あらすじ
第1巻
高校の入学式の日、花田は花瀬彰吾に生まれて初めての一目惚れをする。そのまま何もアクションを起こせずに1年が経過し、2年生に進級した花田は花瀬と同じクラスとなる。席も前後になり、二人は会話をする機会も増え、少しずつ距離を縮めていく。そんな中、花田は同じクラスの女子グループから、花瀬と親しくなるきっかけをつくってほしいと依頼される。しかし、花瀬に恋心を抱いている花田は、なかなか花瀬に彼女たちの思いを伝えられない。その後もクラスの女子グループから催促を受けた花田は、ついに意を決して花瀬に彼女たちの思いを伝える。すると花瀬は、花田には幻滅したと落胆し、その場を去ってしまう。ショックを受ける花田に追い打ちをかけるように、クラスの女子グループは「なんの協力もせずに自分ばかりが花瀬と親しくしていてズルい」と、集団で責め立てられてしまう。(エピソード「君だけのコスモス」。ほか、3エピソード収録)
登場人物・キャラクター
花田 (はなだ)
エピソード「君だけのコスモス」に登場する。高校2年生の女子で、いつも髪の毛を花モチーフのヘアゴムで縛っている。引っ込み思案なおとなしい性格で、なかなか自分の思っていることを主張できない。入学式で花瀬彰吾に一目惚れし、2年生で同じクラスになって席が前後になったことで親しく会話をするようになる。その関係だけで満足しようとしているが、恋心は消えずにいる。クラスの女子グループから、彰吾と付き合うために協力してほしいと依頼され、断り切れずに苦悩する。
小松 元 (こまつ はじめ)
エピソード「君に会える8分間」に登場する。高校2年生の男子で、花瀬彰吾、朝比奈陽、蓮見奏介と、学校内でも目立つイケメングループに所属している。クールな雰囲気を漂わせた美男子で、思ったことはなんでも素直に口にすることから、「大人っぽい見た目ながら中身は子供でかわいい」と非常に女性にモテる。しかし、これまで特定の彼女がいたことがなく、恋愛経験もない。通学電車の中で嬉しそうに音楽を聴いている三城真未を見かけ、いつしか彼女の顔を見ることが楽しみになっていく。
吉川 ひなた (よしかわ ひなた)
エピソード「ずっとずっと君と」に登場する。高校1年生の女子で、入学して以来ずっと朝比奈陽に片思いしており、これまでに約100回告白したがすべて断られている。それでもあきらめずに朝比奈にアプローチを繰り返しているが、ついに決定的な拒絶を受けてしまう。そこで文化祭の日に最後の告白をすると宣言し、朝比奈への未練を断つことを決心する。明るく社交的な性格で、どんなときでもポジティブに振る舞っている。そのため、周囲からは能天気な奴だとあきれられている。朝比奈に好かれようと自分磨きをしているため、ファッションやメイクのセンスがいい。
蓮見 奏介 (はすみ そうすけ)
エピソード「君以外見えない」に登場する。高校2年生の男子で、花瀬彰吾、小松元、朝比奈陽と、学校内でも目立つイケメングループに所属している。クールでミステリアスな雰囲気を漂わせており、周囲からは何を考えているかわからないと距離を置かれている。しかし整った顔立ちから、女子生徒たちからの人気が高い。幼なじみの宮永琴を溺愛しており、頭の中は琴のことしかない。小さな頃に琴から逆プロポーズされており、琴と結婚をするのは自分しかいないと考えている。だが、琴が自分を異性として意識していないことに焦りを覚えている。ふだんは無口だが、琴のことになると饒舌になり、花瀬たちにしばしば引かれる。琴からは「そーちゃん」と呼ばれている。
花瀬 彰吾 (はなせ しょうご)
エピソード「君だけのコスモス」に登場する。高校2年生の男子で、小松元、朝比奈陽、蓮見奏介と、学校内でも目立つイケメングループに所属している。高身長で整った顔立ちのために非常に女性からモテるが、これまで彼女をつくらずにいる。明るく気さくな性格で、男女問わず友達も多い。2年生に進級して花田と同じクラスになり、席も前後になったことをきっかけに会話をするようになる。花田から好意を寄せられていることは知らない。実家が花屋を営んでいるため、植物に詳しい。
三城 真未 (みしろ まみ)
エピソード「君に会える8分間」に登場する。高校1年生の女子で、小松元が通う高校の沿線にある有名なお嬢様学校に通っている。通学中はいつも好きなアーティストの曲を聴いており、自分でも気づかないうちに表情が緩んでいる。その様子を目撃した小松に、興味を寄せられることになる。明るく素直な性格で、やや天然気味なところがある。
朝比奈 陽 (あさひな よう)
エピソード「ずっとずっと君と」に登場する。高校2年生の男子で、花瀬彰吾、小松元、蓮見奏介と、学校内でも目立つイケメングループに所属している。非常に整った顔立ちで、明るく社交的な性格をしている。入学してすぐに吉川ひなたから恋心を寄せられ、熱烈なアプローチを受けている。これまでひなたから約100回もの告白を受けているが、すべて断っている。それでも自分にアプローチを繰り返すひなたをはっきりと拒絶したことで、文化祭の日に最後の告白を宣言される。
宮永 琴 (みやなが こと)
エピソード「君以外見えない」に登場する。中学3年生の女子で、蓮見奏介とは幼なじみ。黒髪のボブヘアで、素朴な顔立ちをしている。小さい頃に蓮見に逆プロポーズをしたものの、宮永琴本人はあくまで幼い頃の約束だとまったく気にしていない。蓮見から溺愛されており、何度か彼女になってほしいと告白されているが、真剣に受け取っていない。
高瀬 (たかせ)
エピソード「君以外見えない」に登場する。中学3年生の男子で、宮永琴と同じクラスに在籍している。さらに琴と同じ塾にも通っており、いっしょに下校をすることもある。そのため、蓮見奏介から琴に気があるのではないかとライバル視され、一方的に冷たい態度を取られている。