おいら悪魔三人組

おいら悪魔三人組

悪行を是とする3人組の悪魔が、より高位の悪魔として認められるべく、人間界で騒動を巻き起こすコメディー作品。悪魔と人間のコミカルなやり取りが全編に渡って展開される。

正式名称
おいら悪魔三人組
ふりがな
おいらあくまさんにんぐみ
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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概要・あらすじ

3級悪魔学校のカリキュラムを修了した、いち太郎たち3人の悪魔に対して、悪魔大王から厳しい昇進試験が課せられた。テスト内容は、派遣先の天地病院で、とにかく人間どもを苦しませること。正しい人間を絶望と悲哀に叩きこんでやれば、立派な悪魔になれるという。課題を達成するため、意気揚々と人間に化けて病院に潜り込んだ彼らだが、どうも様子がおかしい。

温情家の院長である天地英太郎が、余裕のない患者からは治療費を取らないため、経営はすでに破綻寸前。ナースをしている英太郎の娘・天地美代子は借金返済のために大病院の息子であるいかりや木座男と結婚することになってしまう。既に不幸になってしまっている事態に悩む3人だが、いち太郎は妙案を思いつく。

それは、病院をたてなおし、美代子も幸せにしたうえで、その後でじっくりと不幸の味を教えてやろうというもの。かくして、悪魔たちによる貧乏脱出大作戦が始まる。

登場人物・キャラクター

いち太郎 (いちたろう)

悪魔学校に通う、3級悪魔の少年。背中に大きな羽根を生やしており、右手には大きな鎌を持っている。2級悪魔になるための昇進試験を課せられ、クラスメイトのに太郎、さん太郎とともに、人間界の天地病院に研修医として潜入する。用心深いが勇敢な性格で、昇進試験においては3人組の頭脳として活躍する。また、さん太郎の鼻くそや怪虫ゲシュタポの足などを材料に万能薬を作り出すなど、強力な呪術の持ち主でもある。 人間界では「悪井いち太郎」と名乗っている。

に太郎 (にたろう)

悪魔学校に通う、3級悪魔の少年。小柄な体格で、黒いローブを身にまとっている。一人称は「あたい」で、女性のような言葉を使うこともあるがれっきとした男性である。2級悪魔になるための昇進試験を課せられ、クラスメイトのいち太郎、さん太郎とともに、人間界の天地病院に研修医として潜入する。口が上手く、天地病院においては患者に人間界では「悪井に太郎」と名乗っている。

さん太郎 (さんたろう)

悪魔学校に通う、3級悪魔の少年。やや太り気味の体格で、頭に大きな角が生えている。2級悪魔になるための昇進試験を課せられ、クラスメイトのいち太郎、に太郎とともに、人間界の天地病院に研修医として潜入する。呪術の力はいち太郎に及ばないが、鼻くそが万能薬の材料になるという、特異体質の持ち主。人間界では「悪井さん太郎」と名乗っている。

怪虫ゲシュタポ (かいちゅうげしゅたぽ)

いち太郎が飼っている虫。ムカデのような姿かたちをしており、時折ドイツ語のような鳴き声を発している。いち太郎が昇進試験に挑む際に、彼の懐に忍び込んで同行。しばらくは特に3人に関わることなく、天地病院で密かに暮らしていたが、いち太郎の策略の一環として、万能薬の材料となる足をもぎ取られてしまう。怪虫ゲシュタポの足はもぎ取られても痛みは感じず、すぐに生えてくるのだが、さすがにこれに対してはいい顔をしなかった。

校長 (こうちょう)

悪魔学校の校長を務めている、老年の悪魔。明るくノリのいい性格で、学校では悪魔の歌や踊りなどを自ら教えている。3級悪魔のカリキュラムを修了したいち太郎たちに対して昇進試験を受けさせる。悪魔大王のことを尊敬しつつも恐れているが、昇進試験に一度失敗したいち太郎たちに再テストの機会を与えるよう懇願するなど、教え子を守るために意見を申し出ることもある。

悪魔大王 (あくまだいおう)

悪魔たちを束ねる王。昇進試験の課題を自ら提案するなど、悪魔学校ともつながりがある。いかにも悪魔らしい性格で、3人が失敗した場合は頭から食べてやると脅すなど、同族である悪魔に対しても容赦がない。また、極悪非道な人間を好んでおり、いかりや木座男が天地病院や野口ヒロミに危害を加えようとした時は、彼と対立していたいち太郎たちを妨害している。

天地 英太郎 (あまち えいたろう)

天地病院の院長を務めている男性で、天地美代子の父親。医者としての腕は確かで、多くの患者を治している。また、お金に余裕のない人からは一切治療費をもらっていないが、そのために病院が破綻寸前になっているなど、経営者としては問題のある人物。いかりや医院の院長であるいかりや短介から、300万円もの借金をしている。

天地 美代子 (あまち みよこ)

天地病院で看護師を務めている女性で、天地英太郎の娘。才色兼備で性格も良く、悪魔あるいち太郎たちにすら憧れを抱かれるほど。英太郎のことを医者としては尊敬しているが、お人好しすぎる面に対しては時折苦言を呈することもある。野口ヒロミと想いあっており、彼が医者になった暁には結婚する約束をしていた。 しかし、300万円の借金を帳消しにするためとしていかりや木座男から結婚を迫られており、苦悩している。

千代 (ちよ)

天地病院で看護師を務めている女性。天地美代子の良き理解者で、彼女のことをお嬢様と呼んでいる。天地英太郎のことを尊敬しており、美代子が苦言を呈した際には心配するあまり声をかけている。このような優しい性格から、美代子からも強く信頼されている。

いかりや 短介 (いかりや たんすけ)

いかりや医院の院長を務めている男性。天地英太郎の学友だが、彼と同年代には見えないほど若々しい。昔なじみの英太郎に300万円を貸し与えているが、返済期限を三度も過ぎているため、厳しい態度で臨んでいる。いち太郎たちの活躍で返すあてができると、その金を先んじて盗み出そうとするなど、その本性は非常にあくどい。 また、息子のいかりや木座男に対しては異常なまでに甘く、彼にいいように利用されている。

いかりや 木座男 (いかりや きざお)

いかりや医院で医師を務めている男性で、いかりや短介の息子。父親からは甘やかされて育っており、彼が天地英太郎に対する300万円の借金を帳消しにする代わりに、好意を寄せている天地美代子を娶ろうとするなど、彼の威光を存分に利用している。一方、親の七光りに頼っているだけではなく、邪魔者である野口ヒロミを毒殺しようとしたり、悪魔大王を利用していち太郎たちを撃退しようとするなど、行動力に富んでいる。

野口 ヒロミ (のぐち ひろみ)

天地美代子と交際をしている、医大生の青年。医者になった暁には美代子と結婚する約束を交わしていたが、ある時美代子から婚約を解消されてしまう。野口ヒロミは美代子に嫌われてしまったと思い悩むが、これは天地病院の借金を帳消しにするためで、返すあてができた際には再び婚約を交わすことができた。しかし、これを妬むいかりや木座男に毒を盛られ、生死の境をさまようこととなる。

入院患者 (にゅういんかんじゃ)

天地病院に入院している男性。いち太郎が呪術で作り出した薬の実験台とされてしまい、本人はそれと気づかないまま彼の差し出した薬を飲むが、見事に病状が回復。病気にかかる前以上に活力がみなぎったため、いち太郎たちに深い感謝の念を見せた。

西野 五郎 (にしの ごろう)

虚栄心の強い少年。目立つためにくだらない嘘ばかりついており、周囲からは「大ぼら五郎」と呼ばれている。また、時折「鉄男」と呼ばれることがあるが、この由来は明らかにされていない。いち太郎たちが悪魔であることと、昇進試験の内容を偶然聞きつけ、それに協力する代わりに自分を呪術で超能力者に見せかけろと取引を迫る。

甘田 朝子 (あまだ あさこ)

西野五郎が憧れている少女。外見はいいが性格は悪く、興味を持った相手には媚びるような仕草を見せるが、少しでも興味がなくなれば即座に冷淡な態度を取る。いち太郎たちの呪術によって五郎が超能力が使えるようになったと思い込み、彼にすり寄る姿勢を見せた。

丹子 キエ子 (たんご きえこ)

西野五郎が出演することになったテレビ番組で、ゲストを務める女優。五郎が超能力で上着を脱がせることになり、いち太郎の呪術で実際に上着を脱がした。しかし、いち太郎とケンカをしていた怪虫ゲシュタポのいたずらにより、スカートまでも脱げてしまい、このことが番組を滅茶苦茶にする要因となった。

ライオン

西野五郎が超能力を披露するために、駆り出されたライオン。に太郎がこのライオンに乗り移ることで、五郎が超能力でライオンを操っているように見せかけようとした。しかし、に太郎の乗り移りが上手くいかなかったため、五郎を危機的状況に陥れてしまう。

謎の少女 (なぞのしょうじょ)

西野五郎に時おり声をかけている謎の少女。五郎が超能力者として有名になる前から注目していたそぶりを見せるが、五郎からはまったく相手にされていない。彼が超能力を使うという事実を疑っており、いち太郎たちが裏で関わっていることを早々に見抜いている。また、触れずにいち太郎たちを転倒させることができるなど、ただ者ではない様子を随所で見せる。

集団・組織

悪魔 (あくま)

地獄に住む種族。悪いことを美徳としており、人間が犯罪を犯すのは、悪魔に心を操られたり、魂を売り渡したからであるとされる。しかし、性格は悪魔によって千差万別で、悪魔大王のような極悪非道な所業を好む悪魔がいれば、いち太郎のように、他者を思いやる気持ちを持つ人間に感情移入をする悪魔もいる。

場所

地獄 (じごく)

悪魔たちの住む世界。「ジゴクゥー」という音がこだまする不毛な山脈が立ち並び、地面には無数のドクロが転がっている。中心部には悪魔学校や悪魔大王の住む城があり、悪魔の衛兵たちに守られている。悪さをする人間が地獄に落ちることもあるが、人間が自ら望んで地獄に落ちることもできる。

悪魔学校 (あくまがっこう)

悪魔が通う学校。実力に応じて級数が振り分けられており、昇進試験に合格することで上の級に昇進し、より高度な教育を受けられるようになる。いち太郎たちは3級の悪魔学校に通っており、そのカリキュラムを修了したことで、2級に昇格するための昇進試験を受けることになった。

天地病院 (あまちびょういん)

いち太郎たちが昇進試験を受けるにあたって、その舞台として選ばれた病院。天地英太郎が院長を務めており、その娘である天地美代子も看護師として働いている。いち太郎たちが課せられた試験内容は、この病院で悪さを働き、経営を悪化させることだったが、既に悪魔が手を下すまでもなく、借金によって経営危機に陥っている。

いかりや医院 (いかりやいいん)

天地英太郎の学友であるいかりや短介が院長を務めている病院。天地病院とは対照的に栄えており、多額の資産を保持している。短介は、自身の引退後に息子であるいかりや木座男に医院の全資産を譲り渡す遺言状を用意していたが、いち太郎の呪術によって、慈善団体に全額寄付するよう書き換えられた。

イベント・出来事

昇進試験 (しょうしんしけん)

悪魔学校における授業を修了した悪魔たちに課せられる試験。合格するためには、人間の世界に降り立ち、正しいことを行う人間を困らせる必要がある。この試験を通過することで、より高位の悪魔として認められるようになるが、不合格の場合は、悪魔大王に串刺しにされて食べられてしまう。

その他キーワード

なんでもナオール

悪魔大王が愛用している特効薬。死の淵からも全快するほどの効き目があるとされており、毒に倒れてしまった野口ヒロミを助けるためとして、いち太郎たちが必要としている。しかし、人間を助けるためという理由でこの薬を使うことを悪魔大王が許すはずもなく、やむなくいち太郎たちは、悪魔大王が寝ている隙にこの薬を盗み取った。

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