心愛の仮の彼氏になる龍斗
高校時代、オタクな陰キャだった鈴木龍斗は、大学入学をきっかけにイメージチェンジ。なんとか陽キャグループに入るが、周囲のノリについていけず、飲み会では陰キャな素顔を見破られそうになる。トイレを口実に逃げ出したところ、廊下で美少女の吉崎心愛と話す機会を得る。意外にも陰キャで、飲み会が苦手という心愛と意気投合した龍斗は、彼女と連絡先を交換した。飲み会からの帰り、最近怪しい人に付きまとわれているという心愛は、ストーカー対策で、龍斗に彼氏のフリをしてくれないかと懇願する。かわいくて純真な彼女に淡い恋心を抱き始めていた龍斗は、仮の彼氏になることを承諾。しかし、この小さな選択が龍斗の運命を大きく変えることになる。
第一の殺人
同級生のアラタや心愛ら8人で出かけた、奥多摩でのバーベキューで事件が起きる。龍斗と心愛が仲よくしていることに嫉妬したアラタがトラブルを起こし、心愛を突き飛ばしたうえに龍斗を殴ろうとする。そこに突然、心愛のストーカーが現れ、アラタをナイフで突き刺した。さらに心愛を連れ去ろうとするストーカーを止めようとした龍斗は、誤って相手の腹にナイフを突き立ててしまう。傷を追ったストーカーはどこかに消え、龍斗は警察の事情聴取を受けた後、自宅待機となった。その後、心愛が龍斗の家を訪れた際、彼女を尾けていたストーカーが部屋に侵入。心愛と無理心中しようとするストーカーを、龍斗はフライパンで殴り倒す。自分の人生が終わったことを悟った龍斗は自殺しようとするが、心愛に阻止される。龍斗を抱きしめて「一緒に生きよう」と言う心愛のあたたかさに癒やされた龍斗は、地獄の人生を送る決意をした。
謎めいた心愛の過去
陽キャグループの底辺にいる龍斗が、同級生の美少女・心愛の仮の彼氏となったことから、次々と殺人を起こすことになるサスペンスストーリー。物語冒頭は、龍斗が風呂場で何者かの死体を解体するシーンから始まっており、主人公の悲惨な運命を予感させる。龍斗の第一の殺人は、心愛に付きまとうストーカーが被害者だが、心愛には他にも男の影がある。また、龍斗の事件とは別に、連続して学生が襲われる事件が起きていて、どうやらそれも心愛と関係があるらしい。本作の鍵となるのは、心愛が歩んできた人生であり、物語が終盤に近づくにつれ、徐々に彼女が抱える問題が明らかになっていく。
登場人物・キャラクター
鈴木 龍斗 (すずき りゅうと)
気が弱く心優しい大学生の青年。高校の時は童貞のオタクだったが、大学進学をきっかけに、心機一転して陽キャに変身しようとする。同級生の美少女・吉崎心愛と仲よくなり、ストーカー被害対策として仮の彼氏になったことから、トラブルに巻き込まれる。
吉崎 心愛 (よしざき ここあ)
鈴木龍斗の同級生である女子大学生。黒のロングヘアーや巨乳が特徴の誰もが認める美少女だが、外見に反して陽キャグループが苦手で、龍斗と仲よくなる。ストーカー被害に遭っていたため、龍斗に頼んで彼の彼氏になってもらう。控えめな性格だが、龍斗の悪口を言う同級生に、頭から水をぶっかけるなど、大胆な行動も目立つ。
書誌情報
きみに恋する殺人鬼 5巻 小学館〈裏少年サンデーコミックス〉
第1巻
(2021-06-10発行、 978-4098505951)
第2巻
(2021-10-12発行、 978-4098507528)
第3巻
(2022-03-18発行、 978-4098510344)
第4巻
(2022-08-19発行、 978-4098512447)
第5巻
(2022-10-19発行、 978-4098513420)