あっけら貫刃帖

あっけら貫刃帖

小林ゆきのデビュー作品。江戸時代を舞台に、人を脅かす意思を持った刀である刀魔と、彼らを封印するために戦う刀狩り衆の裂鬼助の戦いを描いている。「週刊少年ジャンプ」2002年11号から2002年22・23号まで連載された。

正式名称
あっけら貫刃帖
ふりがな
あっけらかんじんちょう
作者
ジャンル
バトル
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概要・あらすじ

時は享保14年。平和に見えた江戸の町は、刀魔という人外の存在により被害を被っていた。育ての親を刀魔に殺された山本青葉は、仇討ちのために各地を調査していたところ、裂鬼助と名乗る小柄な少年と出会う。青葉は妙な外見の裂鬼助を訝しむが、彼こそが刀魔の封印を目的とする組織、刀狩り衆の一員であった。

登場人物・キャラクター

裂鬼助 (さきすけ)

刀狩り衆の一員。古風な喋り方が特徴的な少年。普通の人間の半分にも満たない低身長だが、人並み外れた身体能力を誇っており、破魔鎚を軽々と振り回す怪力と、刀魔を圧倒する実力を持つ。また、凄まじいまでの大食いで、20皿のまんじゅうを余裕で平らげてしまう。

山本 青葉 (やまもと あおば)

侍の青年。孤児だったところを拾われ、剣の修業を受けていたが、ある時突如現れた刀魔に育ての親を殺されてしまう。それ以来仇討ちのために行動していたところ、偶然遭遇した裂鬼助に助けられる。さらに刀魔を封印するための組織である刀狩り衆の存在を聞かされ、ともに戦うようになる。

黒蛭丸 (くろひるまる)

神田を拠点として辻斬りを繰り返している刀魔。手のひらから赤い刀を精製する能力を持ち、それを用いて腕に覚えのある侍を次々と殺害していた。裂鬼助と山本青葉の能力に興味を抱き、2人を次のターゲットに選定。先んじて挑みかかっていた青葉を追い詰めた。

桜井 幽鉄 (さくらい ゆうてつ)

刀狩り衆元締。右目に「無」と刻まれた眼帯を付けた初老の男性。表向きは江戸幕府「天文方」の役人だが、将軍によって刀狩りの全権を任されている。世の中と将軍を守るという役割を全うする強い意志と、刀狩り衆に情や甘さは不要という持論を持ち、山本青葉の入隊に反対している。

(しろ)

刀狩り衆の一員。忍方に属しており、猫の頭と人型の身体を持つ。普段は相棒のタマとともに桜井幽鉄の護衛を担っているが、幽鉄の命により、山本青葉の腕試しを任される。巨大な鉤爪を武器としており、タマとのコンビネーション攻撃で青葉を追い詰めた。

(りつ)

刀狩り衆の一員。忍方に属しており、両手を黒い手袋で覆っている。かつて海賊に身を落としていたところを刀魔に襲われて腕を失うが、その時に裂鬼助に助けられ、それ以来彼を強く慕っている。現在は義手を装着しており、そこから発せられる電撃で敵対する者を圧倒する。

黙髏 (もくろ)

琵琶法師に扮して人を狩っている刀魔。禿頭の巨漢で、普段は顔を隠している。影宇羅館の門下生をターゲットとしている。琵琶の音色で蝙蝠を操る能力と、人間の血を吸い取ってしまうという特殊な刀を持つ。江戸幕府に並々ならぬ恨みを抱いており、復讐の時をうかがっている。

影宇羅館主 (かげうらかんしゅ)

影宇羅剣道場の主。粗暴で虚栄心が強い性格で、地元では恐れられていると同時に嫌われている。黙髏と何らかの密約を交わしており、かつて敵対する道場を潰させたが、次に影宇羅館がターゲットになったことを知り、パニックに陥っている。

木崎 周一郎 (きざき しゅういちろう)

刀狩り衆の一員。常に笑顔を浮かべている柔和な青年剣士。かつて刀魔に妹を殺され、自らも火を放たれたという凄惨な過去を持つ。裂鬼助のことを敵視しており、伊佐八とともに彼を打倒する計画を立てている。また、彼とともに行動している山本青葉には何らかの興味を抱いている模様。

伊佐八 (いざはち)

刀狩り衆の一員。黒い眼鏡をかけた長身の男性で、忍方に属している。百足鎖鞭と呼ばれる、全身に棘の付いた鞭を操る。木崎周一郎同様、裂鬼助に強い敵意を抱いており、彼のことをエセ刀狩りと呼ぶ。刀魔に妻と自らの右目を奪われており、その仇討のために刀狩り衆に属している。

可銀 (かぎん)

刀狩り衆の一員。木崎周一郎や伊佐八に一目置かれているほどの優秀な侍で、破魔鎚の一振りだけで屋敷を半壊させるほどの力を持つ。1人さまよっていたところを刀魔に襲われ、裂鬼助に助けられたことをきっかけに刀狩り衆へ志願した。現在は裂鬼助を憎んでおり、自らの手で彼を倒すことに固執している。

盟主・裂雷 (めいしゅさらい)

刀魔たちを束ねる親玉。黒い刀身の刀を所持しており、最強の刀魔と目される。人間に対する絶望と、江戸幕府に対する恨みを抱いており、国家転覆を企んでいる。江戸城の地下に仲間とともに潜んでおり、享保14年4月に決起。刀狩り衆と刀魔の大戦を勃発させた。

集団・組織

刀狩り衆 (かたながりしゅう)

江戸幕府秘蔵の秘密組織で、刀魔を狩る「刀狩り」を行う。元締である桜井幽鉄の指揮の下で、破魔鎚を扱い刀魔を釘に変形させ、江戸城に封印することを目的としている。構成員はかつて刀魔と関わり大きな被害に遭った者が多く、それ故に刀魔に強い憎しみを抱いている者が多い。

忍方 (しのびかた)

刀狩り衆の下位組織。刀魔を狩る「刀狩り」のサポートを役割としており、構成員は破魔鎚を持たない代わりに特殊な能力や武器を所有している。また、情報収集のスペシャリストでもあり、身のこなしに優れた者が多い。白、葎、そして伊佐八が所属している。

その他キーワード

緋の雷震 (ひのらいしん)

葎によって使用される大技。義手を地面に突き刺し、大地を走る電流を辺り一面に流して、地面に立つ敵を感電させる。相手が飛んでいなければ確実に命中するため、対多数相手に有効な技。葎はこの技を使い、17人の侍を一瞬で無力化している。

刀魔 (とうま)

人の形を持ち、人を襲う怪物。かつて「どれだけ人を斬っても劣化しない」というコンセプトのもと戦国時代に開発された刀で、人の血を吸うことで自己修復を行えるという特性を持っていたが、やがて自意識を持ち、人の形を獲得するに至っている。元が刀であるため非常に硬く、普通の武器では大した手傷を負わせることができないが、身体に浮き出た「血刀紋」という紋章を破魔鎚で打たれると釘に戻ってしまう欠点を持っている。

破魔鎚 (はまづち)

刀狩り衆が使う、刀魔を封印するための武器。密教、風水、陰陽の叡知のすべてをその身に宿している。見た目は普通の金槌だが、超合金で15貫もの重さを誇っている。破魔鎚を所有するということは、刀狩り衆に身を置き生涯を刀魔との戦いに費やすことと同義であるため、生半可な気持ちで扱うことは固く禁じられている。

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