概要・あらすじ
時は戦国時代、武将醍醐景光は天下取りの野望の引き換えに、生まれてくる我が子の体を四十八体の魔物に生贄として差し出した。父に捨てられ、医者の寿光に拾われた子供は、百鬼丸と名付けられ、義手や義足で体を補われるが、四十八体の魔物の呪いによって妖怪達を引き寄せる運命を背負ってしまった。
成長した百鬼丸は自らの出生の秘密を知り、奪われた体を取り戻すべく放浪の旅へ出る。そして、泥棒の子供どろろに出会い、妖怪を倒す旅を続ける。
登場人物・キャラクター
百鬼丸 (ひゃっきまる)
戦国時代の武将醍醐景光の息子。天下取りを願う父が四十八体の魔像と取引したために、体の四十八箇所が欠損した状態で生まれた。すぐに父によって捨てられるが、医者の寿光によって拾われ、百鬼丸と名付けられた。 十数年後、四十八体の魔像から自らの出生の秘密を告げられると、奪われた体を取り戻すために寿光の元を旅立つ。視覚や聴覚の能力は無いが、テレパシーで外界と接することが出来る。寿光の作った義手に刀、義足には強力な酸を仕込んでいる。 旅の途中で、犬のノタや泥棒の子供どろろと出会い、共に行動する。四十八体の魔物を倒す度に、体の一部を取り戻す。
どろろ
夫婦野盗の火袋とお自夜の子供。幼い頃に両親を侍に殺され、天涯孤独で戦乱の世を生き抜いている。身のこなしは俊敏で、妖怪と戦う百鬼丸を得意な石の投擲で助けることもあった。身なりは少年だが、実は少女である。
多宝丸 (たほうまる)
戦国時代の武将醍醐景光の息子で、百鬼丸の弟。生まれてすぐに捨てられた百鬼丸の替りに嫡男として育てられた。兄の存在を知らずに育ち、父が造らせたばんもんへとやってきた百鬼丸と出会う。 右目を盲いている。兄とは知らず、百鬼丸と対決した。
四十八体の魔物 (しじゅうはちたいのまぞう)
『どろろ』に登場する魔物。地獄堂と呼ばれ御堂にある四十八体の魔像に宿り、戦国時代の武将醍醐景光が天下取りの野望と引き換えに、生贄に差し出された百鬼丸の体の一部を奪った。その後、成長した百鬼丸に出生の秘密を伝え、旅立ちのきっかけを作る。 戦乱の世の各地に潜み、人間を食い物にしている。四十八体の中には万代やマイマイオンバなどがいた。
ノタ
『どろろ』に登場する犬。戦乱で焼け出された村の生き残りの少女みおや孤児達と共に暮らしていた子犬。みお達の死後は百鬼丸と共に旅をする。いつも被っている烏帽子がトレードマーク。
みお
戦乱で焼かれた村で、生き残った孤児達と共に焼け残った御堂で暮らしていた少女。旅の途中で出会った百鬼丸が初めて想いを寄せた女性だったが、御堂から立ち退かそうとした侍達に子供達と共に殺される。
寿海 (じゅこう)
生まれてすぐに父の醍醐景光に捨てられた百鬼丸を拾い、育てた医者。体のあちこちが欠損した百鬼丸のために義手、義足、義眼などを作った。出生の秘密を知った百鬼丸に運命を切り開くために旅立つことを促し、義手や義足に身を守る武器を仕込んだ。 過去には、武家に仕えていた。百鬼丸の名付け親でもある。
琵琶法師 (びわほうし)
放浪の旅をするの前に度々現れる謎の法師。目は見えないが、勘が鋭く、人生への洞察も深い。生きる道に迷う百鬼丸おにしばしば助言を与えて導いた。持ち歩く琵琶には刀を仕込んでおり、剣の腕も確か。
醍醐景光 (だいごかげみつ)
百鬼丸の父親である、戦国時代の武将。加賀の守護大名である富樫正親の家臣だが、天下取りの野心を抱き、四十八体の魔物と我が子の体を引き換えに取引をする。その取引の証として、額に「×」の印をつけられた。 妻のお縫の方の嘆きも無視して、生まれたばかりの百鬼丸を捨てさせ、その後生まれた多宝丸を嫡男として育てる。
お縫の方 (おぬいのかた)
戦国時代の武将醍醐景光の妻で、百鬼丸の母親。生まれてすぐに百鬼丸を夫の命で捨てさせられた。成長した百鬼丸と再開し、自分の子であると確信する。
場所
ばんもん
『どろろ』に登場する建築物。戦国時代の武将醍醐景光が征服した村の中に建てさせた、領地の境界を占める巨大な板塀。この塀を越えようとした者は醍醐景光によって処刑される。そのため、多くの家族が生き別れになった。