あらすじ
第1巻
佐次京介が伝言ダイヤルを使って出会った「アリス」はクラスメイトの小泉明だった。明は自分をアリスだと見破った佐次に処女を捧げ、二人は恋人同士になったかと思われた。しかし翌日になると、明はなぜか佐次に冷たく接するようになる。佐次はそれでもめげずに明にアプローチをする。学校では佐次と明が急接近した事でさまざまな噂が飛び交い、佐次に片思いをする梅宮悠樹はその噂を聞いたあと、偶然明と知り合う事になる。(「DAI 1 WA」「DAI 2 WA」。ほか、7エピソード収録)
第2巻
桑原進の誘いで大学生のサバイバルゲームの手伝いをする事になった佐次京介と友人の男子グループと、小泉明と友人の女子グループは海へ来ていた。雑用をこなしつつも海を満喫していた一行だったが、夜になると女子グループが大学生に連れ去られてしまう。佐次達は女子グループを奪還するため、サバイバルゲームで大学生に立ち向かう。(「DAI 4 WA」~「DAI 6 WA」。ほか、6エピソード収録)
第3巻
アメリカから國府館高校に転校して来た黒木楓は、ルックスがよく周囲の女子から黄色い歓声を受けていた。そんな楓は、突然自分が小泉明の婚約者だと言い出す。それを聞いた佐次京介は、彼に戦いを挑む。(「DAI 1 WA」。ほか、9エピソード収録)
第4巻
佐次京介は地下鉄で見かけた小泉明の行き先を知るために尾行すると新潟県に到着する。明に尾行がばれてしまったため、佐次は思い切って理由を聞くと、新潟県はかつて明が住んでおり、亡くなった明の母親・小泉泪の墓もあると言う。それを聞いた佐次は明と共に墓参りをし、思い出の地を巡る。(「DAI 1 WA」~「DAI 2 WA」。ほか7エピソード収録)
第5巻
夏休みになり、佐次京介は仲間と資金を集めて海に面した別荘をレンタルし、小泉明や蟻賀瀬涼子、甘糟真希を招待した。脱衣ビーチバレーや怪談話で盛り上がった一行は、ひと夏の思い出を作る。(「DAI 1 WA」~「DAI 3 WA」。ほか、7エピソード収録)
第6巻
突如転校して来た安西まどかは、佐次京介の初恋の相手だった。佐次はまどかに過去の話をされて辟易していたが、小泉明はそれでも親しく会話する二人を面白くないと感じていた。しかし、まどかも明と同じく転校が多く友達ができない事を知ると、二人は少しだけ溝を埋めるのだった。(「DAI 5 WA」~「DAI 6 WA」。ほか、9エピソード収録)
第7巻
夏休みが始まり、佐次京介と小泉明達は新潟県へ旅行に行くが、佐次は観光ではなく海の家で住み込みのアルバイトをする羽目になってしまう。しかし、そこで東京にあこがれを抱く少女・浜崎恵に出会う。一方、明は母親の墓参りをし、生前の頃とは違った生活をしている事を報告する。(「DAI 5 WA」~「DAI 9 WA」。ほか、4エピソード収録)
第8巻
安西まどかと佐次京介が最近親しく話す事で、小泉明と佐次の仲は険悪になり、その状態のまま体育祭を迎えてしまう。明とまどかは佐次の知らないところで対立し、借り物競争で決着をつけようとする。(「DAI 3 WA」~「DAI 4 WA」。ほか、8エピソード収録)
第9巻
佐次京介は小泉明からDVDプレイヤーの修理を頼まれるも、故障ではなく明の勘違いだった事が判明する。そのまま帰ろうとする佐次だったが、明から誘われいっしょにホラー映画を見る事になった。(「DAI 9 WA」。ほか、8エピソード収録)
第10巻
小泉明は父親の言いなりになる事に嫌気が差し、佐次京介の家に逃げる事にした。それを知った蟻賀瀬涼子や甘糟真希は明の味方をするが、明の側近である麻宮は明の置かれている立場を冷静に説く。明はそれを理解しているつもりではあるが、考える時間がほしいと答える。(「DAI 6 WA」~「DAI 9 WA」。ほか、5エピソード収録)
第11巻
佐次京介は、小泉明と初めて出会った時の夢を見て目覚める。すると自宅でいっしょに過ごしているはずの明がおらず、不安になった佐次は街中を探し回る。道行く先で苦難に苛まれるも、明を見つける事ができた佐次はほっと胸をなでおろすのだった。(「DAI 8 WA」。ほか、9エピソード収録)
第12巻
神戸から転校して来たイケメンの空豆龍虎は、実は女の子だった。暴力団である実家の跡継ぎのために男子として育てられていたが、龍虎は女の子として生きたいと願っていた。それを聞いた佐次京介達は、協力して龍虎を助ける事にする。(「DAI 2 WA」~「DAI 5 WA」。ほか、7エピソード収録)
第13巻
黒木美沙の様子がおかしい事に気づいた小泉明は美沙を問い詰める。すると美沙は母親のいるロサンゼルスに行く事を決意した事を打ち明ける。明は悲しみをこらえながらも、美沙の将来を考えて笑顔で見送る。(「DAI 1 WA」。ほか、10エピソード収録)
第14巻
小泉明の祖母が入院するが、明は祖父が自分を嫌っているため見舞いに行く事をためらう。佐次京介からの後押しもあって、明は祖母と祖父がいる新潟へ行く事を決める。明に冷たく接する祖父だったが、明の純粋な気持ちを知ると、態度を和らげるのだった。(「DAI 1 WA」~「DAI 3 WA」。ほか、8エピソード収録)
第15巻
浦和克典には遠距離恋愛中の彼女がいたが、トラブルが続いてなかなか会えずにいた。そこに偶然居合わせた小泉明は、浦和とその彼女が会えるために協力する。(「DAI 2 WA」~「DAI 3 WA」。ほか、9エピソード収録)
第16巻
新潟県から転校して来た瀬波真は、小泉明の知り合いで明に好意を寄せていた。しかし、東京で佐次京介達に出会い、明が昔のクールでミステリアスな性格ではなくなっている事を知った真は、彼女を新潟へ連れて帰ろうとする。(「DAI 5 WA」。ほか、9エピソード収録)
第17巻
瀬波真と空豆龍虎の身体能力を見込んで、空手部が勧誘に来た。最初は拒否していた二人だったが、下心を持った佐次京介の企てにより、空手部に入部して合宿にも参加する事になる。(「DAI 1 WA」~「DAI 4 WA」。ほか、5エピソード収録)
第18巻
佐次京介は正月に小泉明と瀬波真と同行して新潟県へ行く事になった。年始のあいさつを兼ねて小泉泪の墓参りに行くと、そこで泪の友達だった男性と出会う。(「DAI 5 WA」。ほか、9エピソード収録)
第19巻
瀬波真が家出をして小泉明の家に泊まる事になった。真は明の部屋にあった指輪を見つけてこっそりとはめてみると、そのまま外れなくなってしまう。その指輪が明の大切な物だと知った真は逃げ出してしまうが、事情を知った佐次と明に追いかけられる。真はそこで二人の絆が強いものだと知り、明への片思いをあきらめるのだった。(「DAI 1 WA」~「DAI 2 WA」。ほか、7エピソード収録)
第20巻
瀬波真が街を歩いていると、外見や雰囲気が小泉明によく似た少女に出会う。真はその少女が気になり、あとをつけていくが謎の男性に連れ去られてしまう。怪訝に思った真だったが、翌日明に出会うも本人とは違う事を確認し、その件は忘れる事にする。(「DAI 4 WA」。ほか、6エピソード収録)
第21巻
瀬波真はいつの間にか佐次京介に思いを寄せるようになっていた。そんな中、真の父親が新潟で事故に遭ってしまい帰らなければいけなくなる。佐次への思いをあきめられない真は思い切って告白するが、小泉明への思いが強い事を実感する。佐次への気持ちを吹っ切った真は新潟県へと帰っていく。(「DAI 8 WA」。ほか、9エピソード収録)
第22巻
小泉明になりすましている少女・高科芹と出会った佐次京介は、彼女がどうして明のふりをしているのかを調べる。芹の背後には権堂コンツェルンを潰そうと企む謎の男・若林拓也がいた。佐次は明と協力し、若林の計画を阻止しようとする。(「DAI 2 WA」~「DAI 7 WA」。ほか、7エピソード収録)
第23巻
クリスマスイブの日、佐次京介は必死にアルバイトをして、小泉明に奮発したプレゼントを贈ろうとしていた。しかし途中で別人のプレゼントと入れ替わってしまい、佐次は急いで取り戻しにいく。(「DAI 4 WA」。ほか、10エピソード収録)
第24巻
海に旅行へ来た佐次京介達は、海の家で働く日向潟和に出会う。彼女の話を聞くと、海の家のとなりに建つリゾートホテルのオーナーの息子に嫌がらせをされていると言う。それを聞いた佐次達は、海の家の売上を増やして和を助けるべく、手伝いをする事にした。(「DAI 8 WA」~「DAI 10 WA」。ほか、5エピソード収録)
第25巻
佐次京介の携帯電話に安西まどかからメールが入っているのを見てしまった小泉明は、嫉妬で佐次を問い詰める。しかしまどかは、単に家庭内の相談をしていただけで、明が嫉妬するような事はなかった。それを恥じた明は佐次に対してぎこちない態度を取ってしまう。(「DAI 6 WA」。ほか、9エピソード収録)
第26巻
東京を離れていた安西まどかが、再び帰って来て佐次京介達と生活する事になった。まどかは変わらず佐次に対してアプローチを仕掛け、小泉明は嫉妬していた。そんな中、明は黒木智史から急遽呼び出され、明の父親がアメリカでいっしょに暮らそうと提案している事を聞く。(「DAI 7 WA」~「DAI 9 WA」。ほか、7エピソード収録)
第27巻
小泉明は佐次京介が自分にとって大きな存在である事を自覚し、佐次に好きだと伝える。晴れて本当に恋人同士となった二人だったが、佐次は明に隠れて謎の美女と会っていた。それを知った明は単身でその女性に話を聞くと、彼女は占い師であり、佐次は明の未来を占ってもらっていたと言う。占い師は明がアメリカに行くか、東京に残るかで葛藤している事を見抜き指摘するが明は答えを出せずにいた。(「DAI 6 WA」~「DAI 10 WA」。ほか、5エピソード収録)
第28巻
小泉明が住むマンションに永尾塊が引っ越し、國府館高校へ転入して来た。塊はどこか不穏な雰囲気を漂わせており、つねに明の周囲に居るようになる。そんな状態で明や佐次京介達の学年は修学旅行が始まる。旅行先の京都では学年が違うはずの塊が明の前に現れ、明の父親の正妻である権堂志摩乃の屋敷へと連れて行く。志摩乃は優しく明に接し、明が権堂の一族に入る事を認める。しかし明は、佐次達との生活を優先して答えを保留する。(「DAI 4 WA」~「DAI 9 WA」。ほか、5エピソード収録)
第29巻
小泉明は頭を打った影響で、佐次京介に関する記憶のみを失ってしまう。明は無意識に佐次の記憶だけを忘れる事で、父親の力が佐次に危害を及ぼす事を阻止しようとしていたのだ。しかし、それでも佐次へ好意を向けてしまう事に困惑し、パニックになってしまう。(「DAI 1 WA」~「DAI 11WA」)
第30巻
小泉明の記憶が戻り喜ぶ佐次京介だったが、明はなぜか冷たい態度のままだった。明は父親に自分の記憶が戻った事を知られたら、そのままアメリカへ連れて行かれると考えており、佐次に口止めをする。(「DAI 8 WA」。ほか、9エピソード収録)
第31巻
権堂会長が小泉明に会いに来る事になった。明は佐次京介の記憶がまだ戻っていないふりをしていた。しかし周囲の友人達には気づかれていて驚くが、味方が増えた事で安心する。そこで友人達と協力して父親やその側近に記憶が戻った事を隠そうとする。(「DAI 7 WA」。ほか、9エピソード収録)
第32巻
小泉明が佐次京介をデートに誘い、二人は放課後に恋人らしいデートを楽しんだ。その夜に佐次は明と二人きりになる事を期待したが、明は父親が会いに来ているとデートは終わってしまう。佐次は明との未来の事を改めて真剣に考えるのだった。(「DAI 6 WA」。ほか、8エピソード収録)
第33巻
小泉明の記憶が戻った事を会長側近の人間に知られてしまう。そこで明と佐次京介は、逢魔時子の用意したアパートに二人で隠れて暮らす事にする。しかし佐次は、本当に逃げているだけでいいのかと考えを巡らせる。その考えを聞いた明は、佐次にも裏切られたと勘違いし、一人逃げ出す。(「DAI 1 WA」~「最終話」)
登場人物・キャラクター
佐次 京介 (さじ けいすけ)
國府館高校に通う2年生の男子。黒髪でツンツンと尖った髪型をしており、髪が人に刺さるほど鋭い。父親の携帯電話を使って伝言ダイヤルで遊んでいる時、以前から思いを寄せていた小泉明と出会い、惚れ込んでしまう。明るくお調子者で友達は多いが、女子からの人気はない。しかし、明と出会ってからは自然と女子からも好意を持たれるようになる。 女好きなため浮気性な一面もあるが、最終的には明に操を立てて誘惑をはねのけるなど、本質的には誠実。バスケットボール部に所属しているが、部活にはほとんど参加せず幽霊部員となっている。幼少の頃は引っ込み思案で女の子にいじめられるような気弱な性格だったが、初恋の相手である安西まどかに思いを告げられないまま、引っ越した事がきっかけで一念発起し、明るい性格になった。 犬の「ケイスケマークⅡ」を飼っている。
小泉 明 (こいずみ あきら)
國府館高校に通う2年生の女子。水色のショートヘアで、スレンダーな体型をしている。身長が低く周囲の女子からはかわいがられており、一部の女子からは恋愛感情を抱かれる事もある。佐次京介に出会うまでは伝言ダイヤルで「アリス」という偽名で架空の人物を騙っていた。しかし、佐次にそれを見破られてしまった事で心惹かれ、体を許した。 それまでは、援助交際や売春行為を行っていたが行為には及んでおらず、処女だった。もともとは周囲にクールでミステリアスな印象を与えていたが、佐次と深く知り合ってからは徐々に笑顔を見せたりはしゃぐ姿を見せるようになり、交友関係を広げていく。人間関係に対して達観した言葉を口にする事もあるが、基本的には子供っぽい性格で、周囲からいじられる事も多い。 父親は権堂会長であり、小泉泪と結婚しないまま生まれた隠し子であるため、世間的には公表されていない。そのため、小泉明は幼少の頃、新潟県で祖父母と生活していた。佐次に出会った時に買ってもらったイミテーションの指輪を大切にしている。
梅宮 悠樹 (うめみや ゆうき)
國府館高校に通う2年生の女子。バスケットボール部に所属している。黒髪をショートヘアにしている。高身長なグラマー体型で、周囲の男子からは注目されている。佐次京介とは幼なじみで、いい友人関係を築いていたが、実は佐次に恋心を抱いていた。しかし、佐次が小泉明と付き合っている事を知ると身を引き、黒木楓と付き合うようになった。 その後も佐次や明とは、いい友達の関係を続けている。のちに芸能事務所からスカウトされ、アイドルとして活動するようになった。
甘糟 真希 (あまかす まき)
國府館高校に通う2年生の女子。茶髪をセミロングヘアにしている。小泉明と蟻賀瀬涼子とは親友であり、三人いっしょに行動する事が多い。男勝りな性格をしており、周囲の男子からはほかの女子よりも雑な扱いをされている。甘糟真希自身は過去に経験した辛い恋愛がトラウマになっており、周囲の男子から雑に扱われる事を望んでいた。 しかし、桑原進のアプローチとサポートによりトラウマを克服し、恋人同士となった。
蟻賀瀬 涼子 (ありがせ りょうこ)
國府館高校に通う2年生の女子。黒髪のロングヘアでスタイルがいい。小泉明と甘糟真希とは親友の関係にある。見た目も性格も大人びており、明と佐次京介の恋愛を見守っている。特に明の事はつねに心配しているが、過保護にはせずサポートに徹して佐次に明を助ける助言をしたりしている。母性愛が強いと自負しており、のちに大学生の此江真太郎と出会い母性を強く刺激された事がきっかけで恋人同士となった。
黒木 美沙 (くろき みさ)
桔梗女子学園に通う2年生の女子で、黒木楓の双子の妹。黒髪のロングヘアでスレンダーな体型をしている。小泉明とは幼い頃からの友人であり、一時期は二人で性行為なしの売春行為をしていた。その際にレズビアンプレイを行った事で、明に恋愛感情を向けている。明がレズビアンではなく、佐次京介に思いを寄せている事を知りショックを受けたが、明へのアプローチを続けていた。 その後、母親のいるアメリカへ移住する事となり、佐次に明への思いを託して旅立った。
黒木 楓 (くろき かえで)
國府館高校に転校して来た2年生の男子で、黒木美沙の双子の兄。黒髪で左目の下にほくろがある。整った顔立ちで周囲の女子からは人気があり、本人もそれを自覚して愛嬌を振りまいている。小泉明と結婚を前提に付き合う事を目的に転校して来たが、佐次京介との関係を知ると手を引き、兄のように見守るようになった。美沙と双子で生まれたが、母親の体が弱く二人同時に育てられない事から、しばらくは乳母に育てられていた。 その乳母が巨乳であり、胸で窒息しそうになった経験から巨乳恐怖症だったが、梅宮悠樹に好意を寄せるようになってからは徐々に克服しつつある。恐怖症にまでなったものの、乳母である小泉泪には感謝している。
桑原 進 (くわはら すすむ)
國府館高校に通う2年生の男子。黒髪の長髪で佐次京介と浦和克典と行動を共にする事が多い。大学生の兄が所属するサバイバルゲーム同好会の手伝いをさせられている。甘糟真希に好意を寄せていたが、甘糟のトラウマにより先に進めずにいた。その後、必死のアプローチを続けた結果、恋人同士になれたが、関係はなかなか進展しない。
浦和 克典 (うらわ かつのり)
國府館高校に通う2年生の男子。黒髪の短髪でメガネをかけている。佐次京介と桑原進の友人で、行動を共にする事が多い。遠距離恋愛中の彼女がいる。
此江 真太郎 (このえ しんたろう)
大学1年生の男性。ぼさぼさとした黒髪でメガネをかけている。サバイバルゲーム同好会に所属しており、桑原進の兄と知り合い。気の弱い性格で、ほかの部員からは使い走りのように扱われている。蟻賀瀬涼子に一目惚れし、隠れて自慰をしているところを蟻賀瀬本人に目撃された事がきっかけで付き合うようになった。
桜井 兼人 (さくらい かねと)
國府館高校に通う1年生の男子。黒髪のショートカットの美少年で、男子の制服を着ていても女子と間違われるほど。佐次京介に思いを寄せているが、佐次本人から友人以上の関係になる気はないと宣告される。それでも佐次の気を引こうと女装などをしてアプローチし、赤面させたり意識させる事には成功している。女装をすると本物の女性に間違われるが、佐次に見せる時以外は好んで女装をする事はない。 空豆龍虎とは境遇が似ているため意気投合し、のちに恋人同士になる。
空豆 龍虎 (そらまめ りゅうこ)
神戸から國府館高校に転校して来た2年生の女子。短髪に学ランを着用し、男性口調でしゃべる。祖父の意向で男子として生活させられており、本人は普通の女子として生活したいと思っている。実家は「空豆組」という暴力団で、跡継ぎとして育てられている。その一環で空手を学んでおり、戦闘能力は高い。佐次京介達の協力で祖父を説得する事に成功し、普通の女子として生活するようになったが、まだ照れが見られる。 桜井兼人と意気投合し、その後恋人同士となる。
日立 昇 (ひたち のぼる)
國府館高校に通う2年生の男子。佐次京介とは同学年で、中学時代から何かと張り合っている。小泉明に告白するも断られてしまった経験がある。そのため、突如明となかよくなった佐次をさらに敵対視するようになった。佐次と同じくバスケット部の幽霊部員である。
黒木 智史 (くろき さとし)
権堂コンツェルンの会長秘書室長を務めている中年男性。黒木楓と黒木美沙の父親。会長をサポートする仕事をきちんとこなしている。小泉明の監視役も務めており、父親の代わりとして見守っている。
麻宮 (あさみや)
権堂コンツェルンの会長秘書を務めている女性。ショートカットの髪型で、無表情で人に接するため、クールに思われがちだが実際は温和な性格をしている。主に小泉明の世話役をしており、一時期は明と同居をしていた。
坂井 ユミ (さかい ゆみ)
黒木美沙の友人で、有名な進学校に通う女子高校生。黒髪を三つ編みにし、大きなメガネをかけている。美沙や周囲の勧めで売春行為をしていたが、性行為にまで及ぶのが怖くなり小泉明に相談を持ちかける。
権堂会長 (ごんどうかいちょう)
小泉明の父親。「権堂コンツェルン」の会長を務めている男性で、名前や容姿は明かされていない。小泉泪とは恋人関係にあったが、籍は入れないまま明が誕生した。その後、明は泪のもとへ引き取られたが、明の事は父親としてつねに気にかけている。
小泉 泪 (こいずみ るい)
小泉明の母親で、容姿は明にそっくり。胸が大きく髪が長い。27歳で逝去し、実家のある新潟県に墓が建てられている。明が生まれたばかりの頃は黒木楓の乳母もしており、楓が巨乳恐怖症になった原因である。
甘糟 美貴 (あまかす みき)
甘糟真希の姉で、警察官を務めている。黒髪のロングヘアで、かなりのグラマー体型である。しっかりとした性格ながら、人をからかったり冗談を言うのが好きと、真希に性格が似ている。
安西 まどか (あんざい)
國府館高校に転入した高校2年生の少女。長い髪をポニーテールにしている。佐次京介とは幼なじみで、初恋の相手。しかし小学生の頃に転校してしまったため、お互い片思いのままになっていた。高校生になり、再び佐次のもとへ帰って来て、佐次をかけて小泉明と対立する。
浜崎 恵 (はまざき めぐみ)
高校2年生の女子。長髪で大人びた見た目をしており、佐次京介達が新潟県に行った際に出会った。都会に対してあこがれを抱き、東京で芸能人になる事を夢見ている。実家は海の家を経営しているがあまり手伝わない。
瀬波 真 (せなみ まこと)
新潟県から家出同然に國府館高校へ転校して来た2年生の女子。ロングヘアでグラマーな体型をしている。小泉明とは知り合いで、一方的に片思いをしている。新潟県で暮らしていた頃の明のクールな性格に惹かれていたため、現在の柔和になった明には違和感を覚えている。明が本気で佐次京介を好きだという事を知ると、そのショックから髪を切ってしまう。 その後、佐次の事を好きになるが、最終的にはあきらめて新潟県へ戻った。
高科 芹 (たかしな せり)
小泉明にそっくりな少女。黒髪で明に雰囲気も似ている。学校に通ってはいるが年齢や学年は不明。明の父親が経営する「権堂コンツェルン」を潰そうと企む若林拓也に利用され、明のふりをしていたが佐次京介により計画が破綻し、元の生活に戻った。年の離れた弟がいる。
若林 拓也 (わかばやし たくや)
大手財閥「若林グループ」一族の一人で、あごひげを生やした男性。将来的に若林グループを継ぐという野心を燃やしており、格上である「権堂コンツェルン」を潰す計画を立てる。小泉明が権藤会長の隠し子だと嗅ぎつけると、高科芹を明になりすまさせて脅迫を企てた。しかし、佐次京介や明によって計画は破綻し、今後は地道に経営を学んで出直す事を決意した。
若林 (わかばやし)
若林拓也の叔父。薄くあごひげを生やしている。自然を愛する、飄々とした性格の男性。大手財閥「若林グループ」で重役の地位に就いている。小泉泪や権堂会長とは学生時代の親友で、泪には密かに片思いをしていた。小泉明とは偶然知り合ったが、明に泪や権堂会長の話を教えたりと優しく協力的に振る舞う。現在でも権藤会長とは親交があり、電話で親しくコンタクトを取る間柄。
日向潟 和 (ひながた なごみ)
佐次京介達が海へ遊びに行った際に出会った女性。ポニーテールの髪型で強気な性格をしている。父親が経営する海の家「ひまわり亭」の手伝いをしている。大平洋によって嫌がらせをされていたが、偶然知り合った佐次達に助けられる。
大平 洋 (おおひら よう)
日向潟和が働く海の家「ひまわり亭」のとなりにあるリゾートホテルのオーナーの息子。御曹司という事を鼻にかけ、和に嫌がらせをしている。
永尾 塊 (ながお かい)
國府館高校に通う1年生の女子。小泉明が住むマンションの下の階に引っ越して来た。黒髪のショートカットでクールな性格をしており、あまり感情を表情に出さない。体術に長けており、ナイフなどの飛び道具を使う。その正体は権藤志摩乃に仕えている忍びで、志摩乃に命じられて明の監視と護衛をしていた。
権堂 志摩乃 (ごんどう しまの)
権堂会長の正妻。和服にウェーブのかかった髪型の美しい女性。小泉泪や小泉明の存在は知っていたが、周囲に思われているような恨みを寄せた事はなかったと話し、明を権堂コンツェルンの人間として迎え入れると伝えた。
逢魔 時子 (おうま ときこ)
國府館高校に通う3年生の女子。長い黒髪に魔女のような帽子とマントを身に着けている。霊能力や予知能力などがあり、それによって佐次京介や小泉明に助言をしている。母親も強い霊能力者で、未来予知が100%当たるとされている。
場所
國府館高校 (こうのかんこうこう)
佐次京介達が通う私立高校で、創設は明治30年。男子生徒の制服は学ランで、女子の制服はセーラー服が変形したデザインとなっている。襟の部分には葉っぱのような模様が入っている。
その他キーワード
伝言ダイヤル (でんごんだいやる)
電話会社が提供している、伝言を録音・再生するサービス。小泉明らは伝言ダイヤルのサービスを悪用し、出会いを求めるメッセージを入れて売春・買春行為を行っており、伝言ダイヤルとはこれらの行動を意味する言葉として使っている。
指輪 (ゆびわ)
佐次京介が小泉明に初めて出会った時にねだられて買ってあげたイミテーションの安い指輪。明は佐次に体を許した理由を、この指輪を買ってくれたからだと理由付けているが、その真意は不明。普段は明の部屋でガラスの瓶の中に入れて大切に保管されているが、明の気持ちが不安定になった時などは身につけて心を落ち着かせている。