隼人18番勝負

隼人18番勝負

巌流島の対決で宮本武蔵に敗れた佐々木小次郎の無念を晴らすべく、故郷で剣技を磨いてきた佐々木一族の末裔・佐々木隼人が、プロゴルフ界に転進してしまった宮本一族を打ち倒すため、自らもゴルフクラブを握ってゴルフに挑むという異色のスポーツ漫画。「週刊少年ジャンプ」誌上で平成元年23号から39号にかけて連載されていた。

正式名称
隼人18番勝負
ふりがな
はやとじゅうはちばんしょうぶ
作者
ジャンル
ゴルフ
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概要・あらすじ

ジュニアゴルフ選手権が開催されている河川敷でチンピラに因縁をつけられ、暴行されていた塚本将平の前に1人の若者が姿を現す。精妙な剣さばきを見せつけてチンピラを追い払った若者は佐々木隼人と名乗り、自分が巌流島で宮本武蔵に敗れた佐々木小次郎の子孫であり、先祖の無念を晴らすために宮本一族が開く「円明館道場」を目指し、海を渡ってきたことを将平に告げる。

しかし、助けてもらった礼に道案内を買って出た将平は、宮本一族が30年前に剣を捨て、プロゴルフ界に転進したという、衝撃の事実を隼人に伝えるのだった。これに激昂した隼人は、試合に参加していたジュニアゴルファーで、宮本一族の末裔である宮本剣吾に対して一方的に果し合いを宣言。

いきなり抜き身で切りかかってしまう。

登場人物・キャラクター

佐々木 隼人 (ささき はやと)

佐々木小次郎の子孫で、佐々木一族の12代目総代となる16歳の少年。小次郎から受け継いだ物干し竿を愛刀として携えており、その剣技は一流。打倒宮本という佐々木一族の3世紀半に渡る悲願を果たすため下関から小船に乗り、単身で上京してきた。宮本一族のプロゴルフ界への転進を知って一時は目標を失うが、ゴルフ雑誌の記者である塚本将平に諭され、自らもゴルフの道へと進むことになる。 ゴルファーになってからは専用ドライバーの飛燕零を扱い、剣術で鍛えた強靭な肉体を活かして超低弾道から大きくホップするスーパーショットを連発するほどの腕前になる。普段は礼儀正しく争いを好まない好青年だが、ひとたび頭に血が上るとすぐに抜刀してしまうのが玉に瑕。

宮本 剣吾 (みやもと けんご)

日本ゴルフ界の重鎮・宮本駿の息子で、白鳳高校に通う男子高校生。宮本武蔵の末裔でもある。ジュニアゴルフ界では人気、実力共にダントツを誇る実力者で、左右のどちらからでもボールが打てる「左右打ち(スイッチヒット)」を得意とする。何事にも動じないクールな性格だが、佐々木隼人の常識外のプレイに触発されて、失格を前提とした無茶なショットをすることもあった。 剣による勝負を望む隼人に対し、「今はゴルフ一筋」と語っていたが、のちに隼人の物干し竿を使って軽々と居合いをするなど、剣を捨てていないことが明らかになる。

塚本 将平 (つかもと しょうへい)

週刊のゴルフ雑誌「スーパーゴルフ」に編集者として在籍する男性。ジュニアゴルフ選手権での取材中、河川敷でチンピラに暴行されていたところを佐々木隼人に助けられ、何かと面倒を見ているうちに隼人のゴルファーとしての優れた資質に惚れ込んでいく。のちに打倒宮本の宿願が果たせなくなった隼人をゴルフ界へと誘い、厳しく鍛え上げることになった。 会社に無断で2ヶ月も行方をくらます破天荒な行動派だが、記者としての実力は編集長も一目置くほど。

宮本 駿 (みやもと はやお)

宮本武蔵の末裔で、「マンモス宮本」を名乗る日本プロゴルフ界のトッププレイヤー。30年前に剣の道場を閉め、ゴルフ界への転進を決めた張本人。落ち着いた性格で、佐々木隼人の恨み節もすべて淡々と受け流していた。

吉本 藤吉郎 (よしもと とうきちろう)

大阪で一番の呉服問屋の長男でジュニアゴルファー。「口から先に生まれた」と皮肉られるほどの口達者で、関西のお笑い番組ではタレント並の人気を誇っていた。有名人の物まねを大の得意としており、有名ゴルファーのスイングを真似てはナイスショットを連発する食わせ者。ゴルフを金と名声を得る手段と割り切っており、マッチプレーの相手となった佐々木隼人に対して集中力を乱す妨害行為を再三繰り返すなど、勝つためには手段を選ばない性格。

伊集院 陽介 (いじゅういん ようすけ)

男子ジュニアゴルファー。時速150キロの豪速球を武器に高校野球界を沸かし、日本全国にその名を轟かせた天才投手だったが、甲子園優勝後に突如としてゴルファーに転進。自らを天才と称し、ライバルの宮本剣吾を秀才と位置づける並外れた自信家で、「相手をねじ伏せて勝ってこそ本当の勝者」という哲学の持ち主。

塚本 つばめ (つかもと つばめ)

塚本将平の娘。母親を早くに亡くし、5歳の頃から家事を担当していたため、態度や口調が大人びている。佐々木隼人と一緒に遊園地に言った際は、アトラクションを通じて間接的にゴルフクラブの持ち方を指南し、隼人をゴルフの道へ進ませるのに一役買った。

鳴海 一平 (なるみ いっぺい)

伊集院陽介が高校野球で活躍していた時期にバッテリー組んでいた男子高校生で、「キャッチャー殺し」と呼ばれた陽介の豪速球を受け続けてきた名捕手。ゴルフ界に進んだ陽介のことを心配し、ジュニアマッチプレー選手権の会場まで足を運ぶ。

場所

船島 (ふなじま)

下関にある小さな島。太平洋戦争後、剣術が禁止されて剣道になったのを契機に佐々木一族が移り住み、「打倒宮本剣法」を達成できる新たな剣道をこの地で模索していた。佐々木隼人の出身地。

その他キーワード

物干し竿 (ものほしざお)

佐々木小次郎が所持していた並外れた長刀で、佐々木一族の宝刀。過去には多くの武者修行者たちを震え上がらせてきた。12代目の総代となった佐々木隼人が引継ぎ、逮捕される前までは常に持ち歩いていた。

飛燕零 (ひえんぜろ)

佐々木隼人が愛用するゴルフクラブ。番手は0番、さらに長さが45インチ以上もある異色のドライバーで、剣術の名手である隼人専用として特殊なカスタマイズが施されている。

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