概要・あらすじ
猿そっくりの天才少年ゴルファー猿谷猿丸は、ゴルフで賞金を稼ぐ自称・プロゴルファー。そんな猿丸を自分の配下に従わせようと、ゴルフ界の影の実力者ミスターXは次々と難敵を送り込み戦いを挑んでくる。多くの強敵と戦い、またライバルと切磋琢磨していくことで猿丸はゴルファーとして成長を続けていく。
登場人物・キャラクター
猿谷 猿丸 (さるたに さるまる)
猿谷家の長男。容姿が猿に似た天才少年ゴルファーで、自称「プロゴルファー」と称して、賭けゴルフで賞金を稼ぐ。手作りの木製ドライバーとパター作りの名人から貰った正宗で数々の試合を戦い抜き、アマチュアゴルフ選手権ではライバル達と争い優勝を果たす。
猿谷 中丸 (さるたに なかまる)
猿谷家の三男で兄弟の中では一番賢く、猿丸のマネージャー兼作戦アドバイザーとして活躍する。ベン・ニコルスとのニアピン競争では、アイマスクをした猿丸の代わりに、猿谷ゴルフ場に例えて目測をするという重責を全うした。
猿谷 大丸 (さるたに だいまる)
猿谷家の次男で大柄でのんびり屋。力持ちで、ドライバーの材料となる気の根を引き抜いたり、猿谷家の庭に作った専用グリーンの施工も行った。ゴルフの腕前も、中丸のコーチとおっちゃんの援助により眠っていた才能が掘り起こされ、プロテストを控えた猿丸のスパーリングパートナーを務めるまでに上達する。
猿谷 小丸 (さるたに こまる)
猿谷家の四男で末っ子。まだ幼児なのに上等辛口特級酒の一升瓶を持ち歩き常に酔っぱらった状態にいる。 ゴルフのセンスもあり、兄弟で行ったパットの試合で優勝したり、板塀の向こうのタライに入れる競技で5球全てをタライに当てることができた。
猿丸の姉ちゃん (さるまるのねえちゃん)
猿谷家の長女で猿丸の姉。アルバイトで奥山カントリークラブのキャディをしている。母親と一緒に兄弟たちの食事の面倒などを見る。
猿丸の母ちゃん (さるまるのかあちゃん)
猿丸ら5人の兄弟を女手ひとつで育てており、猿丸のことはいつも心配している。ゴルフで得たお金で猿丸に温泉に連れていってもらったことを涙が出るほど喜んでいた。
ミスターX (みすたーえっくす)
ゴルフ界の実力者で、いつも覆面とサングラスをしている謎の男。猿丸を自分が組織する影のプロゴルファーに引き入れようと数々の刺客を送り込む。
剣崎 健 (けんざき けん)
奥山カントリーゴルフクラブの社長の息子で天才的プレーヤー。猿丸のライバルでアマチュアゴルフ選手権大会では優勝を争う。その後アメリカへゴルフ留学をしアメリカン打法を会得する。
おっちゃん
猿丸との賭けゴルフでいつも負けている中年男性。ゴルフは下手の横好きで、今まで1ラウンド100ストロークを切ったことが一回もない。金には不自由しておらずジェロニモや大丸などの才能ある若手ゴルファーのスポンサーとなり、自分の果たせなかった夢を託そうとしている。
大神 猛 (おおがみ たけし)
海浜高校野球部の四番バッターで地元のヒーローだったが、突然野球を辞めゴルファーに転向する。アマチュアゴルフ選手権ではオリジナルの野球のユニフォームの出で立ちで出場、猿丸と最後まで優勝を争う。後に大海浜カントリークラブでプロテストを目指し研修生となる。
日影 (ひかげ)
アマチュアゴルフ選手権で予選、決勝と猿丸と同じ組でまわる。異様に短いクラブを使い、コンパクトなスイングで堅実なゴルフをする。決勝でのプレー中に不慮のアクシデントにより無念の途中棄権となる。
黄金仮面 (おうごんかめん)
ミスターXの組織のゴルファーで、大金井カントリーゴルフクラブでの猿丸との試合で勝利する。その正体はマスターズにも出場したことのあるアメリカのプロゴルファー・キャプテンイーグル。
コング・拳 (こんぐ・けん)
ミスターXの組織のゴルファーで、フランケンシュタインに似た風貌と体格を持つ。元プロ野球選手で、ゴルフのプレー中に前にいた人にボールを当てて大ケガさせたため球界を去る。その後ミスターXの下でゴルフ修業をした。野球のバットでゴルフボールを打ち300ヤードを飛ばすほどの怪力である。
紅 初子 (くれない はつこ)
ミスターXの組織に属する影の美人女子プロゴルファーで、紅蜂と呼ばれている。蜂の巣カントリーで猿丸と勝負するが、猿丸の新ドライバーの前に負けてしまう。その後ミスターXの側近として猿丸と接するが、猿丸にミスターXの組織には入らないようにと忠告するなど、猿丸の味方をする言動を取る。
竜 (りゅう)
香港の一流の武道家でヌンチャクの名手。その武術の腕前をゴルフに活かしたカンフーゴルファーとして猿丸と戦う。ヌンチャクドライバーやトンファーウェッジを用い、ミスターXからの最強の刺客として猿丸と死闘を繰り広げる。
左 甚五斎 (ひだり じんごさい)
パター作りの名人で、材料となる木や竹を探しに山に入っていた時腹痛で倒れていたところを猿丸に助けられる。世話になったお礼にと猿丸に名パター正宗を授けた。
闇兵衛 (やみべえ)
ミスターXの組織のゴルファーで、パットの名手。かつて左甚五斎の弟子であったが、傑作パター村正を持って出ていく。盲目であるためグリーンを触って芝目をよむ。
鹿島 大造 (かしま だいぞう)
大海浜カントリークラブの理事長兼競技委員長でゴルフ界の大実力者。猿丸のレッスンを受けてゴルフが上達しており、猿丸をゴルフの師と仰ぐ。猿丸の実力を評価しており、プロゴルファーの道に進ませるために富士城カントリーの研修生やゴルフ特訓道場への入門に手を尽くす。
死神 (しにがみ)
黒づくめの衣装で、プレー相手を偶然を装って殺してしまうため「グリーンの殺し屋」と呼ばれている。コーヒーの味にうるさく、配合を言い当てたり豆が古いことまで指摘できるほどの舌を持つ。
柳生 球斉 (やぎゅう きゅうさい)
かつて日本プロに優勝したことのある名ゴルファーで、現在は富士城カントリーでアシスタントプロ達を指導している。隻手隻眼でありながら200メートル先の的に命中させるほどの腕を持ち、猿丸に負けないほどの体力も持ち合わせている。鹿島大造に頼まれ、猿丸をゴルフ特訓道場に連れていく。
安吾 (あご)
サクラテレビのディレクターで、猿丸に東京タワーの上からドライバーショットを打たせる番組を発案する。他局も類似の企画を考えていて、どちらに出演するかをドライビング競争で決めることになる。ゴルフに関して全くの素人の安吾だが、まぐれでシングルプレーヤーに勝利し猿丸の番組出演が決まった。
ジェロニモ
アメリカではコーラ瓶をクラブ代わりに使うハスラー(賭けゴルフ専門プロ)をやっていて、トーナメントプロになるため来日した。おっちゃんの紹介で奥山カントリークラブの研修生となり、猿丸との試合でもコーラ瓶一本で戦い勝利する。
神楽 一八 (かぐら いっぱち)
奥山カントリークラブのアシスタントプロで、クラブヘッドが頭上でくるっとまわるループ打法と呼ばれる独特の打ち方をする。気が優しくて神経質な面があり、ゴルファーとしてその点が弱点でもある。早朝みんなが寝ている間に一人で練習に励んでおり、猿丸達と一緒にプロテストを受ける。
鬼淵 (おにぶち)
ゴルフ特訓道場の教官で二回生の指導をする。入門早々トラブルを起こす猿丸には特にきつくあたっており、試打室(通称、死打室)でイスに縛り付けた猿丸に向かって打球を打ち込むという危険なことをした。
蟹沢 九郎 (かにざわ くろう)
ゴルフ特訓道場の一回生担当の教官で、喋る時語尾に「ニ!」をつける。二回生が意味もなく一回生をシゴクことを鬼淵教官に注意したことで、一回生と二回生との試合が行われることになる。
鷹巣 一雄 (たかす かずお)
ゴルフ特訓道場の一回生で、猿丸と同室でいろいろ面倒を見る。二回生との試合で一回生の代表となる腕前を持つが、ドライバーの打球が左へ大きく曲がるヒッカケ病が大事なところで出てしまう欠点がある。密かに一本足打法を練習しており、特待生の選抜最終テストで初めてみんなの前で公開した。
西郷 大八 (さいごう だいはち)
プロテストで猿丸と同じ組でまわる。ドライビングコンテストで400メートルを飛ばしたことがあり、その風貌から「マンモス西郷」と呼ばれている。
塚内 留造 (つかない とめぞう)
プロテストで猿丸と同じ組でまわる。これまでプロテストに8回落ちており、9度目の挑戦となる。初めて妻子をプロテストに連れて来ており、もし落ちたらゴルフを諦める背水の陣の覚悟でテストに挑む。
キング・シーザー
影のプロゴルファーの帝王と呼ばれており、影プロの世界一を決める大会シャドウ・マスターズ・トーナメントに四年連続優勝している。ジャック・ニクラウスに容姿が似ており、打球がネットを摩擦熱で焼き切るサンダーボールと芝の中にめり込む威力のファイヤー・スクリュー・ボールを得意としている。 猿丸とはシャドウ・マスターズ・トーナメントの第3戦で戦う。
マッド・マッスル
「フロリダの黒い恐怖」と呼ばれる黒人ナンバーワンの影のプロゴルファーで、筋肉隆々の肉体を持つ。芝の中にめり込む強烈な打球を打ち、マッド・マッスルのパワーに猿丸も初めて恐怖を感じる。
その他キーワード
旗つつみ (はたつつみ)
『プロゴルファー猿』に登場する必殺技。猿丸が最も得意とする技で、風にはためく旗にボールを直撃させ直接カップインさせるという秘技である。ただし風が無い時はこの技は使えない。また旗つつみ封じとして先に打った敵ゴルファーに旗竿を折られたり、メタルで作られた旗を用いられたりしたこともあった。
ブレーキ打ち (ぶれーきうち)
『プロゴルファー猿』に登場する必殺技。木の枝などに打ち込みボールの勢いにブレーキをかけてグリーンにオンさせる打ち方。猿丸は竜との戦いの時、竜が岩を削ってブレーキをかけて打った打法からヒントを得て応用した。
モズ落とし (もずおとし)
『プロゴルファー猿』に登場する必殺技。上空を飛ぶモズが獲物を見つけ垂直に急降下するように、ボールを高く打ち上げボールをグリーンに止める(またはカップインさせる)打法。ゴルフ特訓道場で風が吹かず旗つつみが使えない時に編み出した。