概要・あらすじ
裕福な家に育った水卜美涼には、お金によってつながっている上辺だけの友達しかいなかった。ある祭りの夜、数人の同級生が、美涼のお金を騙し取ろうとする事件が発生する。しかし、それを見破った美涼は、お金が欲しいならあげるのにと、1万円札を地面にばらまいた。欲に駆られ、お金を拾っていた一人は、背後から何者かに首を絞められる。どうやらこの世のものではないらしい。そこに、やはり同級生である周千鶴が現れ「お札から手を離さないと死ぬ」と言い放つ。慌ててお金を捨てた同級生たちは、一目散に逃げ出した。一人残った美涼に近づいた千鶴は、彼女の頭をポカリと殴る。そして美涼の背後霊からの伝言である「お札をばらまくな」「裸で持つな」「たやすく人に与えるな」という三つの言葉を伝えた。千鶴は、幽霊やあやかしを見ることができる特殊な能力を持っていたのだ。千鶴の話を信じた美涼は、一緒に縁日を回ってほしいと懇願する。千鶴もその特殊な能力のために、人と距離を縮めることを避けていたが、戸惑いながらもそれを承諾した。普通の高校生のように縁日を楽しんだ二人は、この日をきっかけに仲を深めていくのだった。
登場人物・キャラクター
水卜 美涼 (みうら みすず)
高校1年生の女子。黒髪のロングヘアが特徴で、周千鶴の同級生。小学生の頃に母を亡くし、父と二人暮らしをしている。人との接し方がわからず、父からもらった現金をばらまいて、同級生らと付き合っていた。お金を騙し取られようとしていたところを助けたうえに、自分を叱ってくれた千鶴に好意を寄せ、親しくなる。父が開発した、この世のものではないものを見ることができるスマホアプリ「HIMICO」を持つ。父に頼まれ、霊やあやかしの写真を撮影している。カラオケは演歌しか歌えない。
周 千鶴 (あまね ちづる)
高校1年生の女子。ショートカットが特徴で、水卜美涼の同級生。自宅は神社で、預言を授ける巫女の仕事をしている。幽霊やあやかしなどを見る、除霊するといった能力を持つ。また、自分の邪念が人に悪影響を与えるため、人と距離を縮めることなく生きてきた。美涼と出会い、強い親しみを感じて友だちになる。