おしゃべりなアマデウス

おしゃべりなアマデウス

武内昌美の代表作。現代日本の沢村音楽学院バイオリン科とクラシック界を舞台にしている。著名な音楽家の家庭に生まれながらも幼くして両親と死別した少女、碧川里緒が、幼なじみで天才バイオリニストの青年、緒方羽宗との幼い日の約束を果たすため、バイオリニストとしての天賦の才を開花させていく姿を描いたヒューマンラブストーリー。実際にバイオリン経験者の作者による、本格的な音楽描写が本作の大きな特徴となっている。小学館「週刊少女コミック」1995年第1号より連載の作品で、1997年に完結。

正式名称
おしゃべりなアマデウス
ふりがな
おしゃべりなあまでうす
作者
ジャンル
クラシック
 
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概要・あらすじ

登場人物・キャラクター

碧川 里緒 (みどりかわ りお)

バイオリニストを志す少女。天才バイオリニストと知られる母親の碧川千明と、名指揮者として名を馳(は)せた父親の碧川真一を両親に持つが、幼い頃に一家そろって交通事故に巻き込まれ、碧川里緒だけが生き残った。以後、両親の親友でもあるバイオリニストの緒方美穂子の養子となり、彼女の家に引き取られた。そして美穂子の息子で、若き天才バイオリニストの緒方羽宗と暮らすこととなる。小さい頃は羽宗から意地悪ばかりされていたが、彼のバイオリンの音色に慰められ救ってもらっており、その時に掛けられた「ずっといっしょにバイオリンを弾こう」という言葉を心の拠(よ)りどころにしていた。そして、名門校の沢村音楽学院に進学するが、音楽留学中に彼女を作った疑惑のある羽宗との関係や、学生時代に父親の真一を慕うあまり、母親の千明に嫉妬していた義母の美穂子との関係も悪化する。しかし羽宗との交流を深めるにつれ、バイオリンの音色から伝わる愛を理解して恋心を自覚し、バイオリニストとしての才能を開花させる。性格は純粋無垢(むく)そのもので、年齢の割にどこか幼気なところがある。その高い感受性から周囲の人たちの心情を慮(おもんぱか)る一面があり、特に美穂子との関係の改善を図るために必要以上に自己犠牲を払い気味である。またプレッシャーに弱く、本番前や試験前は周囲に弱音を吐いてしまうことがある。一方で、演奏中はプロの演奏家ですら驚くような胆力とテクニックを見せつけ、一度舞台に立つと持ち前の天才的な才能を発揮する。

緒方 羽宗 (おがた うそう)

天才バイオリニストとして名高い青年。幼い頃に両親を亡くした碧川里緒が緒方羽宗自身の家に引き取られて同じ家で暮らすようになる。幼少時から里緒といっしょにバイオリンを弾いており、その後も彼女のバイオリン人生を見続けてきた。里緒のバイオリンの才能をいち早く見抜き、彼女の才能を誰よりも信じている。また、里緒と交わした「ずっといっしょにバイオリンを弾こう」という約束を何よりも大切に考え、行動原理の中心としている。名門音楽校の沢村音楽学院でも優秀な成績を収め、1年間のアメリカ留学に学校推薦で向かう。そして、アメリカでも遺憾なく才能を発揮すると、リサイタルやコンサートに引っ張りだことなり、当初の予定を半年延長するほどの人気となった。日本に戻ってからは里緒が母親の美穂子の意向で普通校に通うことを知って猛反発し、沢村音楽学院への入学をうながすなど、さまざまな面で彼女を支えている。ふだんはクールな性格ながら、感情の表現の仕方が大袈裟(おおげさ)で子供っぽいところがある。また、里緒のことを溺愛しており、彼女が絡むとふだんの羽宗からは考えられないような、突飛な行動を取ることがある。特にエドワード・エルガーが妻のために作ったとされる「愛の挨拶」を弾く際に、里緒とのツーショット写真を飾って情感たっぷりに演奏することは、仲間内でよく知られている。

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