FAIRY TAIL外伝

真島ヒロの代表作『FAIRY TAIL』の外伝で、魔導士ギルド「妖精の尻尾」以外のギルドや、それらに所属するギルドメンバーたちが物語の中心となる。原作の『FAIRY TAIL』は、テレビアニメ化やゲーム化など多数のメディアミックスが展開されている王道バトルファンタジーで、本作以外のスピオンオフ作品も多数発表されている。原作の主人公であるナツ･ドラグニルたちの出番は少なく、彼らの味方として登場するギルドのマスターをはじめとするキャラクターの生い立ちや過去を掘り下げつつ、原作では語られなかったエピソードが描かれている。

本作は三つのエピソードに分かれており、主人公や時系列がエピソードごとに異なるのも特徴となっている。第1部「剣咬の双竜」ではギルド「剣咬の虎(セイバートゥース)」のスティング･ユークリフが、第2部「ロードナイト」ではガジル･レッドフォックスが、第3部「雷豪一閃」ではギルド「青い天馬」のラクサス･ドレアーが主人公となる。第1部は原作の冥府の門編よりあとの時系列で描かれ、ローグ･チェーニと共に「剣咬の虎」を代表する滅竜魔導士のスティングたちが解決した、古代魔導兵器事件から始まる王道英雄譚が展開される。

魔導士ギルドとして活動しながら仲間たちと平和な日常を送っていたスティング･ユークリフのもとに、ギルドメンバーの一人であるユキノ･アグリアの偽者が現れる。本物のユキノは闇ギルド「深淵の角笛」の所有する飛空艇に捕らわれていることが判明し、スティングたちは大切な仲間を助けるべく、敵地へと乗り込む。この事件にはユキノをさらったクランチの恐るべき陰謀が隠されており、本当の狙いは星霊魔導士である彼女の魔力であった。間一髪のところでユキノを助けたスティングたちは、古代魔導兵器の力を秘めた飛空艇を動かそうとするクランチの野望を止めるために奮闘する。