抜け出すため、今年から楽に積極的にアピールする事を決意、楽を楽しませるためのデートを企画し、その帰り際に現在好きな人がいる事を告白する。それを聞いた楽は動揺するが、それがまさか自分の事とは知らず、千棘の思い人が誰なのか気になってしまうのだった。そのまま奏倉羽の誕生日が訪れ、楽達はパーティに参加するが、その夜、業を煮やした夜はもうこれ以上待てないと、羽に縁談を用意。羽は夜からのサポートがあったにもかかわらず、楽に告白できなかった自分は、もはやあきらめるしかないと考える。しかしこれを偶然聞いていた万里花は、羽は一見自分よりも周囲を優先しているように見えるが、実際はただ自分が傷つかないようにしているだけだと指摘する。その通りだと感じた羽は、楽に告白する。しかし楽はこれを断り、羽は一条家を去る。だがこの直後、縁談は夜の嘘であり、夜は羽に発破をかけただけである事が発覚する。こうして羽は、引き続き凡矢理(ぼんやり)高校の教師でいられる事になる。

第21巻

2月になり、一条楽橘万里花と真剣に向き合うべく、万里花をふる決意をした。しかしバレンタインの日も万里花は欠席で、心配した楽と桐崎千棘は、お見舞いに行く事にする。そこで万里花は千棘が席を外した際に、楽の本命が小野寺小咲なのは知っているが、それでも自分は楽が好きだと再告白する。しかし楽が返事をする前に万里花は倒れ、本田曜子に連れて行かれる。そして翌日、楽達は万里花がそのまま転校した事を知るのだった。このままでは終われない楽達は、篠原御影に連絡する。御影から、万里花は母親・橘千花との約束で、もし万里花が学校に通えなくなるほど体調を崩す前に楽を振り向かせる事ができなければ、実家に強制送還、さらにそのまま、会った事もない男性と結婚させられてしまう事を聞く。どうにかして万里花を助けたい楽達は、御影と奏倉羽の協力もあり、全員で万里花の実家へ乗り込む。そこで千花に会った楽は、こんな横暴はやめてほしいと頼むが、千花は万里花に無関心で、とても実の母親とは思えない冷たい発言をするのだった。腹を立てた楽は、ついに強硬手段を決意、翌日の結婚式を台無しにする作戦に出る。

第22巻

橘千花は、一条楽達の妨害を阻止するべく、結婚式の開始を一時間早める事にした。それでも楽は式の開始直後に到着し、橘万里花の意思に沿わない結婚は断固阻止すると宣言、鶫誠士郎達と共に、橘家の者達と戦う事になる。そこに万里花の思いを守りたい本田曜子も加勢し、千花の拘束から抜け出した橘万里花の父親もまた、万里花を自由にするべきだと千花を説得する。こうして楽は万里花を連れ去る事に成功するが、楽が今後の相談をしようとした途端、万里花はもう凡矢理(ぼんやり)市には戻れない事を告白、自分の身体はすでに限界であり、橘家が管理している病院で長期間の治療を受けないと、完治は見込めない事を語る。結局、万里花を実家から解放する事は不可能なのかと楽は落胆するが、そこへ千花から電話がかかって来る。その内容は、もう橘家を万里花に継がせる気はないというものであった。こうして万里花はとうとう解放され、まずは治療のため、病院のあるアメリカに旅立つ事になる。そして万里花は別れ際、先日自分は小野寺小咲こそが楽の本命だと捉えていたが、現在の楽は桐崎千棘の事も同じくらい大切に思っていると指摘して去っていくのだった。

第23巻

一条楽橘万里花の指摘を受け、桐崎千棘小野寺小咲の二人を、同時に好きになっている事を自覚した。そんな楽に舞子集は、楽は自分自身を不誠実に感じているようだが、大切なのは最終的にどちらかをはっきり選ぶ事であると、アドバイスを送る。そのまま春になり、楽達は高校3年生に、小野寺春は2年生に進級する。未だに楽への思いを断ち切れない春は、せめて楽と距離を置こうと考えていたが、その直後に小野寺菜々子から、今度行われる「凡矢理(ぼんやり)和菓子コンテスト」で、楽、小咲、春の三人チームで入賞を目指すよう告げられる。大会当日、春は気持ちを切り替えて挑んだもののミスを連発。そんな自分を励ます楽に春は、実は楽と王子様が同一人物であると知っていた事、そして優しい楽にいつも助けられ感謝していることを伝える。こうして春は、あえて告白しない形で自分の恋を終わらせるのだった。その直後、楽と千棘はとうとう鶫誠士郎に、自分達の関係が偽物である事を知られてしまう。楽に思いを寄せる誠士郎は、自分にもチャンスがあるのではないかと考えるが、楽と千棘が共に自分にとって大事な存在である事から、楽に思いを告げるのはやめようと決意するのだった。

第24巻

宮本るりは、舞子集と共に迷子の少女ローサを保護した事がきっかけで、集への思いを自覚した。そして7月になり、一条楽達は50年に一度といわれる流星群を見るため、学校で天体観測する計画を立てる。さらにこの流星群には、思い人といっしょに見ながら告白すると、恋が成就する言い伝えがあるらしい。これを聞いた桐崎千棘小野寺小咲は、天体観測の日に楽に告白することを決意する。しかし当日、凡矢理(ぼんやり)市は台風に見舞われ、待ち合わせ時刻よりも早めに来ていた楽、千棘、小咲は帰宅もできず校内で過ごす事になる。それでも三人は楽しく過ごすが、片づけをしようとして転んだ小咲を楽がかばった事で、楽は気を失ってしまう。そこで千棘は治療道具を取りに行くため一度二人から離れるが、その際、小咲が昔から楽を思っていた事を知ってしまう。さらに後日、楽と集の会話を偶然聞いてしまった千棘は、楽と小咲がずっと前から両思いだった事を知るのだった。楽の事も小咲の事も大切な千棘は、身を引く事を決意、そして凡矢理高校を休学し、桐崎華のいるニューヨークで、しばらく頭を冷やす事にする。しかしそこで千棘は、華から例の絵本の作者が一条楽の母親であると知らされる。

第25巻

桐崎千棘は、一条楽の母親からのアドバイスを受け、12年前一条楽達と出会った、天駒(てんく)高原へ足を運ぶ事にした。これを聞きつけた楽、小野寺小咲鶫誠士郎舞子集、宮本るりの五人はさっそく現地へ向かうが、そこにクロードが現われ、楽を千棘に会わせないため襲い掛かる。誠士郎がクロードの説得を引き受けた事で楽は一人先へ進むが、すると今度は橘万里花が登場。実は自分は12年前の真相を知っていたが、それを話すと、自分が約束の女の子ではないとばれてしまうため、嘘をついていたと告白する。そんな万里花を楽は受け入れ、万里花は千棘の居場所を教えて去っていくのだった。一方その頃、小咲はるり達と別れ、かつて楽達と過ごした屋敷で千棘を探していた。そこで絵本の一部を発見した小咲は、すべてを思い出す。当時楽と小咲は両思いで、それを知った千棘は自分も楽に思いを寄せていながら小咲に譲った。そして楽と小咲は、ペンダントと鍵を使って結婚の約束をしたのである。つまり、小咲こそが約束の女の子だったのだ。このままでは、千棘が12年前と同じ選択をしてしまうと考えた小咲は、千棘を探すため走る。しかし当時の思い出の場所にいたのは、千棘ではなく楽だった。

スピンオフ

本作『ニセコイ』のスピンオフ作品に、小野寺小咲を主人公に据えた『マジカルパティシエ小咲ちゃん!!』がある。こちらは小咲が魔法少女に変身して戦うという、本編とは別の世界観のファンタジー作品で、もともと『ニセコイ』のコミックスの巻末に、おまけとして掲載されていたもの。しかしその後、筒井大志により『少年ジャンプ+』で2014年12月1日から2016年9月22日まで連載される事となり、コミックスは全4巻刊行されている。

メディアミックス

実写映画

2018年12月、本作『ニセコイ』の実写映画版が公開された。監督は河合勇人、脚本を小山正太と杉原憲明が担当し、一条楽役をSexy Zoneの中島健人、桐崎千棘役を中条あやみ、小野寺小咲役を池間夏海、橘万里花役を島崎遥香、鶫誠士郎役を青野楓がそれぞれ演じた。

小説

2015年4月から2015年の5月にかけて、本作『ニセコイ』の小説版『ニセコイ ウラバナ』シリーズが全3巻刊行された。作者は田中創で、イラストは原作者である古味直志自身が手掛けている。2巻である『ニセコイ ウラバナ2』には、『マジカルパティシエ小咲ちゃん!!』の小説版も掲載されている。また2018年12月には、平林佐和子による映画版の小説『映画 ニセコイ』と、小山正太と杉原憲明が脚本を担当し、はのまきみが執筆した映画版のノベライズ小説『ニセコイ 映画ノベライズ みらい文庫版』も刊行された。

ボイスコミック

2012年6月、本作『ニセコイ』のボイスコミック版が、集英社ジャンプ系列誌の情報番組「サキよみ ジャンBANG!」内のコーナー「VOMIC(ヴォミック)」にて公開された。こちらはTVアニメ版とは違う配役になっており、一条楽役を松岡禎丞、桐崎千棘役を戸松遥、小野寺小咲役を金元寿子が務めた。

ゲーム

2014年11月、PlayStation Vita用ゲームソフト『ニセコイ マジコイ!?』がコナミデジタルエンタテインメントより発売された。こちらはTVアニメ版第2期からそのままつながるオリジナルストーリーで、シナリオライターとして『ニセコイ ウラバナ』シリーズの作者・田中創も参加しており、ゲーム版のみのオリジナルキャラクターも登場する。

キャラクターブック 

2015年8月、本作『ニセコイ』のファンブックとして『ニセコイ オフィシャルファンブック トクレポ』が刊行された。また、2014年10月から2015年1月にかけては、桐崎千棘小野寺小咲橘万里花鶫誠士郎の四人をそれぞれ特集したアニメ版のファンブック『[NISEKOI 4seasons]』も刊行された。

登場人物・キャラクター

一条 楽 (いちじょう らく)

髪にバレッタを着けていて、右のこめかみには傷がある。集英組というヤクザの組長の一人息子だが、家を継ぐつもりはなく将来の夢は堅実な公務員。同じクラスの小野寺小咲の事が好きだが、ギャング組織ビーハイブのボスの娘である桐崎千棘と3年間恋人を演じるよう父親から義務付けられる。小野寺小咲とは実は両思いなのだが、恋愛に関してはかなり鈍感で全く気がついていない。 10年前にとある少女と結婚の約束を交わしており、少女から貰った鍵穴があるペンダントを所有していて、いつも持ち歩いている。しかし、約束の内容はしっかりと覚えているものの、少女の顔と名前は思い出せないでいる。料理上手で組のごはんを作っている。小野寺小咲の家の和菓子屋を手伝いに行った際には小野寺小咲の母親にその腕を認められている。

桐崎 千棘 (きりさき ちとげ)

日本人の母とアメリカ人の父のハーフ。金髪ロングヘアに碧眼。昔母親からもらった赤いリボンを頭に付けている。ギャング組織ビーハイブのボスの娘。家の都合で、ヤクザの集英組の組長の一人息子一条楽と3年間恋人を演じるよう義務付けられる。幼少期に書いた日記帳に挟まれていた鍵を見つけ、「ザクシャ イン ラブ(愛を永遠に)」という言葉と幼い頃に遊んだ少年のことを思い出すが、少年の顔や名前や約束した内容は忘れてしまっている。 運動神経がとてもよく、2メートルの塀も飛び越える事ができ、勉強もできる。しかし、りんごの皮をむくと芯だけになってしまうくらい料理の腕は破壊的。昔洗濯機ににハマッて5時間動けなくなってから、暗くて狭い場所が苦手。 はじめは一条楽のことをなんとも思っていなかったが、次第に彼に惹かれていき、一条楽の事を好きだと気がつく。

小野寺 小咲 (おのでら こさき)

左サイドの髪が長いアシンメトリーな髪型をしている。一条楽とは同じクラス。一条楽に好意を寄せており、両思いであるのだが本人達は気づかないままである。幼少期にとある少年に貰った鍵を所有している。少年がペンダントをしていることと約束をしたことは覚えているが、約束の内容と少年の顔や名前は忘れてしまっている。 実家は和菓子屋。舌や盛り付けに関してはすばらしいが、とてもまずい料理を作る。ただし、極まれにおいしいものができるときがある。カナヅチ。一条楽と桐崎千棘が恋人のフリをしているのは桐崎千棘から聞いて知っている。クラスの女子から「寺(でら)ちゃん」と呼ばれることがあり、男子の人気も高い。

鶫 誠士郎 (つぐみ せいしろう)

クロードに幼い頃に拾われた孤児で、特殊訓練と英才教育を受けて育てられた優秀なヒットマン。アメリカ裏社会での通り名は「黒虎(ブラックタイガー)」。ぱっと見かっこいい男の子に見えるが実は女の子。学校では動きやすいからということから、ブレザーにズボンを着用している。実は結構な巨乳。誠士郎という名前は、クロードが拾ったときに男の子だと思ったため、名前辞典から適当につけられた。 そして10年たってもクロードはまだ鶫誠士郎のことを男だと思っている。桐崎千棘とは遊び相手として小さい頃から一緒に育った仲で、桐崎千棘のことを「お嬢」と呼ぶ。クロードの命令で桐崎千棘の側について見聞を広めろと言われ、同じ学校に転校してきた。 男の子だと間違われないようにと桐崎千棘がくれたリボンを髪につけている。一条楽と関わるうちに彼のことを好きになる。

橘 万里花 (たちばな まりか)

一条楽と橘万里花の父親同士が二人が幼い頃に勝手決めた許婚。一条楽はそのことは全く知らなかったが、橘万里花はずっと一条楽と結婚する事を夢見て、結婚できる年齢になって一条楽のいる学校に転校してきた。一条楽のことを「楽様」と呼び、人前も気にせずに熱烈なアタックをする。 しかし、逆に一条楽に誉められたりすると、とてもテレまくってしまう。父親は警視総監を務めていて、とても過保護。実は病弱で幼い頃、山の療養所に行き、そこで一条楽と出会った。今でも薬を服用していて身体が弱いが、そのことは隠している。普段はお嬢様のような話し方だが、興奮すると九州弁になる。幼い頃の一条楽が、長い髪が好きだからと言ったことから髪をのばしている。 学校の制服はみんなとは違うセーラー服を着用。

舞子 集 (まいこ しゅう)

一条楽の幼なじみでクラスメイト。眼鏡をかけている。一条楽と桐崎千棘が恋人のフリをしているのを知っている。また一条楽が小野寺小咲の事を好きなことも知っている。高校に入ってすぐ、担任のキョーコ先生に一目惚れ。キョーコ先生が結婚して寿退社する事が決まり、最初は自分の想いを伝えるつもりは無かったが、一条楽の後押しで告白するが振られる。 スケベで軽い言動からよく宮元るりや鶫誠士郎らに殴られている。

宮本 るり (みやもと るり)

一条楽のクラスメイトで小野寺小咲の親友。小柄で眼鏡をかけている。水泳部所属。小野寺小咲が一条楽の事を好きなことを知っていてアタックしろとけしかけている。一条楽と桐崎千棘が恋人のフリをしているのは桐崎千棘から聞いて知っている。かなりクールで表情の変化が少ない。成績はかなり優秀。 舞子集のちょっとスケベで軽い言動には即座に制裁をあたえている。

ポーラ・マッコイ

ギャング組織ビーハイブのヒットマン。鶫誠士郎と境遇が似ていて、親も兄弟なく、ビーハイブに拾われてヒットマンになった。通り名は「白牙(ホワイトファング)」。ひたむきで、努力家で自分に厳しい。ただその実力と高いプライドから同期の中ではやや孤立気味だった。鶫誠士郎が現れるまでは同世代ではトップのスコアだったが、鶫誠士郎にあっさり抜かれ、鶫誠士郎を目標にしてきた。 何もいわずに行ってしまった鶫誠士郎を追って日本に来て勝負を挑むが、負かされてしまう。その後長期の休暇を利用して、日本に滞在する事になる。滞在中は鶫誠士郎が私用で借りているアパートに居候し、凡矢理高校の一年に入学し、小野寺春のクラスメイトになる。 鶫誠士郎が一条楽の事を好きなことに気がつき、あれこれ画策してけしかけている。カナヅチ。

小野寺 春 (おのでら はる)

小野寺小咲の妹。中学は寮のある女子校に通っていて実家を出ていた。高校は家の近くの、一条楽たちが通う凡矢理高校に入学。入学初日に不良に絡まれて一条楽に助けられるが、気を失ってしまったため誰が助けてくれたのか顔も名前も解っていない。姉の小野寺小咲をとても慕っていて、姉が一条楽の事を好きな事を知ってはいるが、周りの噂や、不慮の事故でパンツを見られたことから一条楽を敵対視している。 しかし、和菓子などの趣味嗜好は一条楽と同じで話があう。

一条 一征 (いちじょう いっせい)

集英組というヤクザの組長。ギャング組織ビーハイブのボスであるアーデルト・桐崎・ウォグナーとは古い仲だが、現在組織同士で全面戦争になりそうな関係。その全面戦争を回避するために、息子の一条楽にアーデルト・桐崎・ウォグナーの娘、桐崎千棘とニセでいいいから恋人になれと命令する。 また橘万里花の父親とも古い仲であり、酔った席で一条楽と橘万里花の結婚の約束を橘万里花の父としたことをすっかり忘れていた。

アーデルト・桐崎・ウォグナー (あーでると・きりさき・うぉぐなー)

桐崎千棘の父親で、ギャング組織ビーハイブのボス。一条楽の父親である集英組の組長とは古い仲。集英組との全面戦争をさけるために、娘の桐崎千棘と一条楽を恋人同士にする計画をたてる。ギャングのボスだが嫁の桐崎華に恐怖し、尻に敷かれている。

桐崎 華 (きりさき はな)

桐崎千棘の母親。世界中に会社を持っている女社長。年収が数百億ドル超えたこともある。スケジュールは10年先までビッシリ。ギャング組織ビーハイブの人間からは、名前の華から「マダムフラワー」と呼ばれている。怒るととても怖い。何かくわえていないと落ち着かないという事で、いつもココアシガレットをくわえている。 タバコは昔吸っていたが、桐崎千棘を授かってやめた。娘の桐崎千棘には、はたから見ると冷たい対応をしているように見えるが、実は桐崎千棘に対しては不器用で鈍感なだけで、とても娘の事を愛している。

クロード

ギャング組織ビーハイブの一員。表面では桐崎千棘に一条楽という恋人ができたことを喜んでいるが、実は桐崎千棘が騙されているのではないかと疑って監視していたりする。桐崎千棘が学校に行くときには護衛し、出かける先には銃を持ってウロウロしたり、交友関係にもチェックを入れたりして、かなり過保護。

星原 律 (ほしはら りつ)

凡矢理(ぼんやり)高校に通う1年生の女子で、小野寺春と彩風涼の後輩。一条楽達が高校3年生に進級した際に入学したため、学年は二つ下にあたる。前髪を目の上で切り、ふんわりとしたロングヘアを、頭の高い位置で二つに結んだツインテールの髪型をしている。春と涼とは範成(はんなり)中学校に通っていた頃、弓道部の先輩後輩として知り合い、春を慕っている。そのため、涼とは春を大切に思う者同士であるがゆえに相性が悪く、会えば火花を散らしている。

セッカチーノ

「ビーハイブ」の敵対組織のボスを務める中年男性。前髪を上げて額を全開にした撫で付け髪にしている。体型は小太りで、口ひげを生やして両目の下に深いクマがある。鶫誠士郎の事は知っているが、男性だと思い込んでいる。極秘資料の入ったディスクを肌身離さず持ち歩いており、それを「ビーハイブ」に狙われていた。ある日、日本で男女ペア限定の船上パーティを開催する事になり、そこに一条楽と誠士郎が潜入している事を知らずに乗船させる。そこで女性の格好をしている誠士郎に何度も接近されるが正体に気づかず、油断をした誠士郎が、であればどんな格好をしていても気づかないのではと男装して再度近づいたところ、ようやく誠士郎が船内に紛れ込んでいる事に気づく。そこで楽と誠士郎を追い詰め、辱めようとするが、怒った楽がそれを止めた瞬間、遠隔地からサポートしていたポーラ・マッコイの攻撃に遭う。そして、この隙をついた誠士郎に倒され、ディスクを奪われた。バニーガール姿の女性と、スクール水着姿の女性が大好き。

小野寺 菜々子 (おのでら ななこ)

菓子店「和菓子 おのでら」の店主を務める女性で、小野寺小咲と小野寺春の母親。一条楽の母親、桐崎華、橘千花とは、かつて仲のいい友人だった。前髪を長く伸ばして真ん中で分け、腰まで伸ばした黒のストレートロングヘアを、首の付け根の位置で一つに結んでいる。明るく豪快で、細かい事を気にしない性格。しかしやや強引すぎるきらいがあり、一条楽達を無断で和菓子コンテストにエントリーさせるなど、物事を勝手に決めてしまう事がある。また商売敵には厳しく、一時期楽が知人の手伝いでライバル店でアルバイトした際には、楽を敵視していた。楽とは小咲から紹介される形で知り合い、やがて時々アルバイトとして雇うようになる。当初は楽が料理上手であるといっても、和菓子作りを任せられるほどの腕ではないだろうと捉えていた。しかし、アルバイトに来た頃はまだプロ並みとはいかなかったが、どんどん腕を上げてきた楽に店を任せるようになる。

蝶ノ内 羽子 (ちょうのうち はねこ)

四狩(しかり)女学院に通う2年生の女子。一条楽達とは楽達が高校2年生になってから知り合ったため、学年は同じ。前髪を目の高さまで伸ばして真ん中で分けて額を見せ、髪の毛を腰の高さまで伸ばした巻き髪ロングヘアにしている。釣り目でまつ毛が長く、スタイル抜群。気高くプライドの高い性格で、丁寧なお嬢様口調で話す。水泳部に所属しており、通称「水上のバタフライ」と呼ばれるエース選手。種目は自由形で、1年生の時は地区大会の自由形で優勝した。今年も同様に優勝し全国大会へ行くつもりだったが、今年は中学生時代多数の記録を塗り替えた宮本るりが参加すると聞き、競うのを楽しみにしていた。しかし地区大会当日、るりがイメージとは全然違う貧弱な体型だった事に驚く。その後予選ではるりに勝利したものの、るりの態度が気にくわない四狩女学院の生徒達が嫌がらせで投げ込んだ空き缶に、るりではなく蝶ノ内羽子が足を滑らせて転びかける。それをるりがかばった事により、るりが足にケガをしてしまう。これを申し訳なく思いつつも決勝に挑んだところ、本気を出したるりに敗北し、るりの実力を認めた。

橘 千花 (たちばな ちか)

橘家の当主を務める女性。橘万里花の父親の妻で、橘万里花の母親。一条楽の母親、桐崎華、小野寺菜々子とは、かつて仲のいい友人だった。前髪を目の上で切り、頭の付け根まで髪を伸ばしたショートカットの髪型をしている。容姿が非常に若々しく、万里花の母親どころか、万里花の双子の姉妹と言われても信じてしまいそうなほどに若い。クールで感情を表に出さない性格をしている。生まれつき体が弱く、万里花よりもさらに病弱だったため、自由に外を出歩く事もできずに生きて来た。そして家の都合で結婚相手を決められ、現在に至る。橘家の女性に自由がないのは当然の事だと捉えており、万里花も同様の生き方をすべきだと考えている。そのため万里花に対して、実の母親とは思えない冷たい態度を取る。そして、万里花が高校1年生の時、凡矢理(ぼんやり)高校への転校を許可するが、その交換条件として、一条楽を振り向かせる事ができなければ、強制的に連れ戻す事を決める。その後はこれまで橘家の女性達がそうして来たように、自分が決めた男性と結婚するよう命じた。しかし、万里花が高校2年生の冬に実際にそうなった際、駆け付けた楽達の姿を見た事と、夫からも説得された事で考えを改める。結果、橘家を自分の代で終わらせる事にし、万里花に自由を与えた。

ローサ

舞子集と宮本るりが、高校3年生の夏に街で出会った迷子の少女。前髪を目の上で切って真ん中で分けて額を見せ、髪の毛を腰まで伸ばした、ゆるいロングウェーブにしている。英語しか話せないため、街で両親とはぐれ迷子になっても周囲の日本人とコミュニケーションが取れず困っていたところ、英語を話せるるりが声をかけてくれた事で安堵する。その後、集とるりと共に両親を探し、無事に合流した。

宮本 吉三 (みやもと よしぞう)

宮本るりの曽祖父で、年齢は一条楽達が高校2年生の時点で100歳。体型は小柄で頭をスキンヘッドにしている。丸眼鏡をかけ、和服を着ている。明るくノリのいい性格で、「死ぬまでに一度でいいから」が口癖。老い先短い事を理由に、周囲に言う事を聞いてもらおうとする、わがままなところがある。るりの気難しく、誤解されやすい性格を案じており、楽しく学校生活を送れているか心配していた。そこでるりが高校2年生の夏、体調が悪いので、死ぬまでに一度でいいからるりの恋人に会いたい、とわがままを言ってるりの帰省時に恋人を連れて来させようとした。楽と舞子集とはその時に出会い、るりがついた嘘により、当初は楽がるりの恋人であると思っていた。当初は元気に振る舞っていたため、るりには体調不良は嘘であると思われていた。しかし、宮本家の女中から本当に宮本吉三の体調は悪化していると知ったるり達は、嘘をつくのをやめ謝罪し、るりの楽しい学校生活を集が撮った写真を交えて教える事で吉三を安心させた。そしてるり達が、凡矢理(ぼんやり)市に帰った1週間後に亡くなった。テレビゲームが得意で、るりと対戦した時も圧勝した。

本田 曜子 (ほんだ ようこ)

橘家の隠衛(かくれこのえ)で、橘家当主である橘千花に仕える若い女性。橘万里花が生まれてからはずっとお付きとして傍におり、万里花が体調が悪いのを押して無理をしすぎないよう、つねに監視している。前髪を右側は上げて額を見せ、左側は鼻の下まで隠れるほど伸ばし、髪の毛を胸の下まで伸ばした黒のロングヘアにしている。左目は髪の毛に隠れていて見えず、つねにスーツ姿。本名は「曜子」で、当代一の隠衛と認められた際に「忍」という称号も得ている。クールで感情を表に出さない落ち着いた性格の持ち主。代々橘家に仕えて来た一族の娘で、隠衛として身辺警護、諜報活動、敵性勢力の監視、情報操作、破壊工作といった危険な裏の仕事を生業としている。そのため、本気を出した鶫誠士郎には敵わないものの、非常に高い戦闘能力を持つ。幼い頃から万里花に仕えるうち、万里花の病弱でありながらも恋愛に関して誰にも負けない情熱と熱意をそそぐ、努力家でひたむきな人柄を応援したいと思うようになる。しかし、もし万里花の体調が悪化した際には、どれだけ万里花に憎まれようとも強制的に連れ戻し、治療をさせようと考えていた。だが、一条楽達と接するうちに考えを改め、万里花の身体よりも万里花の意思を尊重して行動する方針に変えた。

日原 教子 (にちはら きょうこ)

凡矢理(ぼんやり)高校で英語教師を務める20代の女性。一条楽達のクラス、1年C組の担任でもある。その後、楽達が進級したあとも結婚退職するまで、楽達のクラスである2年C組を担任した。前髪を目の上で切り、ロングヘアを頭の低い位置でバレッタで一つにまとめて、眼鏡をかけている。男性のような口調で話す。明るくおちゃめな性格で生徒から人気があり、教師だが「キョーコちゃん」と「ちゃん」付けで呼ばれている。楽達とも仲がよく、舞子集からは密かに思いを寄せられていた。しかし、楽達が高校2年生の一学期の時に結婚退職する事になり、その際初めて集の思いを知った。

篠原 御影 (しのはら みかげ)

九州の高校に通う2年生の女子で、橘万里花の友人。一条楽とは楽が高校2年生の時に出会ったため、年齢と学年は同じ。前髪を目の上で切りそろえ、髪を腰まで伸ばした茶色の姫カットの髪型をしている。赤い玉の形の髪飾りを付けており、太眉。博多弁で話す。明るく積極的な性格の持ち主で、女性全般が大好き。特に胸の大きな女性が好きで、鶫誠士郎の事がお気に入り。またセクハラ発言も多くするため、万里花からは見た目はかわいいが、内面はおじさんのようであると評されている。万里花とは中学時代からの付き合いで、当時万里花が病弱なためにクラスへの合流が遅れたのを機にいじめグループを結成し、万里花をいじめていた。しかし、いじめを始めた十日後には万里花に逆襲され、グループは壊滅した。それを機に万里花を認め親しくなり、友人となった。その後、高校2年生のある日、万里花の通う高校がどのようなものか知りたいと考え、凡矢理(ぼんやり)高校に一日体験入学をする。楽達とはその際に知り合い、親しくなった。体験入学終了後も万里花を案じており、万里花が家庭の事情で突如矢理(ぼんやり)高校を去ってしまった際には楽達と協力して、いっしょに万里花を救出した。

鈴屋 透 (すずや とおる)

凡矢理(ぼんやり)高校に通う1年生の男子。前髪を目が隠れそうなほど伸ばし、後ろの髪を肩につくほどまで伸ばしたウルフカットにしている。男子サッカー部に所属しており、成績優秀でスポーツ万能。さらに美形なため、女子から非常に人気が高い。鶫誠士郎に思いを寄せており、高校1年生の夏、誠士郎の靴箱にラブレターを入れて呼び出す。しかし恋愛に関する知識の薄い誠士郎は、受け取った当初、鈴屋透がラブレターを送った意図や、交際するという言葉の意味がわからず困っていた。これを案じた一条楽が誠士郎にアドバイスした結果、透はふられてしまったものの、思いは正しく伝わった。

奏倉 羽 (かなくら ゆい)

チャイニーズマフィア「叉焼会(ちゃーしゅーかい)の首領を務める女性。年齢は19歳。凡矢理(ぼんやり)高校の教師でもあり、2年C組の担任と、英語教師、音楽教師代理を務めている。一条楽の幼なじみで楽達とは2歳離れており、学校は飛び級をした結果、19歳で教員資格を得た。前髪を目の上で切り、腰まで伸ばした藍色のストレートロングヘアにしている。仕事中はこれを二本の三つ編みにしてまとめ、眼鏡をかけている事が多い。明るく親しみやすい性格で、リーダーシップにもあふれ、さらに容姿端麗なうえに頭脳明晰という、一見完璧な女性。しかし、結果を出さないと周囲から見捨てられてしまうのではという潜在的な恐怖を抱えており、期待に応えたいあまり無理をしすぎては体調を崩してしまう事を繰り返している。また極度の音痴で、料理はギョーザしか作れないという意外な弱点がある。数年前に両親を亡くし、世襲制で本来奏倉羽の親が継ぐはずであった「叉焼会」を代わりに継いだ。しかし兄弟もいなければ頼れる親類もいないため、楽の事を最後の家族のように思いながら、異性としても思いを寄せているという複雑な状況にある。子供の頃から他人の布団に潜り込んで眠る癖があり、19歳になった現在でも治っておらず主に楽を困らせている。しかしこれは嘘で、実際は楽といっしょに眠るための口実である。

福田 任二郎 (ふくだ にんじろう)

凡矢理(ぼんやり)高校2年C組の副担任を務める男性教師。年齢は31歳。一条楽達が2年次に副担任となり、一学期に日原教子が結婚退職し、その後奏倉羽が新担任として赴任するまでは、一人でクラスを受け持っていた。前髪を目の上で切った刈り上げの短髪で、顎ひげを生やしている。面倒くさがりな性格で、嫌な事は後回しにするタイプのため、問題児揃いの2年C組の生徒達には手を焼いており、特に進路相談はおっくうに感じていた。それでも全日程を通じて何とか羽と共に全員分の進路相談を終えるが、ぐったり疲れ切ってしまった。

橘万里花の父親 (たちばなまりかのちちおや)

警視庁で警視総監を務める中年の男性。橘千花の夫で、橘万里花の父親。前髪を上げて額を全開にした、ツートンカラーの撫で付け髪。左目の上から鼻の下にかけて一本線の大きな傷跡があり、これはかつて一条一征につけられたもの。三白眼で目つきが悪く、長身でがっしりとした体型の強面。そのため非常に怖い雰囲気を醸し出し、警察関係者というよりは一征同様に、やくざに勘違いされる事が多い。ふだんは穏やかな口調だが、万里花同様、怒ると博多弁になる。しかし話が通じないという事はなく、たとえば万里花と一条楽の関係においても、万里花の気持ちを尊重しつつも、楽を無理やり従わせるような事はしない。一征とは因縁が深く、一征を一人の男性として認めつつ、いつかこの手で逮捕したいと考えている。10年前、万里花が楽に思いを寄せている事を知り、一征と話して二人を許嫁にする。しかし、一征が冗談半分で約束した事を理解しておらず、10年後の楽達が高校1年生になった夏、万里花を凡矢理高校に転校させた。そのため、楽の事は10年前から知っているが面識はなく、楽達が高校1年生の夏、楽が橘家を訪問した事で出会った。その際、楽から万里花以外に思いを寄せる女性がいる事を告白されるが、あくまで楽の許嫁は万里花であると釘を刺しつつ、ひとまずその話を受け入れた。

喜喜 美々子 (きき みみこ)

凡矢理(ぼんやり)高校に通う1年生の女子。一条楽とは楽達が高校2年生の時に知り合ったため、学年は一つ下にあたる。前髪を目の上で切り、髪の毛を顎の高さまで伸ばした内巻きボブにしている。たれ目で眠そうな目をしており、大きな丸眼鏡を額にかけている。新聞部に所属しており、早くもエース記者として期待されている。そこで高校1年生の秋、かねてから本当に交際しているのか怪しいと考えていた楽と桐崎千棘に、インタビューをして真相を確かめる事にする。そこで、やはり二人は偽物の恋人関係なのではと疑うが、楽が席を外した際改めて千棘に質問したところ、少なくとも千棘は間違いなく楽に思いを寄せている事を確信。自分の推測は誤りであったと知り、二人の関係は嘘であると報道するのはやめた。

小太郎 (こたろう)

凡矢理(ぼんやり)市の、とある老人の家で飼われている犬。犬種は不明。白と黒のツートンカラーで、たれ耳。三白眼で目つきが悪い。ある日、飼い主である老女が目を離した隙に家を飛び出してしまい、そこを一条楽と桐崎千棘に発見される。その際、小太郎が偶然道に置かれていた段ボールに入って休んでいたために捨て犬と勘違いされ、里親が見つかるまで、楽と千棘が世話をする事になる。そのあいだは名前がわからないため、便宜上「ポンチ」と呼ばれていた。当初は千棘を警戒していたが、千棘と打ち解けた頃、小太郎の捜索を始めていた飼い主と再会して自宅に戻る事になった。

神主 (かんぬし)

凡矢理(ぼんやり)市にある神社で神主を務める年老いた女性で、本名は不明。凄腕の霊能士としても知られている。前髪を上げて額を全開にし、ロングヘアを頭頂部で玉ねぎのような形のお団子にしてまとめている。体型は非常に小柄で、サングラスをかけて和服を着ている。明るく親しみやすい性格で、英語を交えて話す。霊能士として過去凡矢理市を救った事もある有名人で、神主と同世代の凡矢理市民で知らない者はいないとまで言われている。また七夕には、市内で使う七夕用の笹を用意する仕事もしており、神主が力を込めた笹に短冊をかければ、書いた願いが高確率で叶うと噂されている。一条一征とは知り合いで、一条楽達が高校1年生の冬、一征の紹介で楽、桐崎千棘、小野寺小咲、鶫誠士郎、橘万里花、舞子集がアルバイトする事になったのがきっかけで六人と知り合った。その際、楽の身体に大量の怨霊がついている事に気づき、千棘達女性四名に除霊の手伝いをさせる。最終的に除霊には成功したものの、楽が元から抱えている女難の相は簡単には終わらず、当面続くだろうと予言した。京都にある、縁結び神社とお寺が併設された場所「阿波弥大参寺(あわやだいさんじ)」で神主を務める双子の妹がいる。

一条楽の母親 (いちじょうらくのははおや)

絵本作家の女性。一条一征の妻で、一条楽の母親。また小野寺菜々子、桐崎華、橘千花とは、かつて仲のいい友人だった。顔が意図的に隠されているが、腰まで伸ばしたストレートロングヘアで体型は細め。エスニックな服装を好んで着ている。世界各地を転々としながら執筆活動を行っており、楽が中学校を卒業してからは、家の事は完全に楽に任せて一度も戻っていない。楽達が高校3年生の夏にはアメリカにおり、華も住所を知っていた。これによって桐崎千棘と再会し、千棘にかつて楽達に起きた出来事と、自作の絵本である「ザクシャ・イン・ラブ」について話す事になる。

彩風 涼 (あやかじ すず)

凡矢理(ぼんやり)高校に通う1年生の女子で、小野寺春の友人。一条楽達が高校2年生に進級した際に入学したため、学年は一つ下にあたる。前髪を目の上で切り、肩につくほどまで伸ばした焦げ茶色のセミロングヘアのうち、左側の一部だけを三つ編みにしてまとめている。苗字が「彩風」である事から、春からは「風ちゃん」と呼ばれている。いつも笑顔の穏やかな性格で、春の相談に乗る事が多い。そのため、春が楽に思いを寄せている事を察しており、春が思いを伝えられるよう、やや強引な手助けをする事もある。後輩の星原律とは、範成(はんなり)中学校に通っていた頃、弓道部の先輩後輩として知り合った。しかし、春を大切に思う者同士であるがゆえに相性が悪く、会えば火花を散らしている。

マルーシャ・ル・ヴィエ・ノンビ〜リ

ノンビ〜リ王国の第一王女である16歳の女子。一条楽とは楽達が高校2年生の時に知り合った。前髪を目が隠れそうなほど伸ばし、腰まで伸ばした金色の髪の毛をハーフアップにしてまとめている。両耳に、大きな白いイヤリングを付けている。顔立ち、髪形、体型のすべてが桐崎千棘にそっくりで、見分けがつかないほどよく似ている。しかし、性格は千棘とは対照的に、穏やかでおっとりしている。幼い頃に母親を亡くして以来、父親に過保護にされて育ち、ほとんど自由がない状態で生きて来た。楽達が高校2年生の秋、日本へ親善大使として来日するが、その際母親が生前好きだった国である日本を観光したいという思いから、滞在先のホテルを抜け出す事を決意。逃亡中、偶然出会った楽と千棘の協力を得て、千棘がマルーシャ・ル・ヴィエ・ノンビ〜リと入れ替わるという方法で、観光する時間を手に入れる。これによって一日楽の案内で凡矢理(ぼんやり)市観光を楽しみ、楽に淡い恋心を抱くようになる。しかし思いは告白せず、感謝を告げて帰っていった。日本語は来日時のスピーチのために学んでいたがあまり得意ではなく、楽達と会話する時は主にスマートフォンの翻訳機を使って話していた。

相葉 右助 (あいば みぎすけ)

警察機動隊第一部隊隊長を務める若い男性で、橘万里花の知人。橘万里花の父親が警視総監であるという立場上、万里花の事は「お嬢様」と呼び、従者のような態度で接する。前髪を右側は前に垂らし、左側は上げて額を見せた短髪。明るくまじめな性格をしている。しかし学校はずっと男子校で、職場も男性中心なため恋愛経験に乏しく、色恋沙汰は苦手。さらに性的な知識に欠けており、若い女性は男性に身体を触れられただけで妊娠してしまうと思い込んでいる。一条楽達が高校2年生の夏、万里花のお付きである本田曜子に思いを寄せるようになるが、容子と親しくなるにはどうしたらいいかわからず、万里花に相談する。その際楽からもアドバイスを受けたが結局うまくいかず、曜子には冷たくあしらわれてしまう。

(いえ)

チャイニーズマフィア「叉焼会(ちゃーしゅーかい)の一員の中国人女性。奏倉羽の身辺警護を務めている。前髪を目の上で切り、ロングヘアを二つに結んで頭頂部にお団子を二つ作り、残りの髪の毛を垂らしたツインテールの髪型をしている。実年齢は不明で、一見小学生程度にしか見えない。しかし本人いわく、出会った当時高校2年生の一条楽よりも年上。また日本語は問題なく話せるが、やや片言である。羽が叉焼会に入った頃から教育係を務めており、羽が周囲の期待に応えようとするあまり、本心を抑え込んで無理をするという性格を案じている。そのため羽が日本へ戻り、自分も同行して一条家で暮らす事になった際も、羽が素直になり、楽に思いを伝えられるように陰ながらサポートしていた。しかし、それでも羽が一歩踏み出さない事にじれて、楽達が高校2年生の冬、羽に縁談が来ているので、楽の事はあきらめて叉焼会のために結婚しろと嘘をついて発破をかけた。もしこれでも羽が行動を起こさなければ一度いっしょに中国に帰ろうと考えていたが、結果、羽はついに楽に告白。この結果に満足し、羽が次に本当に好きになれる人ができるまでは、無理に結婚をさせない事にした。

その他キーワード

約束の女の子 (やくそくのおんなのこ)

一条楽が、10年前の5歳の頃に旅行先で出会い、愛を誓った相手。当時楽と非常に親しくしていたものの、楽の記憶はあいまいで、それが誰なのかははっきり思い出せていない。そのため、条件に合致する桐崎千棘、小野寺小咲、橘万里花、奏倉羽の四名が候補となっていた。しかし、最終的に小咲であった事が判明する。楽と約束の女の子は旅行中のある夜、楽が一人で外出したところ、泣いている彼女を発見したため、心配して声をかけた。そこで楽は、彼女は今読んでいた絵本「ザクシャ・イン・ラブ」の内容が悲しくて泣いていた事を知り、結末を書き換えて笑顔にさせた事で、さらに親しくなった。その後二人は「ザクシャ・イン・ラブ」の内容になぞらえて愛を誓い、再会した際には楽が持つ錠の付いたペンダントを約束の女の子が持つ鍵で開け、中に入れた手紙と指輪を二人で取り出す約束をした。

ザクシャ・イン・ラブ

一条楽の母親が書いた絵本。作中に致命的な誤りがあったために一般には流通しておらず、破棄するのはもったいないと考えた桐崎華が、楽の母親から譲り受けた。さらにその後小野寺家に渡り、現在ではほぼすべてのページを小野寺小咲が保管している。内容は別々の王国に住む王子と姫が出会い、将来結婚の約束をするが、王子と姫の国が戦争を始めた事により、二人は離れ離れになってしまう。そこで二人は別れの際に、王子は錠の付いたペンダント、姫はその錠を開けられる鍵を持ち、中に宝物を入れていつか再会した時に開錠しようと約束する。その後王子は、姫の持つものとは違う鍵を持った持った三人の少女に助けられながら姫との再会を目指すが、最終的には悲恋に終わるというもの。楽の母親は、二人の誓いの言葉をポーランド語で「愛を永遠に」を意味する言葉にしようと思い「ザクシャ・イン・ラブ」とした。しかしのちにこれは誤訳で「ザクシャ」のみがポーランド語、「イン・ラブ」は英語という二言語交じりになってしまった事から、お蔵入りを決意した。そのため華が譲り受けた一冊しか存在しておらず、その本も何ページかが破れ、最後のページは桐崎家の別荘で保管されていた。

アニメ

ニセコイ

極道一家「集英組」の跡取り息子だが平凡な高校生・一条楽。彼は、幼いころに仲良くなった女の子と「再会したら結婚する」という約束をして、そのときもらったペンダントをいつも大切に持っていた。ある日、楽のクラ... 関連ページ:ニセコイ

書誌情報

ニセコイ 全25巻 集英社〈ジャンプ・コミックス〉 完結

第1巻 ヤクソク

(2012年5月発行、 978-4088704548)

第2巻 ザクシャインラブ

(2012年7月発行、 978-4088704708)

第3巻 ヨビカタ

(2012年8月発行、 978-4088705033)

第4巻 カクニン

(2012年11月発行、 978-4088705385)

第5巻 タイフウ

(2013年1月発行、 978-4088706023)

第6巻 ホンバン

(2013年3月発行、 978-4088706306)

第7巻 キッカケ

(2013年6月発行、 978-4088706658)

第8巻 ギリギリ

(2013年9月発行、 978-4088708058)

第9巻 カミカゼ

(2013年11月発行、 978-4088708386)

第10巻 スキナコ

(2014年1月発行、 978-4088708904)

第11巻 ハナタバ

(2014年3月発行、 978-4088800264)

第12巻 オマツリ

(2014年5月発行、 978-4088800585)

第13巻 アンシン

(2014年8月発行、 978-4088801520)

第14巻 ネエサン

(2014年10月発行、 978-4088801926)

第15巻 ミスコン

(2014年12月発行、 978-4088802220)

第16巻 ソックリ

(2015年2月発行、 978-4088803036)

第17巻 オジョウ

(2015年4月発行、 978-4088803302)

第18巻 イチゲキ

(2015年6月発行、 978-4088803661)

第19巻 センタク

(2015年8月発行、 978-4088804460)

第20巻

(2015年11月4日発行、 978-4088804835)

第21巻

(2016年1月4日発行、 978-4088805801)

第22巻

(2016年4月4日発行、 978-4088806501)

第23巻

(2016年6月3日発行、 978-4088807171)

第24巻

(2016年8月4日発行、 978-4088807492)

第25巻

(2016年10月4日発行、 978-4088808055)

SHARE
EC
Amazon
無料で読む
マンガリスト
logo