概要・あらすじ
吹奏楽部員の少年・白波瀬歩は、初恋の人に振られ、高校受験にも失敗。傷心のまま公園でトランペットを吹き鳴らしていたところ、ホルンの音色を耳にする。そこで彼が目にしたのは、ノリノリでホルンを吹く女性だった。彼女に合わせてトランペットを吹きだした歩だが、演奏が盛り上がった瞬間、何故か彼女は歩に襲い掛かった。それから時は経ち、高校に入学した歩は放課後、あのホルンの女性と再会。
彼女が吹くラヴェルの『ボレロ』に合わせて演奏をはじめたところ、またしても彼女は暴走、歩に激しいキスをする。翌日、吹奏楽部部員を探す新入生の八田正一と歩は、昨日のホルンの女性と遭遇。彼女は、校内で有名な秀才・芹生百合子であった。実は百合子は音楽に乗ると、その曲調に応じて感情が昂まってしまうという特異体質の持ち主だった。
八田の誘いに応じて歩と百合子は吹奏楽部に入部。一度は廃部となっていた吹奏楽部だが、三人が入部したことで再始動、やがて徐々に部員を増やしていく。個性豊かな吹奏楽部の面々は百合子の奇行に悩まされながらも、奮闘していく。
登場人物・キャラクター
芹生 百合子 (せりゅう ゆりこ)
根戸ヶ谷高校2年生。吹奏楽部所属。担当は主に指揮。秀才かつスタイル抜群で、大人びた風貌のため、校内でも有名な生徒。普段は仏頂面で、コミュニケーションも苦手だが、音楽を感じるとエンドルフィンなどの神経伝達物質を異常に放出、曲調に合わせて感情が昂まるという特異体質の持ち主。興奮状態に陥ると、その間の記憶はなくなってしまう。 中学生のころは吹奏楽部でホルンを担当していたが、あるとき演奏中に興奮し、当時好きだった小島に襲い掛かった。高校進学後は体質のせいで周囲に迷惑をかけてしまうことを恐れ、吹奏楽部からは距離を置いていたが、白波瀬歩と八田正一との出会いがきっかけで入部した。ホルンの腕はかなりのものだが、体質のせいもあって指揮を担当している。 なぜかブラジャーをあまりつけず、指揮中にしばしば裸体を晒している。
白波瀬 歩 (しらはせ あゆむ)
根戸ヶ谷高校1年生。吹奏楽部所属。担当はトランペット。小柄で目立たないタイプ。中学生のころ、同じ吹奏楽部の初恋の人・北原ゆみこに振られ、名門・美ヶ丘高校への受験も失敗。高校入学後は長い間続けていたトランペットも辞めようと思っていたが、八田正一に誘われ、芹生百合子への興味もあって入部。 百合子とは入部前にラヴェルの『ボレロ』をともに演奏、二回襲われ、うち一回はファーストキスを奪われている。トランペット歴が長い割には演奏力はいまいちで、一時は担当をトロンボーンに変えさせられそうになったこともある。
八田 正一 (はった しょういち)
根戸ヶ谷高校1年生。吹奏楽部所属。担当はクラリネット。大柄だが、妙に仕草がクネクネしている。白波瀬歩と芹生百合子を勧誘し、吹奏楽部を再建した。いつもにこやかだが、吹奏楽に関しては熱い一面も持っている。
村雨 (むらさめ)
根戸ヶ谷高校1年生。吹奏楽部所属。担当はトランペット。芹生百合子に勧誘され、ともにチャイコフスキーの『花のワルツ』を演奏したところ、情熱的になった彼女にキスをされた。その後、百合子に興味を抱き入部。トランペットは初心者だが、センスがよく、めきめきと上達していく。
神野 さくら
根戸ヶ谷高校1年生。吹奏楽部所属。担当はパーカッション。活発で、負けん気が強い性格。村雨のことが気になっている。村雨と芹生百合子がキスをしているところを目撃し、彼女を問いただしに行ったが、ともに演奏することに。そこでホルストの組曲『惑星』の『火星』を聞いて攻撃的になった百合子に殴られた。 音楽を聞くと豹変するという百合子の体質を信じず、発表会で真偽を確かめるため入部。
橘 梨花 (たちばな りか)
根戸ヶ谷高校1年生。吹奏楽部所属。担当はアルトサックス。ノリが軽く、神野さくらが吹奏楽部に入ったので、つられて入部した。練習の厳しさに耐えかね、村雨に二人で部活を辞めて付き合おう、と言ったことがある。
助川 照盛 (すけがわ てるもり)
根戸ヶ谷高校1年生。吹奏楽部所属。担当はホルン。軽薄な性格で、煙草を吸うなど不良じみたところがある。芹生百合子に興味を抱き、吹奏楽部に入部した。吹奏楽はまったくの初心者だが、要領がよくわずか一週間でトランペットを吹けるようになっていた。白波瀬歩と村雨との、トロンボーンへのパート変更を巡るトランペット勝負にも勝ったが、ホルン担当を希望。 興奮状態に陥った百合子は、「胸をもむ」と止まるということを発見した。
田端 良久 (たぶち よしひさ)
根戸ヶ谷高校2年生。吹奏楽部所属。担当はオーボエ。個人的にオーボエのレッスンを受けており、八田正一に吹奏楽部への入部を誘われていたが、音大受験に専念するために断り続けていた。しかし、芹生百合子と演奏し、週一で合奏に参加するだけという条件で入部した。
北原 ゆみこ (きたはら ゆみこ)
白波瀬歩の中学時代の同級生で、初恋の人。卒業後は、普門館出場15回、うち13回金賞という吹奏楽の名門・美ヶ丘高校に進学、吹奏楽部に所属している。
小島 (こじま)
美ヶ丘高校2年生。吹奏楽部に所属。芹生百合子が中学時代好きだった少年。かつて演奏中、興奮した百合子に襲われたという過去を持つ。根戸ヶ谷高校の吹奏楽部に入った百合子に、周囲の迷惑を考えて辞めたほうがいい、と勧めた。
赤崎 (あかざき)
美ヶ丘高校吹奏楽部の顧問。ミスをした生徒に手をあげることも多く、厳しい指導を行っている。
下田 (しもだ)
根戸ヶ谷高校2年生。吹奏楽部所属。担当はチューバ。もともとは廃部になる前の吹奏楽部所属だった。
椎名 ユカ (しいな ゆか)
根戸ヶ谷高校2年生。吹奏楽部所属。担当はテナーサックス。もともとは廃部になる前の吹奏楽部所属だった。
佐倉 (さくら)
根戸ヶ谷高校2年生。吹奏楽部所属。担当はフルート。もともとは廃部になる前の吹奏楽部所属だった。
丸山 一美 (まるやま かずみ)
根戸ヶ谷高校1年生。吹奏楽部所属。担当はクラリネット。八田正一のファン。
森 (もり)
根戸ヶ谷高校1年生。吹奏楽部所属。担当はクラリネット。
大倉 (おおくら)
根戸ヶ谷高校1年生。吹奏楽部所属。担当はユーホニウム。