あかしや銀河商店街

あかしや銀河商店街

古びた寂れ気味の商店街。そこに突如やって来た謎の生命体から住民を守るため、少年たちは協力者の宇宙人とともに奔走する。小さな町を舞台に繰り広げられるほのぼのSFファンタジー。「月刊コミックバーズ」2013年9月号から2015年3月号にかけて連載された作品。

正式名称
あかしや銀河商店街
ふりがな
あかしやぎんがしょうてんがい
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
関連商品
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世界観

地元の商店街に現れた謎の生命体から住民を守る少年たちと、その協力者の宇宙人の姿を描く。侵略者と戦う内容ではあるが、登場人物は皆心優しく暖かい雰囲気で、どこかほのぼのとした空気で物語が進むのが特徴。

あらすじ

星野陽太は、地元のあかしや銀河商店街をとても大切に想っている中学2年生。ある日ウミウシと名乗る宇宙人の少女から、あかしや銀河商店街が謎の生命体・アメフラシに狙われていることを聞いた陽太は、友人の月白成志とともにアメフラシ退治を始めることになる。

登場人物・キャラクター

星野 陽太 (ほしの ようた)

あけぼの中学校2年1組に所属する男子。前髪を右寄りの位置で斜めに分けたウルフカットの髪型をしている。アメリカ人の父親と日本人の母親・星野和歌子の間に生まれたハーフで、金髪碧眼の外国人のような容姿をしている。しかし、ずっと日本に住んでいるため、英語は話せない。明るく人懐っこい天真爛漫な性格で、あかしや銀河商店街の人々とも仲が良い。 美しい心を持つ人間を見抜く不思議な力があり、その力を活かしてウミウシと月白成志とともにアメフラシの退治と、アメフラシに狙われそうな人間の予測を行うことになる。

月白 成志 (つきしろ なるし)

あけぼの中学校2年1組に所属する男子。星野陽太の友人で、校内では生徒会長を務めている。前髪を目の上で切ったストレートショートカットヘアにしている。あだ名は「ナルシー」。沈着冷静、頭脳明晰で非常に頼りになるが、陽太に対しては、ややサディスティックな態度をとることもある。ある日、陽太とともにウミウシと出会い、あかしや銀河商店街にアメフラシが居つき、住民を食料として狙っていることを知る。 そのため陽太とウミウシに協力することになる。実家は月白医院を営んでいる。

ウミウシ

AK84星系のソラリス星からやって来た、時空パトロール支援機体。正式名称は「ウミウシ」だが、あだ名は「ウミ」あるいは「うみ」で、ひらがなの「うみうし」と呼ばれることもある。頭にうさぎの耳のようなカチューシャを付け、前髪を目の上で切ったショートカットヘアに、顔の両脇の髪だけを腰まで伸ばした髪型の幼い少女の姿をしている。地球では便宜上子供の姿をしているが、実年齢は500歳程度。 また、動物のウミウシによく似た、大きな球形の生物の姿に変身することもできる。ある日、次元回廊を解航行中、アクシデントが発生し、マスターのイノルナータと離れ離れになってしまった。そのためあかしや銀河商店街で、星野陽太と月白成志の協力のもと、イノルナータ抜きでアメフラシの退治を始めることになる。 犬が好物で、ネギは苦手。

ヨネ

星野家の近所に住む年老いた女性。周囲からは主に「ヨネちゃん」と呼ばれており、本名は不明。前髪を上げて額を全開にし、ロングヘアを後ろで1つにまとめている。おっとりして肝の据わった性格で、あかしや銀河商店街で小物問屋を営んでいる。星野家の面々とは親しく、近所のよしみで食事を作りに来てくれている。さらにあけぼの中学校の文化祭に遊びに来た際、アメフラシの存在を知り、星野陽太らに協力することになる。 若い頃に出会い、行方不明になってしまった「天川宙人」ことイノルナータを今でも想っており、結婚はしていない。

氷室 透夜 (ひむろ とうや)

星野陽太があかしや銀河商店街で出会った若い男性。前髪を右寄りの位置で斜めに分けたウルフカットの髪型をしている。非常にイケメンで、また陽太が感知するほどの清らかな心を持つ。世のため人のために役立つことがしたいと願う献身的な性格。ところが、美形すぎて異性関係のトラブルを起こしやすく、思うように周囲の役に立てず悩んでいる。 しかし、アメフラシに食べられたのを機に性格が大きく変わり、毒舌占い師として「純喫茶 黒猫」で働くようになる。そのため、アメフラシに食べられたことが、良い方向に作用した稀有な存在となった。

芹莉奈 (せりな)

あけぼの中学校に通う2年生の女子。星野陽太の友人。前髪を左寄りの位置で斜めに分け、肩につくほどの長さのセミロングヘアにしている。派手で美しい顔立で、明るく積極的な自信家。周囲を見下した態度をとることもあるが、不正を嫌うまっすぐな性格でもある。しかし、あかしや銀河商店街については良い印象を持っておらず、なくなってしまっても構わないと考えている。 虫が苦手。

吏乃 (りの)

あけぼの中学校に通う2年生の女子。芹莉奈の友人。前髪を目の上で切りそろえ、胸まで伸ばしたストレートロングヘアを、顎の高さで2つに結んでいる。芹莉奈の信奉者で、芹莉奈のためなら他人を陥れることも厭わない。

万葉 (かずは)

あけぼの中学校に通う2年生の女子。星野陽太の友人。細身で、前髪を目の上で切ったウルフカットの髪型をヘアピンでまとめており、鼻の上にそばかすがある。茶道部に所属している。陽太が感知するほどの美しい心を持つが、自身の容姿にコンプレックスがあり、自分を女性らしくないと感じている。ある日、陽太らの勧めで文化祭のミスコンに出場することになるが、当日アメフラシに襲われてしまう。 しかし、これが舞たちを救出するきっかけとなる。

拓巳 (たくみ)

あかしや銀河商店街にある和菓子店「千寿庵」の跡継ぎの若い男性。前髪を上げて額を全開にしたオールバックの髪型で、派手で不良っぽい雰囲気の持ち主。5年前に実家を飛び出し、父親と連絡を絶っていたが、5年間の経験で考えを改め「千寿庵」に戻って来る。しかし、そこで1年前に父親が亡くなったこと、現在は隆世が代わりに店主を務めていることを知る。 そこで隆世に弟子入りを決意するが、素直になれず、隆世に「実力を見せろ」と勝負を持ちかける。

隆世 (りゅうせい)

あかしや銀河商店街にある和菓子店「千寿庵」で和菓子職人として働く若い男性。前髪を右寄りの位置で斜めに分けたストレートショートカットヘアにしている。正体はリモ星人という異星人。本来は半透明の膜に覆われ、9本の触手を持つ、ややグロテスクな姿をしている。地球の食文化を研究するため日本に訪れた際、和菓子が大好きになった。 そこで「千寿庵」の店主に弟子入りして、お菓子作りを学ぶことになる。異星人であるため、本来であれば「千寿庵」へは期間限定の弟子入りだったが、1年前に「千寿庵」店主が突如亡くなってしまい、店のために地球に残ることを決意した。結果的に、銀河連邦法を破っており、いわゆる不法滞在者扱いとなっている。

(まい)

あかしや銀河商店街にある花屋で働く記憶喪失の少女。前髪を目の上で切りそろえ、胸まで伸ばしたストレートロングヘアにしている。物腰が丁寧でおっとりとした、芯の強い性格。万葉があけぼの中学校の文化祭で、アメフラシに襲われて体内に入った際、舞も発見され、万葉と、一緒に体内にいた5人の人間とともに救出された。 しかし自分のことを一切覚えておらず、身寄りがないため、月白成志の実家である月白医院で面倒を見ることになった。その後、花屋の松が店を閉めようと考えていることを知り、一緒に働くことを申し出る。物腰や救出時の服装から、戦時中の若い女性では、と推測されている。

(まつ)

あかしや銀河商店街にある花屋を経営する年老いた女性。前髪を眉上で短く切ったパンチパーマヘアにしている。やや太めの体型で、明るく穏やかな性格。夫を亡くし、年齢的にも厳しいので、店を閉めようとしていた。舞の願いで舞を従業員に迎え、2人で一緒に働き続けることになる。

出類 (でるい)

歌手として活動する若い男性。あかしや銀河商店街にある「げんこつ食堂」の2階に住んでいる。強面の、モヒカンヘアにパンクファッションという派手な容姿で、やや太めの体型をしている。しかし明るく親しみやすく、商店街の清掃にも熱心な好青年として知られている。正体は異星人デルルイ星人。次元断層であればゴミを不法投棄してもかまわないと考えており、銀河連邦法を破り、集めたゴミを次元断層に捨てていた。

乃杏 (のあん)

2人組音楽ユニット「Europa」に所属する若い男性。あかしや銀河商店街にある、かつて瀬戸物屋で、今は使われていない建物を間借りして住んでいる。前髪を右寄りの位置で斜めに分け、腰まで伸ばしたロングウェーブヘアにしており、非常に美しいので女性と誤解されることも多い。正体はゼェフラッグ星人という異星人。物を食して分解した時に出るエネルギー、すなわちゴミを食べる性質を持つ。 ある日、出類が次元断層に不法投棄していたゴミが、なぜか自宅に落ちてくるようになり、最初は食べ物が降って来たと前向きに捉えていた。しかし、やがて対処しきれなくなって困っていたところを、トラブルを聞きつけた星野陽太らにより助けられる。食べたゴミのうち、エネルギーに変換できなかったものは、ガラス片に変換する力がある。 のちに出類が、そのガラス片を加工して、店を出すことを考え付くきっかけとなった。

洸太 (こうた)

星野陽太のいとこの少年。前髪を眉上で短く切ったショートカットヘアにしている。母親の出産が近いため、一時的に星野家で暮らすことになってやって来た。妹ができることにより、周囲の関心が自分から妹に移ることを淋しく感じていたが、前向きに受け止めようとしていた。しかし、日中にウミウシと2人で留守番をしていた際、突如一緒に誘拐されてしまう。

朔太郎 (さくたろう)

あかしや銀河商店街に住む年老いた男性。スキンヘッドに口ひげを生やし、和服を着ていることが多い。あだ名は「朔じい」。六兵衛、徳二郎とは非常に仲が良く、いつも3人で行動している。また、星野陽太とも仲が良い。明るくお調子者で、六兵衛、徳二郎とともにヨネに憧れている。イノルナータを想って、あえて1人でいるヨネの想いを尊重し、友人として親しくしている。 しかしある日、友人の葬式の帰りに1人で歩いていたところを、パライソジン星人に襲われたのをきっかけに、別人のように金遣いの荒い、強引な人格になってしまう。

徳二郎 (とくじろう)

あかしや銀河商店街に住む年老いた男性。前髪を上げて額を全開にした撫でつけ髪に、きっちりした服装をしていることが多い。左目尻にほくろがある。いつも険しい顔をした厳しい雰囲気を持つ人物。朔太郎と六兵衛とは非常に仲が良く、いつも3人で行動している。また、星野陽太とも仲が良い。明るくお調子者で、朔太郎、六兵衛とともにヨネに憧れている。 「天川宙人」ことイノルナータを想って、あえて1人でいるヨネの気持ちを尊重し、友人として親しくしている。しかしある日、様子のおかしい朔太郎に襲われたのをきっかけに、別人のように金遣いが荒くなり、笑顔まで見せるようになってしまう。

六兵衛 (ろくべえ)

あかしや銀河商店街に住む年老いた男性。前髪を眉上で短く切ったショートカットへアにして、タンクトップ姿でいることが多い。あだ名は「六さん」あるいは「ロクさん」。朔太郎、徳二郎とは非常に仲が良く、いつも3人で行動している。また、星野陽太とも仲が良い。明るくのんびりした性格で、朔太郎、徳二郎とともにヨネに憧れている。 イノルナータを想って、あえて1人でいるヨネの想いを尊重し、友人として親しくしている。最近様子がおかしくなった朔太郎と六兵衛のことを怪しんでいたが、自分まで別人のように金遣いが荒くなり、まったく関心のなかったファッションにまで興味を持つようになってしまう。

アモエナ

イノルナータの妹。ソラリス星からやって来た時空パトロールの若い女性。コナユキとともに戦う。前髪を目が隠れそうなほど伸ばし、お尻まで伸ばしたロングウェーブヘアにしている。本来はスタイル抜群の若い女性の姿だが、戦ってエネルギーを消費すると子供の姿になり、精神まで幼くなってしまう。星間管理局に所属しているため、あかしや銀河商店街で発生したアメフラシの件も、本来は管轄外。 しかし、あかしや銀河商店街で発生したパライソジン星人を追った際、再会したウミウシから現状を聞き、星野陽太たちに協力することになる。普段は非常に頼りになるが、子供の姿になっている時は、素直で欲求に忠実な性格になり、お腹がすくと動けなくなってしまう。

コナユキ

アモエナとともに戦う時空パトロール支援機体。髪の毛のところどころにメッシュを入れ、前髪を眉上で短く切り、腰まで伸ばしたストレートロングヘアを、高い位置でツインテールにしている。生真面目で厳しい性格の持ち主。星間管理局に所属しているため、あかしや銀河商店街で発生したアメフラシの件も、本来は管轄外。しかし、あかしや銀河商店街で発生したパライソジン星人を追った際、再会したウミウシから現状を聞き、星野陽太たちに協力することになる。 普段はアモエナに従順だが、アモエナが縮んで子供の姿になってしまっている時は、母親のように接する。

イノルナータ

ソラリス星人の若い男性。ウミウシのマスターで、アモエナの兄。地球で人間として暮らしている際は、ヨネの勘違いから「天川宙人」と名乗り、アモエナからは「兄さま」と呼ばれている。前髪を右寄りの位置で斜めに分けたウルフカットの髪型をしており、雰囲気が星野陽太によく似ている。穏やかで心優しくおっとりした性格の持ち主。 ある日事故でウミウシと離れ離れになり、単独で1944年の地球に降り立った際、亡くなる直前のカイル・サンダースと出会う。そこでカイルの「天川宙人に謝りたかった」という願いを聞き入れ、宙人の持ち物であるスケッチブックを受け取り、宙人に会うためあかしや銀河商店街を訪れた。しかし、そこで出会ったヨネが、スケッチブックに書いてあった「天川宙人」という名前を見て、それがイノルナータの名前と誤解したため、「天川宙人」と呼ばれるようになってしまった。 ある日、空襲で大けがを負ったヨネを助けるため、ヨネの身体に自分を同化させて命を救った。以来ヨネの身体の中で眠った状態にある。

星野陽太の祖父 (ほしのようたのそふ)

星野陽太の祖父。武道教室を開いている年老いた男性。前髪を上げて額を全開にし、胸のあたりまで伸ばしたストレートロングヘアを、後ろの低い位置で1つに結んでいる。陽太からは「じいちゃん」と呼ばれている。非常に腕っぷしが強く、寡黙な人物。陽太たちがトラブルに巻き込まれた際には、その武道の腕で助けることもある。

星野 和歌子 (ほしの わかこ)

星野陽太の母親で故人。前髪を真ん中で分け、肩につくほどの長さのセミロングヘアにしている。ややがさつだが、心優しく温かい性格をしている。非常に腕っぷしが強く、陽太は、武道では和歌子にまったくかなわなかった。2年前に亡くなった。

ディヴィッド

アメリカ人の男性。星野陽太の父親で、星野和歌子の元夫。祖父はカイル・サンダース。前髪を左寄りの位置で斜めに分けたウルフカットの髪型をしている。丸眼鏡をかけ、やや太めの体型。おおらかでおっとりとした性格をしている。あかしや銀河商店街で「何でも屋 やらいでか」を営んでおり、住民の依頼に合わせて、さまざまな業務を行っている。 星野陽太の祖父の腕前にほれ込んで弟子入りし、そこで和歌子と知り合って結婚した。

カイル・サンダース (かいるさんだーす)

ディヴィッドの祖父で故人。前髪を右寄りの位置で斜めに分けたウルフカットの髪型をしている。1944年、銃で撃たれ亡くなる直前、偶然その場に転移したイノルナータと出会う。その際「天川宙人に謝りたかった」とイノルナータに言い残して亡くなった。そのためイノルナータは、カイルが「天川宙人」から預かったスケッチブックを手に、宙人に会うため日本で生活することになった。

天川 宙人 (あまかわ ひろと)

カイル・サンダースの友人の年老いた男性。禿げ上がった頭に後頭部だけ髪の毛を残し、顎髭を長く伸ばしている。子供の頃はカイルと非常に仲が良かったが、ある日、喧嘩になってしまう。その際、自分の名前を書いたスケッチブックをカイルに渡したまま会えなくなってしまっていた。数十年が経過し、あかしや銀河商店街を偶然訪れて星野陽太に出会い、カイルの想いを知って涙する。

アメフラシ

突如あかしや銀河商店街に現れた希少生命体。その名の通り、動物のアメフラシによく似た容姿をしているが、動物のアメフラシよりも非常に大きく、人間以上の大きさがある。主食は精神レベルの未熟な人間のプラスエナジー。プラスエナジーを奪われた人間は、プラスマイナスのバランスが崩れて、不幸のどん底で死んでしまう。その生態については不明点が多いが、次元断層の近くでよく目撃されること、確認される数が異常に少ないことがわかっている。

場所

あかしや銀河商店街 (あかしやぎんがしょうてんがい)

星野陽太たちが暮らす街にある商店街。昔ながらの温かい雰囲気の商店街だが、経営者も利用者も老人が多く、最近はすっかりさびれた状態にある。そのため、あかしや銀河商店街を愛する陽太と月白成志は、独自に商店街を盛り上げる計画を練っていた。しかしアメフラシの出現に際して、陽太たちがトラブル解決に乗り出したのを機に、氷室透夜がやって来て占いを始めたり、出類と乃杏が協力してガラス細工店を始めたりと、意外な形で活気を取り戻していく。

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