概要・あらすじ
東京から120km南の洋上に浮かぶ伊豆王島。そこに住む安海相は、漫画が大好きな高校1年生の女の子である。彼女のお気に入りは、漫画家・☆野0(寺島零)のデビュー作『ロボ太とポコ太』。古本相場が1万円を超える稀少本のため、買うことはできなかったが、島の貸本屋で何度も借りては読んでいた。そんなある日のこと。☆野0が10年ぶりに、コミティアという同人誌即売会で『ロボ太とポコ太』の新作を頒布するというニュースが流れる。それを知った安海は、一大決心をして東京で開催されるコミティアへと向かった。初めての東京に戸惑いながら、なんとか会場へとたどり着いた安海は、そこで初めて同人誌の存在を知る。「漫画は自分で描けるのだ」ということに気がついた安海は、その後意外な人物との出会いを経て、漫画同好会を設立。手探りながら、自分の「まんが道」を歩き始めるのであった。
登場人物・キャラクター
安海 相 (やすみ あい)
伊豆王島に住む高校1年生の女の子。セミロングの髪を後ろでざっくりまとめている。あだ名は「ヤスミン」。漫画が大好きで、島の貸本屋の漫画はすべて読破している。特に好きな作家は、☆野0(寺島零)で、彼女のデビュー作『ロボ太とポコ太』は繰り返し読んでいる。内気でおっとりとした性格で友達がいなかったため、イマジナリーフレンドのポコ太が出現。ポコ太の助言を受けながら生活している。東京のコミティアに行ったことで、自分で漫画を描けることに気づき、漫画同好会を設立する。
寺島 零 (てしま れい)
安海相が通う高校の国語教師。お団子ヘアと眼鏡が特徴の女性。あだ名は「テッシー」。漫画に否定的で、日頃から漫画好きの安海に「漫画はすべて嘘であり、読むのは時間無駄だ」と説教をしていた。しかし実は、かつて「☆野0(ほしのれい)」の名前で活動していた元漫画家。デビュー作の『ロボ太とポコ太』は、打ち切りになりながらも一部の熱狂的ファンの支持を得ており、コミックスは古本相場が1万円を超えるカルト漫画となっている。10年ぶりに参加したコミティアでばったり安海と出会ってしまい、正体がバレる。安海に請われて漫画同好会の顧問になる。
赤福 (あかふく)
伊豆王島に住む高校1年生。小柄な女の子でいつもジャージを着ている。安海相の友達。短めの髪と一つ結び、そろった前髪、太い眉が特徴。自由奔放な性格をしている。安海が立ち上げた漫画同好会に参加するが、漫画は描かずに読者目線で率直な感想を言う役割で、一人称は「俺」。好きな漫画家は藤田和日郎。
藤森 心 (ふじもり こころ)
伊豆王島に住む高校1年生の女の子。黒髪ロング、猫顔シルエットのヘアピン、右目下のほくろが特徴。実家は百年続く老舗旅館。厳しく育てられたせいか、内向的で無口。時々、海底に沈んだような感覚に陥り、息苦しい日々を送っていた。美術部の部室で絵を描いていたところ、安海相と出会う。安海が漫画同好会を設立しようとしていることを知り、勇気を出して仲間になる決意をする。好きな漫画家は諸星大二郎。
書誌情報
これ描いて死ね 6巻 小学館〈ゲッサン少年サンデーコミックス〉
第1巻
(2022-05-12発行、 978-4098511433)
第2巻
(2022-10-12発行、 978-4098513260)
第3巻
(2023-04-12発行、 978-4098520213)
第4巻
(2023-09-12発行、 978-4098528165)
第5巻
(2024-02-09発行、 978-4098531400)
第6巻
(2024-08-08発行、 978-4098535385)