あおいひ

あおいひ

漫画家やサッカー選手、営業マンなど20代の登場人物たちが、焦燥や鬱屈に満ちた日常の中で「青い火」を見た体験を短編連作形式で描いた作品。

正式名称
あおいひ
ふりがな
あおいひ
作者
ジャンル
青春
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概要・あらすじ

27歳の誕生日を目前にした樫原元樹は、デビュー数年目の漫画家。初めて原作なしの漫画を連載するチャンスに恵まれるが、漫画家生活への不安から受けることをためらっていた。友人に誘われたドライブ中に、編集者に連載を断るメールを送ろうとしていた樫原は、通りかかった湯河原の海に不思議な「青い火」が浮かび上がるのを見つける。

火の中に宇宙刑事ギャバンの姿を見た樫原は「誕生日の夜が見せた幻のようなものか」と苦笑したが、それが連載を決意するきっかけになるのだった。(第1話「漫画家、27歳。」)

登場人物・キャラクター

樫原 元樹 (かしわら もとき)

デビューして数年経つ漫画家。年齢は第一話では27歳、最終話では28歳。左利き。第一話では仕事の苛酷さから漫画家を挫折しかけていたが、湯河原に浮かび上がった「青い火」を見て漫画家として復活する。最終話では、漫画家として活躍しており、自分の出身校であるアニメーション専門学校柳アートスクールで特別講師の仕事を行っている。 「青い火」の中に見たものは宇宙刑事ギャバン。

山元 (やまもと)

営業マンの25歳。まっとうに働き、結婚する旧友たちを見て「普通のサラリーマンにすらなれなかった」と孤独を感じている。営業の仕事をサボって行ったゲームセンターで、偶然同じ会社の植田と対人戦を行い、ゲームセンターの店内で「青い火」を見る。得意なゲームは格闘ゲームで、好きなタイトルはストリートファイターⅢ 3rdStrike。 3rdではヤンを使用。「青い火」の中に見たものはファイトクラブで殴りあう男たち。

古原 智貴 (ふるはら ともき)

小説家志望の23歳。高校を卒業後、大学に通わずに一人暮らしをして小説を書いていた。しかし、家賃を滞納しアパートを追い出されてしまう。ネットカフェや夜の町を歩く中で、自分の人生を振り返り、衝動的にコンビニで万引きをしてしまう。逃げながら走り回っているうちに、路上に「青い火」を見つけ車にはねられる。 「青い火」の中に見たものは、自分が小説家を目指すきっかけになった本である、星の王子さまの文庫本。

加賀田 裕子 (かがた ひろこ)

第一話にも登場し、樫原やあっちゃんの友人で28歳。派遣社員で、百貨店に勤務している他に、樫原のアシスタントも行っている。コーヒーを入れるのが得意。新しく入った百貨店鷹島屋の同僚や店長、合コンで知り合った男や友人など、周囲の人々へのいらだちを募らせている。樫原に紹介されて行ったコーヒー屋南蛮屋の中に「青い火」を見る。 「青い火」の中に見たものはサイボーグ009の島村ジョー。

あっちゃん

第一話と第五話に登場。漫画家樫原元樹の妻。結婚してからそれほど時間は経っていない様子で、樫原とは同年齢かやや年下。時々九州地方風の訛りで話す。ケンカをすることもあるが夫婦の仲は良好な方。

楢崎 (ならさき)

『あおいひ』の第一話と最終話に登場する人物。樫原の連載を担当していたこともある編集者。別部署に移動になり、新雑誌を相関することをきっかけに樫原に新連載を持ちかける。強面の男性だが、なぜかウサ耳や牛の角のようなものがついたカチューシャを頭につけて登場する。

植田 (うえだ)

『あおいひ』の第二話に登場する人物。山元と同じ会社に勤めるサラリーマンで、山元とは同期。山元と同じく、サボってゲームセンターに現れ、偶然山元の対戦台に乱入する。ストリートファイターⅢ 3rdStrikeを長年やりこんだプレイヤーで、山元を驚かせるプレイングを披露する。キャラクターはリュウを使用。

サッカー選手 (さっかーせんしゅ)

『あおいひ』の第三話に登場する人物。21歳の男性。背番号は27番。試合中にふと我に返り、試合のことを一瞬忘れ、訳の分からない怒りを覚えてしまう。その後、自分に飛んできたチャンスボールが「青い火」に変化するのを見る。「青い火」の中に見たものは、ディエゴ・マラドーナの「神の手ゴール」。

古原の父 (ふるはらのちち)

『あおいひ』の第四話に登場する人物。古原智貴が10歳の頃に、妻と離婚し、その後すぐに再婚している。古原が一人暮らしを始めるまでいっしょに暮らしていた。古原が小説家を志望して大学に進学しなかったことに失望している。

古原の母 (ふるはらのはは)

『あおいひ』の第四話に登場する人物。古原が10歳の頃に夫と離婚し、家を出ている。一年前に、実家のある大阪へと帰郷した。そのことで、帰郷した原因が自分にあるのではないかと古原を悩ませている。

藤ちゃん (ふじちゃん)

『あおいひ』の第五話に登場する人物。加賀田裕子の友人の女性。最近8年間交際していた彼氏と別れたが結婚願望は強く、加賀田を合コンに誘う。その後も元彼のことや新しく好きになった相手のことを加賀田に話すが、煮え切らない態度で加賀田をいらだたせる。

大橋 (おおはし)

『あおいひ』の第五話に登場する人物。加賀田裕子の新しい派遣先となった百貨店鷹島屋で、契約社員として働いている中年の女性。最近入ってきた新しい店長とは折り合いが悪い。加賀田のことを新店長の派閥の人間だと思い込み、苦言を呈する。

店長 (てんちょう)

『あおいひ』の第五話に登場する人物。加賀田裕子の新しい派遣先となった百貨店鷹島屋の店長。最近入ってきたばかりで、前の店長を知る古参の契約社員たちとは折り合いが悪い。新入りの加賀田や、自分が引き抜いてきた溝畑たちを利用して、反対派の契約社員たちを追い出そうとしている。

吉見 大悟 (よしみ だいご)

『あおいひ』の最終話に登場する人物。アニメーション専門学校柳アニメーションスクール出身の漫画家で、樫原とは専門学校の同期であり友人。人気の若手漫画家だったが、自分の単行本が秋葉原で通り魔を起こした犯人の自宅から見つかったというニュース動画を見た直後に死亡する。事故死か自殺かは不明で、ニュースでは「謎の死」と報道されている。

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