来栖ありすはクールでいたい

来栖ありすはクールでいたい

代々ドジな家系に生まれた令嬢の来栖ありすは、周囲にその事実を悟られないよう、無茶な理論で自分のドジを否定し続けていた。そんな彼女を心配する男子の鈴木と、彼の追及をかわすため墓穴を掘り続けるありすの姿を描く、ハイテンションラブコメディ。「月刊コミック電撃大王」2019年6月号から掲載の作品で、御眼鏡にとって初の連載作品でもある。

正式名称
来栖ありすはクールでいたい
ふりがな
くるすありすはくーるでいたい
作者
ジャンル
美少女・萌え
関連商品
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あらすじ

第1巻

数学の授業中、先生に指された来栖ありすは、黒板の前でクールに数式を解いた。だが、そこから自分の席に戻る途中、ありすはつまづいて盛大に転んでしまう。心配する先生をよそに、ありすはたまたま手近なところに落ちていた消しゴムを拾い上げて事もなげに立ち上がり、今のは転んだのではなく、単に学友の落とした消しゴムを拾ってあげただけだと強弁する。しぶしぶ納得した様子を見せる先生と周囲のクラスメートを尻目に、ありすは今日もまた不意のトラブルをクールに回避できたと、心の中で自画自賛しながら席に着く。だがそこにただ一人、保健委員の鈴木だけは、本当に大丈夫なのかとしつこくありすに絡んでくる。転倒した時に打ち付けた右膝の痛みから、ありすは単なる打ち身では済まないであろうことを想定していたが、ケガを認めることはすなわちドジを認めること。自分がドジだとバレることによるイメージの失墜を何よりも恐れるありすは、ケガなどしていないと鈴木を納得させるため、捨て身の作戦に打って出る。(第1話「来栖ありすは転んでない」。ほか、5エピソード収録)

登場人物・キャラクター

来栖 ありす (くるす ありす)

代々とんでもないドジの家系である来栖家の令嬢で、高校生。黒髪ロングへアで左目の下にほくろのある、勝気な表情の美少女。ふだんはクールに装っているが、家系からくる天性のドジっ娘気質で、なにをしていてもすぐにミスをしてしまう。しかもそれによって骨にひびが入るほどのケガを負ったり、40度の高熱のカゼを引いたりと、被害も毎回、決して小さくはない。だが、妄想をこじらせた結果、そんな自分の本性が周囲に知られたらイメージが崩壊し、恥辱と侮蔑にまみれた学園生活を送ることになるとおびえており、どんなドジをしてもミスではなく狙ってやったことだと、クールな顔で言い訳をする。そのためであれば、骨にひびの入った患部を人に触らせたり、その足で軽やかにステップを踏んだりすることも厭わない、並外れた根性の持ち主。ただし、そんなやせ我慢によって状況をますます悪化させることも多い。ちなみに、来栖ありす自身はこれにより毎回うまく切り抜けていると考えているが、あまりにも無理があるため、唯一の例外である鈴木を除き、周囲にはありすが虚勢を張っていることはバレている。それでも周囲はありすを気遣って彼女に合わせているが、当のありすはそのことに気づいていない。なお、ありす自身は自覚していないものの、親身になって自分を心配してくれる鈴木のことを意識しており、そのせいで彼の前では動揺からドジがひどくなる傾向がある。特に本が好きなわけではないが、図書室の雰囲気がクールだからという理由だけで、学校では図書委員を務めている。

鈴木 (すずき)

来栖ありすのクラスメートの男子高校生。ショートヘアのあちこちをピンピンと跳ねさせた、素朴な顔立ちのかわいらしい少年。保健委員ということもあり、なにかと盛大なドジをやらかすありすの体を心配している。だが、とにかく素直で純粋な性格なため、毎回ありすの体を張った言い訳に丸め込まれている。鈴木本人はまったく意図してはいないものの、その素直さと優しさが、虚勢を張るありすを逆に追い詰めることも多い。

小向 こむぎ (こむかい こむぎ)

来栖ありすのクラスメートの女子高校生。年齢は16歳。ふんわりとしたセミロングヘアの少女。ありすとは自他共に認める親友で、それゆえに彼女が実際はクールを装っているだけのとんでもないドジであることも、おおよそ把握している。それでもありすの自尊心を尊重して、クールぶろうとする彼女に付き合っている。一方でありすのそんな姿から、自分に対して心を開いていないのではないかと不安を覚えることもある。ありすのドジの言い訳が変な方向に作用した結果、鈴木といい雰囲気になっている場面をよく目撃しており、二人の関係を疑っている。食べることが大好きで、「三度の飯よりご飯が大好き」と公言している。

三月 みこと (みつき みこと)

来栖ありすの家でメイドして働く少女。年齢は16歳。淡い色のショートへアで後頭部に大きなリボンを付け、前髪を長く伸ばして右目を隠している。ドジの家系である来栖家の者がふつうに生活すると甚大な被害を引き起こしかねないため、代々メイドとして仕え、来栖家のドジをフォローしてきた三月家の一員。その経緯から、コーヒーをカバンの中にこぼしたとありすに呼ばれた際にも、わずか5分でその対処も含めて部屋中をピカピカに清掃するなど、メイドとしての能力は非常に高く、ありすからの信頼も厚い。ふだんはデキるメイドとしてクールに装っているが、ありすのことがとにかく大好きで、お嬢様であるありすのことを内心では「あーちゃん」呼ばわりして愛でている。また、ありすに褒められただけで、恍惚の表情で「無限の愛」と称するよだれをボタボタ垂らし、ありすが脱いだタイツのにおいをかいで興奮のあまり濁流のようによだれを吹き出したりと、彼女への思いはとどまるところを知らず、もはや「変態」の一言では言い表しきれないレベルに達している。ちなみに、自分の本性をありすに知られて大変なことになる場面をよく妄想してはおびえており、さまざまな策を弄して虚構の自分を保っている時点で、ある意味でありすとは同類。ありすにはそんな本性を知られていないが、それはありすのドジなところが、三月みことに都合よく作用しているからでもある。

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