あらすじ
第1巻
見た目がまじめなせいで頭がいいと勘違いされ、おバカなのに学級委員長にされてしまった女子高校生の初瀬桜は、周りの期待に応えるため日々努力を重ねていた。しかし、クラスメートで不良生徒の篠倉樹が、難しい問題の解き方を聞きにきたことで桜は大ピンチに陥ってしまう。頭を捻っても問題の解答がまるでわからなかった桜は、樹に対し「わかりません」と率直に返答する。その場を去った樹は、桜の困り顔を思い出し、一人赤面しながら悶絶するのだった。(第1話。ほか、14エピソード収録)
登場人物・キャラクター
初瀬 桜 (はつせ さくら)
眼鏡をかけた女子高校生。まじめな外見と素直な性格により、周囲には頭がいいと勘違いされている。実際はテストで0点を取ることが当たり前のおバカさん。そのため、最近ではテスト中に自分で考えることを放棄し、鉛筆をサイコロ代わりに転がして、その出目の答えを書いている。成り行きで学級委員長に就任してしまったことから、周囲の期待に応えるために日々努力をしているが、勉強面での成長は一向に見られない。学級委員長になって以来、クラスメートで不良生徒の篠倉樹から、教科書の問題について質問されたり、宿題を見せてほしいと頼まれることが多くなり、当初はかなり困惑していた。しかし、樹と触れ合う中で彼の優しさに触れ、彼の時おり見せる柔和な表情により、自分でも気づかないうちに樹に惹かれていく。
篠倉 樹 (しのくら いつき)
クールな雰囲気を漂わせたイケメンの男子高校生。無口で不愛想なうえ、遅刻とサボリの常習犯。周囲からは不良生徒扱いされており、恐れられている。実家は裕福で、使用人がいる和風の豪邸に住んでいる。実は非常に優秀で、学級委員長の初瀬桜が頭がよくないことにも気づいている。最初はからかい目的で、問題が解けないふりをして桜にさまざまな質問をしていたが、桜のかわいい困り顔を見ているうちに、彼女に恋をしてしまう。口実を作って桜と会話したあとは、桜のかわいい表情を思い出して赤面していた。要領が悪い桜にさりげなく助け船を出すなど、周囲の評判に反して優しい性格をしている。
初瀬 若葉 (はつせ わかば)
中学2年生の男子。初瀬桜の弟。自室は本で埋め尽くされており、足を踏み入れた桜がよく本の山を崩して転んでいた。頭のよくない桜が、高校で学級委員長に選ばれたことを面白がっていた。勘が鋭く、桜から聞いた断片的な情報だけで、篠倉樹が桜に思いを寄せていることに気づく。
さやめ
派手な格好をした女子高校生。篠倉樹の幼なじみ。高校生になったある日、樹に会うために彼の高校までやってきた。樹の彼女を自称している。
石川 日南 (いしかわ ひなみ)
頭に薔薇の飾りを付けた美人の女子高校生。初瀬桜の友人で、戸塚楓とよくいっしょに行動している。平然と遅刻を繰り返す篠倉樹のことを怖がっている。
戸塚 楓 (とつか かえで)
ショートカットの女子高校生。天然な性格をした無表情な少女。初瀬桜の友人で、石川日南とよくいっしょに行動している。紙パックのジュースが好き。