天下泰平の江呂時代が舞台のお色気忍者コメディ
本作は江戸時代をモデルとした「江呂時代」と「江呂の町」を舞台にしている。忍者たちは「A愛」をはじめとする忍者派遣会社から派遣され、将軍や家老などさまざまな人物に仕えながら、厳しい修行に励んで危険な任務をこなし、人知れず江呂の平和を守っている。江呂の町では大衆娯楽も増え、人々は平穏に暮らしているように見えるが、その裏では異国からやって来た異人たちが虎視眈々と江呂の町を狙っていた。春画をはじめとする大衆文化を粛清し、南蛮の性具「蛭砲(てっぽう)」を使って新興宗教の布教をもくろむポルノガリが暗躍するなど、時には一般人が陰謀に巻き込まれることもある。
最強くのいちの弱点はエッチな攻撃
主人公の霰草は厳しい修行の末に新米くのいちとなった、幻術や忍術を得意とする美女。お調子者で能天気な性格ながら、上司からの命令は絶対服従で、ほかのくのいちが断りそうな任務も渋々受け入れている。霰草の生い立ちには謎が多いが、忍者は友人をつくってはいけないという決まりがあるために友人が少なく、孤独な人物に仲間意識を持っている。そんな中、江呂の町を脅かす異人たちとの戦いに巻き込まれるが、将軍からその活躍を評価され、新米でありながら将軍に仕える御庭番を任される。厳しい修行に耐えてきた最強のくのいち・霰草だが、唯一の弱点はエッチな攻撃だった。
異人たちが江呂の平穏の世を脅かす
平和に見える江呂の町は異国からの脅威に晒され、その被害は民衆にまで及んでいた。そんなある日、霰草は任務中に徳太という少年と知り合って友人になるが、彼はお忍びで町を訪れていた将軍だった。霰草は徳太を一般人の孤独な少年だと思い込んだまま、異人との激闘やエッチな修行をとおして、次第に恋心を抱くようになる。そんな中、異人との戦いは激しくなる一方で、ペローキャプテンが率いる強力なメリケンニンジャ集団「クロフネ」との直接対決に発展し、激しくも恥ずかしい忍務が遂行される。また、戦いの中で明らかになっていく霰草の隠されていた秘密や、すれ違いながらも距離を縮めていく徳太との恋の行方も見どころとなっている。
登場人物・キャラクター
霰草 (あらくさ)
とある城主に使える新米くのいち。露出度高めの衣装を身につけている。スタイル抜群で、やや天然気味な性格をしている。身体能力が非常に高く、忍びの術は一流ながらエッチな事柄に免疫がなく、性的な修業はすべて断っている。そのため、ほかのくのいちと違ってエッチな攻撃に抗うことができず、そのまま淫らに悶えてしまうことが多い。一方で忍びとしては扱いにくいこともあり、上司にあたる御家老からは、ほかのくのいちが断るような特殊な任務を与えられている。
御家老 (ごかろう)
とある城主に仕えている高齢の男性。霰草の上司にあたる。忍びの術は一流ながらもエッチな事柄にウブで、さらに天然気味な霰草をどう扱えばいいのか、つねに頭を悩ませている。
書誌情報
あらくさ忍法帖 8巻 白泉社〈ヤングアニマルコミックス〉
第1巻
(2019-08-29発行、 978-4592163718)
第6巻
(2022-12-27発行、 978-4592163763)
第7巻
(2023-10-27発行、 978-4592163770)
第8巻
(2024-04-26発行、 978-4592163787)