5人の女子プロレスラーに囲まれる主人公
記憶喪失のまま、女子プロレス団体「エル・パラシオ」で、雑用係兼レフェリーとして暮らすことになった大岡忠輔が主人公。「エル・パラシオ」には14歳の女子中学生から25歳のお姉さんまで、5人の女子プロレスラーが生活している。男1人対女5人というハーレム状態の中、「彼女たちの入浴を覗いてしまう」「偶然下着にまみれる」「練習台になりプロレス技で密着する」といったハプニングが頻発する。そんな中、軸になるのは、忠輔と須弥仙桜花の恋愛である。また、ストーリー後半では忠輔の記憶が少しずつ戻り、忠輔と桜花の秘められた過去も明らかにされていく。
記憶喪失の真面目な青年×ドSで強引な女子プロレスラー
忠輔は、個性が強すぎる女子プロレスラーとの生活の中にあって、ごく一般的な感覚を持った青年。強引過ぎる桜花に反発を抱きながらも、日々の雑務とレフェリー修行をまじめに行う。桜花の部屋で半分に破かれた写真を見つけ、昔の彼氏が写っていたのではと邪推。自分には関係ないと思いながら、もやもやした気持ちを払拭できず、自分の気持ちの変化に気がつく。一方桜花はドSな乱暴者で、忠輔を「下僕」として扱い、一度たりとも「男」として見たことはないと言い放つ。そんな桜花だが、喧嘩をして忠輔が出ていってしまった時は、「誰でも私の下僕になれると思うなよ」というツンデレな言葉で仲直りした。こうして少しずつだが、お互いが必要不可欠な存在であることに二人は気づいていく。
「エル・パラシオ」の個性的な面々
「エル・パラシオ」には、桜花の他に4人の個性的な女子プロレスラーが所属している。常にウサギ耳の覆面をつけていて、仲間にも素顔を見せないバニー・キサラギ、大食らいの現役高校生レスラー・牧原いつか、普段は温厚なお姉さんだがリングでは拳銃をぶっ放す悪役・棚橋万里子、現役中学生レスラーで最年少の浅野陽向の面々である。陽向はいつも忠輔に優しく接するが、じつはひそかに恋心を抱いている。そして忠輔と桜花の仲を疑い「恋もプロレスも桜花に勝てるくらいに強くなる」という気持ちで、プロレス修行に励む。
登場人物・キャラクター
大岡 忠輔 (おおおか ただすけ)
高校生か大学生ぐらいの青年。交通事故に遭遇し、女子プロレス団体「エル・パラシオ」のジム兼住居で目を覚ます。事故のショックで記憶をなくしているが、「エル・パラシオ」のリーダー、須弥仙桜花(しゅみせんおうか)に命を救われたという。桜花の下僕となることを強要され、「エル・パラシオ」の雑用係兼レフェリーとして新しい生活を送ることになる。なお、住まいは「エル・パラシオ」の屋上に建てられた犬小屋のような場所。また、大岡忠輔という名前は「大岡越前守忠相の子孫としてリングで裁きを下す」という設定で、桜花に付けられたもの。
須弥仙 桜花 (しゅみせん おうか)
女子プロレス団体「エル・パラシオ」のエース。赤毛が特徴の20歳の女性。身長178センチメートル、体重60キログラム。スリーサイズは、B95センチメートル、W63センチメートル、H90センチメートル。女子レスラーの中でもトップクラスの身長とパワーの持ち主で、「最強」だと信じるファンも多い。得意技は裏拳とジャンピング・ニー。フィニッシュホールドはバックドロップ。ある日、トラックに轢(ひ)かれそうになった青年を助け、彼の身元引受人となり「エル・パラシオ」に連れ帰った。時代劇が好きなことから、青年に大岡越前守忠相に由来する「大岡忠輔」という名前を与え、「エル・パラシオ」の雑用係兼レフェリーに任命する。ドSな乱暴者で、忠輔を下僕扱いしているが、照れ屋でかわいらしい一面もある。
浅野 陽向 (あさの ひな)
女子プロレス団体「エル・パラシオ」の最年少。ショートカットが特徴の14歳の女子中学生。身長148センチメートル、体重45キログラム。スリーサイズは、B79センチメートル、W53センチメートル、H80センチメートル。人を思いやる優しい性格だが、芯が強いところもある。「エル・パラシオ」で一、二を争う人気レスラーだが、実力はまだまだで、フィニッシュホールドもない。大岡忠輔に好意を抱いている。
書誌情報
ここが噂のエル・パラシオ 全7巻 小学館〈ゲッサン少年サンデーコミックス〉
第1巻
(2010-01-12発行、 978-4091220905)
第7巻
(2013-10-11発行、 978-4091244376)