おはようおかえり

おはようおかえり

鳥飼茜の初連載作品。京都を舞台に、堂本三姉弟の日常生活と彼らを取り巻く人間模様を描いたホームドラマ。家事も料理も完璧にこなす草食系男子の堂本一保と、超美人だけど家事がまったくできないズボラな二人の姉・堂本奈保子、堂本理保子のそれぞれの日常生活や恋愛物語が、京都の文化や食べ物、名所を交えながら展開される。講談社「モーニング・ツー」2010年37号から2012年62号にかけて掲載されたのち、同誌リニューアル後の「モーニングtwo」2012年12月号から2013年4月号にかけて掲載の作品。

正式名称
おはようおかえり
ふりがな
おはようおかえり
作者
ジャンル
恋愛
 
日常
レーベル
モーニング KC(講談社)
巻数
全5巻完結
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堂本三姉弟の視点から展開される人間ドラマ

本作は堂本一保、堂本奈保子、堂本理保子の三人の視点から描かれる。この三人のみならず、一保の彼女・新谷有里恵や職場の仲間たち、奈保子がかつて結婚していた松嶋春生とその家族など、魅力的な人物が多く登場するが、彼らは長所を台なしにするほどの欠点を持ち合わせており、姉弟とかかわることでそれらの要素が徐々に明らかになる。三姉弟もまた、彼らの人間性に触れることで結果的に大きな人生の岐路に立たされる。

堂本三姉弟を巡る恋愛模様

本作の特色の一つに、堂本三姉弟の波乱万丈な恋愛要素が挙げられる。三人は有能ながら不器用で、他者への愛情表現が致命的なまでに苦手という共通の欠点を持つ。堂本一保は女子大生の有里恵と交際していたが、持ち前の受け身体質が災いして破局し、のちに合同コンパで知り合った実佑紀と親密な関係となる。堂本奈保子は、一保が勤務する「福寿堂」の社長・福住伸一にアプローチされるも、離婚した松嶋春生が忘れられず、今でもその思いは変わらない。堂本理保子は、かつての恩師である深見と不倫関係にあり、自らに欠けているものを彼に求めている。彼らの不器用な恋愛模様は、よくも悪くも周囲に強い影響を及ぼし、三姉弟の成長の契機ともなる。

京都観光に役立つナビガイド

作者の鳥飼茜が京都の大学に通っていたこともあり、「鴨川・四条大橋」や「祇園・一平茶屋」をはじめ、京都のさまざまな名所、名店が登場する。堂本三姉弟が名所でデートしたり、料亭で食事をしたりするなど、読者がスムーズに京都を舞台にした物語に引き込まれるような工夫が凝らされている。さらに、単行本の巻末にはおまけページ「特製京都マップ」が設けられ、作中で登場人物たちが訪れた場所が紹介されているほか、名物料理や土産物の解説もされている。

登場人物・キャラクター

堂本 一保 (どうもと かずほ)

堂本奈保子と堂本理保子の弟。年齢は25歳。お香の老舗・福寿堂で営業職を務めている。整った容姿に加え、生真面目で几帳面なことから女性にモテる。関東出身の女子大生・新谷有里恵と付き合っている。一方で、女性に対して受け身体質であることが災いし、すぐに破局を迎えることも少なくない。マンションで一人暮らしをしているが、二人の姉がほぼ毎日部屋に入り浸っている。美人ながら私生活がだらしない姉妹の世話を押し付けられており、その経験から炊事や掃除が得意。特に料理の腕は一流で、姉妹からも絶賛されている。二人のズボラさに振り回されながらも、内心では彼女たちを大切に思っている。

堂本 奈保子 (どうもと なほこ)

堂本一保と堂本理保子の姉。年齢は31歳。理保子と共にアクセサリーショップを経営しており、その美貌と人当たりのよさから、男女問わず慕われている。一保の彼女・新谷有里恵から大人の女性としてあこがれの存在となっている。しかし、プライベートは理保子同様にだらしなく、その本性を知る一保を呆れさせている。かつて名家の養子・松嶋春生と結婚していたが、彼とのあいだに子供ができなかったため、養母から離婚を迫られてしまう。春生に対して未練を残しているため、彼が再婚して子供が生まれた今もその思いは変わっていない。

書誌情報

おはようおかえり 全5巻 講談社〈モーニング KC〉

第1巻

(2011-04-22発行、 978-4063729986)

第5巻

(2013-04-12発行、 978-4063872033)

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