あらすじ
引きこもりの青年、緒山真尋は、妹の緒山みはりが発明した怪しげな薬を飲まされ、目覚めると女の子になっていた。みはりは、2年間も働かずに引きこもっていた兄に対し、薬の治験対象として少しは役に立ってほしいと勝手な言い分を主張する。ところが、女の子になった真尋が最初にしようとしたことがアダルトゲームだったため、みはりは呆(あき)れてしまう。(第1話「まひろとイケない身体」)
真尋は女の子になってもだらけた生活を送っていたが、珍しく早起きしていた。驚いたみはりが真尋に聞けば、好きなアニメのグッズがコンビニでもらえるため、出かけるつもりだという。引きこもりの真尋がついに自主的に外出するという事態に、みはりは喜びのあまり号泣する。みはりの大げさな態度に困惑しながら外に出た真尋は、駅前のコンビニで無事にグッズを手に入れる。すぐに帰宅しようとした真尋だったが、平日の午前中ということもあり、人の少ないゲームセンターに心惹(ひ)かれ、なんとなく入店してしまう。(第14話「まひろと小さな冒険」)
みはりの計らいで、真尋は中学1年生の女子として学校に通うことになった。最初は拒否していた真尋だったが、穂月もみじをはじめ友人もいっしょだと言われ、しぶしぶ登校することになる。転校生として扱われた真尋は、クラスメイトから質問攻めにされそうになるが、もみじたちのフォローもあってなんとか初日を切り抜ける。ところが、中身は男性のままの真尋は女子トイレにどうしても入ることができず、尿意を我慢したまま下校することになってしまう。(第21話「まひろと初登校」)
ある日の放課後、真尋はもみじや室崎みよの態度がよそよそしいことに気づく。少し前に誕生日を迎えていた真尋は、きっとみんながサプライズパーティーを計画しているに違いないと考え、一人で盛り上がっていた。しかし、桜花あさひに話しかけた瞬間に逃げられ、本当は友人たちに嫌われているのだとショックを受ける。落ち込んだまま日曜日を迎えた真尋だったが、自宅にやって来たもみじたちに祝福され、自分のカンちがいに気づくのだった。(第36話「まひろとサプライズ」)
真尋たちの学校で、授業参観が行われることになった。妹のみはりに来てほしくない真尋は、授業参観のプリントをこっそりと捨ててしまう。安心して参観日の日を迎えた真尋だったが、天川なゆたが保護者に来てもらえずに落ち込んでいる姿を見て、罪悪感を覚える。しかし、みはりは真尋が捨てたプリントに気づいており、教室に現れて真尋を驚かせる。しかし、白衣姿のみはりは教室中の注目を集め、真尋は恥ずかしい思いをすることとなる。(第48話「まひろと授業参観」)
テレビアニメ
登場人物・キャラクター
緒山 真尋 (おやま まひろ)
2年間も外に出ることなく、引きこもり生活を送っている若い男性。両親はずっと海外で暮らしているため、妹の緒山みはりと二人暮らし。趣味はいかがわしいアダルトゲームや、ネットゲームをプレイすること。あまりのクズニートぶりに呆れたみはりに、こっそり飲まされた薬のため、ある朝突然女の子になってしまう。見た目は女子中学生ながら、中身は男性のままなので戸惑うことが多い。家事をはじめとした生活能力は皆無で、生活をほとんどみはりに頼り切っている。長年の引きこもり生活のため、当初は近所に外出するのも困難だったが、穂月かえでや穂月もみじたちと親しくなり、徐々に人嫌いを克服する。みはりの計らいで当初は嫌々中学に通うようになるが、それなりに楽しく学校生活を送っている。時おり薬の力が切れて男性に戻ることがあり、そのたびにピンチを迎えるが、薬を飲めばまた女の子に戻る。
緒山 みはり (おやま みはり)
緒山真尋の妹で、大学に通う若い女性。成績優秀で飛び級したため、学年でいえば高校生にあたる。大学では吾妻ちとせと共に怪しげな薬を研究している。開発中の薬を真尋に飲ませて女の子にしたが、これは引きこもりの兄が変わるきっかけになってほしいとの思いからの行動でもある。服装には無頓着で、白衣を普段着代わりにしている。女の子になった真尋の世話を焼いており、小遣いをあげるなど妹のように接している。幼い時から兄が大好きで、よく甘えていた。今では立場が逆転しており、真尋のかわいさについつい甘やかしてしまうことが多い。
穂月 かえで (ほづき かえで)
穂月もみじの姉で、高校生の女子。緒山みはりの友人で緒山真尋を、みはりの妹だと思ってかわいがっている。ギャル風の派手な見た目ながら、料理が得意で家庭的な一面を持つ。妹のもみじに対しては、かわいがる一方で距離の取り方も心得ており、良好な関係を築いている。そのため、みはりが真尋との接し方に悩んだ時の相談相手になることも多い。中学時代はあか抜けていなかったが、高校デビューを果たした。
穂月 もみじ (ほづき もみじ)
穂月かえでの妹で、中学生の女子。緒山真尋がスーパーまで買物に出かけたものの、人ごみに困惑していた真尋を助けたことがきっかけで親しくなる。ショートヘアやボーイッシュな服装のため、最初は真尋から男の子だと思われていた。桜花あさひや室崎みよと仲がよく、いつもいっしょに行動している。真尋を大切な友人と思っているが、真尋がほかの友人となかよくしていると無意識に嫉妬してしまう。
桜花 あさひ (おうか あさひ)
穂月もみじや室崎みよの友人で、中学生の女子。明るく無邪気な性格で、誰とでもすぐに打ち解けることができる。緒山真尋が学校に通い始める前、もみじを通じて友人になった。あまり深く物事を考えないタイプで、思ったままを口にしてしまう欠点がある。勉強は苦手で、定期テストの前は人が変わったように元気がなくなってしまう。自分の気持ちに正直なため、感情を隠すのを苦手としている。
室崎 みよ (むろさき みよ)
穂月もみじや桜花あさひの友人で、中学生の女子。お下げ髪で、温厚な性格をしている。緒山真尋が学校に通い始める前、もみじを通じて友人になった。女の子同士の恋愛に興味があるらしく、真尋やもみじ、あさひが親しげにじゃれ合っている様子を見て楽しそうにしている。年齢の割に発育がいいため、体育の授業では周囲の視線を気にしている。料理の腕前は壊滅的だが、室崎みよ自身はまったく自覚していない。趣味は百合漫画を読むことだが、周囲には秘密にしている。
天川 なゆた (てんかわ なゆた)
緒山真尋が、中学2年生に上がった時のクラスメイトの女子。一人称は「ぼく」で、いつも落ち着いた感じの敬語を使う。真尋が男性であることを知っていたため、当初は真尋を驚かせた。実は緒山みはりの大学の関係者で、真尋の学校生活をサポートするために派遣されてきた。研究者の吾妻ちとせを姉のように慕っており、吾妻の助手を自称している。大人びた雰囲気を漂わせており、同世代の友だちと接するのを苦手としている。
吾妻 ちとせ (あづま ちとせ)
大学で教員を務めている若い女性。緒山みはりの研究室の先輩で、指導教員でもある。校医として緒山真尋の学校の健康診断を担当したことがある。女の子に興味があるらしく、真尋の診察ではセクハラ気味の対応をしていた。人を褒める時には、自分の似顔絵入りのシールをあげるなど、風変わりな言動が目立つ。しかし探究心が旺盛で、真尋を女の子に変えた薬の開発に大きく貢献した。天川なゆたを親代わりとして面倒を見ている。真尋の様子を観察するため、なゆたを真尋の通う学校に送り込んだ張本人。
書誌情報
お兄ちゃんはおしまい! 7巻 一迅社〈IDコミックス〉
第1巻
(2018-06-27発行、 978-4758067508)
第2巻
(2019-01-26発行、 978-4758067928)
第3巻
(2019-09-27発行、 978-4758068284)
第4巻
(2020-07-27発行、 978-4758068833)
第5巻
(2021-05-27発行、 978-4758069175)
第6巻
(2022-04-27発行、 978-4758069779)
第7巻
(2023-01-07発行、 978-4758084000)