概要・あらすじ
今から約10年前。高校を卒業したショーコは漫画家としてデビューしたが、その後服飾工場の寮に住み込み働きながら悶々としていた。高校生までは彼女の親友アキラといつも一緒に過ごしていたが、アキラはある日から音信不通になる。アキラがいない空間は満たされない。工場の同僚マリエ、後にマリエを拾うことになる引きこもりのケンジ、そして子を宿したアキラ。
4人はそれぞれ思うままにならない日々にもがき、時にぶつかり合いながら時は流れる。
登場人物・キャラクター
島 ショーコ (しま しょーこ)
ショートボブの女性。現在は31歳。約10年前、高校を卒業後に漫画家としてデビューするが、服飾工場ネオ東京ドレスの寮に住み込み働いていた。高校までは親友アキラといつもつるんでいた。しかしアキラはある日から音信不通になり、その後はどこか満たされない日々を送っていた。時折現れるアキラとの再会には無邪気に喜ぶが、その都度アキラは男とできていたり、子を宿していたりして、彼女が変わっていくことに悩む。 後に工場を辞め、男とくっついては離れを繰り返しながら漫画を描き続ける。
アキラ
ロングヘアの女性。現在は31歳。約10年前、ショーコとは親友同士で、高校生までは何かとつるんでいた。父の再婚と家の建て直しを機に山梨県で住み込みのアルバイトを始める。現地で知り合ったトシアキと付き合い出し、子どもができる。ショーコにトシアキとの結婚を告げた後に音信不通になる。一見調子が良く奔放だが、ショーコの事をいつも気にしている。
マリエ
ウェーブのかかったロングヘアの女性。厚めの唇で常に笑みを浮かべている。約10年前、服飾工場ネオ東京ドレスの寮に住み込んで働いていた。寮ではショーコの隣の部屋で、彼女になつく。頭の回転が鈍く不器用で、「役立たず」と呼ばれることが多かった。イラン人の男性と付き合い出し退職。その後すぐに別れて雪国の服飾工場で働くがクビになり、雪の中で倒れていたところをケンジに拾われる。
ケンジ
黒髪の男性。約9年前、中学生だった時に教室でいじめに遭い、自宅の離れで引きこもっていた。雪の中で倒れていたマリエを拾い、住み込みのお手伝いとして雇う。マリエと初体験をするが、彼女はその後失踪。引きこもりを知った父によって神奈川県の寮制高校に転校し、その後は平和な高校・大学生活を送る。自分の人生のつまらなさに辟易していたところで、マリエと再会する。
フジタ
パーマをかけた髪を上で束ねた女性。服飾工場ネオ東京ドレスの寮に住み込み働くショーコの同僚で、周りからは「フジ」と呼ばれている。一年目ながら複雑な工程を任され、簡単な作業しか担当していないマリエを快く思っていない。常にやめたいとこぼしている。
戸田 (とだ)
ショートヘアーの女性。服飾工場ネオ東京ドレスの寮に住み込み働くショーコの同僚。舞台衣装の制作が夢。
ゆびちゃん
前髪を切り揃えた女性。服飾工場ネオ東京ドレスの寮に住み込み働くショーコの同僚。勤務しながら職業訓練校にも通えることから入社した。
奥さん (おくさん)
髪を団子に結んだ中年の女性。痩せ気味で派手なルージュを塗っている。服飾工場ネオ東京ドレスの社長夫人で、ショーコ、マリエ、フジ、戸田ちんら社員達の管理役。時折、突然大声でセックスに関わる話題を話し出す。
社長 (しゃちょう)
中年の男性。服飾工場ネオ東京ドレスの社長。ショーコ、戸田ちん、ゆびちゃんを辞めさせまいと中華料理をごちそうしたりする。
マサオ
中年の男性。いつも涎を流している。服飾工場ネオ東京ドレスの社長の弟で、工場で荷物運びをしている。元々優秀なテーラーだったが、事故が元で記憶障害となった。社長の奥さんと結婚するはずだったと噂されている。
ケンジの母 (けんじのはは)
おかっぱ頭に眼鏡をかけた中年女性。ケンジの母で、夫は単身赴任中。世間体を気にしてケンジが引きこもりになったことを隠している。ケンジが拾ってきたマリエをつかまえては愚痴をこぼす。
原田 トシアキ (はらだ としあき)
染めた長髪の男性。福岡市在住。山梨県のリゾートのアルバイトでアキラと知り合う。その後子どもができたためアキラと結婚する。