天野家四つ子は血液型が全員違う。

天野家四つ子は血液型が全員違う。

同じ環境下で育ったのに、性格や行動が大きく違う四つ子姉妹の日常をコミカルに描いた作品。その要因として血液型が異なる事が挙げられており、一話ごとに注目する人物やネタが変化している。「週刊ヤングジャンプ」の2015年32号から2016年19号に連載された。

正式名称
天野家四つ子は血液型が全員違う。
ふりがな
あまのけよつごはけつえきがたがぜんいんちがう
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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あらすじ

第1巻

高校で化学教師をしている八代誠司は、その人の性格を血液型によって決めつけるといった非科学的な事を信じていなかった。しかし今年担任として受け持つ天野あさひ天野まひる天野ゆう天野こよるの四つ子姉妹と出会い、四人は同じ環境下で育ったにもかかわらず、性格や見た目などが大きく異なっている事に衝撃を受ける。八代は要因として「四人の血液型が違うからかも」と考えを改め、確証を得られればほかの生徒の教育にも役立つと考え、四人の観察を始める。(観察1「血液型違う。」)

天野四姉妹の観察を決めた八代は、さっそく血液型性格診断の本を購入して勉強を始める。そんな中、長女のあさひと次女のまひるが喧嘩しているのを見掛け、喧嘩の原因が本に書いている通りの性格による行き違いである事を知る。さらに食堂でまひるの新たな一面を知るのだった。(観察2「へその曲がり方が違う。」)

天野四姉妹の三女のゆう、四女のこよるの観察をして帰宅しようとした八代は、後ろから不真面目な挨拶をされる。注意しようと振り向くと、そこには丁寧なお辞儀をしたあさひがいた。八代はほかの姉妹達とも帰りの挨拶をして、四人の挨拶の違いを記録するのだった。(観察3「挨拶の仕方が違う。」)

天野四姉妹の休み時間の過ごし方を観察していた八代の視線に気づいたゆうは、ほかの姉妹にその事を相談する。同じく八代に見られている事に気づいていたこよるとあさひも当時の事を話し出す。後日、八代の視線に気づいたまひるは、こよるが話していた内容を思い出す。(観察4 休み時間の過ごし方が違う。)

天野四姉妹の観察も一段落つき、別視点からの観察の必要性を感じ始めた八代は、姉妹と幼なじみの真島健に注目する。幼なじみなら彼女達の幼少の頃も知っていると考え、真島に声を掛けるのだった。(観察5「普通のギャルとは違う。」)

放課後に食べ放題に行く事となった天野四姉妹。あさひはバランスよく、まひるは好きなものばかり、ゆうは幅広く全種類を食べようとし、こよるは原価の高いものを的確に選んでもとを取ろうとするなど、それぞれ異なった選び方で食事を楽しんだ。(観察6「食事が違う。」)

登校して来たあさひの髪の色がいつもの金色でなく、黒色になっていた事にクラスメイトが驚く。黒髪のあさひを見て中学時代のあさひを思い出したまひるや真島は、あさひが髪を染めるようになったエピソードをクラスメイトに語る。(観察7「ギャルになった動機が違う。」)

天野四姉妹は電車の発車時刻が近くなり、駅の階段を駆け上っていた。無事電車に乗る事ができたのはまひるとゆうだけで、あさひとこよるは乗り遅れてしまう。電車の中にはほとんど人が乗っていないのにもかかわらず、立っているまひるに対して、ゆうは座るよう勧めるが、まひるは考えがあってあえて立っていると返事するのだった。(観察8「電車の乗り方が違う。」)

チョークが切れたため、あさひは新しいチョークをもらってきた。あさひに対して八代は「適当に置いといて」と指示するが、几帳面なあさひはどこに置くのが最適なのかを悩みだす。八代はゆうから、あさひに曖昧な言葉は禁句と言われて指示し直そうとしたが、まひるによって止められてしまう。(観察9「適当の解釈が違う。」)

こよるの観察をしていた八代は、口数や表情の変化の少なさから、本に書いてあった「AB型は宇宙人」という一文を思い出すが、宇宙人の存在を即座に否定する。しかし、こよるが謎の記号文字が書かれた紙を落としたり、屋上で宇宙人と交信しているような姿を目撃した事で、考えが揺らいでいくのだった。(観察10「地球人とは違う?《前編》」)

八代は物陰から屋上でこよるを観察していたが、少し目を離したスキにこよるに接近されて、何をしていたか問い詰められる。ごまかすのは無理と判断した八代は、正直に天野四姉妹を観察していた理由を話す。(観察11「地球人とは違う?《後編》」)

下校時に普段の通学路ではなく脇道を通る事を提案するゆう。それに対してあさひとこよるはしぶしぶ承諾するが、まひるは無言でいつもと同じ道で帰ろうとした。ゆうの説得もあって、まひるも納得して四人は脇道を通って駅に向かうが、行き止まりばかりで徐々にみんなのイライラが募っていく。(観察12「寄り道が違う。」)

まひるは、数学教師の村上からテスト前日に嫌味を言われてしまう。まひる本人は何とも思わなかったが、あさひはまひるを馬鹿にされた事に憤慨し、いい点数を取って村上を見返すためにまひるの勉強計画を立てる。最初は嫌々やっていたまひるだったが、あさひの執念に負けてまじめに勉強を始めるのだった。(観察13「テスト勉強が違う。」)

16歳の誕生日が近づいたある日、真島はあさひから誕生日会に誘われる。その後、まひる、ゆう、こよりからもそれぞれ別のタイミングで同じ誕生日会に誘われ、クラスメイトの畑から天野四姉妹から祝ってもらえる事に嫉妬される。真島は畑の考えに呆れながらも、8年前の誕生日会を思い出す。(観察14「誕生日祝いが違う。」)

あさひが出掛け、家にはまひる、ゆう、こよるだけが残っていた。几帳面なあさひがいるとダラダラできないため、あさひが帰宅するまで三人はそれぞれ自由きままに過ごす。しかし、部屋に現れた虫に使う殺虫剤の置き場所をだれも知らない事から、自分達にはあさひが必要だと再認識する。(観察15「留守番が違う。」)

あさひとまひるは四つ子だからという理由で、体育祭の二人三脚の選手に選ばれる。しかし実際は二人の息はまったく合わず、八代も協力するが、体育祭前日になってもまったく上達しなかった。今まで観察し続けたのに有効なアドバイスを送る事ができない事に八代は苦悩するが、あさひとまひるの言葉をきっかけに、発想を逆転させた策を思いつく。(観察16「二人三脚が違う。」)

第2巻

前日にコタツで寝てしまった天野ゆうは、風邪をひいてしまう。天野あさひに怒られたくない事や、6限目の体育で行なわれるソフトボールに参加したいため、ゆうはなんとかごまかせないかと考える。そしてお昼休みにトイレで友達に化粧してもらって、紅潮した顔を隠す作戦を思いつく。(観察17「風邪のひき方が違う。」)

文化祭の出し物がお化け屋敷に決まり、天野こよるの指揮で本格的なお化け屋敷を作り上げる。入念な準備とSNSを使った宣伝もあってお化け屋敷は大盛況だったが、こよるのお化け姿だけは誰も怖がらず、こよるは大きなショックを受ける。(観察18「怖がらせ方が違う。」)

あさひが幼なじみと恋愛する漫画にはまっている事を知った真島健は、自分も同じように行動すれば、あさひの恋人になれるのではないかと思いつく。こよるに協力してもらって漫画と同様に練習する真島だったが、こよるは「漫画でやっている事にすれば、真島は何でもやってくれる」と気づいてしまうのだった。(観察19「少女漫画が違う。」)

体操着の上着のチャックが閉まらない事で、ゆうが太ったのではないかという疑惑が持ち上がる。あさひがゆうを甘やかしたのが原因の一つだ、と天野まひるから言われ、ゆうは姉離れを宣言する。(観察20「甘えん坊とは違う。」)

朝の血液型占いで自分の血液型が1位だったため、夕飯の献立を決める権利を得たまひるは機嫌がよかった。普段は近寄りがたい雰囲気を漂わせているが、今日はフレンドリーなまひるを見て、クラスメイトの畑はまひるに話し掛ける。最初はギクシャクした会話も徐々にいい感じになるが、畑が飲み物を買って戻るわずかなあいだに、いつものまひるに戻っていた。(観察21「夕飯の決め方が違う。」)

12月上旬になり、あさひの計画表の通りに大掃除を始めた天野四姉妹。掃除中に見つけた100円をまひる、ゆう、こよるが自分ものだと主張し始め、ジャンケンの末にこよるが手に入れる。今度は1000円が発見され、まひる、こよるのあいだで100円の時よりも激しい言い争いが始まる。それを見たゆうは姉妹の絆が崩れると危惧して、1000円を持って家を飛び出すのだった。(観察22「大掃除が違う。」)

クラスで行うクリスマス会の買出しでスーパーに来た真島は、エレベーターの故障によってあさひといっしょに閉じ込められてしまう。エレベーターに乗る前に、お店の人から「カップル限定のコーヒー」をサービスされた事で、真島はあさひの事を普段より意識してしまい、あさひは急にトイレに行きたくなってしまう。あさひがコーヒーのサービスの事を話し始め、その話の流れで真島はあさひに告白する。(観察23「クリスマスの告白とは違う。」)

まひろはクラスのクリスマス会で、キャップを開けた瞬間に噴出した炭酸飲料を頭からかぶってしまう。制服もビショビショになり、その場にあったサンタクロースの衣装を来て学校から帰宅する。その途中で小学生の集団と会い、小学生達からいろいろ質問攻めにされる。(観察24「サンタとは違う。」)

あさひは、日めくりカレンダーを大晦日まで毎日欠かさずめくり続けた。最期の1枚をめくるのを楽しみにして、あさひが買い物から戻って来ると、カレンダーをまひる、ゆう、こよるが取り合っていた。その中で最期の1枚が破けてしまう。同じカレンダーを真島も持っている事を思い出し、三人は真島の部屋を訪れる。(観察25「大晦日が違う。」)

気が付くと天野四姉妹はゲームの中にいて、魔王を倒す勇者のパーティのメンバーとなっていた。まひるはこれは夢だと判断して、適当に話を合わせる事にして、ほかの三人も普段と同じように自由に行動する。そのためまとまりのないパーティとなってしまったが、それでもなんとか先に進んでいき、ついに魔王のもとにたどり着く。(観察26「プレイスタイルが違う。」)

雪が降る中、ゆうは大はしゃぎして、みんなに雪合戦をしようと誘うが、まひるは一人帰宅しようとする。しかし、転んだ時に雪の中に家の鍵を落としてしまう。必死に雪をかきわけて鍵を探しているまひるを見たあさひ、ゆう、こよるの三人は、本当は遊びたかったのに素直になれないのだと勘違いして、まひるを強引に雪合戦へと誘う。(観察27「雪遊びが違う。」)

まひるから届いたメールの通りに、カメラ持参で天野家を訪れた真島は、ネットオークションに出品するための写真を撮る役を任される。出品するのが服だったため、天野四姉妹が実際に着た状態で次々に写真を撮っていたが、まひるはすぐに飽きてしまい、寝転びながら漫画を読み始める。(観察28「撮られ方が違う。」)

バレンタインデーを翌日に控えた2月13日、天野四姉妹は真島に手伝わせながらチョコレート作りに励んでいた。しかしあさひがまひるの適当さを注意した事から、あさひとまひるのどちらが美味しいチョコレートを作れるかという争いが起こる。(観察29「チョコ作りが違う。」)

ゆうがお店で支払いをしているのを見たあさひは、ゆうの財布をチェックし始める。ゆうの財布の中にはポイントカードがたくさんあり、使用期限が終わりそうなカードをたくさん見つける。さらにあと少しポイントを貯めれば商品交換できるカードも多数あったため、これらを有効活用するために各店舗を巡る事となった。(観察30「財布の中身が違う。」)

「友達と来店すると半額」というカフェの看板を見て、カフェに入った天野四姉妹。友達として振る舞うために、普段とは違う呼び方をする四人だったが、罪悪感を感じたあさひが本当の事をカフェ店長の松山に伝える。(観察31「友達とは違う。」)

翌日にテストを控えたこよるは、ゴミを投げて1回でゴミ箱に入れば、テストがうまくいくという願掛けをする。そしてゴミは1回でゴミ箱に入り、実際にテストの結果も上々。その後もマラソンに関する願掛けもうまくいき、「○○をすればうまくいく」というジンクスが増えていくのだった。(観察32「ジンクスが違う。」)

食後にコタツでダラダラしているまひる、ゆう、こよりを見て、あさひはコタツを片付けてしまう。なんとかコタツを復活させたい三人は、さまざまな手であさひを説得するが、あさひは決して首を縦に振らなかった。(観察33「コタツの片付け方が違う。」)

ある日、ゆうが髪を金髪にしたうえに、あさひに対してそっけない態度を取るようになる。自分が厳しくしすぎた事が原因だと思ったあさひは、子育て本の通りに接して、本来のゆうに戻ってもらおうとするが、ゆうの態度はまったく変わらない。それを見てあさひはゆうを見限り、部屋を出て行ってしまう。(観察34「反抗期が違う。」)

天野四姉妹は友達のゆいに誘われて、修了式後に映画を見る事にしたが、何を見るかで意見が分かれる。ゆいは四人の好みの映画がまったく違うジャンルのものだと知っていたが、映画が終わったあとに、自分も含めた四人全員が感動して泣いているのを見て、考えを改める。(観察35「映画の選び方が違う。」)

新学期となり、八代誠司は天野四姉妹を1年間観察して得た研究の成果を、ほかの生徒で試そうとする。しかし、どの血液型も天野四姉妹とは別の反応が返ってくる。呆然とする八代に対して、こよるが四姉妹の別の一面を語るのだった。(観察36「天野家四つ子は血液型が全員違う。」)

登場人物・キャラクター

天野 あさひ (あまの あさひ)

天野あさひ、天野まひる、天野ゆう、天野こよるの四つ子姉妹の長女。ゆうからは「あさ姉」と呼ばれている。血液型はA型。金髪で肌を焼いた不真面目なギャル風の見た目だが、几帳面でしっかりとした性格。生真面目すぎるため、「適当」や「その辺」といった曖昧な言葉で物事を任されると、必要以上に悩んでしまう。中学時代は髪の色も黒くて、肌も焼いていなかった事から、見た目も優等生風。 皆勤賞で表彰された事もあり、まじめで融通の効かない人物というイメージがついてしまう。それを払拭するために、校則に違反しない程度に不真面目となろうと決め、今の外見になる。

天野 まひる (あまの まひる)

天野あさひ、天野まひる、天野ゆう、天野こよるの四つ子姉妹の次女。あさひからは「まひ」、ゆうからは「まひ姉」と呼ばれている。血液型はB型。マイペースで天邪鬼な性格の持ち主。几帳面なあさひとは言い争いする事もあるが、姉妹仲はいい。人見知りなため、最初は声を掛けづらい印象があるが、なかよくなると、ほかの人が言いにくい事でも躊躇なく言い放つ。

天野 ゆう

天野あさひ、天野まひる、天野ゆう、天野こよるの四つ子姉妹の三女。血液型はO型。人懐っこく社交的な性格で、姉妹のムードーメーカー的存在。風邪をひいても、あさひに怒られたくない事や、体育を休みたくないという理由で、ごまかそうとするなど、精神的にはほかの姉妹より幼い。

天野 こよる (あまの こよる)

天野あさひ、天野まひる、天野ゆう、天野こよるの四つ子姉妹の四女。血液型はAB型。無表情でつかみどころのない性格。人の距離感を大事にしており、親しい人ほど近い距離で接する。心霊番組やサプライズ企画が大好きで、文化祭の出し物がお化け屋敷に決まると、総監督を務めて演出や事前の広告など、細かいところまで指揮する。

八代 誠司 (やしろ せいじ)

高校で化学を教える男性教師。天野あさひ、天野まひる、天野ゆう、天野こよるの担任を務めている。血液型と性格の関連性を理解すれば教育に役立ち、思春期で多感な生徒をサポートできると思い、同じ環境下で育ちながら性格も行動も違う天野四姉妹を1年間観察して、研究結果をまとめる事を決める。生徒の事を第一に考える熱血教師だが、たまに行動が行き過ぎる事から、変な先生と認識している生徒もいる。

真島 健 (まじま けん)

天野あさひ、天野まひる、天野ゆう、天野こよるのクラスメイトで、幼なじみの少年。天野四姉妹とは幼稚園からの付き合いで、家もとなり同士。真島健の方が1か月遅く生まれた事から、姉妹からは弟のような扱いを受けている。あさひの事が好きだが、あさひには気持ちを気づいてもらえていない。

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