あらすじ
第1巻
ろう飼い主は、いつものようにゲージに入っているオウムのろう君と対面していた。しかし、ろう飼い主が眼鏡をかけているのが気に入らないろう君は、ゲージ越しに足を思い切り伸ばし、ろう飼い主の眼鏡を外す。その姿を確認したろう君は、すっかりご満悦の表情を見せるのだった。(第1話「それとって」。ほか、7エピソード収録)
登場人物・キャラクター
ろう君 (ろうくん)
タイハクオウムのオス。年齢は10歳を超えており、ろう飼い主の部屋でいっしょに暮している。左利き。いたずら好きな甘えん坊で、人間になでられたり、抱っこされたり、オモチャで遊ぶのが大好き。年を重ねる毎(ごと)に落ちつきが出てきて、若い頃に比べると遊びに対する情熱は失われている。しかし、お気に入りのオモチャに対する執着は今なお強く、ろう飼い主がうかつにろう君のお気に入りのオモチャに触れると、本気で嚙みつくなど攻撃性を発揮する。頭が非常によく、ある程度人間の言葉を理解することもでき、「オヤツ」や「オモチャ」といった言葉には喜びに満ちたポジティブな反応を見せ、「ねる」や「つめきる」といった言葉にはあからさまに不機嫌なネガティブな反応を見せる。クチバシが強力で、遊んでいる最中にオモチャを壊してしまうことも多く、丈夫なマラカスすら破壊してしまう。かなりの偏食家で、食べられるものは限られているが、食べられなかったソバの実を突然食べるようになるなど、なぜか食わず嫌いを克服することもある。虫や抜いた髪の毛を大の苦手としており、あからさまに嫌がり避けようとする。また暗闇も嫌いで、停電が起こった時はろう飼い主の嫌がらせと勘違いして攻撃してきたこともある。作業中のろう飼い主の膝の上に陣取る癖がある。
ろう飼い主 (ろうかいぬし)
ろう君といっしょに暮している飼い主の人間。鳥のお面をかぶっており、性別は不明。ろう君の一挙手一投足を観察し、漫画に描いて記録に残している几帳面な性格の持ち主。日々甲斐甲斐しくろう君の面倒を見ており、停電や工場火災など自宅の周辺で災害が集中して起こった際には、ろう君の安全のために引っ越しを決意するなど、ろう君を溺愛している。一方で気分屋のろう君にたびたび本気で嚙まれており、人知れず苦労している。実在の人物、ろう飼い主がモデル。