おばけたんご

おばけたんご

相手に対するひけめから、自分の恋心に自信がもてない女の子の青春ラブストーリー。平成4年10月号から平成5年1月号まで、別冊マーガレット誌上で連載。時系列が戻るラストの約30ページの展開には色々な解釈ができるため、結末は読者の想像にゆだねられ、くらもちふさこの作品には珍しく発表当時から評価が二分されている作品。全1巻。

正式名称
おばけたんご
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おばけたんご
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概要・あらすじ

速水憧子には親が決めた婚約者・三好端午がいたが、7歳のときに交通事故でなくなった。その事故で生き残った少年は引き取られて三好陸郎となり、次の婚約者となる。高校生になり、陸郎は誰からも好かれる好青年に成長。そんな陸郎に対するひけめと、死んだ端午に対する後ろめたさから、憧子は自分の気持ちになかなか素直になれない。

「誰かに取られるくらいなら、いっそ陸郎を知らないほうがよかった」と思ったとき、憧子はバスケットボールに当たった衝撃から、事故で端午が死ななかった「もうひとつの世界」を見ることになる。

登場人物・キャラクター

速水 憧子 (はやみ あこ)

高校1年生で、開業医の一人娘。女の子らしくないので、周囲からは「野生のサル」と呼ばれている。親同士が決めた婚約者の三好端午を7歳の時に交通事故でなくし、それ以来、何かあると心の中で「たんごさま お願い」と祈るのがクセになっている。同じ事故で生き残った三好陸朗のことが好きだが、罪悪感と劣等感から素直になれない。

三好 端午 (みよし たんご)

7歳の時に交通事故で死んだ少年。速水憧子とは、親同士が決めた婚約者だった。大きな頭の持ち主で、虫や運動が苦手。憧子のことが好き。陸朗への幼い対抗心から、父親に車での無理な追い越しをお願いし、事故にあう。

三好 陸朗 (みよし りくろう)

速水憧子の婚約者。もともとは土方という姓で、憧子の父親の病院に入院していた。退院の日に交通事故にあい、両親をなくす。一人息子の端午をなくした三好家の希望で引き取られ、そのまま憧子の婚約者となる。高校生になり、東京にある養父母の家を出て、憧子もいる故郷のK市に戻って一人暮らしを始める。憧子の父親である若先生に憧れている。

山室 (やまむろ)

速水憧子の同級生。家庭が複雑で一人暮らしをしている。いわゆる不良少女で、髪を染めてパーマをかけ、たばこを吸っている。三好陸郎のことが好きで、いろいろな小細工をして近づこうとする。

若先生 (わかせんせい)

速水憧子の父親。速水病院のあととりで、医師。織田信長の大ファン。一人娘である憧子をかわいがり、「信長のような魅力がある」と思っている。

ばばちゃん

速水憧子の祖母。速水病院の院長夫人。三好陸郎をかわいがり、何かと世話を焼くが、不良と評判の山室が陸郎に近づいているのを知り、学校に報告をして停学にする。

向 比名子 (むかい ひなこ)

速水憧子の同級生で、友人。事故にあう前の三好陸郎と、幼稚園と小学校で同級生だった。

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