あらすじ
第1巻
高校2年生の久野一は、修学旅行で訪れた忍者屋敷で迷ううち、突然忍者の暮らす時代にタイムスリップしてしまう。そこで一は甲賀忍者の長老から、紅学園という伊賀忍者の教育機関に行けば、元の世界に戻る方法が見つかるはずだと教えられる。しかし、紅学園は「くノ一」つまり女性忍者専門の学校であった。そこで一は、甲賀の間者として、性別を偽って紅学園に潜入する事になる。一は周囲には完全に女性と誤解されており、ルームメイトのあやめと渚に至っては、いっしょに暮らしてもなお男性であると気づかれずにいた。そんなある日、渚はクラスメイトの江梨奈と喧嘩になってしまう。それを生活指導のミオに見つかり、江梨奈が正当防衛を主張するが、渚だけでなく、いっしょにいた一とあやめも含め、三人で薬品整理の罰を受ける事になってしまう。そこで一は渚から、薬品庫の近くにはミオの研究室があり、そこには強力な術が書かれた忍法帖が隠されているらしい事を聞かされる。それこそが元の世界に戻る方法かもしれないと考えた一はあやめの目を盗んで、渚と二人で研究室に忍び込む。しかし結局失敗し、忍法帖は見つからずに終わるのだった。
第2巻
久野一と渚が研究室に忍び込んだ件で、ミオは警戒を強め、犯人を見つけておしおきをすると宣言した。これを聞いた江梨奈は、すぐに真犯人が一達であると見抜き、激怒した渚とまたも喧嘩になる。慌ててた一は二人を止めようとするがうまくいかず、江梨奈といっしょに崖から落ちてしまう。そして、いっしょに戻ろうとする過程で一の人柄に触れた江梨奈は考えを改め、ひとまず一と渚が忍び込んだ件を秘密にすると誓うのだった。その直後、一達は自分の胸を大きくする「巨乳化の術」を習う事になる。しかし、男性である一はどうしてもうまくできず、とうとう体調を崩してしまう。そんな一を案じたあやめは一を医務室へ連れて行き、一はそこでクラスメイトの美月と出会う。そこで美月と意気投合した一は、美月から、紅学園の地下牢には、禁術の巻物を盗もうとした曲者が捕らえられているらしいという話を聞く。調査の必要があると感じた一は、美月と協力して二人で潜入を決意するが、これは美月の罠であった。美月は地下牢に仲間を捕らえられており、彼女を助けるために、問題児として有名な一を利用したのである。美月の幻術にかかった一は、牢の中で置き去りにされてしまう。
第3巻
久野一は美月の幻術にかけられたものの、どうにか意識を取り戻して美月を追っていた。一には美月が悪人とは思えず、話せばわかり合えると考えたのである。こうして一は、牢の先で体調を崩し倒れていた美月を発見し、教師達に美月だけでも許し、助けてほしいと頼む。こうして地下牢潜入は失敗に終わるが、美月は一の優しさに心を開き、二人は友人となるのだった。そして入学から1か月が経過し、一はすっかり紅学園になじみつつあった。ある夜、一達が眠っていると、突然見知らぬ四人組のくノ一が忍び込んで来る。そんな彼女達の目的は、なんと一を始末する事であった。さらに彼女達はなぜか一の正体を知っており、あやめ達に、一が男性である事をばらし去って行く。これによって、もはや紅学園にはいられないと判断した一はあやめ達に謝罪し、寮を出る。しかしそこへ、先日の四人組の一人である小咲がやって来る。小咲は先日の失敗で組織を追い出され、今度こそ一を捕獲する事で名誉挽回しようとしたのである。そんな小咲は一を誘惑しようとするが、小咲に、あやめ達が自分のせいで危機に陥っていると聞いた一は、小咲を説得して戻る決意をする。
第4巻
小咲達の目的は、紅学園に潜入して久野一を捕らえ、校内に隠された甲賀忍法帖を奪う事であった。そんな中、一は小咲の説得に成功し、あやめと合流。あやめは小咲から、一がタイムスリップして来た未来人で、元の世界に戻るため紅学園に来た事を知らされる。一の苦悩を知ったあやめは一を許し、一が未来に戻れるよう協力し、帰る場所をなくした小咲を保護する事を誓うのだった。一方その頃、渚と江梨奈は色葉に幻術をかけられたところを、ミオに助けられる。二人は、一が何者かに狙われているので助けてほしいと頼むが、ミオはすでにおおよその事態を把握しており、五人目として現れた曲者を追って去って行く。その後、渚と江梨奈は色葉に、美月は無夜来に勝利する。とうとう合流した一達五人は、小咲も交えて和解する。しかし、そこに四人組の最後の一人が現れ、一を連れ去る。その正体は、一がこの時代に来て初めて出会ったくノ一・紫苑であった。紫苑達甲賀忍者は最初から一を助ける気などなく、元の世界に戻れると一をそそのかし、忍法帖を盗ませようとしていたのである。そんな紫苑に激怒したあやめは、紫苑に戦いを挑む。
第5巻
あやめは紫苑の式神に苦戦するもどうにか勝利し、残る甲賀忍者の敵はあと一名となった。しかし、なんとそれは保険教諭のこころに扮して潜入した長老であった。彼の強さにはミオすらも敗北し、久野一達は絶体絶命の危機に陥る。そんな一達の唯一の勝機は、紅学園の地下牢に隠された、男性のみに扱える忍法帖を回収し、使う事であった。それを聞いた一達は地下牢へ急ぐが、長老に追いつかれ、一は強力な呪術をかけられてしまう。術を解くには、かかった人間を極度の性的興奮に陥らせなくてはならない。それを聞いたあやめ達は必死に一を誘惑するが、術が解けた決め手は、あやめからのキスであった。こうして意識を取り戻した一はついに忍法帖を発見するが、何が書いてあるか読めず混乱する。しかしあやめ達に励まされた一は、唯一読めた術を使う。それは、かけた相手を若く胸の大きな女性に変身させる「巨乳女子化の術」であった。こうして無力化させられた長老は捕らえられ、忍法帖を獲得した一は、とうとう元の時代に戻れる事になるのだった。
登場人物・キャラクター
久野 一 (くの いち)
現代日本に暮らす高校2年生の男子。忍者の時代にタイムスリップしてからは、紅学園1年1組に在籍している。前髪を真ん中で分けて額を見せ、顎の高さまで伸ばした水色のボブヘアにしている。小柄で、非常にかわいらしく女性的な雰囲気を漂わせている。そのため、特に女装をしていなくても女性と勘違いされてしまううえ、男性だと言ってもなかなか信じてもらえない。 特に渚には、正体を明かすまで渚と同じ胸の小さい女性だと思われており、「同志」と呼ばれていた。やや気弱だが、穏やかで心優しい性格。普段は頼りないが、いざという時は率先して行動する勇気がある。高校2年生の秋、修学旅行で訪れた忍者屋敷内をさまよううち、忍者のいる過去の日本にタイムスリップしてしまう。 そこで出会った甲賀忍者の長老から、くノ一の学校である紅学園に行けば、元の世界に戻る方法が見つかるはずと言われ、性別を女性と偽って潜入する事になる。その過程であやめをはじめとする仲間達と出会い、彼女達の協力を得て元の世界に戻る事に成功した。スポーツは苦手で、忍術はからっきしだったが、友人との付き合いでダーツをやっていた事から、手裏剣投げだけは得意。
あやめ
紅学園の1年1組に在籍するくノ一で、久野一の友人。年齢は16歳。前髪を目の上で切ってピンでまとめ、顎の高さまで伸ばした青緑色のボブヘアにしている。渚には、胸が大きい事から「乳女」と呼ばれている。生まじめな心優しい性格で、誰に対しても敬語でしゃべる。また、争いを嫌う平和主義者で、自分が立派なくノ一になる事でいつか伊賀と甲賀を和解させたいと考えている。 しかし、おっちょこちょいなところがあり、他人を信じやすく、一にはいつか悪人に騙されやしないかと心配されている。紅学園の入学式の日、胸が大きいというだけの理由で渚に喧嘩を売られ、困っていたところを一に助けられる。これがきっかけで一と親しくなり、さらに寮でも同室になった事から、同じく同室の渚も交えていつも三人いっしょに過ごすようになる。 一の事は完全に女性だと思い込んでおり、実は男性であると知ったあとも、何か理由があったのではと考え、一を信じていた。その後、小咲から一が未来人であると知らされたあとは、一が元の世界に戻れるよう協力をする。しかし、その過程で一への思いを自覚する。誕生日は5月5日で、身長は165センチ。 実家は仕立て屋で、兄弟は弟が一人いる。好きな食べ物はみたらし団子。
渚 (なぎさ)
紅学園の1年1組に在籍するくノ一で、久野一の友人。年齢は16歳。前髪を目の上で切り揃えた、赤茶色の前下がりボブヘアにしている。三白眼で目つきが悪く、やや乱暴な口調で話す。短気で喧嘩っ早い、負けず嫌いな性格。しかし根は素直な努力家で、家族や友人を非常に大切にしている。くノ一だが胸が小さく、色仕掛けをするにはセクシーさに欠けるとからかわれる事が多い。 そのため、胸の大きな女性に対して強いコンプレックスがある。その結果、紅学園入学の日、偶然出会ったあやめに一方的に喧嘩を売る。しかし、そこを一にたしなめられ反省。その後、寮の部屋も一とあやめと同室になり、よく三人で行動するうち、一に惹かれていく。一の事は完全に女性だと思い込んでおり、一が上半身裸を見せてしまっても、極端に胸の小さい女性だと考えていた。 そのため自分は同性愛者なのだろうかと悩んでいたが、女性であっても一が好きかもしれない思うようになっていたところ、小咲達から一の正体を知らされる。そして一度は騙されていた事に激怒するが、最終的には許し受け入れた。誕生日は7月3日で、身長は154センチ。 弟と妹がいる。好きな食べ物は煮干し。
江梨奈 (えりな)
紅学園の1年1組に在籍するくノ一で、久野一の友人。年齢は16歳。前髪を目の上で切って右寄りの位置で分け、胸の下まで伸ばした金色のロングヘアを、頭の高い位置でツインテールにしてまとめている。顔の両脇の髪の毛を長く伸ばす触覚ヘアをしている事から、渚には「触覚女」と呼ばれている。丁寧なお嬢様口調で話す。容姿端麗、成績優秀で校内の有名人だが、プライドの高い性格。 そのため、紅学園入学直後、下品な言動をする渚に嫌味を言う。しかし、これがきっかけで一、あやめ、渚の三人とかかわりを持つようになり、次第に一に惹かれていく。優秀で裕福な忍者の家系に育つが、それゆえに敵から狙われる事が多い。子供の頃、信じて家に招待した友人達が、実は盗難目的だったという事があり、それ以来心を閉ざすようになってしまう。 そのため、自分は誰も信じないし仲間もいらないと考えていたが、一に出会った事で、再び仲間を信頼できるようになっていく。実は極度の怖がりで、おびえると途端に普段の実力を発揮できなくなってしまう。誕生日は8月7日で、身長は161センチ。上忍の姉がおり、彼女にあこがれている。
美月 (みつき)
紅学園の1年1組に在籍するくノ一で、久野一の友人。年齢は16歳。前髪を目の上で切り、胸の下まで伸ばした薄いオレンジ色のロングヘアに、眼鏡をかけている。クールで落ち着いた性格。調べ事が得意で、クラスメイト達についても独自の調査を行い、そのプロフィールを詳細に把握している。実は伊賀忍者ではなく間者で、ある日仲間のくノ一と共に伊賀に潜入したところ、仲間だけが紅学園の地下牢に捕らえられてしまう。 そこで、どうしても彼女を取り戻すために、紅学園の学生として潜入。その機会を伺っていた。そしてある日、問題児として有名な久野一を利用して、地下牢に忍び込む事を思いつく。そして一を騙していっしょに牢へ入り、彼を置き去りにして進むが、途中で体調を崩したところを一に助けられ、潜入は失敗に終わった。 しかし、これをきっかけに一に心を開き、あやめ、渚、江梨奈の三人とも交流を持つようになる。誕生日は3月29日で、身長は161センチ。妖怪などの謎めいたオカルト話が好きで、その類の本をよく読んでいる。
紅 カゲリ (くれない かげり)
紅学園の校長を務める女性。非常に美しく若く見えるが、実年齢は不明。前髪を顎の下まで伸ばし真ん中で分けて額を見せ、胸の下まで伸ばしたピンク色のロングヘアにしている。毛先だけ、ミント色に染めている。学園内で最も強いくノ一として、紅学園に隠された忍法帖を守っている。誕生日は2月2日で、身長は173センチ。
ミオ
伊賀の上忍で、紅学園で生活指導を務める女性教師であり、年齢は26歳。紅カゲリの側近でもある。前髪を目の上で切り揃え、胸の上まで伸ばしたストレートロングヘアのうち、一部だけを頭の両サイドでお団子にしてまとめている。いつも眠そうな目をしており細身だが、非常に鍛えられ腹筋は六つに割れている。生活指導担当として、学園内のトラブルにつねに目を光らせている。 そのため、入学式の日、すぐに久野一の正体に気づくが、目的が判明するまで泳がせておこうと判断し見逃す。その後、色葉、無夜来、紫苑、長老の四人が、一と紅学園に隠された忍法帖を狙って紅学園を襲撃した際、こころに扮した長老と戦う事になる。その際敗北するが、最終的には一達が勝利した事で、忍法帖は守られた。 誕生日は10月30日で、身長は170センチ。
こころ
紅学園で、医務室の先生を務める若いくノ一。前髪を目の上で切り真ん中で分けて額を見せ、胸の下まで伸ばしたオレンジ色のストレートロングヘアを、頭の高い位置でポニーテールにしてまとめている。穏やかでおっとりとした性格。ある日紅学園に潜入して来た長老と紫苑に捕らえられる。これによって長老は忍術でこころになりすまし、こころのふりをしてミオ達を混乱させた。
ミダラ
紅学園で牢屋番を務める若いくノ一。前髪を目が隠れるほど伸ばして真ん中で分け、胸の下まで伸ばした金色のロングヘアのうち、一部だけを髪飾りでまとめた髪型をしている。紅カゲリを非常に恐れており、カゲリに叱られる事なく務めを果たさねばならないと考えている。ある日、久野一がカゲリの銅像を破壊した事を知り、管理者である自分とネルも責任を問われるのではないかとおびえる。 そこでカゲリに見つかる前に銅像を修復させようとするが、すぐに気づかれ失敗。一と、共犯者の美月を牢屋に閉じ込める。しかし罰を与えようとしたところ、美月が体調を崩しているのを知り、ネルの意見もあっておしおきを取りやめた。
ネル
紅学園で牢屋番を務める若いくノ一。前髪を目が隠れるほど伸ばして右寄りの位置で分け、顎の高さまで伸ばした紫色のボブヘアにしている。また、前髪で左目が完全に隠れている。ミダラ同様紅カゲリを非常に恐れており、カゲリに叱られる事なく務めを果たさねばならないと考えている。ある日、久野一がカゲリの銅像を破壊した事を知り、管理者である自分とミダラも責任を問われるのではないかとおびえる。 そこでカゲリに見つかる前に銅像を修復させようとするが、すぐに気づかれ失敗。一と、共犯者の美月を牢屋に閉じ込める。しかし罰を与えようとしたところ、美月が体調を崩しているのを知る。そこで、病人に罰を与えるような事はしてはならないと判断し、おしおきを取りやめた。
小咲 (こさき)
甲賀忍者の少女。前髪を目のすぐ上まで伸ばして切り揃え、顎の高さまで伸ばした暗い桃色のボブヘアにしている。右頰にほくろが一つある。蠱惑的な雰囲気で、性的な事が大好きな積極的な性格。幼い頃はあまり自分に自信がなかったが、12歳のある日、自分の性的魅力を自覚した事と、色香の術を知った事により、現在の性格になる。そのため、自分の魅力にすぐ引っかかる男性達を内心見下しているが、まだ男性経験はなく、初めては好きな人に捧げたいと考えている。 ある日任務で、色葉、無夜来、紫苑と組んで久野一の命を狙うが、失敗して組織を追われてしまう。そこで、改めて一に接触して捕らえ、組織に連れ帰れば、名誉挽回できると考えつく。そのため、組織を追われて自暴自棄になったふりをして一を誘惑するが、自分の魅力に屈せず、誠実に接して来る一に心惹かれるようになる。 そこで一の説得に応じ、組織を抜けて、紅学園に身を寄せる事にする。誕生日は9月5日で、身長は153センチ。一に恋してからは、非常に一途で、独占欲が強く嫉妬深い一面を見せるようになる。人を縛ったり、締め付けたりするのが好き。
色葉 (いろは)
甲賀忍者の少女。前髪を顎の高さまで伸ばし真ん中で分けて額を見せ、胸の上まで伸ばした金色のロングヘアを、頭の高い位置で結んだツインテールにしている。右目の下に、小さな手裏剣の形のタトゥーがある。幻術を得意とする実力者で、人間観察が得意。そのため相手の人柄や弱点をすぐに見抜くが、極度の面倒くさがり屋で、いつも気だるげに振る舞っている。 ある日任務で、小咲、無夜来、紫苑と組んで久野一の命を狙うが失敗し、今度は小咲抜きで改めて紅学園を襲撃する。その際、渚と江梨奈を狙うが返り討ちに遭い、捕らえられた。誕生日は9月5日で、身長は162センチ。
無夜来 (むよく)
甲賀忍者にして、武士の少女。前髪を目が隠れるほど伸ばし、胸の上まで伸ばしたカーキ色のロングヘアを、高い位置でポニーテールにしてまとめている。左目の上下に、父親に斬られた一本線の刀傷がある。寡黙でクールな雰囲気だが、凛とした容姿には似つかわしくない、非常にかわいらしい声をしている。そのため自分の声にコンプレックスがあり、極端に無口な人間として振る舞っている。 しかし、発言するとそのあまりのギャップで敵を惑わす事ができるため、結果的に武器として機能してしまっている。厳しい武士の家系に生まれ、男性として育てられた。しかし、成長するうちにくノ一にあこがれるようになり、女性らしくなりたいという迷いを父親に叱責された際、斬られて左目の傷ができた。 その後、ある日任務で、小咲、色葉、紫苑と組んで久野一の命を狙うが失敗し、今度は小咲抜きで改めて紅学園を襲撃する。その際美月を狙うが、実は今でもかわいらしい服装にあこがれているという心の隙をつかれて返り討ちに遭い、捕らえられた。誕生日は10月9日で、身長は170センチ。
紫苑 (しおん)
甲賀忍者の少女。前髪を目の上で切り揃え、胸の下まで伸ばしたストレートロングヘアを、頭の高い位置でポニーテールにしてまとめている。一人称は「あたい」で、男性のような硬い口調で話す。生まじめな性格で、甲賀忍者の長老を慕っており、彼の言う事には何でも従ってしまう、素直すぎる一面もある。ある日、屋敷内で着替えをしていたところ、突然現れた久野一を刺客と勘違いして斬ろうとする。 しかし、長老の説明により、たびたびこの時代にタイムスリップして来る未来の人間がいる事を理解し、一を甲賀の者として、紅学園へ潜入させる事を承知する。しかし、実際は最初から一を助ける気などなく、女性にしか見えない一であれば容易に紅学園に潜入できるので、タイムスリップする方法の書かれた忍法帖を盗ませたうえで奪う事を画策していた。 その後、任務で紅学園を襲撃し、小咲、色葉、無夜来と組んで一の殺害を企むが失敗。今度は小咲抜きで改めて紅学園を襲撃する。その際、あやめと戦い敗北した。式神使いで、ナマコとヒトデの動物霊を使役して戦う。誕生日は10月16日で、身長は168センチ。
長老 (ちょうろう)
甲賀忍者の長老を務める男性。前髪を上げて額を全開にし、ロングヘアを後頭部でパイナップルのように放射状に散らして一つにまとめたポニーテールヘアにしている。口ひげと顎ひげを長く伸ばしている。実は久野一と同じ現代日本からやって来た人物で、少年の頃に忍者の時代にタイムスリップし、現在まで生活して来た。伊賀忍者に奪われてしまった、タイムスリップできる忍術の書かれた忍法帖を、何としてでも取り戻したいと考えていた。 しかし、忍法帖は男子禁制の紅学園に隠されたうえ、女性ではその忍法帖を扱えないため、女性と見間違えられるような男性を潜入させる事で、忍法帖を盗み出す事を思いつく。そこである日、偶然タイムスリップして来た一を味方のふりをして信用させ、紅学園に送った。 その後、色葉、無夜来、紫苑の三人を連れて紅学園を襲撃する。忍法帖奪還後は、現代日本に帰ろうと考えている。しかしその目的は、かつてこの時代の人間に自分の時代の文化や技術を見せてちやほやされたように、今度は現代の人間に忍術を見せて構ってもらいたいという、くだらないものであった。最終的には一に敗北し、忍術で若くて胸の大きな女性に変身させられた。
場所
紅学園 (くれないがくえん)
優れたくノ一を育成するための、伊賀唯一の女子学園。しかしその実態は、かつて甲賀忍者から奪った数多の禁術が記された忍法帖を守るための砦である。全寮制で、伊賀の女性忍者であれば入学金さえ支払えば誰でも入学できるが、その分卒業するのは困難といわれている。校内は男子禁制で、男性は侵入が発覚次第捕獲され、拷問にかけられる事が決められており、地下には曲者を捕らえる牢がある。
書誌情報
クノイチノイチ! 全5巻 集英社〈ヤングジャンプコミックス〉
第1巻
(2016-12-19発行、 978-4088905624)
第5巻
(2018-02-19発行、 978-4088908267)