ラブゾンビ!? 2 ～the Kiss～

遊佐いとは、ごく普通の中学生。ある日の学校からの帰り道、いとは、うずくまっている男子生徒のことが心配になり、声をかける。しかしそれは、同じクラスの悠木棗で、靴紐を結んでいただけだった。思わず「ゲッ」と声を上げるいとに、悠木はつっかかる。いとと悠木はいつもケンカばかりしているのだ。悠木は、イケメンで文武両道。

みんなに笑顔を振りまくのに、いとだけにはケンカ腰だった。いとはそれが不満で、ついに悠木の本当の気持ちを問いただす。悠木は憎まれ口を聞くが、その後突然、発情状態になり、いとの首にかみつく。二人はそのまま気を失い、気がつくと森野大学病院の病室にいた。「新種感染症研究室」室長の葉加瀬によると、二人は「ラブゾンビウイルス」による高熱で、2日間眠り込んでいたらしい。

「ラブゾンビウイルス」に感染すると、理性も感情も失い、ただ本能のままになるのだという。感染主は悠木で、本来なら嚙みつかれたいともウイルスに侵されるはずだが、なぜが、いとには抗体があって感染を免れたのだ。悠木が意識を取り戻す事ができたのも、いとの抗体のおかげだった。悠木を完全に救うには、いとの血液をもとに生成したワクチンが必要だが、完成には早くて半年はかかるという。

その間にも、悠木の体内でウイルスは変異を続け、いつまたラブゾンビ化するかわからない。そこで、いとが、悠木を24時間体制で監視し、ラブゾンビ化を防ぐ事になった。こうして二人は、とあるマンションで同居する事に。同居1日目の深夜、悠木は突然、いとのベッドに潜り込んできた。

いつもの憎まれ口ではなく、甘い口調でいとに迫る悠木。身の危険を感じたいとは、葉加瀬から託された「間に合わせの薬」を悠木の口に押し込む。それは、いとの血液から生成した一時しのぎのワクチンだった。悠木は症状が落ち着き、眠りに落ちた。いとは、何としても悠木の暴走を食い止めないと、自分の青春が終わってしまうと、決意を新たにするのだった。