概要・あらすじ
一部上場企業に勤めるサラリーマン・前野金蔵は、会社や人間関係のしがらみのないところでゴルフに打ち込みたいと常々考えていた。そんな折、金蔵はクラブのホステスを巡るトラブルに巻き込まれ、ゴルフで決着をつけることとなる。そして金蔵の前に現れたのは、百戦錬磨の闇プロ・闇塚新一だった。硬軟併せ持つ闇塚のプレーに苦戦する金蔵だが、あくまでひたむきに、真摯に立ち向かっていく。
登場人物・キャラクター
前野 金蔵 (まえの きんぞう)
アマチュア・ゴルファー。28歳。ベストアマに輝き、ハンデ0の腕前を持つ。一部上場の日本食品株式会社のサラリーマンだったが、プロゴルファーになりたいと常々思っており、ゴルフ勝負を機に退職。身長182cm、体重80kgの恵まれた体格を持ち、バンカーの縁にあるボールを地面ごと削り取ってグリーンオンさせてしまうほどのパワーヒッター。 一方でパッティングはそれほど得意ではない。結婚していたが、ゴルフに集中したいとの考えから離婚している。
闇塚 新一 (やみづか しんいち)
賭けゴルフの代打ちなどを行う闇のプロゴルファー。トーナメントで4連勝した後、表の世界から姿を消し裏の世界へと移った。伊能ら3人から代打ちを依頼され金蔵とプレーする。表の技だけでなく裏の技でも金蔵を圧倒。終始リードしていたが、金蔵のひたむきなプレーに徐々に感化されていく。
上松 英夫 (うえまつ ひでお)
「泣きの蝉丸」の異名を持つ闇プロ。素人臭いスイングで相手を油断させるのが得意。偶然、金蔵と闇塚の対決を見かけ、金蔵に興味を持った。ミラー・バーバーとのマッチプレーでは金蔵のキャディを務める。
白金 ユキ子 (しろがね ゆきこ)
クラブ「G」のホステス。金蔵に想いを寄せており、日記に妄想を書き綴っていた。伊能の強引な誘いを断り続けていたが、入院沙汰の事件を起こし、結果的に金蔵をゴルフ対決に巻き込むこととなる。
伊能 (いのう)
ヤクザの組長。ホステス・ユキ子に入れあげ、強引に口説いていた。なびかないのを金蔵のせいと思い、闇塚を代打ちに立てて金蔵にゴルフ勝負を挑む。自身もハンデ4のシングルプレーヤー。途中、汚い手を使って金蔵を負けさせようとしたが、闇塚に釘をさされて思いとどまる。 その後、ゴルファーとしての矜恃から、ロストボールになりかけていた金蔵のボールの行方を教える。
浅井 瑛夫 (あさい てるお)
ゴルフメーカーであるオリムピック・スタッフの開発担当者。画期的なシャフト「NASA・BORON」を開発している。そのシャフト技術を手に入れるためにやってきたミラー・バーバーに対して、金蔵を代打ちに立てて勝負を行う。
ミラー・バーバー
NASA・BORONシャフトの技術を手に入れるために、アメリカからやってきた闇プロゴルファー。名手ジャック・ニクラウスにも勝ったことがある実力者。左右どちらでもまったく同じスイングができる。コースごとに右打ち、左打ちを使い分けて対戦相手のペースを乱す。
河合 貴子 (かわい たかこ)
夫であるプロゴルファー・河合高志を癌で亡くし、現在は未亡人。金蔵に亡き夫が使っていたNASA・BORONシャフトのクラブ一式を貸し与えた。金蔵に好意を持ち、自分が関係した相手の運気を下げる「下がりの女」でないことを証明するために、金蔵に迫るが断られた。 ゴルフについてはよく知らない。
マリー・ミランダ
18歳の女子高生ゴルファー。フィリピン人の父と日本人の母を持つ。ジャンボ・タイ・インターナショナルオープンで優勝し、アジア女子アマチーム選手権の代表にも選ばれた実績を持つ。酒匂ロイヤルゴルフ倶楽部の女性会員たちが、日曜日のナイター営業のことで倶楽部側と揉めたため、試合で決着をつけるべく、同じく女子高生ゴルファーである小野まゆみとペアを組み、金蔵と2対1の変則マッチプレーを行った。
川端 太一 (かわばた たいち)
芝金総業社員。かつて日米で通算39勝をあげ、日本と名のつく4つの公式タイトルをすべて制し四冠王と呼ばれた名ゴルファー・川端留吉の忘れ形見。「TPM6型ハンドメード ザ・ベスト」というパターの名器を持つ。パッティングの名手。パター以外のクラブは並以下の飛距離で、パー4のホールでも3オンがやっとという有様だが、グリーンオンすれば1パットで決めてしまう。 金蔵と対戦し、パッティングでは圧倒。スコアでも互角の勝負を繰り広げる。続編『新上がってなンボ!!太一よ泣くな』では主人公となる。
風間 京子 (かざま きょうこ)
芝金総業のグリーン・レディーの面接を受け合格。もう一人の面接合格者・神港メアリーと、グリーン・レディーの座を賭けて、金蔵と模擬グリーンでのパッティング対決を行うこととなる。
芝金総業社長 (しばきんそうぎょうしゃちょう)
ゴルフ場のグリーンのメンテナンスを行う芝金総業の社長。マリー・ミランダたちとマッチプレーを行っていた金蔵に、いろいろとアドバイスを与える。後にグリーン・レディーの最終選考として、金蔵に風間京子らとのパッティング勝負をさせた。その際、しがらみを捨てたいと迷う金蔵に、「しがらむだけしがらめばいい」との言葉を贈る。
ミス・キリンボー
ニューギニアの女子プロゴルファー。金蔵より頭一つ分大きい高身長が特徴。父親が賭けゴルフに負けたため、南原組に身柄を引き取られる。ゴルフものの裏ビデオに出演させられる予定だったが、金蔵が南原組の親分を説得。その結果、何も賭けずに、純粋に金蔵とのマッチプレーに挑むこととなる。
その他キーワード
穴子さん (あなこさん)
『キンゾーの上がってなンボ!!』に登場するコンピューター。芝金総業によって作られた。日本全国200以上のコースのグリーンのデータがインプットされており、瞬時に模擬グリーンを再現できるようになっている。初心者に対してパッティングのナビゲートを行うこともできる。タイヤが付いており、自走する。