概要・あらすじ
江戸時代後期の1835年、四国土佐藩の下級武家である豪士の坂本家に男の子が生まれた。坂本竜馬と名付けられた少年は泣き虫だったが、その心根のまっすぐさで周囲の人々を魅了していく。同郷の豪士の少年である武市半平太や岡田以蔵とすくすく育つが、成長するにつれて、土佐藩の上級武家である上士達の理不尽な差別に憤り、世の中を変えようと思い立つ。
そして、幕末の動乱の時代へと飛び込んでいった。
登場人物・キャラクター
坂本 竜馬 (さかもと りょうま)
1835年に四国の土佐藩で生まれた、下級武家豪士の青年。少年時代は縮れ毛のいじめられっ子だったが、成長すると土佐藩でも有数の剣士となり、上級武家上士が差別的に支配する藩のあり方を変えたいと望む。 しかし剣術修行のために遊学した江戸で、アメリカの軍艦である黒船の来訪に遭遇。長州出身の兵学者吉田松陰に広い世界の存在を教えられ、土佐藩のみならず、日本全体の改革を志す。実在の人物。
岩崎 弥太郎 (いわさき やたろう)
土佐藩の下級武家である豪士だが、重臣の吉田東洋の配下で下目付と呼ばれる密偵をしているので、同じ階級の豪士達からは忌み嫌われている。野心家で常に上昇するチャンスを伺い、情報と経済が世の中を動かすことに逸早く気づいている。 吉田東洋 の命令で坂本竜馬を監視し、その先進的な発想に驚嘆すると同時に嫉妬もしていた。実在の人物。
佐々木 加代 (ささき かよ)
四国の土佐藩家老の娘。少女時代に坂本竜馬に出会い、興味を持つ。成長すると坂本竜馬に想いを寄せていたが、上級武家の上士である自分とは身分が違い、結ばれぬと諦めて、江戸の旗本の家に嫁いだ。 架空の人物。
土佐勤皇党 (とさきんのうとう)
『お~い!竜馬』に登場する組織。四国の土佐藩の下級武家である豪士の武市半平太を中心に結成され、天皇中心の国家改革を志向している。構成員は豪士を中心とし、土佐藩の身分制打破をも合わせて志向しているために、上級武家の上士からは危険視されている。 上士の名門である重臣吉田東洋によって弾圧されるが、リーダーの武市半平太は幼馴染の岡田以蔵を刺客として差し向け、暗殺する。
岡田 以蔵 (おかだ いぞう)
四国の土佐藩出身。下級武家の豪士よりも階級の低い足軽出身の坂本竜馬の幼馴染。少年時代は坂本竜馬を苛めていたが、その人間としての度量の大きさに気づいて親友となる。成長してからは凄腕の剣士になるが、やはり幼馴染の武市半平太のために、勤皇派組織土佐勤皇党の刺客として活動。 土佐藩重臣の吉田東洋の暗殺にも参加した。実在の人物。
山内 容堂 (やまのうち ようどう)
土佐藩の藩主。上級武家である上士以外は虫けら同然と見做す傲慢な君主で、自分が乗る篭の前を横切った少年を機嫌を損ねて切り殺した。藩内で勢力を拡大した勤皇派組織土佐勤皇党を憎悪し、そのリーダー武市半平太を懐柔しつつ、利用価値が無くなると態度を一転させて投獄する。 実在の人物。
武市 半平太 (たけし はんぺいた)
坂本竜馬の幼馴染。四国の土佐藩の下級武家の豪士の上層出身で、文武両道の秀才。成長し、動揺する世情の中で天皇中心の国家体制を構築する勤皇運動に傾倒。土佐藩に勤皇派組織土佐勤皇党を結成し、リーダーとなった。 その際、武市瑞山と改名する。実在の人物。
吉田 東洋 (よしだ とうよう)
土佐藩の重臣。上級武家である上士の名門出身であり、下級武家の豪士を「犬」と呼んで蔑む。勤皇運動をする豪士の武市半平太の動きを危険視して弾圧するが、逆に勤皇派組織土佐勤皇党の刺客岡田以蔵によって暗殺された。 実在の人物。
吉田 松陰 (よしだ しょういん)
江戸遊学中の坂本竜馬 が、来航した黒船を見に行った時に出会った、長州出身の兵学者。外国の侵略に晒される日本を憂い、徳川幕府の無策に憤っていた。その思想は、坂本竜馬に強い影響を与える。 実在の人物。
千葉 さな子
江戸の剣術道場である千葉道場の一人娘。北進一刀流の達人で、暴漢も傘一本で一蹴する腕前。千葉道場に剣術修行に来た坂本竜馬と接する内に恋に落ち、遂には自分から結婚を求めて告白するが、国事に奔走する事を理由に断られる。 しかし、その後も坂本竜馬を想い続けた。実在の人物。
坂本 乙女 (さかもと おとめ)
四国の土佐藩の武家の女性で、坂本竜馬の姉。勝気で男勝りな性格。母を早くに亡くした坂本竜馬の母親替りとなって面倒をみた。成長してからは、勤皇運動に傾倒する坂本竜馬を支援し続けた、最大の理解者だった。 実在の人物。
ジョン・エリック (じょんえりっく)
土佐藩に漂着したアメリカの捕鯨船の船員。日本人から「天狗」と誤解されて迫害されるが、少年時代の坂本竜馬に出会って、その協力で日本から脱出に成功。その後、娘のマーガレットを連れて、日本を再び訪れ、青年になった坂本竜馬に再開する。 架空の人物。
場所
土佐藩 (とさはん)
『お~い!竜馬』に登場する封建領邦。現在の日本の四国、高知県に相当する領域に、江戸時代に実在した領邦。大名である山内容堂を藩主とし、武家は上層の上士と下級の豪士に別れる、厳格な身分制度を敷いていた。 幕末には天皇中心の国家改革を志向する組織土佐勤皇党が勢力を伸張させる。
その他キーワード
上士 (じょうし)
『お~い!竜馬』に登場する社会階級。四国の土佐藩の上級武家の総称。江戸時代初期に、現在の藩主山内容堂の祖先である山内氏が移封されてくる際にやって来た武家の子孫から構成される。藩の権力を独占し、山内氏移封以前から住む土着の武家を下層階級の豪士として差別し、弾圧する。 重臣の吉田東洋や家老の娘佐々木加代がこの階級に属する。
豪士 (ごうし)
『お~い!竜馬』に登場する社会階級。四国の土佐藩の下級武家の総称。江戸時代初期に、現在の藩主山内容堂の祖先である山内氏が移封されてくる以前から暮らしていた土着の武家達である。山内氏に伴って入ってきた武家の子孫である上級武家の上士によって地位、服装、行動などを厳しく差別されている。 坂本竜馬やその幼馴染の武市半平太もこの階級に属する。
黒船 (くろふね)
『お~い!竜馬』に登場する乗り物。幕末の日本に来航したアメリカ海軍の軍艦。鎖国体制を敷いていた日本に外交関係を要求する。江戸遊学中の坂本竜馬も、これによって、日本の外にある世界の存在を意識し、新しい日本のあり方を志向するようになった。
クレジット
原作
お~い!竜馬 (おーい りょうま)
幕末の英雄、坂本竜馬の生涯を幼少期の頃から描いた歴史大作。竜馬好きで知られフォークグループ「海援隊」を率いる歌手であると同時に、自身も竜馬を演じたことがある俳優の武田鉄矢が原作を担当。シリーズ前半は想... 関連ページ:お~い!竜馬