♂ティンクル2♀アイドル☆スター

♂ティンクル2♀アイドル☆スター

アイドルを夢見る女子高校生の姫乃樹まりもと、隣人で化粧映えのする顔立ちの幼なじみの少年・藤村あゆみが、アイドルデュオ「ティンクル」として芸能界で活躍する物語。さまざまな芸能人との出会いや仕事を通じて成長していく姿や、まりもに恋心を抱きつつ、同性として振る舞わなくてはいけないことに複雑な想いを抱くあゆみの葛藤をコメディタッチで描いている。「週刊少年サンデー」1991年2・3月号から1993年16号にかけて連載された作品。

正式名称
♂ティンクル2♀アイドル☆スター
ふりがな
てぃんくる てぃんくる あいどる すたー
作者
ジャンル
アイドル
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概要・あらすじ

小さな頃からアイドルに憧れていた女子高校生の姫乃樹まりもは、ある日友人と一緒に受けたオーディション「第24回アイドル誕生!!」で、ついに最終選考に残ることに成功する。しかし、気後れした友人が、最終選考日の3日前になって急に辞退してしまう。どうしても夢を諦めきれないまりもは、隣人で幼なじみの男子・藤村あゆみに、友人の代わりに女装して一緒に最終選考に出てくれないかと頼み込む。

まりもに好意を寄せるあゆみは、その頼みを断れずに協力するが、当然落選するだろうと考えていたあゆみの予想に反し、2人は合格を果たす。こうしてアイドルデュオ「ティンクル」として活動を始めた2人は、アイドル活動に真摯に向き合い、歌唱力もあるまりもと、男勝りなあゆみという、それぞれ違った魅力で人気を獲得。

さまざまな舞台に立ち、観客を魅了し続けていくこととなる。

登場人物・キャラクター

姫乃樹 まりも (ひめのぎ まりも)

私立越堀学園芸能科に通う女子高校生。年齢は16歳。芸能プロダクション「オフィスオアシス」所属の女性アイドルデュオ「ティンクル」のメンバー。1974年6月生まれで、血液型はB型。髪型は背中の半分くらいまで伸ばした黒髪ストレート。幼い頃からアイドルになりたいという夢を強く抱き続けている。女性の友人とデュオでオーディション「第24回アイドル誕生!!」に応募したが、最終選考の直前に友人が辞退したため、代役を幼なじみの男子・藤村あゆみに頼んだ。 その結果、オーディションに合格し、あゆみとアイドルデュオ「ティンクル」としてデビューすることになる。あゆみを信頼し、頼りにもしているが、はっきりとした恋愛感情は自覚していない。優しい性格で周囲への面倒見もいいが、幼なじみの気安さと信頼感からか、あゆみに対しては雑な扱いで、言葉足らずで誤解を招くことがある。 また、自身の思いつきにあゆみを付き合わせ、結果的に振り回してしまうことも多い。

藤村 あゆみ (ふじむら あゆみ)

私立越堀学園普通科に通う男子高校生。年齢は16歳。芸能プロダクション「オフィスオアシス」所属の女性アイドルデュオ「ティンクル」のメンバー。1974年5月生まれで、血液型はO型。普段はごく一般的な学生らしい黒い短髪だが、アイドルとして活動する時は、生え際は赤で、背中の半分くらいまでの長さの黒いストレートウィッグを付ける。 化粧映えする顔立ちと、男性にしては高い声が見込まれ、隣人で幼なじみの姫乃樹まりもに頼まれて、女装し、まりもとともにオーディション「第24回アイドル誕生!!」を受けた。もともと受かる訳がないと思っていたが、オーディションに合格してしまったため、当初は夏休みの間だけまりもの夢に付き合うという条件で、アイドル活動を開始した。 そのため、ファンも含めて芸能界の関係者は、あゆみが男であることを知らない。意外に責任感が強く、念願のアイドルになれたことを喜んでいるまりもを裏切ることになると、両親にはアルバイトをしていると偽って芸能活動を続けている。おっとりしたまりもを心配して、さまざまな忠告をするが、まともに聞き入れてもらえず、その結果トラブルに巻き込まれることが多い。 さばさばした性格で、業界ではまりもの姉的な存在と見られている。

木下 藤吉 (きのした とうきち)

芸能プロダクション「オフィスオアシス」所属のマネージャー。アイドルデュオ「ティンクル」を担当する28歳の男性。ファンを大事にする「ティンクル」を誇りに思っており、彼女たちのマネージャ―という仕事にやりがいを感じている。デビュー当時から姫乃樹まりもたちを支え続けているが、最近は過密スケジュールに疲れており、ミスを連発している。

後藤 (ごとう)

フミテレビ制作部プロデューサーの壮年男性。常に自信たっぷりで尊大に振る舞っている。将来性のある新人を発掘するのが上手いと評されていたが、その実績は自身に歯向かう者を徹底に排除した結果である。藤村あゆみに激しく抗議された際、周囲を見下すという本音を、多くの観衆の前で晒してしまい、それ以降信頼を失うことになる。

羽賀 (はが)

歌番組のチーフディレクターの壮年男性。ふくよかな体形をしている。羽賀自身は、それまで携わっていたドキュメンタリーの仕事に誇りとやりがいを感じており、アイドル関連の番組を見下していた。しかしある時、自身の不手際により、コンサートに照明機材の手配が間に合わないという事態が発生。そのアクシデントをアイドルデュオ「ティンクル」の2人の機転に救われ、以降は態度を改めるようになる。

原田 邦彦 (はらだ くにひこ)

デビューして8年目の20代の男性アイドル。日本のトップアイドルの1人。ファンの年齢層は幅広く、移動時には大勢の女性ファンに囲まれている。姫乃樹まりももカッコいいと見惚れていたが、藤村あゆみは女癖が悪そうだと警戒していた。原田邦彦自身も、その人気から女性に断られる訳がない、と思い込むほどに自惚れている。 自分の横に座れることを感謝するよう、まりもとあゆみに言い放つ。

阿部 (あべ)

中学2年生の丸刈り頭の男子。憧れのアイドルデュオ「ティンクル」のラジオ番組宛てに、修学旅行で東京に行くので、2人に会いたいと葉書を送った。単純な性格で、この葉書が番組内で読まれたので2人に会えると思い込み、原宿中を探し回った。この時、アイドルショップの店員に騙されて、1枚5000円もする偽のサインを3枚も買わされてしまう。 たまたま変装して休日を過ごしていた姫乃樹まりもと藤村あゆみに出会い、本物のサインをもらう。

森口 ノリコ (もりぐち のりこ)

私立越堀学園の普通科に通う女子高校生。入学当初から藤村あゆみに好意を寄せていた。ショートカットの髪型をしている。思ったことをはっきり口にする明朗快活な性格。父親の後を継いでフランス料理のコックになるため、フランスへの留学を控えている。日本を離れる前に手料理を振る舞いたい、とあゆみを誘ったが、彼がその場に姫乃樹まりもを連れて来たため、自分に気持ちがないことを悟る。

上寺 頼子 (じょうじ よりこ)

突撃芸能レポーターの女性。ショートヘアで知的な雰囲気の持ち主。たまたま姫乃樹まりもの住む家の隣に越して来たことをきっかけに、アイドルデュオ「ティンクル」の解散説や不和説などのでっちあげ情報をしつこく報道した。隠し撮りしたり、宅配ピザに盗聴マイクを仕込んだりと、非常識な手段で情報を入手しようとする。ところが、自身の家庭内の問題を、まりもと藤村あゆみに知られ、その悩みを解決する糸口となるアドバイスをあゆみからもらった。 そのことから「ティンクル」に親しみを持ち、過激な報道は控えるようになった。

雪村 真広

若手アクション俳優の青年。がっしりとした体形で、男らしい太い眉毛が特徴。若い女性に人気があり、姫乃樹まりもにダイヤの指輪を贈った。そのことで藤村あゆみにまりもとの仲を疑われたが、実は雪村真広自身は浅井由里香と結婚を前提に交際していた。まりもに指輪を渡したのは、マスコミを避けるために、由里香と薬指のサイズが同じまりもに預けていただけだった。 のちにその真意を知ったあゆみとまりもは、雪村の人柄に好感を抱き、彼らの仲を応援するようになる。

浅井 由里香 (あさい ゆりか)

落ち着いた雰囲気を醸し出す大物歌手。同性からもその美しさを認められるほど大人の女性。父親に雪村真広との結婚を反対されているため、雪村が浅井由里香のために選んだ婚約指輪を、姫乃樹まりもに一時的に預けていた。これがきっかけとなり、のちに藤村あゆみとまりもは雪村と浅井の真剣な交際を知り、2人の仲を応援するようになる。

杉本 京介 (すぎもと きょうすけ)

日本のポップス史上屈指のヒットメーカー。作曲だけでなく作詞も手掛ける壮年男性。アイドルデュオ「ティンクル」の曲を提供することに乗り気だったが、それは「ティンクル」の人気にあやかろうとしただけのこと。そのためやる気がなく、どこかで聞いたことのあるようなありふれた曲を「ティンクル」に提供する。その曲に不満を漏らした姫乃樹まりもに対して激怒し、業界に圧力をかけて、「ティンクル」の新曲の制作発表を妨害した。 しかし、自力で良曲を見出した「ティンクル」の姿を目の当たりにして考えを改めた。

池之端 直子 (いけのはた なおこ)

18歳の女性。アイドルデュオ「ティンクル」の仕事が増えてきたことに伴い、芸能プロダクション「オフィスオアシス」にマネージャー見習いとして採用された。元気いっぱいで明るい性格で、関西弁でしゃべる。とにかくおっちょこちょいで、初登場時にも、出前のおかもちと池之端直子自身のハンドバックを持ち間違えていた。落ち着きもなく、仕事を始めてたった2日で数多くのミスを連発し、責任を感じて辞表を提出する。

山上 理穂 (やまがみ りほ)

カメラマンの女性。アイドルデュオ「ティンクル」の初海外写真集に起用された。女性アイドルの写真集を手掛けるのは今回が初仕事となる。英語も堪能で、テーブルマナーも完璧にこなす。そんな山上理穂の姿に、藤村あゆみがあからさまに興味を示したので、嫉妬した姫乃樹まりもとあゆみの、デビュー以来前例のないほどの大喧嘩を招いた。 理穂は「ティンクル」の最大の魅力である仲の良さを写真で表現したいと策を練り、見事に2人を仲直りさせた。

中根 (なかね)

芸能プロダクションの最大手「ウイングス・プロモーション」のチーフマネージャーを務める壮年男性。がっしりした体格にきつい顔立ち。スーツを着こなし、襟足にかかるほどの長い髪をしている。弱小プロダクション所属のアイドルデュオ「ティンクル」を潰そうと、自社からアイドルデュオ「ワルツ」をデビューさせた。その後はコネと資金力を使って、「ティンクル」にあからさまな嫌がらせを繰り返す。

七瀬 みちる (ななせ みちる)

16歳の女性アイドル。芸能プロダクションの最大手「ウイングス・プロモーション」が総力をあげて売り出したアイドルデュオ「ワルツ」のメンバー。黒髪ロングストレートの髪型で、幅の広いカチューシャを付けている。「ウイングス・プロモーション」のタレントスクール出身で、生え抜きの期待の新人。当初は中根に取るに足らない素人デュオだと吹き込まれた「ティンクル」に対し、見下すような言動を見せる。 しかし、競い合っていくうちに「ティンクル」の2人の人柄の良さを認めるようになる。根は優しい性格。

星川 美里 (ほしかわ みり)

17歳の女性アイドル。芸能プロダクションの最大手「ウイングス・プロモーション」が総力をあげて売り出したアイドルデュオ「ワルツ」のメンバー。明るい髪色のボブカットの髪型をしている。「ウイングス・プロモーション」のタレントスクール出身で、生え抜きの期待の新人。中根から「ティンクル」を貶めるよう指示されており、自分たちが人気No.1のアイドルデュオになると宣言する。 しかし、競い合っていくうちに「ティンクル」の実力を認めるようになる。芸能界で売れるためには、多少の苦難はあると割り切り、与えられたチャンスを最大限に生かそうと努力を惜しまない真面目な性格。

鬼塚 (おにづか)

悪役俳優集団「悪役連合」を率いる壮年の男性俳優。本職の極道も道を空けると噂されるほどの強面の持ち主。苦労人であり、仕事に対して舐めた態度を取る若い芸能人を嫌っている。引き取り手のいない子猫たちを番組収録に連れて来て騒ぎを起こした姫乃樹まりもに腹を立てていたが、実は悪役俳優たちの間では大の猫好きとして有名。根は優しく面倒見のいい性格で、まりもが軽い気持ちで子猫を引き受けたのではないことを知ると、子猫がスタジオ内で行方不明になった際に、積極的に捜索に協力した。

天野 羽衣 (あまの はごろも)

「白カエル様のお告げ」と称して占いを行う女性。見た目は小柄な老女のようだが、有事の際には機敏に動く年齢不詳の人物。アイドルデュオ「ティンクル」の2人を、テレビ番組の企画で占った。実際はあらかじめ相手のことを調査したうえで、あたりさわりのないことだけを語るインチキ占い師。何かと人を信用しやすい姫乃樹まりもを信じさせることには成功するものの、藤村あゆみは、その素性が明らかでないためデータを入手できなかった。 またあゆみ本人も疑り深かったため、あゆみに小馬鹿にされて逆上し、過激な予言を告げた。その予言を自ら実践しようとしてインチキがバレてしまい、信用をなくすことになる。

星羽 栄作 (ほしば えいさく)

若手人気俳優の青年で、最近歌手に転身した。後藤にドラマ起用されてブレイクし、トレンディドラマブームの火付け役となる。気取らないシンプルな服装を好むため、藤村あゆみには初対面時にスタッフと間違えられた。民放局が合同で始めた、半年ごとに芸能界No.1の存在を決めるプロジェクト「ザ・プレミアム」の選考対象に選ばれる。 そこで、同じく選考対象となったアイドルデュオ「ティンクル」、バンド「トラベラーズ・イン・ドリーム」に対して妨害工作を行う。

上田 美亜 (うえだ みあ)

そばかす顔で幼児体形の女性。バンド「トラベラーズ・イン・ドリーム」、通称「トラドリ」のボーカルを担当している。高校生の姫乃樹まりもや藤村あゆみと同じくらいの年代。アイドル志望だったが、顔にコンプレックスがあるため、自信のある声で勝負している。曲はよくCMに起用されているが、バンド自体の認知度はまだ低い。 しかし、半年ごとに芸能界のNo.1を決めるプロジェクト「ザ・プレミアム」の選考対象に選ばれ、テレビに取り上げられたため、その歌唱力に惹かれたファンが急増。CDは売り切れ続出で、ライブも300人が出待ちをするほど人気になる。

森久 繁也 (もりひさ しげや)

戦前戦後、日本の映画・演劇界を支えた長老的存在。豊かなひげを蓄えた、表情豊かな初老の男性。自ら演劇学校・劇団を主宰し、ミュージカルや映画製作にも熱心に取り組み続けている。その立場にも関わらず、気取らず自然体で親しみやすい人物。ファンタジック・ミュージカル「トム・ソーヤーの冒険物語」の作・演出を手掛け、主役のトム役に姫乃樹まりもを、親友のハック役に藤村あゆみを指名した。

越路 深雪 (こしじ みゆき)

日本オペラ界の第一人者として知られるオペラ歌手。日本人で初めてウィーンの国際的な舞台に立った。ふくよかで笑顔を絶やさない、上品な初老の女性。森久繁也とも親しい。姫乃樹まりもの良く通る声を、生でも通用する声だと絶賛する。愛弟子は高村愛で、彼女も世界の舞台で活躍している。

高村 愛 (たかむら あい)

18歳の女性オペラ歌手。越路深雪の愛弟子。若き天才として知られ、世界の舞台で活躍して、実力名声ともに高い。自分の歌唱力に絶大な自信を持つがゆえにプライドも高く、当初はアイドル歌手の姫乃樹まりもや藤村あゆみと舞台で共演することに不満に覚えていた。だが、まりもの熱意と実力を認め、最終的には打ち解けた。

水島 蘭 (みずしま らん)

明るく元気なニューハーフタレント。見た目は高校生くらいの女性で、藤村あゆみも一目見て可愛いと認めるほど。明るく振る舞い、周囲を盛り上げるムードメーカー的存在として売り出し中。本心では、ニューハーフであることが面白がられているだけと感じており、本当の理解者がいないことに孤独感を募らせていた。そんな中、番組で共演したあゆみが、スタジオの機材の落下から身を挺して庇ってくれたので親近感を抱く。 その際に身体を寄せたことであゆみの正体にも気付く。そして、正体をばらされたくなかったら親しく友人付き合いをして欲しいと、あゆみにしつこく迫る。

竜男 (たつお)

老舗旅館「小亀屋」の一人息子。旅館はアイドルデュオ「ティンクル」が、お菓子のCM撮影に行った温泉地にある。外見は藤村あゆみの男子高校生時の姿にそっくり。大型観光ホテルのダブルブッキングにより、宿取りに困っていた「ティンクル」の撮影クルーに声をかけ、竜男の母親が切り盛りする「小亀屋」に案内した。気の弱いところがあるが、祖父が開いた温泉街の湯元であることへの責任感が強い。 周囲一帯の温泉旅館を蔑ろにする開発計画を強引に進めていた、大手ホテルの支配人の悪だくみを阻止するため奔走する。

高沢 寅吉 (たかざわ とらきち)

「高沢芸能プロダクション」の所長を務める初老の男性。素顔の藤村あゆみを気に入り、スカウトした。かつては中堅クラスの芸能プロダクションだったが、新人を大手の事務所に引き抜かれるなどの憂き目に遭い、今では所属タレントが1人もいない。あゆみの可能性を見出して夢を託そうとした。

高沢 理穂 (たかざわ りほ)

高沢寅吉の娘。髪を三つ編みにして眼鏡をかけている地味な外見の女性。芸能界に入りたいとレッスンを受け、勉強もしていた。しかし、父親の寅吉は芸能界の厳しさを知っているため、理穂がやっていける訳がないと、頭ごなしにその夢を否定している。寅吉がスカウトしてきた藤村あゆみと同じオーディションを受け、あゆみとともに最終選考まで残ったため、ようやく寅吉の許しを得る。

朝倉 翔 (あさくら しょう)

高校2年生の男子。姫乃樹まりもの同級生。アイドルデュオ「ティンクル」と同じく木下藤吉が担当している人気若手俳優。ワルっぽいイメージで売り出し中。俳優として名を上げて、念願の歌手デビューを果たしたが、荷物から大麻が発見されて逮捕された。この時、タレントの松沢玲子と、半年前の共演がきっかけで交際していた。

松沢 玲子 (まつざわ れいこ)

元スーパーアイドルの女性。今はタレントとして活動している。「スキャンダルの女王」として知られている。その汚名を返上してトップスターの座に返り咲くことを願い、事務所と共謀して朝倉翔を陥れ、松沢玲子自身は、彼を信じる悲劇の恋人を演じて好感度を高めようと画策していた。しかし、計画のために接近した翔に本気で好意を抱くようになり、彼が大麻所持で逮捕された事件の真相を告白して謝罪する。

沢口 京二 (さわぐち きょうじ)

男性カメラマン。ジャーナリストとしても世界的な評価を得ている。アイドルデュオ「ティンクル」の藤村あゆみも招待された、テレビ局ディレクターとアイドル歌手の結婚式の会場で、酔った姫乃樹まりもに記念撮影のカメラマンと誤解されて絡まれた。その時、大事なカメラを振り回された挙句、頭にぶつけられてしまう。しかし、まりもの容姿が沢口京二の忘れられない過去の女性に似ていたので印象に残り、その後、会場でまりもの写真を密かに撮影して事務所に送った。 そのことがきっかけでまりもに好意を抱かれ、料理や掃除の面倒など、一途なアプローチを受けるようになる。しかし沢口自身は、世界を飛び回って、不安定な情勢の地域にも逗留する、という危険な生活に付き合わせる訳にいかないと、まりもの好意をきっぱりと断った。

ランディ・ケリー (らんでぃけりー)

アメリカのロックバンド「ブラッディーガンズ」のボーカルを務める青年。大柄な体格で、ウェービーな長髪にバンダナを巻いている。アイドルデュオ「ティンクル」が「ブラッディーガンズ」の公演を見に入った際、藤村あゆみに会って一目惚れした。あゆみは英語が不得手なため、ランディ―・ケリーの猛アプローチを上手く断ることができず、一時はホテルに連れ込まれる寸前まで至ってしまう。 実家はオクラホマで牧場を経営しており、いつかそこにあゆみを連れて帰りたい、と熱心に口説いていた。しかし、「友人の関係から始めましょう」というあゆみの言葉を受け、諦めて帰国した。実は歌い始めたのは、好きな女性に捧げるため。有名になったことにより、名声目当ての女性に群がられ、大事な恋人に去られてしまった、という過去があり、そのことを後悔している。

一之瀬 圭子 (いちのせ けいこ)

フリーの女性プロデュ―サー。かつてアイドルデュオ「ティンクル」の所属している芸能プロダクション「オフィスオアシス」のマネージャーを務めていた。10年前に独立するために事務所を離れ、その後は仕事に恵まれず苦労を重ねている。一之瀬圭子は、仕事がうまくいかないのは、独立の際に反対した「オフィスオアシス」の社長が妨害しているせいだと思い込んでおり、「ティンクル」に対しても逆恨みの念を抱いている。

集団・組織

ティンクル

姫乃樹まりもと藤村あゆみの2人が組んだ新人女性アイドルデュオ。オーディション「第24回アイドル誕生!!」に合格した。あゆみは、オーディションを途中で辞退したまりもの友人に代わって女装して審査を受け、そのまま女性と偽ったままデビューした。デビューシングルはオリコンで4週連続第1位を獲得、ファーストコンサートのチケットは15分で完売、ビデオ付きの写真集は予約だけで100万部を突破するほどの人気を誇る。 そのためあゆみは、正体を明かす機会を失い、もはや手の打ちようのない状態にある。まりもとあゆみは公私にわたって仲が良いことで知られており、またサイン会の途中で雨が降ってきた時には、手近にあったラップで色紙を包んで返してあげるなど、ファンを大事にしていることでも有名。

ワルツ

七瀬みちる、星川美里から成るアイドルデュオ。メンバーは、芸能プロダクションの最大手「ウイングス・プロモーション」のタレントスクール出身。弱小プロダクション所属のアイドルデュオ「ティンクル」が人気を独占していることを苦々しく思った「ウイングス・プロモーション」が、総力をあげて売り出した。しかし、認知度を急激に高めようとしたマネージャーの中根が、過密スケジュールを組んだことにより、みちるが体調を崩した。 これに伴い、中根はみちるを一方的にクビにすると宣告。そのあまりに酷い中根の言動がファンの知るところとなり、全国的に「ウイングス・プロモーション」の悪評を広める結果となった。この騒ぎを起こした中根は「ワルツ」の担当を外され、異動となる。

トラベラーズ・イン・ドリーム (とらべらーずいんどりーむ)

ボーカルで紅一点の上田美亜と、2人の男性メンバーからなる3人組ロックバンド。地道にアルバムを制作し、確実にファンを獲得してきた。企画「ザ・プレミアム」の候補に選ばれた。この企画は民放合同プロジェクトで、半年ごとに芸能界で活躍している歌手やモデル、俳優などタレントとして活動している芸能人を幅広く選考対象として、トップを決めようというもの。 選ばれたことがきっかけで知名度が増してファンも拡大し、CDは売り切れ店が続出するほどの人気を博すようになった。地道なライブ活動を続け、毎回のステージを大事にする姿勢は、アイドルデュオ「ティンクル」の2人からも好感を抱かれている。「ザ・プレミアム」の選考過程では星羽栄作の嫌がらせを受け、「ティンクル」とともにステージに遅刻することとなったが、「ティンクル」と共同でステージを盛り上げ、星羽との歌唱力の違いを見せつけた。

ブラッディーガンズ

アメリカの3人組のロックバンド。デビューから1年で全米はおろかヨーロッパまでマーケットを広げている。日本にも熱心なファンが多い。ボーカルのランディ・ケリーがアイドルデュオ「ティンクル」の藤村あゆみに一目惚れしたため、「ティンクル」の所属事務所には抗議の手紙やファックスが大量に届き、電話が鳴り止まない状態になった。

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