概要・あらすじ
森宮依人は、入院している唯一の肉親である森宮蒼乃の看病をしながら一人暮しをしていた。「空」の写真を撮ることが好きな依人は、海岸沿いの公園で夜明け前の空を撮ろうとしていた時、自動販売機を蹴り飛ばそうとしていた四方茉莉と出会う。後日、偶然にも依人が再会した彼女は、謎の人物による突然の襲撃にさらされていた。
辛くも襲撃の手を逃れた2人だったが、茉莉は傷つき倒れてしまう。彼女を介抱しようと傷口を見た依人は、そこで先ほどできたばかりの深い傷がすぐさま治っていく不可思議な光景を目の当たりにするのだった。
登場人物・キャラクター
森宮 依人 (もりみや よりと)
加名見市で生活する男子高校生。唯一の肉親である姉の森宮蒼乃を大切に思っている。加名見総合病院に入院している蒼乃のことを頻繁に見舞っており、仲睦まじい姉弟だと病院関係者にも思われていた。しかし、彼の中では「空」の写真を撮ることが何よりも優先されており、蒼乃の誕生日をすっぽかしてでも写真撮影に夢中になるほどの入れ込みよう。 偶然、真夜中の公園で知り合った四方茉莉のことが気になっている。危険を顧みず、身を挺して他人を庇うなど正義感の強い性格の持ち主。
森宮 蒼乃 (もりみや あおの)
森宮依人の姉。特徴的な白い髪の持ち主で、全体的に短くまとめられた髪を、こめかみの部分だけを伸ばし赤いリボンで結んでいる。依人にとって唯一の肉親だが、森宮蒼乃は加名見総合病院に入院しているため別々に暮らしている。依人のことをとても大切に思っており、彼が見舞いに来るのを毎日楽しみにしている。反面、その感情が行きすぎて、激昂することもある。 精神的にも成熟しているが、ニンジンが食べれないなど子供っぽい面もある。
四方 茉莉 (しほう まつり)
加名見市の丘の上に建つ教会に住んでいる謎の少女。腰まで伸びた黒い髪を持つ。本人曰く覚えているだけで350歳という、少女のような外見とは裏腹に永い時間を生きてきた人物で、夜禍と呼ばれる種族。「トマトしるこ」という飲料を頻繁に購入している。年齢の割に現代社会に適応しており、教会ではコンビニの肉まんを食べ比べながらバラエティー番組を見ている。
辻堂 剛史 (つじどう たけし)
四方茉莉を狙って現れた謎の人物。大きなトレンチコートに身を包み無精髭を生やした男で、長めの髪に丸メガネをかけている。夜禍の命を狙っており、ダーツのような投げ矢に、太陽光を再現できる照明と、さまざまな武器を使って茉莉に挑んでくる。神河繭子という小学生のような外見の少女と行動を共にしている。
神河 繭子 (かみかわ まゆこ)
辻堂剛史と共に行動する謎の多い少女。見た目は小学生の外見ながら、大人びた言動で外見からの印象と一致していない。ゴスロリのようなドレスを身に纏い、シニョンの形にまとめた長い髪で、うさぎのぬいぐるみを持ち歩いている。辻堂に殴られた森宮依人のことを気遣ったりと、優しい一面を持つ。
石月 真名 (いしづき まな)
森宮依人のクラスメイトであるショートヘアの少女。快活で面倒見の良い性格をしており、高校を休みがちで電話にも余り応答しない依人のことを気にかけている。依人に対しては無自覚な恋心を抱いているようで、友人である紗絵にはそのことでいつもからかわれている。森宮蒼乃と同じ加名見総合病院に入院中の石月こよりは妹。
石月 こより (いしづき こより)
石月真名の妹で、腰まで伸びたロングヘアーの華奢な少女。森宮蒼乃と同じ病院に入院しており、彼女の話し相手や遊び相手になっていた。蒼乃に教わった折り紙がお気に入りで、蒼乃と遊んでいない時も折っている。心優しい女の子で、蒼乃の調子が悪かったり落ち込んでいたりすると、何かと気を回して元気づけようとする。
紗絵 (さえ)
石月真名の友人で、森宮依人ともクラスメイトの少女。肩口ほどの長さのウェーブのかかった髪をしており、眼鏡をかけている。恋愛話が好きなのか、依人のことが明らかに好きな真名をよくからかっており、女性と歩いていたのを見かけたと嘘の情報を流して、一緒に依人を尾行している。
場所
加名見市 (かなみし)
森宮依人たちが住んでいる町。空が良く見える町で小高い丘と海がある。丘の上の教会には四方茉莉が隠れて住んでいた。海沿いには大きな公園があり、依人はここで写真を撮ったりしている。また、加名見総合病院という大きな病院があり、森宮蒼乃と石月こよりがこの病院に入院している。長崎県長崎市をモチーフにしており、漫画内に登場する公園や茉莉が隠れ住んでいた教会などが実在している。
その他キーワード
夜禍 (やか)
辻堂剛史の言うところの「不死なる者」。人間と異なり寿命が存在せず、夜禍になった瞬間から肉体の成長が止まるという特徴がある。一方で、吸血鬼のように日光に当たると火傷を負ったり酷い時には砂と化してしまう。そのため、夜禍となった人間は厚い雲が覆っている雨の日などを除いて、基本的に昼間に外出することができない。----。
クレジット
- 原案
-
久弥 直樹
- キャラクター原案
-
七尾 奈留