フェアウェイ社員

フェアウェイ社員

プロに匹敵するゴルフの腕を持つ社員が、さまざまな会社との取引を円滑に進めるため、接待ゴルフを成功させていく様子を描いた作品。ゴルフのみならず、社会における人間関係などの描写も丁寧に描かれている。

正式名称
フェアウェイ社員
ふりがな
ふぇあうぇいしゃいん
原作者
やまさき 十三
漫画
ジャンル
ゴルフ
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

プロ級のゴルフの腕を持つ沢田鳥平には、他の社員とは一風変わった役割が与えられていた。朝には自宅へハイヤーの迎えが来て、お偉いさんに会いに行く日々を送っていた。そんな彼の仕事は接待ゴルフ。フェアウェイ社員の異名を持つ鳥平は、今日も新しい契約を求めて、取引先の重役とのフィールド巡りに勤しむ。

登場人物・キャラクター

沢田 鳥平 (さわだ とりへい)

北斗商事の営業課に勤める25歳の青年。お調子者かつ人懐っこい性格だが、時にシビアな一面を見せることもある。プロに匹敵するゴルフの腕前と先見性を持つうえに、芦川幸子からの情報をもとに相手の心理を読み取ることに長けており、もっぱら接待ゴルフのために会社から駆り出されている。その卓越した才能と、仕事でゴルフをプレーできるという羨望も込めて「フェアウェイ社員」と呼ばれている。 肝が据わっており、必要とあらば挑発的な言動も辞さない。一方で、想いを寄せている相手である幸子が絡むと、俄然ムキになるといった短所も併せ持つ。

芦川 幸子 (あしかわ さちこ)

北斗商事の営業課に勤める20歳の女性。高級マンションに暮らしており、社内でも常にエリート然とした佇まいを見せる。同僚である沢田鳥平にとっての情報源と呼べる存在で、彼が接待ゴルフを務める相手の詳細を調べ上げては、鳥平に逐一報告している。鳥平および青山専務に思いを寄せられているが、芦川幸子自身はどちらに対してもそっけない態度を貫いている。

椎名課長 (しいなかちょう)

北斗商事の営業課に勤める中年男性で、沢田鳥平の上司にあたる。鳥平の役割を熟知しており、接待ゴルフに出かける彼の代わりにタイムカードを押している。鳥平のお調子者な言動に振り回されながらも、信頼を置いており、時には彼とともにコースを回ったりすることもある。

有田 夏夫 (ありた なつお)

北斗商事の取引先である丸山運輸の取締役を務めている男性。役職は営業部長で、大阪出身の51歳。趣味は囲碁とゴルフで、特にゴルフは3年前に始めてから熱中しており、ハーフ50を切ることを目標としている。また、プロ野球観戦にも凝っているが、読売ジャイアンツが敗れた翌日には機嫌を悪くしてしまう。

北川 勇作 (きたがわ ゆうさく)

北斗商事の取引先である北川工業で社長を務める54歳の男性。人前では豪放磊落に振る舞っているが、実際は優柔不断といえるほどに慎重な性格で、新たに開発したコピー機の販売を北斗商事に任せるかどうかで悩んでいる。交渉の一環となる接待ゴルフにおいて、沢田鳥平とともにコースを回る。その際のプレーで、北川勇作自身に決断力が不足していたことを自覚し、鳥平に感謝するとともにコピー機の販売を北斗商事に任せた。

児玉常務 (こだまじょうむ)

大手会社の常務を務める中年の男性。ゴルフの腕は確かだが、勝負にこだわり過ぎるきらいがあり、北斗商事も困らされていた。これを重く見た椎名課長の提案により、沢田鳥平と対決することとなる。さらに児玉常務の提案により賭けゴルフの形式を取らされてしまうが、鳥平の心理作戦の前には通用しなかった。

青山専務 (あおやませんむ)

北斗商事の取引先である青山商事で専務を務める青年。ややキザっぽいところがあり、その性格は想いを寄せる相手である芦川幸子と接する際には特に顕著となる。さらにゴルフの腕も優れているため、沢田鳥平からライバル視されており、彼からゴルフの勝負を申し込まれる。その勝負によって鳥平の腕に興味を抱き、ゴルフおよび幸子を巡るライバルとして、いがみ合いながらも公私にわたり親しい仲となった。

山田部長 (やまだぶちょう)

北斗商事に勤めている中年男性。沢田鳥平とともに、取引先であるS電機の佐野社長とゴルフに臨むこととなる。外見、性格ともに威圧感があり、鳥平からは上にへつらい、下と見たものには高圧的な態度を取りかねないと警戒されていた。しかし実際はS電機の商品の性能や、それを作り出した佐野社長の才能と人柄を高く評価しており、鳥平にすら気づかれないよう、上手く手加減をするという粋な計らいを見せた。

佐野社長 (さのしゃちょう)

北斗商事の取引先であるS電機の社長を務める老年の男性。沢田鳥平をして「一国一城の主には見えない」と言わしめる温和な性格の持ち主だが、最近業績が伸び悩んでいる。北斗商事に売り込みの接待ゴルフを申し込み、その際に相手として鳥平を指名した。さらに山田部長の提案により、ゴルフに勝てば取引が成立することとなり、最終的には見事に勝利を収めた。

増田織物の社長 (ますだおりもののしゃちょう)

北斗商事の取引先である増田織物で社長を務める70歳の男性。沢田鳥平と親しく、彼とコースを回ることを何よりの楽しみとしている。しかし、そろそろ歳という自覚から、社長退任を考えており、一郎か北川専務のどちらを後継者として指名しようか決めあぐねていた。そこで、ゴルフを通じて彼らの人間性を見極めるため、鳥平を伴い、彼らとコースを回ることを決めた。

北川専務 (きたがわせんむ)

北斗商事の取引先である増田織物の専務を務める男性。一時期業績不振に陥った増田織物を立て直した実績を持ち、その手腕は沢田鳥平からも注目されていた。また、増田織物の社長からの評価も高く一郎からも慕われているなど、人柄も良く、増田織物の次期社長候補の1人と目されている。ゴルフの腕もかなりのもので、コースではドライバーを得意とすることから「飛ばし屋」と呼ばれている。

一郎 (いちろう)

北斗商事の取引先である増田織物の常務を務める男性。増田織物の社長の息子で、社長は私情としては一郎に社長を継いでほしいと願っていた。社長の息子であることを少しも鼻にかけない心優しい性格で、北川専務を慕っている。一方で、その優しさが経営者としての決断力を鈍らせかねないという危惧から、沢田鳥平からは社長になるには時期尚早と考えられている。

鳥銀の主人 (とりぎんのしゅじん)

沢田鳥平行きつけの焼き鳥屋である「鳥銀」の主人を務める老年の男性。頑固一徹を絵に描いたような粋な性格の持ち主で、料理の腕も抜群。鳥平とはしょっちゅう口喧嘩をしながらも、ケンカするほど仲がいいという間柄となっている。鳥平が芦川幸子を連れて来た際には、初めてガールフレンドを連れて来たと内心浮ついていた。

下田専務 (しもだせんむ)

北斗商事の取引先である大平電器の専務を務める男性。多少傲慢なところはあるが、会社では頼れる重役としての役割を果たしている。ゴルフの腕も沢田鳥平が認めるほどだが、接待ゴルフに慣れてしまっているため、自分本位のゴルフをしてしまい、その結果スコアが不振になってしまうことが多かった。しかし、鳥平のアイデアによってそのことに気づき、ゴルフにおけるスランプを克服した。

都 星一郎 (みやこ せいいちろう)

都大三郎の息子で、大学でゴルフ部のキャプテンを務めている21歳の青年。父親に溺愛されており、社長の座を継がずにプロゴルファーになることを望んでいた。しかし、北斗商事との接待ゴルフにおいて、沢田鳥平のテクニックを見ることで、プロになることの難しさを実感する。これをきっかけにすっぱりと諦め、ゴルフを趣味にとどめることを決めた。

都 大三郎 (みやこ だいざぶろう)

北斗商事の取引先である海南物産の社長を務める男性。息子である都星一郎を溺愛しており、彼が関わると視野が狭くなってしまう悪癖を持つ。星一郎がプロゴルファーになりたいと言い出した時も反対しなかったが、彼がプロで通用するレベルではないことに気づいていなかった。しかし、沢田鳥平の活躍によりそのことに気づき、鳥平および北斗商事に惜しみない感謝を送った。

大川 剛造 (おおかわ ごうぞう)

北斗商事の取引先である大川産業の常務を務める54歳の男性。ゴルフ歴は5年と浅いものの、最近ではコンスタントに50を切るほどに上達している。しかし、本番に弱いタイプで、コンペにおいては2回連続でブービーだった。優勝を悲願としているため、それをサポートするために次のコンペでは沢田鳥平の協力を得るが、こちらでも気負い過ぎていたため、ミスが続いた。 しかし鳥平の作戦によって気負いがなくなり、のびのびとしたプレーを行えるようになり調子が回復。結果、初優勝を果たした。

小林社長 (こばやししゃちょう)

北斗商事の取引先である小林企画の社長を務める壮年の男性。ゴルフの腕は劣るものの思慮深い性格で、沢田鳥平からは「楽しくラウンドするマナーにかけては超一流」と称賛されている。一人娘である小林良子の結婚について悩んでおり、鳥平に協力を仰いだ。

藤倉 (ふじくら)

ゴルフのアシスタントプロを務めている青年。小林良子と交際しており、結婚を考えている。一見すると礼儀正しく良子からの信頼も厚いが、悪く言えば出来過ぎているため、小林社長からはいまいち信頼を得られていなかった。そのため、藤倉の人間性を見極めるためとして、沢田鳥平とのゴルフ対決に及ぶこととなる。しかしこの試合において、良子に対する真摯な想いを見せ、鳥平を唸らせた。

小林 良子 (こばやし りょうこ)

小林社長の娘で、藤倉の交際相手。女子大のゴルフ部に所属しており、時折藤倉のレッスンを受けている。小林社長が藤倉をいまいち信用していないことを知りつつも、小林良子本人は藤倉を信頼しており、結婚したいと考えている。

有田社長 (ありたしゃちょう)

北斗商事の取引先である有田工業の社長。先代社長の娘と結婚し、婿養子に入る形で今の地位を得ている。経営手腕は確かなものがあり、北斗商事からも高い評価を得ている。しかし現在は愛人であるアキコに夢中になっており、会社の危機へと繋がっている。そのため、ゴルフを利用して有田社長とアキコを別れさせるべく、沢田鳥平に白羽の矢が立てられた。

アキコ

有田社長の愛人。したたかな性格の女性で、有田社長に取り入ることで有田工業を密かに自分の思い通りにしようと画策している。社長には甘える素振りを見せるが、他の人間には極めて不愛想であるため、沢田鳥平からも不評を買っている。

集団・組織

北斗商事 (ほくとしょうじ)

沢田鳥平、芦川幸子、椎名課長などが勤めている会社。プロ並みのゴルフの腕と、取引成功率の高さを誇る鳥平に、接待ゴルフのほとんどが任せられている。そのため、鳥平は会社にいる時間が少なく、社員たちの羨望を集めている。

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