あらすじ
第1巻
ある夜、眠っている小日向日太は女性のなまめかしい声を聞いて目覚める。人並みにエッチな事に興味津々な日太は興奮しながら目を覚ますも、そこにいたのは色気とは縁遠い落ちこぼれ悪魔の姿だった。メムメムと名乗った悪魔は、恥ずかしがり屋なせいで自分で誘惑する事ができず、同僚の声を吹き込んだ録音テープで誘惑しようとしていたのだった。要領が悪く、挙句の果てにストレートに魂をねだるメムメムを見た日太は、そのダメさ加減に呆れて追い返そうとする。しかし、失敗続きであとがないメムメムは思いのほか強情で、日太は落ちこぼれ悪魔と騒がしい夜を過ごす事となるのだった。(エピソード「悪魔のメムメムちゃん」。ほか、8エピソード収録)
第2巻
小日向日太の家に入り浸るようになったメムメムだったが、そんな二人が暮らす街に、悪魔の気配を追ってオルル・ルーヴィンスとプルがやって来た。「悪魔祓い(エクソシスト)」のオルルをたまたま街で目撃した日太は彼女達に警戒を深めるも、お調子者のメムメムは無警戒に近づき、その存在がバレてしまう。日太はとっさにメムメムを逃がそうとするも、圧倒的な戦闘能力を持つオルルからは逃げられず二人は追い詰められてしまう。絶望的な状況に自暴自棄になるメムメムに、遂にオルルの白刃が迫る。しかしオルルの放った斬撃は、なにもしていないメムメムにかすり傷すら与える事ができなかった。実はオルルは悪魔に対しては、最弱のメムメムにすら勝てないほど弱体化する呪いを先祖伝来受け継いでいたのだった。メムメムはオルルが無害だとわかった途端調子に乗るも、不憫なオルルを見て仲間意識を芽生えさせる。メムメムに対抗心を抱いたオルルは、再び街にやって来ると言い残し、街を去るのだった。(エピソード「メムメムちゃんと悪魔狩りのオルル」。ほか、8エピソード収録)
第3巻
メムメムは何でも願いを叶えるという魔法のランプを所長にねだって借り、ランプの魔人を呼び出す。大きな希望を抱いてランプの魔人に自分の願いを言うメムメムだったが、それらの願いはメムメムの身に余る願いだと、すべて却下されてしまう。あれもダメ、これもダメと言われたメムメムは、苦悩の末に自分の仕事の手伝いを申し出る。しかし、ランプの魔人から提案されたのは、小日向日太の魂を奪い取るという物だった。折り悪く、日太は風邪で寝込んで弱った姿を見せ、メムメムはこれから命を奪うのにもかかわらず日太を助けようと行動してしまう。ランプの魔人にその矛盾を指摘されたメムメムは、別の願いを口にするのだった。(エピソード「メムメムちゃんとランプの魔人」。ほか、8エピソード収録)
第4巻
ランプの魔人はメムメムの願いで、小日向日太の風邪を治療した。役目を終えてランプに戻ったランプの魔人だったが、時期を置かず再び姿を現す。実はメムメムがドジを働き、ランプの魔人の宿ったランプを破壊してしまったのだ。ランプを修復するには壊した本人の魔力が必要だが、魔力がまったくないメムメムには修理する事ができない。それを悟ったランプの魔神はオルル・ルーヴィンスの屋敷に忍び込み、オルルの力をメムメムに吸わせて修復しようと考える。しかし実は悪魔ではなかったランプの魔人は、オルルの力に手も足も出ず、絶体絶命の危機に陥ってしまう。迫るオルルの攻撃を前にランプの魔人は死を覚悟するが、そんなランプの魔人をメムメムは身を挺して守る。メムメムの協力を得て窮地を脱したランプの魔人は、メムメムを主と認め、気長にランプを修復しようと考えを改めるのだった。(エピソード「メムメムちゃんとランプの魔人再び」。ほか、8エピソード収録)
第5巻
10年に一度の大査定レース「しもべラン」に参加する事になったメムメムは、小日向日太とランプの魔人を下僕と偽って無理矢理参加させる。強大な力を持つランプの魔人とレースのご褒美に釣られた日太は意外にも健闘し、レース序盤で暫定1位の快挙を果たす。しかし、それをおもしろくないと思ったガムから、ランプの魔人と日太は執拗な妨害を受ける羽目になってしまうのだった。窮地に陥りながらもトップ争いに喰らいつく日太は、最後の最後でメムメムへの怒りを原動力にして怒涛の追い上げを見せ、見事優勝をもぎ取る。メムメムは優勝の栄光を手にするも、実は優勝者は危険な魔獣討伐に赴く事が決定されており、それを知らされ愕然とするのだった。(エピソード「メムメムちゃんとしもべラン」。ほか、7エピソード収録)
第6巻
月に一度の悪魔達の成果報告会。いつもは何の成果も得られなかったメムメムだったが、デ・ナンゾンの訓練で初めての成果を得られてご機嫌。自慢するため、小日向日太を巻き込んで魔界の成果報告会に向かう。しかし道中、メムメムは見知らぬ男性に連れ去られてしまう。男性に連れられて日太とメムメムが目にしたのは、メムメムそっくりの動物テムテムの姿だった。男性はテムテム専門の酪農家で、逃げ出したテムテムを探し回っており、メムメムをテムテムだと勘違いして連れて行ったのだ。必死に自分は動物じゃないと否定するメムメムだったが、あまりに似ているテムテムの姿を見て次第に自信がなくなり、動物である事を受け入れそうになってしまう。自分が悪魔だと言い聞かせ、メムメムはテムテムの群れから逃げ出して、成果報告会へと向かう。しかしメムメムがそこで目にしたのは、逃げ出したテムテムがメムメムの代わりに報告会に混ぎれ込むも、誰一人としてそれがメムメムではない事に気がついていない光景だった。(エピソード「テムテム」。ほか、8エピソード収録)
メディアミックス
ショートwebアニメ
5分間のショートwebアニメとして制作され、YouTubeの「少年ジャンプ」オフィシャルチャンネルで2018年1月22日より配信されている。アニメの制作会社はシャフトが担当し、監督は沼田誠也が務めている。小日向日太役を悠木碧、メムメム役を高橋花林、五木杏役を五十嵐裕美がそれぞれ演じた。
バーチャルYouTuber
2018年9月19日にメムメムがバーチャルYouTuberになる告知が出され、YouTubeに専用チャンネルである「悪魔のメムメムちゃんねる」が開局された。運用は集英社との共同事業としてBUZZCASTが担当した。そして2018年11月1日から同チャンネル内で、メムメムのバーチャルYouTuber動画が配信され始めた。内容はバーチャルYouTuberとなったメムメムが色々な事に挑戦するという物になっている。
登場人物・キャラクター
小日向 日太 (こひなた ひょうた)
高校1年生の男子で、年齢は16歳。実家は男しかいない離島。勉強するという約束で島を離れ、「五木荘」で一人暮らしをしている。しかし、ひょんな事からメムメムに付きまとわれる事となり、彼女の起こすトラブルに嫌々巻き込まれていく事になる。流されがちな優柔不断な性格をしているが、面倒見がよく、ひどい目に遭いつつもメムメムを突き放せずにいる。年相応に異性に興味があり、特に女性の脚線美が気になる脚フェチ。理想の脚線美を持つチュチュを一時期強く意識していたが、チュチュが男だと知ってからは苦手意識を抱いている。またクラスメイトの五木杏に片思いをしているが、悪魔達が起こすトラブルのせいで杏からは変態ではないかと勘違いされる事が多い。
メムメム
落ちこぼれの悪魔。黒いショートカットの少女の姿をしている。読み切り版では四頭身だったが、連載版では二頭身へと変更されている。恥ずかしがり屋で臆病なところがあり、ちょっとエッチな出来事を目前にしただけで逃げ出すほど。また体型もスレンダーで悪魔の制服であるビキニも着こなせず、恥ずかしさのあまりふだんはビキニの上に前掛けを付けて誤魔化している。悪魔にもかかわらず魔力がほとんどない。泣き出すと角が光るが、ただ光るだけで悪魔らしい事はほとんどできない。そのため、今まで一度も人間の魂を手に入れる事ができずにいたが、小日向日太に手ごたえを感じ、彼の家に入り浸るようになる。実はかなりお調子者で図々しいところがあり、少し褒められただけで舞い上がったり、大変な状況を他人に押しつけようとしたりする。また嫌な事から逃げ出す生存本能だけは一人前で、のちに魔力がほとんどないメムメム自身の欠点を利用し、自らの体を小さくして逃げ出す技を開発した。このように欠点だらけのメムメムだが、他人が絶体絶命のピンチになった時は思わず手を差し伸べる情の厚い部分があり、ランプの魔人がピンチになった際も体を張って助け、彼の信頼を勝ち取っている。
五木 杏 (いつき あんず)
高校1年生の女子で、小日向日太のクラスメイト。日太の住む「五木荘」の大家さんの娘で、五木柚の姉。「おこげ」という名の犬を飼い、かわいがっている。快活な性格をしたセミロングヘアの美少女で、日太が密かに片思いをしている。幼い子供のような姿をしたメムメムの事を気に入り、彼女となかよくなりたいと思っているが、年齢の割りに母親譲りのグラマーな体型をしている事もあり、彼女から敵視されている。黒野雨とは友人同士だが、彼女からも巨乳な事をからかわれている。悪魔達が持ち込む不思議な道具の被害によく遭っている。
大家さん (おおやさん)
五木杏と五木柚の母親で、小日向日太の住むアパート「五木荘」の大家を務めている。グラマラスなスタイルをした美人。天然な性格で、淫靡な雰囲気を漂わせて周囲を無自覚に魅了する。悪魔より色気がある事でメムメムからはおびえられ、ジガーロが思わずスカウトするほどである。
五木 柚 (いつき ゆず)
大家さんの娘で、五木杏の妹。幼稚園の年中組で、活発でやんちゃな性格をしている。各自が的の描かれた服を着て、相手の的にボールを当てる「ヒットボール」という遊びにはまっている。メムメムとヒットボールで遊んだ際に、メムメムを完膚なきまで叩きのめし落ち込ませた。その後は落ち込んだメムメムに飴をあげて仲直りし、以降は時々なかよく遊んでいる。
オルル・ルーヴィンス
長い金髪を三つ編みにした14歳の少女で、「悪魔祓い(エクソシスト)」の末裔。悪魔祓いの使命に燃えるまっすぐな性格をしている。身の丈ほどの巨大な剣を自在に振り回す超人的な身体能力を誇るが、実は先祖の悪魔祓いが悪魔を狩り過ぎたせいで悪魔の親玉に「末代まで悪魔に対して弱体化する」呪いを掛けられ、彼女もその影響を受けて悪魔に対しては極限にまで弱体化する。悪魔の痕跡を追って小日向日太の住む街にやって来たが、最弱なメムメムにすら手も足も出ず敗北。彼女を倒す事を誓い、たびたび街を訪れてはメムメムに挑んでいる。ふだんはポンコツな一面を見せるが戦闘能力自体は高く、悪魔ではないランプの魔人に対してはその力で圧倒した。スレンダーな体型で、その事にコンプレックスを抱いている。ルーヴィンス家に伝わる「先呼びの鐘」で未来の自分を呼び出した際には、呪いを掛けた悪魔より強くなる事で自力で呪いを解いたオルルが現れた。
プル
恰幅のいい体型をした女性で、オルル・ルーヴィンスのお付きのメイドを務めている。冷静沈着な性格をしていて、表情に乏しいが、オルルの世話を甲斐甲斐しく焼いている。メムメムを狙うオルルに付き添ってたびたび小日向日太の住む街を訪れているが、オルルを放っておいて買い物をしたり、大家さんとお菓子を作ったりと、マイペースな行動を取っている。オルルの事は本当に大事に思っており、彼女を傷つけたり、バカにしたりすると強く反発する。実はつねにチェーンソーを隠し持っており、戦闘ではどこからともなくチェーンソーを取り出して戦う。その戦闘能力は非常に高いが、戦闘場面があまりに凄惨な物になるため、ふだんはオルルに使用を禁じられている。ランプの魔人とは似た者同士だが、それゆえにお互い張り合うため仲が悪い。
ランプの魔人 (らんぷのまじん)
ランプに宿る魔人。呼び出した者の願いを叶える役目を持ち、所長にねだって借りたメムメムが使用して呼び出した。黒い髪をオールバックにした美丈夫で、黒いスーツを着た執事の姿をしている。主に対しても歯に衣着せぬ物言いをするが、職務には忠実で無理な願いや主のためにならない願いにはきちんと忠告をする。また強大な力を持つが、無から有を作り出す事は難しいらしく、永久機関を作り出すような願いも叶える事は不可能となっている。メムメムの願いを叶えたあと、ランプに戻っていたが、メムメムがうっかりランプを落として壊してしまったため再び現れる。ランプの修繕には壊した本人の魔力が必要なので、メムメムから魔力をしぼり取るため小日向日太の部屋に居座るようになった。ランプを修繕するための魔力を得るために、オルル・ルーヴィンスの家に忍び込んだ際、オルルと戦う。しかし、魔人であって悪魔ではないため、オルルの強力な戦闘能力には手も足も出なかったが、メムメムにかばわれ九死に一生を得る。今までの主は強欲な者ばかりで辟易していたらしく、土壇場で自分をかばったメムメムに興味を持ち、彼女と行動を共にするようになった。
レース
「六淫将」と呼ばれる強大な悪魔の一人。スタイルのいい美女で、常人なら見ただけで魂が抜け出るほどの色香を漂わせている。メムメムの上司で、メムメムからは「先輩」と呼ばれ恐れられているが、レース自身は仕事ができない彼女にもなるべくチャンスを与えたいと考えている。そのため、メムメムが小日向日太の家に留まるのにも許可を出した。冷静沈着な性格をしており、ふだんから表情を変える事はめったにない。しかし、半年に1日だけ魔力補給に集中しないといけない「補給日」は理性が弱まり、性格が豹変する。その際にはふだんとは打って変わって幼児のように無邪気な性格になり、表情もコロコロ変わる。その事をほかの悪魔に知られるのを嫌がっており、補給日は他者の目に触れない場所で過ごすようにしている。メムメムがうっかり目にして日太にまで知られた際には、補給日が終った途端、ほかの悪魔がおびえるほど激怒した。
黒野 雨 (くろの あめ)
高校1年生の女子で、小日向日太と五木杏のクラスメイト。丸縁眼鏡をかけたセーラー服を着た少女で、杏の周囲の人間関係を楽しむ軽い性格をしている。自らのスレンダーな体型にコンプレックスを抱いており、小日向きゅう太に「貧乳丸メガネ」と悪口を言われた際にはかなり根に持っていた。
チュチュ
小日向日太に助けられた悪魔。ロングヘアの美少女然とした姿をしているが、れっきとした男性。脚フェチの日太が絶賛するほどの脚線美を持ち、男性にもかかわらず悪魔達の中でもかなり成績がいい。助けられた事をきっかけにして日太に好意を抱いており、日太も最初は女の子と勘違いしていたため強く意識していた。しかし、日太に男性と気づかれて以降は一転して苦手意識を持たれるが、たびたび日太の家を訪れては日太にアプローチを仕掛けている。メムメムとは知り合いで、彼女の事を「メームー」と呼ぶ。
ルウルウ
メムメムの後輩にあたる新人の悪魔。褐色肌のスタイルがいい美少女で成績も優秀だが、自分に自信を持てずおどおどした性格をしている。偶然、年間の成績発表の場でメムメムと出会い、後輩に見栄を張ったメムメムを尊敬するようになる。以降、たびたびメムメムのもとを訪れている。ふだんは標準語でしゃべるが、緊張すると方言になる癖を持つ。
光野 尾子 (ひかりの おじ)
「五木荘」に住む眼鏡をかけた無職の男性。年齢は43歳。髪が薄く、ふくよかな体型をしている。子供が好きで、メムメムに飴をあげようとするが、変質者と勘違いされ通報されてしまう。しっかり者の娘・光野明からも辛辣にあつかわれ深く落ち込むが、その現場を見かねたチュチュに、誰でも悪魔に変身できる「サキュバススーツ」を渡され、黒髪ツインテールの美少女姿へと変身するようになる。サキュバススーツの使い方がわからず最初はとまどっていたが、騒動が終ったあとも捨てる事はせずそのまま所持している。その後、たびたびサキュバススーツが事故で起動するかたちで変身しては、メムメムのもとを訪れている。変身するたびに、少女姿で遊ぶ楽しさに目覚めつつあり、同好の士が集まる「ホニョニョパーク」では童心にかえって遊んでいる。
光野 明 (ひかりの あきら)
「五木荘」に住む中学2年生の女子生徒。年齢は13歳。長い黒髪を大きなリボンでまとめている。光野尾子の娘で、頼りない父親と小さな光野蛍の面倒を見るしっかりした性格の持ち主。父親に対しては辛辣な態度が目立つが、文句を言いつつきちんと家事をする家族思いな心根を持つ。
デココ
「六淫将」と呼ばれる強大な悪魔の一人。額から角の生えた小柄な少女の姿をしている。大事な集まりの場でもゲームをするほどのゲーム好き。テレパシーにより他者の考える事を読む能力を持つ。六淫将の集まりにレースの代理としてやって来たメムメムの思考を読み、そのあまりのしょうもなさから逆に好奇心を刺激され、慌てふためくメムメムの様子を笑いながら観察していた。
ハーゲン
「六淫将」と呼ばれる強大な悪魔の一人で、一人称が「オレ」。男勝りな振る舞いが目立つ大柄な女性で、細かい事にこだわらない豪快な性格をしている。また粗野な言動に反して意外に部下思いで、六淫将の集まりで部下の大きな失敗が取り上げられた時には、自分が代わりに罰を受けるという器の大きさを見せた。メムメムからはその振る舞いが「かっこいい」と尊敬されており、彼女が処罰されそうな時は周りに流されそうになりながらも、メムメムは彼女の処罰を止めようとした。
ガム
「六淫将」と呼ばれる強大な悪魔の一人。巨大な2本の角を持ち、全身を拘束具で拘束された異様な風体をした女性。自虐的でサディスティックという両極端な言動が目立ち、柔らかい物腰で他者に近づき、相手が隙を見せたら貶める狡猾な性格をしている。六淫将の集まりでレースの代理としてやって来たメムメムに対しても弱気な彼女を威圧し、ハーゲンを処罰しようとするも失敗。「しもべラン」では優勝を狙って健闘するメムメムチームを妨害した。
クレンザ
「六淫将」と呼ばれる強大な悪魔の一人。大きな瓶底眼鏡をかけた理知的な女性で、間延びした口調で話す。六淫将の中では比較的穏やかな性格をしており、六淫将の集まりではレースの代理としてやって来たメムメムをかばったり、ハーゲンが処罰されそうになるのを止めたり穏健な行動を取る事が多い。また工房を経営し、生み出した製品を売り出している模様。
小日向 きゅう太 (こひなた きゅうた)
眼鏡をかけた青年で、小日向日太の実兄。まじめな性格をした努力家で、全国模試で1位を取った事もあるほど頭がいい。ふだんは離島に住んでいるが、成績の下がった日太を連れ戻しにやって来た。実は堅物過ぎる性格が災いして、女性への免疫が皆無。日太の周りにいる女性やチュチュを見て魂が抜け出し、気を失って倒れた。
江口 タケシ (えぐち たけし)
高校1年生の男子生徒で、小日向日太のクラスメイト。鋭い目付きをした小太りの体型で、漫画を描くのに情熱を燃やしている。江口シズカと姉弟そろって漫画を描いているが、描くジャンルは姉と違い成人向けの萌え漫画。コミックマーケットに出展するための同人誌を作る際、日太に手伝いを頼んだ。その時に日太の話とたまたま江口タケシの家を訪れたメムメムをモデルにして「メムメムさん」というキャラクターを生み出す。メムメムさんを主人公にしたエッチな漫画ははかなり好評を博し、タケシ本人もメムメムさんに愛着を持ち、コミックマーケットが終ったあと、メムメムさんのグッズを作っている。悪魔については知らず、漫画を描く事以外には無頓着。また実在の女性にも興味がなく、レースを見ても微動だにせず、悪魔の群れに囲まれてもまったく誘惑されなかった。
江口 シズカ (えぐち しずか)
江口タケシの姉で、長い黒髪をポニーテールにしたクールビューティー。人と話すのが苦手で、口数の少ないおとなしい性格をしている。弟と同じく漫画を描くのが大好きながら、描くジャンルは弟と違いハードなBL系バトルアクション漫画。「ノンケなぶり狂四郎」というタイトルの漫画を描いてコミックマーケットに出展したが、一冊も売れず、人気が伸び悩んでいる。偶然、行き倒れていたメムメムを助け、彼女と意気投合する。メムメムとは相性がいいため気負わず話す事ができ、人と話す際にメムメムが通訳する事で自分の意志を伝える事ができるようになった。ただし彼女の描く漫画は刺激が強いため、メムメムが目にした際には記憶を失うほどショックを受けた。一度、原稿の締め切りが間に合わずヘルプを頼んで以降、五木杏から慕われるようになった。
ドール
魔界で衣装屋を営んでいる悪魔で、ロングヘアの美少女。人間界で仕事をしている悪魔達の衣装に異常が起きた際に修復するのを役割としている。メムメムの衣装が洗濯して縮んだのに気づいて小日向日太の家にやって来た。振った相手に似合う服を自動に着せる魔法の杖「プイプイの杖」を持ち、メムメムの服を修繕しようとするが、なぜか着ぐるみばかり出てきて困惑した。実はかなりいい加減な性格で、勤務態度は非常に不まじめ。そのため、職務態度を見咎められゲザンの反省室に呼ばれた。
ゲザン
仕事のできない悪魔達の教育を担当する特別教官の男性。毛がなく、皺で歪んだ邪悪な顔つきで、辛辣な言葉で悪魔達をいたぶり、根性を鍛え直すのを役割としている。呼び出されたメムメムとドールをきびしくしごいたが、メムメムのペースに振り回され、逆に自分が大ケガを負ってしまう。
ジガーロ
スカウトマンの悪魔で、スーツを着た男性。しゃべりは片言だがハイテンションな性格をしている。人材を探す「逸材レーザー」を使ってスカウトするのを仕事にしており、逸材レーザーに反応したメムメムをスカウトしようと小日向日太の家に押しかけた。メムメムを「魔力を持った人間」と思っていたが、実は「魔力がほとんどないだけの悪魔」だと気づき、たまたま目にした大家さんをスカウトする事に切り替えた。大家さんにかなり入れ込んでおり、彼女をスカウトする事こそ自らの生まれた意味と使命感を燃やしている。
所長 (しょちょう)
魔界で悪魔達の仕事を統括している悪魔で、一つ目で巨大な角が2本生えた異形の姿をしている。職務に忠実でまじめな性格をしており、悪魔達の適性に合わせて仕事を割り振る。だが何の取り得もないメムメムの扱いに悩み、たびたびメムメムを呼び出し勤務態度を咎めている。ランプの魔人が宿ったランプを管理しており、メムメムにねだられた際に、渋りながらも貸した。
デ・ナンゾン
レースの先輩にあたる悪魔で、現役の悪魔の中では最古参。特殊教官の仕事をしておりメムメムに仕事を教えるため、小日向日太の家にやって来た。最も長く仕事をして来た悪魔だが、実はいかつい顔をした女性で、業界で生き残るため顧客のあらゆるニッチな性癖を満たしてきたのが真実だった。仕事に関してはプロ意識が強く、なにをやらせても半人前のメムメムを見捨てずに、褒めて伸ばし過酷な訓練を課した。メムメムが飴一個しかもらえず帰って来ても受け入れたため、日太は「意外とやさしい」と評している。「茂蔵(しげぞう)」という名のひげの生えた亀をパートナーにしている。
テムテム
魔界で飼われている家畜。角が2本生えた羊のような姿をした二頭身の動物で、メムメムに似ている。「テーム」と鳴く。毛と角が売れるらしく、酪農家のおじさんに大事に育てられている。ふだんは四足歩行だが、二足歩行もふつうに可能で、メムメムが混ざってもまったく違和感が生まれなかった。またテムテムは魔力がまったくないが、メムメムも魔力がないため、ほかの悪魔達もふつうにテムテムをメムメムだと思って接していた。チクショウ草と呼ばれる草が好物で主食としている。
イベント・出来事
しもべラン
魔界で10年に一度、行われる悪魔達の大査定レース。悪魔同士が戦うと被害が甚大な物になるため、悪魔が魅了した下僕の人間を走らせて順位を競う代理戦で、レースに参加する事は悪魔だけではなく参加する人間にとっても大変名誉なものだとされている。参戦させられる人間は悪魔一人につき三人までで、悪魔は従者である人間に通信装置の役割を持つ指輪を使って指示を下す。また悪魔はあらかじめレース前に「お助けカプセル」を用意する事ができ、レース中に一度だけ使う事ができる。優勝した悪魔には名将の証とされる「君主のローブ」と、一生安泰の地位が約束されるという。
その他キーワード
悪魔 (あくま)
魔力と呼ばれる超常の力をあやつる異形の存在。人間達が住む世界とは別に存在する魔界に暮らしている。女の悪魔は妖しい技と色香で人間をたぶらかして堕落させ、その魂を奪い取るのを仕事としている。悪魔は「六淫将」と呼ばれる強大な力を持つ女悪魔を中心に組織体系化されており、悪魔達は適材適所の仕事を割り振られている。ただしあまりに無能だったり、仕事に不まじめだったりする場合は、再教育が行われる事となる。それでも矯正不可能だと判断された場合、誰もやりたがらない危険な仕事に回される事となるため、メムメムは何とかそれを回避しようと躍起になっている。