同居から始まる恋愛模様
社内で仕事ができると評判の歩は、そのクールな雰囲気から周囲に距離を置かれ、近寄りがたい存在と思われていた。そんな歩は、密かに交際していた上司の熊谷から一方的に別れを告げられ、初めての失恋に深く傷つく。気分転換を図るため、歩は入院中の祖父の家へ移り住むことを決意。すると、祖父の釣り仲間であり、同じ会社の同期である谷地が家の管理をしていることが判明する。さらに、寮の建て替えで住む場所を失った谷地から同居を頼まれ、二人は同居生活を始める。人付き合いが苦手だった歩は、谷地の影響で少しずつ周囲に心を開いていく。やがて歩は谷地に恋心を抱くが、不器用な彼女はなかなか気持ちを伝えることができない。お互いに意識し合いながらも一歩を踏み出せない、じれったくも愛おしい二人の関係が、本作の大きな見どころとなっている。
不器用女子と人気者男子の同居ラブストーリー
歩は感情を表に出すのが苦手で、人付き合いもあまり得意ではない。そのため、周囲からは冷たく不愛想な人物だと誤解されがちだが、実際の彼女は困っている人を見過ごせない、優しさと正義感を持つ女性だった。歩自身も、一部の人にだけ理解されれば十分だと考え、自ら心を閉ざしていた。一方、同期の谷地は、いつも笑顔を絶やさず、年齢や性別を問わず誰からも愛される人気者だが、時には子供っぽい一面で歩を振り回すこともあった。そんな正反対の二人が同居生活を通じて少しずつ心を通わせていく。最初はぎこちなかった関係だったが、やがて歩が谷地を異性として意識し始め、二人はゆっくりと惹かれ合っていく。
両思いになってからの試練
入院していた歩の祖父が退院することになり、谷地は引っ越しを検討し始める。そんな中、歩と谷地は互いに同僚や同居人以上の存在であることに気づき、恋人同士となる。しかし、幸せな時間も束の間、二人の前には次々と試練が立ちはだかる。歩の元恋人であり上司の熊谷が復縁をせまってきたり、社内で人気の受付嬢、里中綾野が谷地に積極的にアプローチし、歩に対して挑発的な態度を見せる。さらに、会社で公認のカップルとなったあとも、支社からやってきた営業部の佐内が、なんと会社の前で歩に告白する。この出来事をきっかけに、歩は谷地と付き合いながら佐内に思わせぶりな態度を取っていると噂され、非難を浴びてしまう。次々と降りかかるトラブルの中、歩と谷地はお互いを信じ合い、絆を深めながら困難を乗り越えていく。
登場人物・キャラクター
藤田 歩 (ふじた あゆむ)
とある会社の営業部に所属する女性。頭脳明晰で容姿端麗なクールビューティーだが、幼い頃から社交性に乏しく、感情を表現するのが苦手だった。そのため、周囲から誤解されることが多く、そのたびに面倒に感じて心を閉ざすことが少なくなかった。かつて恋人だった上司の熊谷から、営業成績で彼を上回った途端、プライドを傷つけるような言葉で一方的に振られてしまう。そんな彼女の凍りついた心を変えたのは、同僚の谷地との出会いだった。彼とかかわるうちに、次第に人と向き合うことの大切さを学び始める。会社では決して見せない柔らかな笑顔をプライベートで見せるようになり、そのギャップが谷地の心を強く惹きつけている。
谷地 俊輔 (やち しゅんすけ)
歩と同じ営業部に所属する同期の男性。誰に対しても分け隔てなく接する社交的な性格で、周囲を明るくするムードメーカー的な存在。失恋で傷ついていた歩をさりげなく励ますなど、細やかな気配りにも長けている。会社の寮の建て替えで住む場所を失ったため、歩と同居を始める。しかし、これは実は結婚する同僚のために、自分が契約していた物件を譲ったものだった。谷地の親切心は計算によるものではなく、あくまで天性のものであり、本人は「いい人」と扱われることに違和感を覚えている。また、人当たりのよさを上司に利用され、損な役回りを押し付けられることに内心複雑な思いを抱えている。そんな自分の苦悩や弱さもすべて受け入れてくれる歩を、かけがえのない存在として心から大切に思っている。
書誌情報
きっと愛してしまうんだ。 7巻 小学館〈フラワーコミックス α〉
第1巻
(2016-06-10発行、978-4091383549)
第2巻
(2016-11-10発行、978-4091387684)
第3巻
(2017-04-10発行、978-4091392695)
第4巻
(2017-09-08発行、978-4091394408)
第5巻
(2018-02-09発行、978-4091398284)
第6巻
(2018-09-10発行、978-4098701698)
第7巻
(2019-01-10発行、978-4098703593)







