僕は問題ありません

僕は問題ありません

奇想天外な境遇に置かれ、器用に生きられずにいる人々の人間ドラマを、シュールかつ叙情的に描いた短編集。

正式名称
僕は問題ありません
ふりがな
ぼくはもんだいありません
作者
ジャンル
不条理・シュール
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概要・あらすじ

クラスの男子にけしかけられて、クラスメイトの女子の持ち物を隠していた轟治。突然学校を辞めると言い出したその女子が気になり、自宅までついて行ってみると、そこは奇妙な形のタワー状の建物だった。そのまま家に閉じ込められている様子の彼女が心配になったは、連日彼女の家に通うようになる。

登場人物・キャラクター

轟 治 (とどろき おさむ)

長い髪の毛を二つに縛っている男子学生。祖父に支配され、奇妙な形のタワーのような家に軟禁状態で暮らしているクラスメイトの女子が気になり、なんとかコミュニケーションを取ろうとする。

ひなたの父 (ひなたのちち)

妻と娘と暮らす中年男性。大量の人形を集めた秘密の部屋を自宅の屋上に作り、そこで人形たちと話すのを日々の楽しみにしていたが、そのことを知った妻に、人形をすべて処分されてしまう。

(もり)

アルバイト暮らしの男性。酒に酔って飛び出してきた男を車で轢いて死なせてしまう。相手の妹から「兄が死んで悲しむ人はいない」と言われ、無罪放免になるが、死なせた男が自分と似ているように思え、その行動を意識するうちに、やがて見た目まで彼とそっくりになっていく。

尾形 のぼる (おがた のぼる)

中学校の教師だった。小説家の父の処女作を大切に持ち歩いていたが、担当クラスの男子生徒に盗まれてしまい、そのことをずっと恨んでいた。

白丸 (しろまる)

マンションの6階に住むおさげ髪の少女。老人ホームの建て替えに伴いマンションを出ることになり、2階に住む男性に挨拶をしに行ったところ、彼によって部屋に大量に盗聴器を仕掛けられていたことを知る。

週子 (しゅうこ)

郊外のショッピングモール内にあるファストフード店で働く女性。ある日突然来店客にプロポーズされ、それに応じて結婚するが、相手は都市開発に従事するサラリーマンで、結婚は彼の会社が標準的なデモ夫婦の生活をリサーチするためのものだったと知らされる。

朝原 (あさはら)

眼鏡をかけた男子学生。同じ学校に通う女子生徒のことが好き。万引き現場を目撃したことを口実として彼女に接触しようとするが、彼女がかつて教え子に薬物を与えて逮捕された教師と結婚していることを知り、衝撃を受ける。人と手を繋ぐと吐き気を催してしまう体質。

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