昭和不老不死伝説 バンパイア

昭和不老不死伝説 バンパイア

超能力を持った高校生・本田昇平とヴァンパイアと呼ばれる不老不死の美女マリア。二人とマリアを狙う組織との戦いを描いた作品。

正式名称
昭和不老不死伝説 バンパイア
ふりがな
しょうわふろうふしでんせつ ばんぱいあ
作者
ジャンル
その他ホラー・オカルト
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概要・あらすじ

幼い頃、家族を惨殺されたショックで口がきけなくなってしまった少年・本田昇平は、弱い念動力を持った超能力者。日常に辟易していた彼は、ある日不老不死のヴァンパイア、マリアと出会う。彼女は不老不死を追い求める組織に追われており、共に戦う超能力者を探していたのだった。昇平はマリアの教えを受け能力を強化するうち、彼女と恋に落ちる。

だが、彼はマリアを現人神とするマリア会の主宰、十文字篤彦に出会い、彼のカリスマ性や思想に傾倒してしまう。同時にマリアを狙う敵との戦いも激化、事態は三つ巴の様相を呈していく。

登場人物・キャラクター

本田 昇平 (ほんだ しょうへい)

16歳の男子高校生。10歳の頃、生まれて間もない妹と両親を強盗に惨殺され、それを発見してしまったショックから口がきけなくなっていたが、マリアと出会ったことで話せるようになる。消しゴムを少し持ち上げられる程度の念動力のほか、接触するとテレパシーを使えるなど、弱い超能力を持っており、マリアの教えを得て能力を強化。物質を自由に操る超能力を会得し、覚醒者としてマリアと共に戦う。

マリア

黒髪の美女。浅草ロック座でストリッパーをやっている。明るく思いやりのある性格で、その美しさからファンが多い。不老不死と思われており、ヴァンパイアと呼ばれているが、血液を吸う、日光を嫌うなど一般的に考えられる吸血鬼のような性質はない。傷や骨折はすぐに完治し、腕を失っても再生するが、八つ裂きにされれば死ぬため、正確には不老不死ではなく、老いてくると無性生殖で自分自身を産み直し、自身を産んだ個体は死を迎えるという生態を持つ。 なお、新しく産まれた個体は数日で成長し、前の個体から姿、形、声、記憶などをほぼ引き継いでいる。身体能力は超人的だが、空を飛ぶなどの特殊能力はない。1日1時間は眠らないと回復力が落ちる。また、眠っている最中はどんなに叫んでも動かしても起きない。 自身に危機が迫っていることを感じとり、本田昇平を自分と共に戦ってくれる覚醒者として選ぶ。

十文字 篤彦 (じゅうもんじ あつひこ)

十文字グループの一角、十文字化粧品の副社長を務める40歳の男性。長髪で、口ひげとあごひげを生やした美丈夫。十文字グループの顧問弁護士であり、十文字グループが極秘に結成した秘密結社・比丘尼クラブの青のマスターでもある。十文字グループの企業買収で発生した法的なトラブルを解決するため、弁護士として参加。その手腕を十文字グループ総帥の十文字時子に認められ、彼女の次女である十文字愛子と結婚。 十文字一族の仲間入りをしたのち、十文字化粧品を業界のトップブランドに成長させ、十文字ビューティーコーポレーションを東洋最大の美容産業に押し上げた手腕の持ち主。カリスマ性が高く、彼に心酔する部下が多い。旧姓は古田篤彦で、マリアの覚醒者である古田タミの養子。 10歳までマリアに育てられていた。マリア会を主宰している。

梅津 直人 (うめづ なおと)

ストリッパーであるマリアのファンで、足繁く劇場に通っている元刑事の男性。65歳。日比谷線上野駅のホームで線路に落ちた人をマリアと共に助けたことから意気投合。以降、10年以上の付き合いがあり、マリアにおっちゃんと呼ばれるほど信頼を寄せられている。マリアから頼まれ、様々な情報や品物を用意している。

昇平の祖母 (しょうへいのそぼ)

本田昇平の祖母。昇平の両親が死んだ後、昇平を育てる。少しボケてきているのか、話が通じないことがあるが、いざという時には昇平の背中を押してくれる。水戸黄門が好き。

唐沢 (からさわ)

十文字篤彦の部下の男性。眼鏡をかけている。殺しのプロで、600メートル先から眉間を打ち抜くことができるほど腕が立つスナイパーであるほか、近距離での戦闘もこなす。不法入国の中国人の息子で、地元のチンピラをまとめるボスを務めていたところ、仲間が起こしたトラブルから篤彦と3時間戦って意気投合。篤彦に誘われ部下となる。その際、篤彦に国籍を用意してもらったことに恩義を感じており、篤彦の命令には忠実に従う。

十文字 護弘 (じゅうもんじ もりひろ)

十文字グループの総帥、十文字時子の第一子で長男。十文字ビューティーメイト代表であり、十文字ビューティーコーポレーションのナンバーツーであるほか、十文字グループが極秘に結成した秘密結社・比丘尼クラブでは赤のマスターを務める。十文字篤彦に全幅の信頼を寄せており、彼の言葉に従う。篤彦が反対していることもあり、バンパイア捕獲や反社会的行為に関しては後ろ向き。 時子の後釜を狙っている。

十文字 美宝子 (じゅうもんじ みほこ)

十文字グループの総帥、十文字時子の長女(第二子)。十文字グループのいくつかの関連会社の代表取締役を務めているほか、十文字グループが極秘に結成した秘密結社・比丘尼クラブでは白のマスターを務める。時子の願いを第一に考えているため、十文字護弘とは意見を異にすることも多い。バンパイア捕獲のためには反社会的勢力の力を借りることも厭わない。

十文字 ひとし (じゅうもんじ ひとし)

十文字グループの総帥、十文字時子の次男(第三子)で末っ子。十文字美容美術大学の理事長のほか、十文字グループが極秘に結成した秘密結社・比丘尼クラブでは黒のマスターを務める。もっとも無能で、過激な手法を好む。マリア捕獲のため、反社会的勢力の力を借りる。

十文字 時子 (じゅうもんじ ときこ)

十文字グループの総帥を務める老婆。十文字護弘、十文字美宝子、十文字愛子、十文字ひとしの母。十文字グループが極秘に結成した秘密結社・比丘尼クラブでは親様と呼ばれ、もっとも位が高い。ヴァンパイアの捕獲を悲願としており、子供達にそれを実行させる。

古田 タミ (ふるた たみ)

過去、マリアと共に戦った覚醒者の女性。十文字篤彦の養母。九州・筑豊の炭鉱の生まれ。ガス爆発で両親を亡くし、上京し吉原のソープで働いていたところ、同僚として入ってきたマリアと知り合う。弱い予知能力を持っていたが、マリアの教えにより覚醒者としてその能力を強化。マリアと共にバンパイアを狙うカルト教団と戦った。

集団・組織

比丘尼クラブ (びくにくらぶ)

東洋最大の総合美容産業のリーディングカンパニー、十文字グループが極秘に結成した秘密結社。政界・官僚・経済界とも結びつきを持ち、メンバーには政治家や有名企業のトップなどが名を連ねる。親様・十文字時子を中心に、青のマスター・十文字篤彦、赤のマスター・十文字護弘、白のマスター・十文字美宝子、黒のマスター・十文字ひとしがクラブを仕切る。 究極の美と完全知を探求することが目的とされ、そのためにバンパイアを捕らえ、不老不死の研究をしようとしている。ご神体は「蓬莱山」から授かりし「八百比丘尼」の寿宝と呼ばれる腕だが、これはマリアが戦争中に失った片腕。

マリア会 (まりあかい)

十文字篤彦が主宰するマリアを現人神とする宗教的な集団。篤彦がまとめた、マリアが語ったという言葉、『マリア律法』を中心に活動している。マリアを信仰の中心とする理想国家を作り上げることを目標としている。会員は一級天使、二級天使、三級天使という階級に分かれている。篤彦が集めた医者、官僚など様々なエリートが参加しているほか、自衛隊内に多数の信者を抱えている。 ボディビルディングジムの地下に集会所がある。

十文字グループ (じゅうもんじぐるーぷ)

東洋最大の総合美容産業のリーディングカンパニー。十文字時子が総帥を務める。悪辣な企業買収と乗っ取り、法律スレスレの恫喝で次々と事業を拡大。十文字ビューティーコーポレーションのほか、十文字化粧品、十文字ビューティーメイト、十文字美容美術大学など、様々なグループ会社が存在し、その多くは時子の子供達が代表を務めている。

その他キーワード

覚醒者 (かくせいしゃ)

バンパイアと共に戦う超能力者。危機を察知したバンパイアが、人間の中から予知能力や念力を持った超能力者を探し出し訓練しその能力を高め、自分を守らせるパートナーとしたもの。マリアと共に戦った覚醒者は本田昇平や古田タミ。マリアがこれまで共に戦ってきた覚醒者は、予知能力者が多かったという。

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