じいさんばあさん若返る

じいさんばあさん若返る

新挑限の代表作。もともとSNSで発表された作品で、その後に商業連載されることとなった。青森県の農村を舞台に、リンゴ農家を営む老夫婦の正蔵とイネが突如若返るという設定のもと、夫婦の日常生活の変化と周囲との関係を描いた物語。50年以上連れ添った二人の突然の若返りをきっかけに、孫たちとの交流や地域社会とのかかわりが生まれ、世代を超えた人々との新たな関係性の構築へとつながっていく。本作は、夫婦愛や家族愛を主題とした人間ドラマの一面を持つ日常系コメディ。青森県の方言や農村の生活習慣が細かく描写され、四季の移ろいや農作業の様子を通じて日本の農村風景が表現されている。また、現代の過疎化や高齢化といった社会問題も盛り込まれている。作者のSNSで2019年から2024年6月15日まで発表。また、KADOKAWA「コミックアルナ」でも創刊号である2022年8月号から2024年8月号まで連載。テレビアニメが2024年4月から放送。朗読劇が2024年8月に上演された。

正式名称
じいさんばあさん若返る
ふりがな
じいさんばあさんわかがえる
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
恋愛
レーベル
MFC(KADOKAWA)
巻数
全8巻完結
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作品の概要

基本情報

新挑限の代表作。もともと作者が2019年からSNSで発表した作品で、その後に商業連載されることとなった。

要旨と舞台設定

青森県の農村を舞台に、リンゴ農家を営む老夫婦の正蔵とイネが突如若返るという設定のもと、日常生活の変化や周囲との関係を描いた物語。物語の中心には、50年以上連れ添った夫婦の絆と、若返りによって訪れる新たな生活への適応が据えられている。

ストーリー展開

物語は、二人が何の前触れもなく突然若返るところから始まる。そして、農村での生活を通じ、若い姿になっても変わらない夫婦の関係性や、孫たちをはじめとする世代を超えた人々との交流がコミカルに描かれる。

ジャンル的特徴と位置づけ

本作は、夫婦愛や家族愛をテーマとした人間ドラマの一面を持つ日常系コメディ。老夫婦の心情や価値観を保ちながら、若い体で生活するという設定を通じて、年齢や外見を超えた人間関係の本質を描写している。

作品固有の表現技法と特徴

青森県の方言や農村の生活習慣に関する細かい描写が特徴で、地方の生活文化が作品世界の重要な要素となっている。また、四季の移ろいや農作業の様子など、日本の農村風景が丁寧に表現されている。

世界観の構築と設定

作中には、現代の農村における過疎化や高齢化といった社会問題も盛り込まれており、世代間の価値観の違いや地域社会の変容も描かれている。

連載状況

作者のSNSで2019年から2024年6月15日まで発表。また、KADOKAWA「コミックアルナ」でも創刊号である2022年8月号から2024年8月号まで連載。

メディアミックス情報

テレビアニメ

2024年4月から6月までTOKYO MX、AT-Xほかにて放送。アニメーション制作は月虹。正蔵を三木眞一郎、イネを能登麻美子が演じる。

朗読劇

『朗読劇 じいさんばあさん若返る』:2024年8月に上演。

若返ったおじいさんとおばあさんの愛にあふれた物語

ある日、金色のりんごを食べたことで高齢者夫婦が20代に若返ったことから物語が始まる。当然、身内や近所の人たちは突然の若返りに驚愕するが、当の本人たちは気にする素振りも見せない。新婚時代に戻ったような若き夫婦生活を謳歌する元老夫婦の姿をコメディタッチに描いたハートフルストーリー。作者の新挑限は青森出身で、二人の会話からもシニア愛と津軽愛が伝わってくる。

50年連れ沿った老夫婦の絆

斎藤正蔵は穏やかな性格で、妻の斎藤イネを心から大切にしている。正蔵は結婚当初からりんご農園を営んでいたこともあり、イネを新婚旅行に連れていけなかったことを悔やみ続けている。妻のイネもまた、正蔵と同じく心優しい性格の持ち主で、正蔵が糖尿病を患い、好物の豆大福を控えるようになった際には、自分も食べないようにするなど、気配りを欠かさない。正蔵とイネはがむしゃらに働き続けたシニア世代で、結婚してから50年が経つが、若返ってもその絆は変わらず、二人で過ごす時間を大切にしている。また、若返ったイネはゲートボール仲間の男性陣からひそかに人気で、正蔵は孫の斎藤未乃からアイドルのように扱われている。

夢に現れる砂時計の謎

斎藤正蔵と斎藤イネは、自宅に実っていた金色のりんごを食べたことで若返るが、正蔵はたびたび大きな砂時計が夢に現れるようになる。夢の中で砂時計をひっくり返すと、現実世界で若かった正蔵は老人に戻ってしまう。さらにひっくり返すと、正蔵は老人から若者の姿に戻ることが判明する。ただし、砂は時間の経過と共に減っており、命は永遠ではないことが暗示されている。一方で正蔵が老人に戻っても、イネは若い姿のままである。お互いに残された時間や死について考えるシーンをはじめ、コメディ作品ながらシニア世代でなくても身につまされるシリアスなエピソードが描かれる。

登場人物・キャラクター

斎藤 正蔵 (さいとう しょうぞう)

青森県弘前市の近くにある農村「南町」で、妻の斎藤イネと共にりんご農家を営んでいる老齢な男性。禿げ上がった頭にたれ目で、優しい雰囲気を漂わせた落ち着いた性格をしている。50年以上連れ添ったイネのことを心から愛しており、ふだんは冷静ながらイネが絡むと気持ちに抑えが効かなくなることがある。昭和初期生まれで貧しく忙しい人生を送っていたため、イネを新婚旅行に連れて行ってやれなかったことを悔やんでいる。そんなある日、自宅の果樹園で一個だけ生っていた金色のりんごを発見し、イネといっしょに食べると突如若返り、20代の姿となる。若返ってからも髪の毛は白髪のままだが、芸能人並みの容姿と農作業で鍛え上げられた筋肉を取り戻す。この奇跡に戸惑いながらも、イネと仲睦まじく暮らしながら、これまではできなかった新しいことにチャレンジしている。

斎藤 イネ (さいとう いね)

青森県弘前市の近くにある農村「南町」で、夫の斎藤正蔵とりんご農家を営んでいる老齢な女性。旧姓は「佐々木」。白髪をオールバックにまとめ、正蔵に似た穏やかな雰囲気を漂わせた優しい性格の持ち主。一見物静かながら肝が据わっており、こうと決めたら曲げない意志の強さを持つ。東京都出身のお嬢様で、お見合い結婚をさせられるはずだったが、正蔵と出会って駆け落ちも辞さない覚悟で結婚を果たす。そんなある日、自宅の果樹園で一個だけ生っていた金色のりんごを発見し、正蔵といっしょに食べると突如若返り、20代の姿となる。若返ってからも髪の毛は白髪のままだが、芸能人並みの美貌と抜群のスタイルを取り戻す。また20代の頃は身体が弱かったが、金のりんごを食べてからは健康な身体となる。この奇跡に戸惑いつつも、正蔵と仲睦まじく暮らしながら、これまではできなかった新しいことにチャレンジしている。

書誌情報

じいさんばあさん若返る 全8巻 KADOKAWA〈MFC〉

第1巻

(2020-06-22発行、978-4040645322)

第2巻

(2020-11-21発行、978-4040659817)

第3巻

(2021-04-23発行、978-4046803535)

第4巻

(2021-10-22発行、978-4046807274)

第5巻

(2022-04-22発行、978-4046813367)

第6巻

(2022-10-21発行、978-4046817990)

第7巻

(2023-08-16発行、978-4046823786)

第8巻

(2024-06-21発行、978-4046836830)

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