概要・あらすじ
火の鳥と呼ばれる超生命体を軸に、ヤマタイ国の時代を描く『黎明編』にはじまり、35世紀の地球生命の終焉を描く『未来編』まで、交互に現代に近づくように書き継がれた、手塚治虫がライフワークと位置づける連作シリーズ。『未来編』の結末では、地球にふたたび生命が生まれ、人類が誕生し、『黎明編』の冒頭につながっている。
その他に、雑誌『少女クラブ』に連載された『エジプト編』、『ギリシア編』、『ローマ編』がある。
登場人物・キャラクター
火の鳥
『鳳凰』、『火焔鳥』、『フェニックス』ともよばれ、その生き血を飲むと不老不死の力を得るとされる。時期が来れば、火に飛び込んで生まれ変わる。生命の根本である宇宙生命(コスモゾーン)の化身。夢や幻覚として物語の登場人物の前にあらわれ、輪廻のさだめを伝えたり、時には罪を犯した者に罰を与える。
猿田彦 (さるたひこ)
『黎明編』に登場するヤマタイ国の武将。そのほか、猿田博士、我王、おやじさん、などの名前で、その子孫たちがシリーズ中に登場する。大きな鼻の醜い顔が特徴。永遠に宇宙をさまよい満たされぬ旅を続け、人間の苦しみを永久にうけて立つ人間。
関連
火の鳥 黎明編 (ひのとり れいめいへん)
ヒミコが治める古代日本のヤマタイ国を舞台に、不老不死の鳥火の鳥を追い求めて死んでいくもの、歴史の流れの中で懸命に生きる人々を描く手塚治虫のライフワーク巻頭を飾る一巻。 関連ページ:火の鳥 黎明編
火の鳥 エジプト編 (ひのとり えじぷとへん)
火の鳥の血を飲んだエジプトの王子と女奴隷ダイアが、古代エジプト、古代ギリシア、古代ローマを舞台に、人々の争いの中で愛を貫く。『リボンの騎士』終了後、ハリウッド的歴史スペクタクルを企図して連載された、エ... 関連ページ:火の鳥 エジプト編
火の鳥 ギリシア編 (ひのとり ぎりしあへん)
火の鳥の血を飲んだエジプトの王子と女奴隷ダイアが、古代エジプト、古代ギリシア、古代ローマを舞台に、人々の争いの中で愛を貫く。『リボンの騎士』終了後、ハリウッド的歴史スペクタクルを企図して連載された、エ... 関連ページ:火の鳥 ギリシア編
火の鳥 ローマ編 (ひのとり ろーまへん)
火の鳥の血を飲んだエジプトの王子と女奴隷ダイアが、古代エジプト、古代ギリシア、古代ローマを舞台に、人々の争いの中で愛を貫く。『リボンの騎士』終了後、ハリウッド的歴史スペクタクルを企図して連載された、エ... 関連ページ:火の鳥 ローマ編
火の鳥 未来編 (ひのとり みらいへん)
火の鳥に永遠の命を与えられた山之辺マサトは、核戦争で滅び去った地球で、再び生物が海から誕生し進化していくのを見守る存在になる。円環構造をなす火の鳥シリーズの時間的な末尾にあたり『火の鳥 黎明編』へと回... 関連ページ:火の鳥 未来編
火の鳥 ヤマト編 (ひのとり やまとへん)
ヤマト国王子ヤマト・オグナは、父が巨大な墓を作り、そこに殉死者2千人を生き埋めにすることに反対していた。九州の蛮族、クマソの川上タケルを討った褒美として、建造を任された彼は、墓ではなく公園と遊園地を作... 関連ページ:火の鳥 ヤマト編
火の鳥 宇宙編 (ひのとり うちゅうへん)
一年交替で冷凍睡眠から目覚め、操縦を担当する決まりになっている宇宙船で、宇宙飛行士の牧村五郎が手足を縛られた状態でミイラとなっているのを発見される。隕石の衝突で宇宙船を脱出した5人は、かれらの4つの脱... 関連ページ:火の鳥 宇宙編
火の鳥 鳳凰編 (ひのとり ほうおうへん)
盗みと人殺しを重ねた末に、高僧良弁僧正に拾われ、この世界に対する怒りを武器に彫刻師としての才能を開花させる我王。権力者の後ろ盾をたよりに大きな仕事に夢を見いだす茜丸。因縁で結ばれた二人は、東大寺大仏殿... 関連ページ:火の鳥 鳳凰編
火の鳥 復活編 (ひのとり ふっかつへん)
事故で脳の大半を人工頭脳にされたレオナ・宮津には、生物が無機物の塊に見えるようになってしまった。その彼が恋したのは、ロボットのチヒロだった。無機物と生物の境界、ロボットと人間の境界、そして生命とは何か... 関連ページ:火の鳥 復活編
火の鳥 羽衣編 (ひのとり はごろもへん)
漁師のズクは、松の枝に見たこともない美しい布を見つける。それは、空の上の国やら来たという美しい女のものであった。羽衣伝説を下敷きに描かれるタイムトラベル譚。浄瑠璃の舞台を見るように物語の全編を固定した... 関連ページ:火の鳥 羽衣編
火の鳥 望郷編 (ひのとり ぼうきょうへん)
地球から逃げ出したロミと間丈二。彼らは惑星エデン17を自分たちの新天地に選んだのだが、そこは人が住むには厳しすぎる星であった。一人の女性から文明が生まれ、そして亡びるまでを描いている。念力でテレポート... 関連ページ:火の鳥 望郷編
火の鳥 乱世編 (ひのとり らんせへん)
一族のためその血を求めた平清盛、妻に飲ませたいと探し求めた木曽義仲、弟がその血を飲んで覇者となることを恐れた源頼朝。源平の戦いを軸に、火の鳥の不老不死の血を巡る人々の野望と、権力を求めて繰り返される戦... 関連ページ:火の鳥 乱世編
火の鳥 生命編 (ひのとり せいめいへん)
クローン技術が実用化されている未来。人々は立体テレビで放送される、クローン人間をハンティングする番組を楽しんでいた。生命をもてあそぶ社会を描くSF作品。 関連ページ:火の鳥 生命編
火の鳥 異形編 (ひのとり いぎょうへん)
男装の娘左近介は、父である残虐非道な武将、八木家正が病で死ぬことを願い、不思議な治癒の力を持つという八百比丘尼を斬る。その時から、彼女は閉ざされた時空の囚われ人となってしまい、やがて、八百比丘尼の代わ... 関連ページ:火の鳥 異形編
火の鳥 太陽編 (ひのとり たいようへん)
7世紀、百済国王余豊璋の一族ハリマは、戦に敗れ、顔の皮をはがされオオカミの皮をかぶせられて、獣の顔をもつ男となる。倭国へ渡り、産土神である狗族の娘と出会ったハリマは、土地に根付いた産土の神々が仏教勢力... 関連ページ:火の鳥 太陽編
アニメ
書誌情報
火の鳥 11巻 講談社コミッククリエイト〈手塚治虫文庫全集〉
第1巻
(2011-10-12発行、 978-4063738551)
第2巻
(2011-10-12発行、 978-4063738568)
第3巻
(2011-11-11発行、 978-4063738575)
第4巻
(2011-11-11発行、 978-4063738582)
第5巻
(2011-12-09発行、 978-4063738599)
第6巻
(2011-12-09発行、 978-4063738605)
第7巻
(2012-01-12発行、 978-4063738612)
第8巻
(2012-01-12発行、 978-4063738629)
第9巻
(2012-02-10発行、 978-4063738636)
第10巻
(2012-02-10発行、 978-4063738643)
第11巻
(2012-03-09発行、 978-4063738650)