概要・あらすじ
春秋戦国時代中国の西方の国・秦で暮らす少年、信と漂は、戦で武功を立て天下の大将軍になる夢のため、日々鍛錬を続けていた。大臣・昌文君の目に留まった漂は王宮に召し上げられたが、ある日瀕死の状態で戻ってくる。
死の直前に漂から託された地図にある村を訪れた信は、漂とうり二つの少年・政に出会った。この少年こそ秦王・政、後の始皇帝だった。信と政、二人の中国統一への戦いが始まる。
登場人物・キャラクター
信 (しん)
戦争孤児で下僕として働く少年。幼馴染みの漂と共に名を轟かす夢を抱いている。暗殺の危機にあった秦王・政を助けたことにより、天下の大将軍への路を歩み始める。
嬴 政 (えい せい)
先王が趙の人質になっていた時代に産まれた出自のため、王族の母を持つ弟に王都を追われたが、信に出会い共に戦いながら王都を奪還した。後の始皇帝。
漂 (ひょう)
信の幼馴染みで親友。姿形が政にうり二つだったため、影武者として身代わりとなって死ぬ。死に際して信に政の将来を託した。性格は温厚、剣技にも優れていた。
昌文君 (しょうぶんくん)
政の数少ない腹心として、命を狙われる彼のために、漂を都に召し上げた他、反撃の軍を組織し、政の帰還を助けた。
河了 貂 (かりょう てん)
山民族の末裔で梟の頭を模した蓑を被っている。金のために 信と共に政の王都奪還に協力する。女性なのだが、信は男と信じて疑わない。
王 騎 (おう き)
秦国六大将軍の一人として、武名を中華全土に轟かせている。「怪鳥」の異名を持つ。秦王昭に仕えた後、一線を退いていたが、突如復帰し信の戦いに介入した。信が軍人・人間として成長する過程で多大な影響を与えた事実上の師にあたる。 想い人であった女性将軍の摎を殺した龐煖との一騎打ちの末、重傷を負い死ぬ。その際に自分の矛を信に託した。
壁 (へき)
昌文君の副官で、王都を追われた政の護衛役として彼に従う。性格は生真面目で、何事にも雑な信の扱いに苦慮しながらも、実の弟のように接していた。政の王都復帰後、千人将に昇格する。
楊 端和 (よう たんわ)
「山界の死王」と呼ばれる山の民の最大勢力を統べる女性。王都奪還の助力を求めに来た政に対し、一族がかつて信義を結んでいた秦に裏切られた経緯から、彼の命を奪おうとするが、彼の信念を観て加勢を決意し、王都に攻め入り政の勝利に貢献した。
羌 瘣 (きょう かい)
巫舞(みぶ)を舞い、流れるように人を殺す伝説の刺客一族の少女。信が率いる軍団「飛信隊」の副長となり信と行動を共にする。
龐 煖 (ほう けん)
趙の三大天の一人と称される常人離れした実力を持つ武人。戦争の帰趨に興味がなく、ただ強い者を倒すことだけに意義を見出している。羌瘣の纏う剣客の気配を嗅ぎつけて信達の野営地に現れ、信に斬られながらも問題にしなかった。 敵対視していた王騎との一騎打ちで、彼に致命傷を与え死に至らしめたが、その後も彼に勝った実感が持てずにいる。