世界観
現代日本を舞台とし、秋葉原や箱根、日光など実在する土地が多く登場する。インターハイなどのレース会場は実在する道路をコースに設定しており、作者である渡辺 航が自らロケハンを行っている。小野田坂道1年次のインターハイのコースは、箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)のルートに近いものだった。
己の身体とロードバイクのみを使用する自転車競技を題材にしているが、ロードバイク自体のスペックはあまり強調せず、競技中は選手自身の身体能力や性格を重点的に描いている。全国レベルの選手には必殺技や二つ名を持つ者が多い。また、風に乗って加速する様子を羽が生えたように表現したり、劇的な成長を意味する「羽化」を実際に脱皮しているように表現したりするなど、比喩的な表現が多く使用されている。
作品が描かれた背景
担当編集者との打ち合わせ中、「最近ハマっているものは何か」と尋ねられた際、ロードバイクであると答えたことがきっかけで企画がスタート。作者の渡辺航は当時友人に進められて始めたロードバイクに夢中になっており、レースに出るほどの愛好家だった。企画段階では運動神経のあまり良くない女子生徒が主人公の予定だったが、編集長の意見によりオタクな少年が主人公となる。これは掲載誌が少年誌であることと、作者が以前『電車男』のコミカライズを担当しており、その際の主人公を編集長が気に入っていたことが理由だという。
作品構成
小野田坂道の入学から始まり、自転車競技部の活動を中心とした学生生活を描いている。1年生対抗ウェルカムレースや合宿などの部内活動、そしてインターハイ本戦の内容が重点的に描かれるが、各々のクラスでの会話など学生生活についても合間で取り上げられている。特に重点的に描かれたインターハイ本戦は、3日間の全日程を細かく描写しており、コミックス19巻分にも及ぶ。これに関して作者の渡辺航は「1試合の長さとしては漫画史上最長かもしれない」と語っている。
物語の進行に合わせ、登場人物たちが進級や進学をしている。それにともない新入生が登場する他、卒業した3年生たちのその後なども描かれている。
あらすじ
普通校である千葉県立総北高校に入学した小野田坂道は、毎日のように秋葉原に行くほどアニメやフィギュアが大好きなオタクの少年。電車賃を節約するため、住んでいる千葉から秋葉原まで45km以上の道のりを自転車で通っていた。ある日学校裏にある斜度20%以上の「激坂」を、鼻歌まじりに登っているところを今泉俊介に目撃され、自転車勝負を申し込まれる。これをきっかけに自転車競技・ロードレースの存在を知り、自分の可能性を掛けて自転車競技部に入部。主将の金城真護、クライマーの巻島裕介ら先輩や、坂道を自転車に誘った今泉俊介、大阪からやってきた鳴子章吉らとともに、インターハイ優勝を目指す。
総北高校自転車競技部入部編
今泉俊介に誘われ、鳴子章吉らとともに自転車競技部の戸を叩いた坂道。すると主将の金城真護より「1年生対抗ウェルカムレース」の開催を知らされる。新入部員の力量を見るというそのレースに、坂道はママチャリで参加することになる。ロードレース初心者の坂道にとって初のレースとなるが、先頭を行く今泉俊介や鳴子章吉に追いつこうと奮闘する。
合宿編
インターハイ予選を終え、本格的な練習がスタートした。総北高校は静岡県にある自転車専用コースのある合宿場にて合宿をすることに。しかし、坂道は合宿場までの道中、車酔いでバスを降りてしまう。具合が悪く行き倒れのようになった坂道の前に、真っ白なロードバイクに乗った少年・真波山岳が現れる。
後続の車で合宿場に着いた坂道に、主将の金城真護が言い渡した合宿メニューは「4日間で1000km走破」という過酷なものだった。インターハイメンバーの選出も兼ねた合宿で、2年生オールラウンダーの手嶋純太、青八木一とジャージを掛けた対決が起こる。
インターハイ1日目
インターハイ本戦。3日間に及ぶ激戦は、神奈川県の江ノ島からスタートする。会場には、総北高校3年生にとって因縁の相手である昨年の王者箱根学園、1年生エース御堂筋翔が率いる京都伏見高校をはじめとする全国選抜の強豪校がひしめいていた。その中には、合宿場への道中に出会った箱根学園のクライマー・真波山岳の姿もあった。初めての大規模レースに戦く坂道だったが、周囲の激励を受けてスタートを切る。初日のリザルトを掛けてスプリンター、クライマー、エースそれぞれが意気込む中、坂道は集団の落車に巻き込まれ、チームから離脱してしまう。
インターハイ2日目
特別ルールにより、前日の着順スタートとなる2日目。先頭グループが次々出発する中、しばらく進んだところで、3年生クライマーの巻島裕介はチームに3年生スプリンター田所迅の姿が見えないことに気づく。金城真護より「全員を連れて追いつけ」というオーダーを受けていた坂道は、田所迅を待つよう進言する。
インターハイ3日目
最終日、エースに追いつくため箱根学園と「協調」することになった総北高校。ロードレースは集団の人数が多いほど各人の負担が減り、速度が上がるため、目的を同じくする場合は敵同士で協力し合うこともあるのだ。順調に進む総北高校と箱根学園だったが、背後から猛スピードで迫る後続集団に追いつかれてしまう。集団に飲み込まれてしまった坂道は、先に進んでしまったチームメイトを追いかけるために箱根学園のエースアシスト荒北靖友に協調を持ちかける。
第2世代始動編
インターハイを終えると、引退を待たずに巻島裕介が自転車競技部を去ってしまう。巻島の不在に坂道はスランプに陥り、ロードバイクを楽しめなくなっていた。3年生とともに最後のレースに臨む後輩たち。引継ぎが終わり、新主将には2年生の手嶋純太が選ばれた。クライマーに転向した手嶋は、調子の戻らない坂道とともにヒルクライムレースに出場する。そこには箱根学園の次代エース葦木場拓斗の姿があった。
1年生対抗ウェルカムレース編
春になり、坂道たちは2年生に進級する。全国優勝を成し遂げたことで大幅に増えた入部希望者を迎え、恒例である1年生対抗ウェルカムレースが始まった。スターターを務めた坂道の目に、1年生に交じりレースに参加している2年生・杉元照文の姿が映る。彼はレースに優勝したら、インターハイメンバーの6人目にしてもらうよう手嶋純太に頼んでいたのだ。田園区間に入り本格的なレースがスタートすると、1年生オールラウンダー鏑木一差と段竹竜包が飛び出していた。彼らもまた、レース前に「2人で1位、2位を取ったらインターハイメンバーに入れてほしい」と手嶋純太に伝えていたのだ。
2年次合宿編
前年同様、静岡県の合宿場での1000km走破合宿に向かう総北高校の面々。坂道はまたもや車酔いでバスを降りていた。道端で休憩し、後続の車に乗り込もうとすると、そこには3年のメカニック担当・古賀公貴が乗っていた。昨年は合宿参加を辞退していたが、最後となる今年は挑戦するという。しかし、古賀公貴の本当の目的は現主将である手嶋純太をリタイアさせ、自身が主将となってインターハイに出場することだった。
2年次インターハイ1日目
坂道にとって2度目となるインターハイ本戦。昨年個人優勝を果たした坂道は、ゼッケン1をつけての出場となった。舞台は栃木県の日光。箱根学園はクライマー4人を選出したチームで王者奪還を目論む。
1年生の鏑木一差がスプリンターとしての才能を開花させたファーストリザルトを終えると、箱根学園のペース調整によって追いついた後続集団が坂道たち総北高校に襲いかかる。その集団の中で、坂道はゼッケン1のプレッシャーを知ることになる。
2年次インターハイ2日目
初日のカラーゼッケンをすべて箱根学園に奪われてしまった総北高校。応援に駆け付けたOB金城真護の激励を受け、2日目に臨む。スタート前の会場で坂道は、昨年の箱根学園エーススプリンターであった新開隼人の弟・新開悠人に勝負を挑まれる。
メディアミックス
スピンオフマンガ『弱虫ペダル SPARE BIKE』
渡辺航本人によるスピンオフマンガ。巻島裕介や新開隼人など、先輩たちの過去を2~4話ほどで描いた短編になっている。
公式アンソロジー『放課後ペダル』
キャラクターたちの日常をテーマとしたトリビュートコミック・イラストアンソロジー。表紙イラストは原作者である渡辺航が手掛けている。
TVアニメ
2013年10月より第1期が放映、2014年10月より第2期となる『弱虫ペダル GRANDE ROAD』が放映された。2015年秋に第3期の制作決定が発表された。
劇場版アニメ
2014年9月にTVアニメ第1期の総集編『弱虫ペダル Re:RIDE』、2015年6月に第2期の総集編『弱虫ペダル Re:ROAD』が上映された。
また2015年8月には、『劇場版 弱虫ペダル』が放映された。これは作者渡辺航自らが書き下ろしたオリジナルストーリーをもとにした初のオリジナル長編映画であり、インターハイ後の小野田坂道たちが描かれている。
舞台
2012年より公演開始。マンガを原作とする2.5次元舞台のひとつとして、多くの若手俳優が起用されている。通称「ペダステ」(弱虫ペダルのステージ(舞台)の意味)。
ストーリーは原作を追う形で、現在第7弾まで公演されている。演出家西田シャトナーが独自に編み出した技法「パズルライドシステム」を駆使し、舞台上でのロードレースを表現した。
ゲーム
バンダイナムコゲームス『弱虫ペダル 明日への高回転』(ニンテンドー3DS 自転車アドベンチャー)
『弱虫ペダル ぷちっとレーサーズ』(スマホアプリ サイクルアクションゲーム)
トレーディングカードゲーム 弱虫ペダルTCG「トレペダ」
ブロッコリーより発売。
社会に与えた影響
女性のロードバイク愛好家人口、ファン人口が急増した。ツール・ド・フランスなど海外のレースに観戦に行くファンも増え、海外選手が「日本の観客には若い女性が多い」と驚くほどの影響ぶりだという。2013年には『弱虫ペダル』をきっかけにロードバイクを始め、わずか1年ほどでヒルクライムレース女子総合優勝をした女性が話題となった。
2015年には自転車のマナーアップを考えるプロジェクト「エシカル・サイクル・オーガニゼーション」とコラボレーションし、自転車マナーアップキャンペーンが行われた。
登場人物・キャラクター
小野田 坂道 (おのだ さかみち)
丸い眼鏡をかけた小柄なオタク少年で、総北高校自転車競技部に所属する高校生。毎日高校に通うため一般的な自転車(「軽快車」あるいは「ママチャリ」とも呼ばれるファミリー車)で急勾配の坂道を上り、さらに千葉から東京の秋葉原まで毎日自転車で通っていたことから常人離れした脚力を獲得していた。同級生の今泉俊輔や鳴子章吉と出会い、その能力を認められて自転車競技部に入部する。 名前の通り「坂道」を得意とするクライマーとしての才能を開花させていく。どんなに苦しい坂でも笑顔で登り、好きなアニメ番組「ラブ☆ヒメ」の主題歌を歌うことでさらに力を発揮できる特技を持つ。自転車は、寒咲幹の実家である自転車店からBMC等いくつかを借りて使用している。
今泉 俊輔 (いまいずみ しゅんすけ)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道の同級生。中学時代から県内トップクラスの結果を出してきた自転車競技選手で、エースとなるため総北高校自転車競技部に入部した。クールな性格だが勝負にかける情熱は激しく、中学時代に敗北している御堂筋翔とは強い因縁がある。容姿が整っているため女子に人気があるが、自転車競技以外にはあまり目を向けることがない。 使用する自転車はスイスのSCOTT。
鳴子 章吉 (なるこ しょうきち)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道の同級生。「浪花のスピードマン」の異名を持つ関西出身の転校生で、目立ちたがりで勝気な性格とあちこち跳ねた赤い髪が特徴。小柄で自転車の競技スタイルはスピード重視。総北高校自転車競技部に入部し、田所迅の指導を受けスプリンターとして活躍する。今泉俊輔のことを「スカシ」などと呼んでおり口げんかが絶えない。 使用する自転車はイタリアのPINARELLO。
金城 真護 (きんじょう しんご)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道の2年先輩。総北高校自転車競技部の主将として、入部したばかりの小野田坂道らを指導した。競技においてもエースとしてチームを指揮したが、インターハイ後に引退。主将の地位は手嶋純太に引き継がせ、チームのエースとしての立場は今泉俊輔に託している。 使用する自転車はアメリカのTREK。
田所 迅 (たどころ じん)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道の2年先輩。金城真護と共に総北高校自転車競技部を引っ張ってきた巨漢のスプリンター。チームの先頭に立って豪快に走る通称「肉弾列車」と呼ばれる走りを得意とし、「暴走の肉弾頭」の異名を持つ。豪快な性格だが後輩の面倒見がよく、小野田坂道や鳴子章吉、手嶋純太や青八木一らに慕われていた。 使用する自転車はアメリカのSPECIALIZED。
巻島 裕介 (まきしま ゆうすけ)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道の2年先輩にあたる総北高校自転車競技部のメンバー。独学で身につけた、身体を大きく左右に振るダンシング(立ちこぎ)が特徴のクライマー。緑色の長髪にいく筋もメッシュを入れた特殊な外見と人を寄せ付けない雰囲気があるものの、同じクライマーの坂道や箱根学園のライバル東堂尽八とは強い絆を持っていた。 インターハイ後は退部し、イギリスに留学している。使用する自転車はフランスのTIME。
手嶋 純太 (てじま じゅんた)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道の1年先輩。金城真護から総北高校自転車競技部の主将を受け継ぎ、2年生となった坂道らを率いる立場となる。ウェーブのかかった長髪が特徴で、鳴子章吉からは「パーマ先輩」と呼ばれている。同学年の青八木一とはふたりでペアを組んでともに練習を積んできた仲。自身はクライマーを目指しているが、坂道には敵わないことを自覚しており、主に作戦立案等頭を使う分野で特技を活かすことになる。 使用する自転車はアメリカのCannondale。
青八木 一 (あおやぎ はじめ)
『弱虫ペダル』の登場人物で小野田坂道の1年先輩。無口で片目がおおむね前髪で隠れているのが特徴。鳴子章吉からは「無口先輩」と呼ばれている。手嶋純太は1年の時からの相棒で、ともに田所迅に指導を受けてきた仲。自身もスプリンターであり田所を深く尊敬しているが、インターハイ出場を賭けて敗北した鳴子章吉ら後輩を立てる傾向がある。 使用する自転車はドイツのCorratec。
古賀 公貴 (こが きみたか)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道の1年先輩。メガネをかけた優しい印象の人物で、総北高校自転車競技部の一員ではあったが怪我により部ではほとんど目立った活動をしていなかった。小野田坂道らが2年生になった時点で復帰し、持ち前の体力を活かしてインターハイ出場を目指す。 使用する自転車は台湾のMERIDA。
杉元 照文 (すぎもと てるふみ)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道の同学年。自転車競技の経験者であることを吹聴し、初心者の小野田坂道を見下すような態度を取っていたが、総北高校自転車競技部では訓練中に実力を認めサポートする立場となる。弟の杉元定時の入学・入部を機に再度レギュラー入りを目標に頑張りを見せる。 使用する自転車はイタリアのCOLNAGO。
鏑木 一差 (かぶらぎ いっさ)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道の1年後輩。同学年の友人である段竹竜包と共に、高校入学以前から社会人チームで活動していた自転車競技経験者。総北高校入学初日に自転車競技部に入り、新入生ながら主将の手嶋純太にスプリンターとしての才能を認められるようになる。 使用する自転車はアメリカのFelt。
段竹 竜包 (だんちく りゅうほう)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道の1年後輩。同学年の鏑木一差と幼なじみで、一緒に社会人チームに所属していた。総北高校自転車競技部にも共に入部し、共にインターハイ出場を目指す。使用する自転車はアメリカのSPECIALIZED。
杉元 定時 (すぎもと さだとき)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道の1年後輩。坂道のインターハイでの活躍を見てあこがれを抱いて総北高校自転車競技部に入部した新入生。杉元照文の弟で、兄を「照ちゃん」と呼び慕っているが、兄と違って大柄で未知数ながら自転車競技においても才能を秘めている。 兄と同じイタリアのCOLNAGOを使用する。
寒咲 幹 (かんざき みき)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道の同学年。総北高校自転車競技部のマネージャーを務める女の子。物語上のヒロイン的立場におり、自身も大の自転車オタクであることから坂道の持つ潜在能力を最初に見抜いており、実家の自転車店の自転車を無期限で貸し与えるなどさまざまな形で坂道をフォローしている。 自転車店を切り盛りする兄も部のOBで大会などにはよく顔を出している。
真波 山岳 (まなみ さんがく)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道とは同学年で友人であると共にライバルでもある箱根学園のクライマー。坂道と同じ、急な上り坂を楽しく感じる気質を持つことから互いに親近感を持つようになる。マイペースな性格で、チームの勝利よりも自身が勝負を楽しむことを重視する傾向があるが、類い稀なクライマーとしての素質を持つことから強豪校箱根学園で1年生にしてレギュラーの座を獲得している。 使用する自転車はフランスのLOOK。
福富 寿一 (ふくとみ じゅいち)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道から見て2年上級生。強豪校である箱根学園の主将でエースを務める立場で、同学年の金城真護とは前年度のインターハイで争った因縁がある。インターハイ後は、新開隼人と共に大学に進学し、自転車競技を続けている。 使用する自転車は台湾のGIANT。
荒北 靖友 (あらきた やすとも)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道から見て2年上級生。箱根学園のスプリンターで、元ヤンキーの言葉遣いも態度も他人に対して威嚇的な人物。目つきが悪く好戦的な性格で「野獣」などとも呼ばれたりしているが、インターハイでは共にチームから隔絶された立場となった坂道を支えるように走るなど仁義を重んじる面も描かれている。 使用する自転車はイタリアのBianchi。
東堂 尽八 (とうどう じんぱち)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道から見て2年上級生。箱根学園のクライマーで、巻島裕介とはライバルであると共に友人でもある。いつも前髪を上げてカチューシャで留めており、自身を「美形」と称するナルシストで、実際に多数の女性ファンが存在する。 使用する自転車はベルギーのRIDLEY。
新開 隼人 (しんかい はやと)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道から見て2年上級生。箱根学園の副部長でもあるスプリンターで、いつも固形の栄養補助食品を口に咥えている。普段は穏やかな性格だが、スプリンターとしての役割を果たす際には半狂乱じみた様子で自転車を走らせる。主将の福富寿一とは中学時代からの友人で、インターハイ後は同じ大学に進み一緒に自転車競技を続けている。 使用する自転車はカナダのCervelo。
泉田 塔一郎 (いずみだ とういちろう)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道から見て1年上級生。箱根学園のスプリンターで、後に福富寿一から主将を受け継ぐ。丸刈り頭と長いまつげが特徴で、本領発揮の際にはサイクリングウェアを脱いで鍛えた筋肉を晒す傾向がある。なお、右の大胸筋は「アンディ」、左は「フランク」、後背筋が「ファビアン」という愛称で呼んでおり、全力疾走する際には「アブ」という腹筋を意味する言葉を叫ぶ。 使用する自転車はスペインのBH。
御堂筋 翔 (みどうすじ あきら)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道とは同学年。京都伏見高校で1年生にして自転車部の主将を務める、坂道や今泉俊輔のライバルとなる存在。自分以外のすべての他人を見下しており、誰に対しても不遜な態度を取るため憎まれやすい性格をしているが、自転車の腕は一流。チームの他のメンバーを実力でねじ伏せて主将の座を勝ち取っており、それ以降は恐怖政治的な形で部員たちを支配している。 競技中は特に、目を見開いたり歯をむき出して見せるなど奇怪な面相をすることが多く、速度を重視した異様な前傾姿勢となる自転車に乗るなど奇矯な行動が目立つ。使用する自転車は、イタリアのDE ROSA。
石垣 光太郎 (いしがき こうたろう)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道から見て2年上級生。本来京都伏見高校の主将だったが、新入生の御堂筋翔に敗れ自転車部の実権を握られてしまう。状況の異常性を感じてはいるものの、御堂筋翔によって完全に支配された状況にあるチームをどうすることもできず、半ばマインドコントロール的に肯定する心境に至っていた。 使用する自転車は日本のブリジストン社製ANCHOR。
待宮 栄吉 (まちみや えいきち)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道から見て2年上級生。広島呉南工業高校の主将で、インターハイ3日目の優勝を狙って多数の高校を巻き込んだ集団を形成し上位グループまで追いついたが、チームメンバーも含め他者を利用するだけ利用して切り捨てることを厭わない性格。いったん先頭集団から切り離したはずの小野田坂道と、箱根学園の荒北靖友・真波山岳が協力し合うことで抜き返され勝負を断念する。 使用する自転車はイタリアのCOLNAGO。
銅橋 正清 (どうばし まさきよ)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道と同学年の箱根学園のスプリンター。屈強な肉体と獰猛な気性を持ち、他を圧倒するスプリントを見せる。入部当初は、その荒い気性からたびたび部内で問題を起こし、退部と入部を繰り返していた。使用する自転車はアメリカのSPECIALIZEDのS-WORKS。
葦木場 拓斗 (あしきば たくと)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道から見て1年上級生。身長202cmと、箱根学園史上最長の記録を持つ。ピアノが得意で、レース中は自分の頭の中に流れるクラシックの音楽に合わせて全身を左右に大きく揺らし、急加速する。物腰が柔らかく素直な性格の持ち主だが、度を超えた天然でたびたびメンバーからツッコミを入れられている。 使用する自転車はイタリアのWilier。
黒田 雪成 (くろだ ゆきなり)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道から見て1年上級生。新生箱根学園の副主将を担う、冷静で頭の回転が速い参謀役。高い身体能力と運動神経を持ち、中学時代は多くの運動部の助っ人として活躍していた。1年目のインターハイは選抜トーナメントで真波山岳に敗れ、出場を逃した。使用する自転車はイタリアのKUOTA。
新開 悠人 (しんかい ゆうと)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道から見て1年下級生。箱根学園のスプリンター・新開隼人の実の弟。兄が卒業した後の自転車競技部にクライマーとして入部した。小野田坂道に興味を持っており、ことあるごとに勝負を挑む。使用する自転車は、兄と同じカナダのcervelo。
岸神 小毬 (きしがみ こまり)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道から見て1年下級生。京都伏見の新1年生でありながら、御堂筋翔にも一目おかれる存在。中性的な容姿で物腰も柔らかだが、筋肉に対して異常な執着を持ち、人の筋肉を触って本質を見極めるという変わった行動をとる。使用する自転車はイタリアのCARRERA。
寒咲 通司 (かんざき とおじ)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道が所属する総北高校自転車競技部のOBであり、寒咲幹の実の兄。金城真護たちが1年生だったころ主将として部を率いていた。実家である自転車店に勤めつつ、総北高校が出場する試合会場へ用具を運搬したり、選手の移動を手伝ったりと様々なサポートをこなす。
坂道の母 (さかみちのはは)
『弱虫ペダル』の登場人物で、小野田坂道の母親。フルネームは作中に描かれていない。マイペースで天然ボケ体質の女性で、息子がインターハイに出場していることを知らずに偶然その場に居合わせ、応援していた。小さな頃から自転車を乗り回してばかりの坂道を心配して、あまりスピードが出ないよう自転車店に頼んで改造してもらったことが、坂道の並外れた脚力を育てる結果となった。
集団・組織
総北高校自転車競技部 (そうほくこうこうじてんしゃきょうぎぶ)
『弱虫ペダル』の舞台である千葉県にある高等学校のクラブ活動。千葉県下におけるロードレースの強豪校とされており、新入生の小野田坂道、今泉俊輔、鳴子章吉が入部することで、前年度箱根学園に敗北したインターハイに再挑戦することになる。学校の正門前に緩やかな坂、裏門に急な傾斜角の坂があり練習によく使用されている。 金城真護が務めた主将は手嶋純太が引き継ぐことになる。
箱根学園 (はこねがくえん)
『弱虫ペダル』に登場する神奈川県の高等学校。小野田坂道の所属する総北高校自転車競技部のライバル校として登場する自転車競技の強豪校。前年度のインターハイ優勝校でもある。坂道のライバルである真波山岳、金城真護のライバル福富寿一、巻島裕介のライバル東堂尽八らを擁する。 主将は福富から泉田塔一郎に受け継がれた。
関連
弱虫ペダル SPARE BIKE (よわむしぺだる すぺあ ばいく)
自転車競技を題材にした漫画『弱虫ペダル』の外伝で、登場人物たちの過去を描いた青春群像劇。秋田書店「週刊少年チャンピオン」2012年38号から連載を開始。 関連ページ:弱虫ペダル SPARE BIKE
アニメ
弱虫ペダル GRANDE ROAD
激闘が続いたインターハイ1日目が終わった。しかし出場する選手たちにはすぐ2日目が待っている。それぞれの過去の因縁や思惑を含んで始まった、総合優勝を決する2日目。体力の限界や様々な困難、新たなライバルの... 関連ページ:弱虫ペダル GRANDE ROAD
書誌情報
弱虫ペダル 92巻 秋田書店〈少年チャンピオン・コミックス〉
第1巻
(2008-07-08発行、 978-4253214513)
第78巻
(2022-06-08発行、 978-4253227384)
第79巻
(2022-08-08発行、 978-4253227391)
第80巻
(2022-10-06発行、 978-4253227407)
第81巻
(2022-11-08発行、 978-4253282512)
第82巻
(2023-02-08発行、 978-4253282529)
第83巻
(2023-04-07発行、 978-4253282536)
第84巻
(2023-06-08発行、 978-4253282543)
第85巻
(2023-08-08発行、 978-4253282550)
第86巻
(2023-10-06発行、 978-4253282567)
第87巻
(2024-01-05発行、 978-4253282574)
第88巻
(2024-03-07発行、 978-4253282581)
第89巻
(2024-05-08発行、 978-4253282598)
第90巻
(2024-07-08発行、 978-4253282604)
第91巻
(2024-09-06発行、 978-4253282611)
第92巻
(2024-11-08発行、 978-4253282628)