ヴァンパイア騎士

ヴァンパイア騎士

黒主学園は吸血鬼と人間が共存する学園で、蠢く吸血鬼同士の因縁や思惑に振り回されながら、慕っている玖蘭枢との間に恋を芽生えさせていく人間の少女、黒主優姫の姿を描く。「花とゆめ」2005年1月号から2013年7月号にかけて掲載された作品で、2008年10月にはテレビ東京系列にてアニメ化もされている。

正式名称
ヴァンパイア騎士
ふりがな
ゔぁんぱいあないと
作者
ジャンル
その他ホラー・オカルト
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概要・あらすじ

黒主学園守護係を務める黒主優姫は、10年前に助けてくれた玖蘭枢を慕っていた。吸血鬼でありながら、黒主学園で人間と共存しようとする枢に、優姫はさらに惹かれていく。一方の枢も、純血種と呼ばれる王の一人として、元老院の思惑に対抗する。そして錐生零はそんな枢を心配しながらも、優姫に心惹かれていく。

そんななか、優姫と零は次第に吸血鬼たちの思惑の渦中に巻き込まれていくのであった。

登場人物・キャラクター

黒主 優姫 (くろす ゆうき)

明るく優しい16歳の女子高校生。黒主灰閻が作った黒主学園の守護係として、毎日きびきびと働いている。守護係の仕事がない時は普通の学生として過ごし、仲のいい若葉沙頼とよく行動を共にしている。5年以上前の記憶がないが、養父として灰閻に育ててきてもらっていることだけは覚えている。当初は錐生零と共に守護係として動いていたが、自身が玖蘭枢の妹であり、吸血鬼であることを思い出したことをきっかけに零とは離別した。 自分のことを枢の実の妹だと思っているが、実は義理の妹であり、婚約者である。

錐生 零 (きりゅう ぜろ)

黒主優姫の幼なじみであり、後天的な吸血鬼の男子高校生。元々は吸血鬼ハンターの一族の生まれだが、4年前に緋桜閑によって両親を殺され、黒主灰閻に引き取られた。この時、閑に血を吸われて吸血鬼となった。吸血鬼にしては珍しく、血液錠剤を受け付けない体のため、優姫の血を吸って欲求に耐えている。優姫と共に黒主学園の守護役として活動している。 無表情であまり人を寄せ付けないタイプだが、心を許した相手には表情を見せるところがある。

玖蘭 枢 (くらん かなめ)

純血種の吸血鬼の男性。かつて吸血鬼の王族だった玖蘭家において、現当主を務める。また、夜間部クラス長兼夜間部寮長。10年前にレベルEの吸血鬼から黒主優姫を助け、そのことにより優姫からは恩義以上の想いを向けられている。玖蘭枢も優姫には並々ならぬ想いを抱き、優姫を大事にしている。優姫が忘れている記憶を知っている。 過去の記憶を取り戻す際に発狂した優姫に牙を突き立て、代わりに自分の血を飲ませることで、優姫を純血種の吸血鬼へと戻した。

一条 拓麻 (いちじょう たくま)

夜間部副クラス長の吸血鬼の男性。元老院の最高責任者、一条麻遠の孫。吸血鬼にしては珍しく、明るく社交的な性格。夜間部の中で、唯一玖蘭枢を呼び捨てにできる友人でもあり、枢とは良い関係でいたいと考えていた。だが、大事な友人である支葵千里を枢と玖蘭李土の争いに巻きこまないよう、枢を裏切って元老院に付く。

藍堂 英 (あいどう はなぶさ)

夜間部の吸血鬼の男性で、「玖蘭枢の懐刀」と呼ばれる穏健派。反元老院派ともいわれ、枢による王権復古を唱えている。学園では「アイドル先輩」という異名で名高く、普通科の女子に人気がある。吸血鬼に復活する前の黒主優姫に対しては、枢に特別扱いされているとしてよく思っていなかったが、吸血鬼として覚醒した優姫のことは気にかけている。

架院 暁 (かいん あかつき)

夜間部の吸血鬼の男性で、「玖蘭枢の懐刀」と呼ばれる穏健派。反元老院派でもある。藍堂英とは従兄弟同士で、何かと一緒に行動することが多い。枢を尊敬していることとは別に、英と早園瑠佳のことを大事に思っており、特に瑠佳には好意を抱いている。

支葵 千里 (しき せんり)

お菓子好きな夜間部の吸血鬼の男性。人間界でモデルをしており、その方面では有名。マイペースだが、玖蘭枢には逆らわない。遠矢莉磨と一緒にいることが多い。玖蘭李土の息子で、李土が学園を訪れた際、体を乗っ取られた。

早園 瑠佳 (そうえん るか)

夜間部きっての美女で、玖蘭枢のことが好きな吸血鬼の女性。夜間部ができる前は、枢に血を提供していた。枢に気に入られている黒主優姫に嫉妬していたが、優姫が枢の婚約者だと知った後は、枢への気持ちを諦め、枢に認められる人物になろうとする。

遠矢 莉磨 (とおや りま)

他人に考えを読ませないところのある、人に心を開かない夜間部の吸血鬼の女性。支葵千里と共に人間界でモデルをしている。千里以外になつくことはあまりない。千里を玖蘭李土から守った時に重傷を負う。

星煉 (せいれん)

年齢不詳な玖蘭枢を主とする少女。夜間部の中でも謎に包まれた存在で、枢が呼べばどこからともなく現れ、彼の指示に従う。高い身体能力とそれにも勝る鍛え上げられた肉体が武器。無表情であることが多い。

若葉 沙頼 (わかば さより)

黒主優姫の中等部からの友人で、良家のお嬢様。女子寮でも同室。錐生零とは同級生としては交流があるが、それ以上ではない。夜間部に関しては詳しいことはまったく知らないが、勘が鋭いため、あまり近づかないようにしている。

影山 霞 (かげやま かすみ)

黒主優姫のクラスの委員長をしている男子生徒。いつもテストの点が悪い優姫を叱りつけており、もっと彼女の成績が上がるようにと目を光らせている。早園瑠佳のことが好きで、彼女に舞踏祭でダンスを申し込むも、断られてしまう。

新藤 撫子 (しんどう なでこ)

普通科の女子生徒。見た目はとても弱々しいが、行動的。一条拓麻のことが好きだったが、聖ショコラトルデーの日に錐生零に助けられて以来、零のことが気になっている。バレンタインに零にチョコレートを渡そうとするも、受け取ってもらえなかった。

黒主 灰閻 (くろす かいえん)

黒主優姫の養父かつ、黒主学園の理事長をつとめる男性。元吸血鬼ハンターで、その腕は一流。数多の吸血鬼を殺してきた過去を持ち、その過去を後悔している。錐生零にも目をかけており、優姫が吸血鬼として玖蘭枢のもとへ行った後は、零の様子を時折見に来ていたり、優姫がどう過ごしているのか、夜会で遠くから見ていたりする。

夜刈 十牙 (やがり とおが)

錐生零の吸血鬼ハンターとしての師匠だった男性。ナンバーワン吸血鬼ハンターとして名高いものの、本人はあまり華やかな場所に出ることを好まず、吸血鬼ハンターとしてひっそりと生計をたてている。零の他に、鷹宮海斗にも教えていた。黒主学園においては倫理の教師を務める。

鷹宮 海斗 (たかみや かいと)

錐生零の兄弟子にあたる吸血鬼ハンターの男性。錐生壱縷のことは好きではないが、零のことは認めている。夜刈十牙の後任の倫理の教師として、黒主学園の教師となる。零のことを監視しながらも、零に対しては優しい面も持つ。

玖蘭 李土 (くらん りど)

玖蘭枢と黒主優姫の伯父にあたる玖蘭家の当主だった吸血鬼の純血種の男性。支葵千里の父親。緋桜閑の元許嫁で、眠っていた枢を呼び覚ました人物。玖蘭樹里を愛していた。優姫を食らい、樹里と似ている容姿から樹里の代わりにしようとしたが、優姫と錐生零に倒される。

玖蘭 悠 (くらん はるか)

玖蘭枢と黒主優姫の父親で、吸血鬼の純血種。玖蘭樹里と一緒に長い時間を生きていながら、樹里を愛することでその長い時間を楽しんでいた。吸血鬼の始祖である枢を実の息子と思って愛している。口数は少ないものの、優姫と枢を愛している場面が多く見られる。

玖蘭 樹里 (くらん じゅり)

玖蘭枢と黒主優姫の母親で、吸血鬼の純血種。優姫が生まれて性格が丸くなった。優姫とのピアノ連弾や枢いじりなどが楽しみで、吸血鬼の長い時間の中を楽しく過ごすことに長けていた。優しく朗らかな人物。

白蕗 更 (しらぶき さら)

「純血の君」とも呼ばれる吸血鬼の純血種の女性。元老院に協力的な一家の娘。玖蘭枢とは親しい友人。婚約者がいたが、純血種の力を高めるために自らの手で殺害。普段は穏やかな面を見せるが、激情家で残虐な面を持つ。

一条 麻遠 (いちじょう あさとお)

通称「一翁」と呼ばれる元老院の長老で、最も古い吸血鬼の一人。一条拓麻の祖父。元老院に強い影響力を持つ。玖蘭李土を拓麻の体を使って復活させ、李土による吸血鬼の支配を目論んだ。しかし、玖蘭枢と拓麻によってその目論みは阻まれる。

緋桜 閑 (ひおう しずか)

錐生零を噛んで吸血鬼にした純血種の女性。玖蘭李土の元婚約者でもある。残忍な性格で、吸血鬼の間では「狂い咲き姫」の異名で知られている。生後まもなく、元老院によって隔離されていた。紅まり亜の体を使って、学園へ侵入した。

錐生 壱縷 (きりゅう いちる)

錐生零の双子の弟。零とは違って吸血鬼ハンターとしての力を持たず、自分と正反対の零を憎んでいる。かつては病弱だったが、緋桜閑の血をもらった後は克服した。閑を慕っていて、閑が潜入しやすいように黒主学園へ入学する。

紅 まり亜 (くれない まりあ)

黒主学園の編入生で、緋桜閑の遠い親戚にあたる少女。穏やかで、心優しい。閑に体を差し出す代わりに、体を強くして欲しいと願った。その後、閑が紅まり亜の体から去った後は元のように体が弱くなり、実家へ帰った。

集団・組織

普通科 (でいくらす)

黒主学園で人間が通っているクラス。一般的な高校と同じでクラブがあったり、普通の授業風景などが見られる。しかし、夜間部との入れ替わり時間になると、ミーハーな女生徒たちによって夜間部へのラブコールが始まる。

夜間部 (ないとくらす)

純血種の玖蘭枢のもとに集まった吸血鬼たちが通っているクラス。全員ランクは貴族階級で、枢をトップとして崇めている。守護係にのみ夜間部が吸血鬼だということは知られていて、普通科には美形の集団としてしか認識されていない。

元老院 (げんろういん)

一条麻遠が所属している吸血鬼をまとめる機関。権力が王に集中しないようにと、玖蘭家の先々代の王が作った機関である。王である純血種が所属していないため、意見が重用されず、正常に機能しなくなっている。

ハンター協会 (はんたーきょうかい)

吸血鬼ハンターをまとめる組織。夜刈十牙や錐生零の両親もここに所属していた。16年前までは黒主灰閻もここのメンバーで、吸血鬼ハンターとして活躍していた。主にレベルEの吸血鬼を狩るために存在している。

場所

黒主学園 (くろすがくえん)

黒主灰閻が玖蘭樹里と交わした「吸血鬼と人が一緒に学べる学び舎を作って欲しい」という約束により作られた学園。吸血鬼と人間の共存を推進している。夜間部には吸血鬼が通っており、普通科には一般生徒が通っている。夜間部と普通科は昼夜で同じ校舎を使っているため、夜間部が移動する時は常に夜間部の美しさに見とれた普通科の生徒たちで溢れかえってしまう。 そのため、守護係が通行整理をしている。

その他キーワード

血薔薇の銃 (ぶらっでぃろーず)

吸血鬼に対して有効な玉を打つことができる吸血鬼狩りのための銃。守護係だったときの錐生零は、主に夜間部への牽制のために使っていたが、その後吸血鬼ハンターとして活動する時は、吸血鬼を狩るために使っていた。

狩りの女神 (あるてみす)

黒主優姫が持つ、吸血鬼に対して有効な力を持つ棒。伸縮自在で、貴族階級の吸血鬼にも効力を発揮する。守護係だった時の優姫は主に夜間部への牽制のために使っていたが、玖蘭枢に引き取られてからは、所持しているが基本的には使わなくなった。

吸血鬼 (きゅうけつき)

外見では区別がつかないが、人間とは違う生き物。人間とは違い、長い寿命と特殊能力を持つ。優れた知性と高い身体能力を持ち、皆美しい。夜行性で、日光に弱い一面を持つ。階級があり、上から純血種、貴族階級、一般階級、元人間とある。

純血種 (じゅんけつしゅ)

先祖代々人間の血が混ざっていない一族の吸血鬼のことを指す。純血の家系は玖蘭家他7つのみであり、少ないため王とも崇められる。実力を持つ貴族階級の吸血鬼でも、勝つことは不可能とされている。直接血を吸った人間を吸血鬼に変えてしまう力を持つ。

レベルE (れべるいー)

純血種に血を吸われたことによって吸血鬼化した人間が、正気を失ってしまった姿。吸血鬼ハンターや貴族階級の吸血鬼から狙われる存在である。別名を「LEVEL END」と呼び、元人間の吸血鬼のなれの果ての姿とも呼ばれる。

守護係 (がーでぃあん)

黒主優姫と錐生零が黒主学園で務める係。この2人は夜間部の生徒が吸血鬼だと知っているが、他の生徒に夜間部が吸血鬼だという秘密を知られないようにするための係。表向きは風紀委員。無断で普通科、夜間部両方の寮に入ろうとするものを止める役割や、夜間部と普通科が接する時間を短くするために動いている。

アニメ

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