あらすじ
第1巻
最近、街では連続通り魔事件が発生しており、被害者はみな足を切り落とされ、はいていた靴はきれいに磨き上げられていた。そんなある日、街で配られているティッシュを断れずに大量に受け取ってしまうような気弱な少年の霜野言見は、人の気持ちを無視できずに身一つで受け止め続ける、その献身の心を「ご主人様力」と謎のメイドのウルスラに見込まれる。連続通り魔事件は歪んだ奉仕を繰り返し、人々に危害を加えるメイド姿の精霊「ステップガール」によるもので、ウルスラはステップガールを討伐することを使命とする戦女中(ヴァルメイド)であり、仕えるご主人様として言見を選んだのだった。とまどう言見だったが、そんな彼の目の前で友人二人の足がステップガールによって切り落とされる。言見はウルスラと共に、否応なしにステップガールとの戦いに巻き込まれるのだった。(第1話。ほか、2エピソード収録)
登場人物・キャラクター
霜野 言見 (しもの ことみ)
小柄な体型の気弱な少年。人の気持ちを思いやる優しい心の持ち主で、街で配られているティッシュを断れずに大量に受け取ったり、訪問セールスの話も長時間聞いてあげたりしている。その献身の心を「ご主人様力」と見込まれ、謎のメイドのウルスラからご主人様として選ばれた。小さい頃から歯医者が大の苦手で、ウルスラからはよく小心者と言われている。同居することになったウルスラからは、人々に危害を加えるメイド姿の精霊「ステップガール」の討伐へと毎日駆り出される。戦いはからっきしだが、自分の危険も省みずにステップガールの気持ちを理解して、彼女たちを成仏させてやることに成功している。
ウルスラ
人々に危害を加えるメイド姿の精霊「ステップガール」を討伐して、人々を守ることを使命とするメイド。足まですべて隠れるほどの長いスカートを着用している。黒髪で切れ長な目をした、クール系の美少女。街で見かけた霜野言見を対ステップガール戦のパートナー且つご主人様として選んだ。ふだんは冷静沈着ながら、言見に下着姿を見られて恥ずかしがったり、照れると顔を赤らめるなど、少女らしい一面も見せる。言見のことを小心者と言いつつも、彼の人を思いやる心に打たれ、惹かれていく。メイドの中でも戦いを得意とする戦女中(ヴァルメイド)で、戦闘能力は極めて高く、ステップガールとの戦いでは二丁拳銃を駆使してアクロバティックに戦う。
達也 (たつや)
霜野言見の学友で、茶髪の眼鏡を掛けた男の子。人の頼みを断れない言見に、人のことより自分のことを考えろと助言する友達思いの優しい性格をしている。「ステップガール」によって両足を切り落とされるが、ウルスラの治療によって元に戻る。
咲 (さく)
霜野言見の学友。街で起こっている連続通り魔事件で、被害者の靴がきれいに磨かれていることに対して、犯人はメイドかとツッコミを入れていた。達也といっしょに「ステップガール」の襲撃の被害を受けたが、ウルスラの治療で事なきを得た。
集団・組織
ステップガール
歪んだ奉仕を繰り返し、人々に危害を加えるメイド姿の精霊たち。メイドの姿をしているが、顔は真っ黒で見えず、牙のような鋭い歯だけが確認できる。ご主人様の靴を磨くために通行人の足を巨大な鎌で切り落としたり、ご主人様の体を洗うために巨大なトゲトゲを振るったりと、暴走している。ウルスラによって倒され、さらにご主人様に奉仕したいという未練のような気持ちを霜野言見に理解されることで、成仏するかのように消滅する。