あなたがいれば

あなたがいれば

日本最古の物語とされる「竹取物語」をモチーフに描かれたファンタジー。前世でふった男性たちと、今生で再会した月形とり子が、相手の願いを叶えて幸せを見届けながら、本当の愛を見つけていく姿を描く。「プチコミック」2002年9月号から2005年8月号にかけて連載された作品。

正式名称
あなたがいれば
ふりがな
あなたがいれば
作者
ジャンル
転生
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

美人だが男性に対する理想が高く、恋をしたことがない月形とり子は、ある日、車に轢かれて死んでしまう。そこに「三船」と名乗る、人ではない何者かが現れ、とり子が実は、かぐや姫の生まれ変わりであることを告げる。その後とり子は生き返ったが、それには条件があった。最愛の男性を見つけ出さないと、天罰により100歳の老婆の姿のまま、不死の者となってしまうのだという。

とり子は面倒くさがりながらも、仕方なく最愛の男性を探し始める。

登場人物・キャラクター

月形 とり子 (つきがた とりこ)

20歳の女子大学生。美人でスタイルも良い。面食いで男性を見る目が厳しいため、これまで恋人がいたこともなければ、片想いすらしたことがない。口が悪く、言いたいことはハッキリ言うが、本当のことしか言わない。竹を割ったようなサッパリした性格。その反面、面倒くさがりで怠け者、という厄介な性質も持つ。車にはねられて死ぬはずだったが、三船から、自分がかぐや姫の8回目の生まれ変わりであることを知らされ、現世に舞い戻る。

三船 (みふね)

月からやってきた使者の男性。人間ではない。案内人として、かぐや姫の生まれ変わりが、この世で人を愛することを知り、最愛の男性を見つけ出すことを、1200年もの間ずっと手助けし続けている。月形とり子と接していくうちに、彼女を愛してしまう。

石垣 広次 (いしがき こうじ)

「かぐや姫」の物語に登場する「石つくりの皇子」の生まれ変わり。21歳の男子大学生で、寺の跡取り息子。怠惰な性格で体型もだらしないが、可愛い彼女が欲しいと思っている。簡単に身体を許してくれそうな女性に媚びを売っていたが、そんな行為に、だんだん嫌気がさし始めている。

倉橋 保 (くらはし たもつ)

「かぐや姫」の物語に登場する「くらもちの皇子」の生まれ変わり。ハンサムな26歳の男性。親が宝石商をしていることもあり、裕福な暮らしをしている。宇都宮類子と婚約しているものの、彼女があまりにわがまますぎるため、悩んでいる。キレると怖いところがある。

宇都宮 類子 (うつのみや るいこ)

倉橋保の婚約者の24歳の女性。美人だが、わがままで自分勝手。人の気持ちがわからない、無神経で鈍感な性格。相手を自分の思い通りにしようとし、その通りにならないと、感情的になって怒りだす。打算的で、自分に都合の良い結婚をするために嘘を重ねており、保と婚約した途端に本性を現す。

深山 しのぶ (ふかやま しのぶ)

倉橋保の高校時代の同級生の女性。クラスでトップの成績を修めながら、家庭の事情で進学せず就職した。現在は仕事のための勉強を頑張っている努力家。父親が酒乱のせいで家が貧乏、という複雑な家庭環境だが、魅力的な笑顔を持つ。

阿倍野 晴臣 (あべの はるおみ)

「かぐや姫」の物語に登場する「あべの右大臣」の生まれ変わり。23歳の男性で、天才子役として子供の頃からドラマなどで活躍してきた。痴漢の冤罪を着せられ、マスコミにたたかれたことをきっかけに、芸能界から姿を消した。単純な性格で、相手の言うことをすぐに信じるため、騙されやすい。実は陰陽師で有名な安倍晴明の子孫。

房盛 獅子雄 (ふさもり ししお)

阿倍野晴臣が共演したことのある男性。13年前、晴臣の子役時代に共演した。晴臣より2歳年上。当時、懐いてくる晴臣をうっとおしがっていた、と周囲には思われていた。しかし、実際には面倒見が良い性格で、晴臣を可愛がっていた。晴臣の役者としての才能を見出し、自分は役者を辞めて、晴臣のためにエージェントの勉強をしていた。冤罪を着せられて窮地に陥った晴臣を援護するため、芸能界に舞い戻る。 実は「かぐや姫」の物語に登場する「小野のふさもり」の生まれ変わり。

大友 龍一郎 (おおとも りゅういちろう)

「かぐや姫」の物語に登場する「大伴の大納言」の生まれ変わり。25歳の男性。高校教師をしていたが、理不尽な学校の制度に物申し、辞表を叩きつけた。正義感の強い性格で、女性嫌い。実家は剣術道場「玄武館」を営んでいる。5年前、当時11歳の妹が、未成年の少年に殺されたという過去を持つ。

磯上 中也 (いそかみ ちゅうや)

「かぐや姫」の物語に登場する「いそかみの中納言」の生まれ変わり。19歳の男性。女装して会員制高級クラブで働いている。美形で頭が良く、話題も豊富なので、クラブのママからスカウトされ、働き始めた。女装は単なる仕事として割り切っており、心は男性。だが、三船に出会った瞬間、生まれて初めての恋に落ちる。

菅井 安夫 (すがい やすお)

コンサルタント会社の若社長を務める男性。35歳の独身。実はゲイで、磯上中也を養子にしたいと申し出る。会社経営が傾いたため自殺を考えており、中也を道連れにしようと画策してのことであった。

門脇 道安 (かどわき みちやす)

「かぐや姫」の物語に登場する「御門」の生まれ変わり。27歳の男性。郷土研究を趣味に持つ旧家の御曹司で、親戚が結婚相手を探している。周囲には、自分の背後の権威に対してへつらったり、下心を持って近づいてくる者ばかりいたため、腹を割って話せる相手を探している。月形とり子を気に入っている。

門脇 房子 (かどわき ふさこ)

門脇道安のいとこの25歳の女性。道安の家が持っている山林を、リゾート開発のために売り払い、その恩恵にあずかりたいと考えている。当初は、自分が道安と結婚しようと考えていた。しかし、フラれてしまったので、自分のいいなりになりそうな女性を、道安とくっつけようと画策している。

月読命 (つくよみのみこと)

男性の姿をしている神様。天照大神の弟。不老不死である三船に、かぐや姫が最愛の男性を見つけるまで、手助けする使命を与えた。迦具夜が弥照を殺した罪に対して罰を下したが、実は迦具夜を愛していた。

迦具夜 (かぐや)

弥照の双子の妹。美しい女性の姿をした、月の住人。傲慢で冷酷で、他人に対する愛を知らず、やることに容赦がない。弥照と2人で共に月読命と結婚させられるのを嫌がり、実の姉である弥照を殺す。その罪で地球へと流罪になった。

弥照 (いやてる)

迦具夜の双子の姉。美しい女性の姿をした、月の住人。自分の思い通りにことを運びながら、それを相手のためと偽って恩を着せようとする偽善者。迦具夜と共に月読命と結婚することを望んでいた。

天照大神 (あまてらすおおみかみ)

月読命の姉。月読命が勘違いから、保食神(うけもちのかみ)を殺してしまったことに腹を立て、自分は昼の神、月読命を夜の神として、別れて暮らすことにした。気難しいところがあり、気が強い。

月野 岩笠 (つきの いわかさ)

「かぐや姫」の物語に登場する勅使。かぐや姫が置いて行った不老不死の薬を燃やす役目を担っていた。薬を自分のものにしようと考え、不老不死の効き目を試すため、自分の部下だった三船に、薬を飲ませたうえで、わざと殺した。

SHARE
EC
Amazon
logo