GANTZ

GANTZ

奥浩哉の代表作の一つ。現代の日本を舞台に、謎の黒色の球体ガンツに呼び出され、謎の「星人」を撃破するというミッションを強制的に課された人々の存亡をかけた戦いを描く、SFアクション漫画。集英社「週刊ヤングジャンプ」2000年31号から2013年29号まで連載。2004年4月テレビアニメ化、2011年には2部作で実写映画化された。

正式名称
GANTZ
ふりがな
がんつ
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
アクション
レーベル
ヤングジャンプコミックス(集英社)
巻数
全37巻完結
関連商品
Amazon 楽天

世界観

初期の舞台は西暦2000年頃の地球の日本各地。東京、大阪など特に固定はされていない。後に舞台は世界に広がり、さらには宇宙にまで広がることになる。主人公玄野計たちは黒い玉ガンツの呼び出しに応じ東京タワーの見える部屋に集められ、その都度標的となる宇宙人を示される。宇宙人に立ち向かうのは死に直面した者ばかりで、なかにはイヌなどの動物も存在する。戦いは日本の街中であるが、戦いの最中は基本的に参加者以外には見られていない。ただし、破壊されたものなどは実際の世界にも反映される。

宇宙人との戦いにはルールが存在する。制限時間内に行動範囲は決まっており、その範囲から外れると死んでしまう。宇宙人を殲滅した時点で戦いはクリアし、出発した部屋へ戻ることができる。戦いに生き残ればどんなに重症を負っていても回復する。生存者は戦いの貢献度に合わせて得点が得られる。得点が100点になると点数と引き換えに幾つかの報酬が得られる。他にも細かいルールが存在する。

SF作品で宇宙人との戦いを描いたバイオレンス要素が強い。武器や肉体による攻撃での人体破壊でのグロテスクな表現がリアルに描かれ、女性の裸体などエロティックな表現も多い作品である。

作品が描かれた背景

連載開始の2000年は20世紀最後の年でミレニアムとも呼ばれた年である。コンピューター業界では2000年問題と呼ばれるカレンダーによるバグが世界的に心配されていた。ゲーム業界ではPlayStation2が発売され、後にGANTZもこの機種のゲームソフトとして発売される。スポーツ界ではシドニーオリンピックが開催され、日本には柔道や陸上で金メダルを獲得している。また日本ではじまった格闘技世界最強トーナメントK-1が世界進出した年でもある。作中、当時K-1で活躍していたピーター・アーツの名前も登場する。映画業界では連載期間中の2000年代に、『スターウォーズエピソード2』『スターウォーズエピソード3』や『ターミネーター3』『マトリックス・リローデッド』などSF作品が放映。その中には原作者が影響を受けたという『猿の惑星』のリ・イマジネーション作品『PLANET OF THE APES/猿の惑星』もある。

作品構成

本作はストーリー漫画になっており、数話ごとに物語の舞台や主要キャラクター以外の登場人物が大きく変わる。主人公である玄野計の周囲で起こる出来事を中心に描かれるが、計の幼なじみである加藤勝やその他の登場人物について描かれる展開も存在する。

メインとなる展開は、GANTZにより数人のメンバーが召集されることにはじまり、そこで戦いの対象となる宇宙人がアナウンスされる。その後、戦いの舞台へ転送され宇宙人と会戦。宇宙人の殲滅、もしくは制限時間の終了で召集された場所へ戻り次の戦いまでのインターバルになるといった流れである。戦いと戦いの合間には登場人物たちの普段の生活も描かれている。

あらすじ

高校1年の玄野計は電車の駅ホームで小学校時代の友人加藤勝と再会する。子供の頃と違う容貌と悪いうわさで気づかぬふりをするだったが、駅ホームから線路上に落ちた男の救助に向かった加藤に助けを求められ自らも線路内に降り立つ。しかし救助はできたものの、と加藤は電車に轢かれてしまう。死んだと思ったふたりだったが、どういうわけか見知らぬ者たちのいる部屋に駆け込んでしまう。東京タワーの見えるその部屋には死に直面した者たちが集まっており、たち同様にいま起こっている状況がつかめずにいた。しばらくすると、ラジオ体操の音楽が流れだし、部屋にあった黒い球体ガンツに文字が現れる。そこには皆でねぎ星人を倒すよう指令が書かれており、さらに球体が開くと中にはボディースーツと武器が入っていた。戸惑うたちをよそに部屋にいた者達が消えて行く。加藤も部屋から消え、は武器とスーツを手に他の者達が転移した先へたどり着く。それは地球人と宇宙人の戦いの幕開けだった。

主な物語に関しては、あらすじの詳細を参照。

ねぎ星人編(コミック1~2巻)

ごくありふれた高校生玄野計は電車の駅のホームから落ちたホームレスを小学校時代の友人加藤勝とともにし救出するが、自らは電車に轢かれてしまう。死んだと思っただったが見知らぬ者たちの集まる部屋に駆け込んでしまう。たちは部屋にある黒い球体からねぎ星人を倒すよう指令が出され、部屋から見知らぬ街へと転送される。そこで部屋にいた中学生西丈一郎から、これがテレビのゲーム番組で犯罪者宇宙人を捕まえると一千万円が賞金として得られるという話がされる。疑念を抱くだったが、他のメンバーはねぎ星人を探し走りだす。メンバーのひとりはすぐねぎ星人と思われる人物を見つけ出し、仲間とともに追い詰め黒い球体から出された銃のような武器でねぎ星人を撃ち殺すがそこに別のねぎ星人が現れる。そのねぎ星人は撃ち殺したねぎ星人よりも身体が大きく力も強く、そこに居合わせたメンバーのほとんどが殺されてしまう。加藤も殺されそうになるが、ガケから落ち急場から逃れる。そしてあとから追いついたが次の標的になってしまう。逃げ出しただったが加藤と西の協力でなんとかねぎ星人を倒すことに成功する。生き残ったメンバーは元いた部屋に戻り、そこで西から黒い球体「ガンツ」と自分たちがおかれている状況を聞き出すことになる。

田中星人編(3~5巻)

ねぎ星人との戦いのあと日常の生活に戻ったは、高校で上級生にからまれてしまう。しかし、ガンツから与えられたスーツの力で上級生を退ける。いままでと少し違う日常を感じるだったが、再びガンツの部屋へ転移してしまう。部屋ではねぎ星人から生き残った加藤、西、岸本恵、イヌと再会し、新たに北条政信ら数名が加わる。ガンツからの指令は田中星人の殲滅。戦いの舞台への移転が始まるが、は戦闘スーツを家に置き忘れていた。そんなに加藤は自分が必ず守ると約束する。一同は戦場に移動後すぐ田中星人と鉢合わせてしまう。最初に転移していた西はスーツの機能で隠れていたが、田中星人に気付かれ、瀕死の重症に陥ってしまう。その様子を見た加藤は川へ飛び込み西を助けに向かい、なんとか田中星人を倒す。しかしたちは田中星人がもう一体いることに気がつき殲滅のため移動を開始する。先行して田中星人を探しに出た加藤は予定外に複数の田中星人と戦いに入り仲間とともに敵を撃退する。行動を別にしていたは奇しくも田中星人の親玉の元にたどり着いてしまう。ピンチに陥るだったが空中戦の末に撃破しガンツの部屋に戻ってゆく。そこには西の姿はなかった

仏像編(5~8巻)

日常に戻っただったが、そこでは自分の存在が小さく感じ、戦いの世界が来ることを望んでいた。そして次の戦いがやってくる。田中星人との戦いに残ったメンバーに新たなメンバーがガンツの部屋に集まる。ガンツの指令は仏像のような宇宙人のあばれんぼう星人とおこりんぼう星人の2体。たちが転移した先は阿吽像が立つ寺院の前。調べてみるとその像こそが今回の敵だった。動かぬうちに加藤が捕獲を試みるが、それを待っていたかのように2体の像が動き出す。加藤たちが苦戦するなか、は1体をひとりで倒してしまう。それを見て奮起した他のメンバーはもう1体への攻撃を開始し撃破する。しかしその巨大な2体は戦いの序章でしかなかった。体長2メートルほどの仏像姿の敵が次々と現れ、メンバーは再び戦い始める。も戦いに向かおうとするが、その後ろに大仏像が立ち上がる。激闘の末、大仏像を倒すが、さらに寺院の奥にいた観音像との戦いで瀕死の重傷を追う。しかし、加藤や他のメンバーが仏像たちを撃破しガンツの部屋へと帰還。しかしそこには以外のメンバーは戻ってこなかった

チビ星人編(8~10巻)

は仏像たちと戦いで生き残りが自分だけになってしまい打ちひしがれていた。そこに和泉紫音が転校してくる。和泉はに黒い球体の存在について聞いてくる。和泉はインターネットで密かに話題になっていた「GANTZ」というサイトで得た情報であることをに話す。それは田中星人との戦いで戦死した西が運営していたサイトだった。和泉の動向が気にかかるだったが、和泉と別れた後にガンツの部屋への転移が始まる。今回の敵はチビ星人。しかし部屋には以外のメンバーはいなかった。は戸惑いながらも戦いの舞台へ転移される。チビ星人はすぐ見つかりなんとか打ち倒すが、チビ星人の仲間が現れ、を取り囲む。逃げながらも追いかけてくるチビ星人たちを倒すだったが、最後の1人は手強く制限時間をオーバーしてしまう。ガンツの部屋で採点が行われ、はこれまで獲得していた点数を失ってしまう。チビ星人の恐怖に怯えながらも学校生活に戻るだったが、その校内で校内で生徒たちが次々と殺される異変が起こり、ついにの目の前にその犯人が現れた。それは人間に擬態したチビ星人だった。チビ星人を追いながら生徒たちを殺戮してゆく。さらには警察も巻き込む騒動になるが、最後にはチビ星人を撃ち殺す。しかしチビ星人の死に際の表情が気になるのだった。

新メンバー編(10~12巻)

チビ星人との戦いの後、西のホームページの中にある「カタストロフィ」という言葉を気にかけていた。それとは別のところでも物語は動いていた。桜井弘斗はいじめを苦にして自殺を考えていた。しかしインターネットの掲示板でサカタと名乗る人物からアクセスがあり直接会うことになる。弘斗のもとを訪れた人物は改めて坂田と名乗り、自分が超能力者でその能力を弘斗に与えることができると伝える。半信半疑の弘斗だったが坂田の超能力を目の当たりにし、超能力を受け取ることを決意する。超能力に目覚めた弘斗は自分をいじめたクラスメイトへの仕返しをするが、それは事件としては立証されなかった。さらに場所は変わり東京駅に1人の男が降り立つ。鍛え上げられた巨躯に長ランと下駄という古臭い出で立ちのその男は風大左衛門と名乗る。東京の各地で強い敵を求める風はと戦い敗れる。風とのケンカのあとは和泉からの電話を受ける。和泉は自分が過去にガンツの部屋のメンバーで今はその記憶が無いことを告げ、部屋に戻りたいことをに話すのだった。和泉は部屋に戻るためにガンツが出した条件がたくさんの人間を連れてくることで、日曜に新宿でその条件をみたすための行動を起こすことをに明かす。そして日曜日、和泉は変装をして新宿の街にやってくる。奇しくもそこには弘斗と坂田、そして風の姿があった。新宿は和泉の持つ銃の音と、逃げ惑う人の声で溢れかえる。そのなかで風と弘斗と坂田は和泉に立ち向かうが銃で打たれ命を落とす。そして和泉を止めるべくが新宿にたどり着いただったが、和泉と相打ちで果ててしまう。そして次にが気がついたのは新宿で命を落とした人々が集まるガンツの部屋だった。

かっぺ星人編(12~14巻)

新宿での和泉による大虐殺の末にガンツの部屋にたどり着いたの前に、新たなる宇宙人との戦いが示された。相手はかっぺ星人で、には制限時間内に15点以上とらないと死ぬという新しい条件が付け加えられていた。そして送り込まれたのは大恐竜博が行われている幕張メッセ。突然目の前に動く恐竜が現れ状況がつかめず戸惑う人々が多いなか、和泉は自分の過去を思い出し戦いの感覚を取り戻そうとする。別の場所では弘斗と坂田が襲ってくる恐竜と超能力で戦っていた。坂田のアドバイスを受けて風も拳法で恐竜たちに立ち向かう。ガンツの部屋から乗ってきたバイクで襲い来る恐竜たちを撃破してゆく。しかし最後に巨大な首長竜が皆の前に現れたちに襲い掛かってくる。は敵をひきつけ制限時間まで逃げようとするが、それでは自分がガンツの条件をクリアできないことに気がつく。一方でひとりで恐竜たちと戦っていた和泉はかっぺ星人をも倒し、残るは首長竜であることに気がつく。スーツも持たないが生き残っていることに対抗意識を持つ和泉は首長竜に向かっていくが、最終的にはが敵を仕留めて戦いの幕は降りる。しかしガンツの部屋への転移がはじまった時、黒服の一団が現れ生き残ったメンバーに襲い掛かってくるのだった。

ゆびわ星人編(15巻)

はかっぺ星人との戦いで生き残ったメンバーの一部と情報交換のために集まっていた。そのメンバーにはかっぺ星人との戦いのなかでに興味を持ったアイドルのレイカもはいっていた。その後レイカと新宿でデートをし、は付き合っていた小島多恵と別れることになってしまう。和泉の方では別の動きがあった。かっぺ星人との戦いの最後で現れた黒服の一団が襲ってきたのである。黒服の一団は自分たちを吸血鬼と位置づけ、たちが戦いの時に着用するスーツ姿のものが敵であると考えていた。和泉は吸血鬼たちを返り討ちにする。そしてまたガンツの部屋への召集の時がやってくる。今回の敵はゆびわ星人。ガンツの評価は大きく強いという情報だったが、かっぺ星人の戦いをくぐり抜けたメンバーが多く集まったため、意外にも戦いはあっさりと片がつきガンツの部屋へと戻っていく。

小島多恵編(15~16巻)

ゆびわ星人との戦いの後、ガンツの部屋に戻ったメンバーだったが、なぜかそのまま次の戦いの指令がガンツに現れる。その敵と示されたのは小島多恵。多恵はの付き合っていた同級生だった。はメンバーから多恵を守るためガンツに自分を先に戦いの舞台に送るよう願う。メンバーは多恵を標的にすることを嫌がるものと、自分自身のために殺すことを良しとするものに分裂していた。必死に多恵を守ろうとするは、多恵にこれまでの経緯を伝える。に協力し多恵を逃がそうとするメンバーの協力もあったが、に敵意を向ける和泉の手にかかり多恵は死んでしまう。しかしガンツの部屋に戻ったは、100点の報酬にガンツのメモリーリストに残る人物を生き返らせることができることに気がつく。はこれまで死んでいった加藤、恵、そして多恵を生き返らせるため何度でも100点をクリアすることを決意する。

オニ星人編(16~19巻)

多恵たちを生き返らせることを決意したは再びガンツの部屋に召集される。敵はオニ星人。舞台は人の通行も多い池袋だった。たちは次々と現れるオニ星人たちを倒していく中で、今回100点に到達するものが出ることを予感する。そんな時、池袋に吸血鬼たちも現れる。吸血鬼たちはオニ星人の幹部たちとつるんでおり、オニ星人の幹部は手出しをしないよう吸血鬼に伝える。戦いはたちの優勢に進んでいたが、オニ星人の幹部たちの出陣で事態は急変する。超能力を駆使し戦っていた弘斗と坂田の前には火を操るオニ星人の幹部が現れる。果敢に立ち向かう弘斗だったが、捕まってしまい劫火のうちに果ててしまう。オニ星人は残った坂田と対峙するが、弘斗との戦いですでに目と足の自由を奪われ坂田の前に倒れる。オニ星人の2人目の幹部は擬態を得意としていた。レイカになりすまし稲葉に近づくが、レイカ自身に見つかり逃走。その後も擬態を繰り返しレイカたちを困惑させるが最後には駆けつけたに切り倒される。3人目のオニ星人幹部は人間の姿のまま風の前に現れる。2人は肉弾戦を繰り広げるが、風の一撃にオニ星人は岩石のような体に変身する。2人は強敵との出会いに喜びながらも死闘を繰り広げ、最後に風に軍配が上がる。吸血鬼の一団に残っていたオニ星人の最後の幹部は、他の仲間達が負けたことを知り自らたちのもとへ向かう。そしてそのオニ星人に出会ったのは和泉だった。メンバーの中でも実力者の和泉だったが、オニ星人のスピードと雷の能力の前に心が折れてしまう。しかし追い詰められた和泉とオニ星人の間にたちが現れる。圧倒的なオニ星人の力に何度も倒されるだったが、最後に和泉とともに最後のオニ星人を切り倒すのだった。かろうじて生き残ったメンバーはガンツの部屋に戻り採点を受ける。そして100点を超えたメンバーがこれまでに命を落とした弘斗、多恵、加藤、西を蘇らせる。そしては採点を受ける。その得点は135点。メンバーはガンツからの解放を望み、は戸惑いながらもそれを受け入れるのだった。

吸血鬼編(19~20巻)

オニ星人との戦いで宇宙人との戦いから解放されたにはガンツの部屋に送られてからの記憶がすべて消えていた。クラスメイトの話や自分の部屋にあるものなどに違和感を覚えるなか、同じように記憶をなくしていた多恵に再会。2人は記憶を取り戻すために力を合わせることを約束する。そんなの前にフリーライターを名乗る菊地が訪ねてくる。菊地は日本各地で起こっている原因不明の建物破壊事件について調べていた。は不安を感じながらも自分の記憶の一部が欠けていることを菊地に話してしまう。その頃、渋谷では吸血鬼たちが自分たちアジトに食料となる人間を密かに連れ込んでいた。吸血鬼の仲間にはの弟アキラも加わっていた。そのアジトに事件を追っていた菊地が連れ込まれてしまい、自分の持つ情報の一部を話してしまう。それはとともに宇宙人との戦いを繰り広げてきた和泉の住所だった。和泉のもとには次々と吸血鬼たちが襲ってくる。和泉は襲いかかる吸血鬼たちを殲滅してゆくが恋人の涼子をかばい命を落とす。はアキラから和泉の死と、次に狙われているのが自身であることを伝えられる。吸血鬼への対抗手段をアキラから聞いたは半信半疑ながらも対策を取り、夜自宅を襲撃してきた吸血鬼たちを倒してゆく。しかし、情報を漏らしたアキラの首を持つ吸血鬼に殺されてしまう。

ぬらりひょん編(21~25巻)

吸血鬼の襲撃の情報を知ったガンツのメンバーは、の救出のため家に駆けつける。しかしそこにはの死体と吸血鬼が待っていた。そしてその時転送が始まり、メンバーはガンツの部屋へと転送されていく。部屋にはの救出に来ていたメンバーの他に吸血鬼までも転送されていた。部屋で小競り合いが起こるなか、ガンツの新しい指令が表示される。敵はぬらりひょん、舞台は東京ではなく大阪だった。道頓堀の川は妖怪であふれていた。を生き返らせるため敵のもとへ向かうメンバーの前に、同じ出で立ちの一団が現れる。それは大阪のチームで、東京のチームよりも戦いに慣れていたが戦いをなめている様子もあった。妖怪たちは一般人をも襲い街はパニック状態になっていた。手を出さぬよう言われていた東京チームだったが戦いに巻き込まれてゆく。いくら倒しても復活するぬらりひょんに大阪チームの主力も敗れてしまうが、加藤が最後の一撃を与え戦いが終わる。ガンツの部屋に戻った東京チームは採点を受け、100点を得た加藤はを蘇らせる。たちが喜びを噛み締め合うなか、西は自分たちが本当に置かれている状況を皆に伝える。それは人類に残された時間が後1週間ほどしかないという内容だった。

ラストミッション編(26~27巻)

西の言葉に不安を抱えながらたちは日々の生活に戻っていた。は多恵と過ごし、レイカに気持ちを伝え振られ、西は学校のいじめに自暴自棄になり生徒たちを殺してしまう。そしてまたガンツの召集がかかる。皆がこれで最後のミッションになる可能性を考えるなか、ガンツに指令が表示される。しかしそれは今までと違い読めるものではなかった。さらに転移した先はイタリアで、すでに戦いが始まっていた。そこにはたち東京チームだけではなく、世界各地からチームがやってきていた。大阪チームと同じような強力な武器を持つチームもあったが、ルネッサンス期の彫刻をほうふつとさせる敵の前に次々と地球人たちは倒されてゆく。加藤とともに戦っていたも強敵に傷ついたその時、ガンツの転移が始まる。生き残ったメンバーが集った部屋で採点が始まる。そこには「おわり」の文字が表示されていた。しかし採点と報酬が続く途中、ガンツは沈黙し反応がなくなってしまう。最後の戦いで喪った仲間との別れを悲しむなか、たちはガンツの部屋を後にする。ひとり忘れ物を取りに戻ったレイカは、ガンツの部屋に立つ人間に出会う。それはガンツの中に入っていた人間だった。ガンツの中の人間はレイカに与えられなかった100点への報酬を尋ねる。レイカは迷った挙句にもう一人のを再生してしまうのだった。

カタストロフィ編(27~37巻)

ラストミッションから数日後、突如として赤く染まる空、そしてアメリカ崩壊のニュース。人類を圧倒する異星人文明の襲来により、滅びゆく地球。その魔の手は、日本にも及ぶ。空から降り注ぐ巨大兵器や巨人兵士により、街は破壊され人々は無惨にも惨殺されていく。多くの人々が敵の本拠地である巨大宇宙船に連れ去られ、その中には多恵の姿もあった。多恵を救出すべく、一人で巨大宇宙船へと乗りこむ。一方、レイカともう一人の計たちも、連れ去られた人々を救出するため、宇宙船へと乗りこんでいく。未知の生物の驚異的な強さに絶体絶命を迎えるもう一人の計たちであったが、レイカの犠牲によりなんとか未知の生物を倒すことに成功。連れ去られた人々の救出にも成功する。一人乗りこんだも無事に多恵と再会を果たし地上へと戻る。その後、各国のガンツメンバーの働きにより、人類はついに異星人文明を追い詰めることに成功。もう一人の計や加藤たちは、ガンツにより心理の部屋と呼ばれる場所へ転送され、そこでガンツをめぐるすべての真実を知ることになる。そしては、最後に残った軍神と呼ばれる異星人と闘うため、再び宇宙船へ転送される。世界を救うためでも仲間のためでもなく、多恵の元へ戻るためにだけに闘うは、超人的な力を発揮し見事軍神に勝利。そして人類は、異星人文明の脅威から完全に脱し物語は完結する

特殊背景

GANTZに登場する人物の中には、実在する著名人の名前や、映画やゲームなどの登場キャラクターの名前が使用されている。また、作品連載時に注目度の高かった実在の人物をモデルにしたキャラクターも作られている。

作品の背景の多くは3DCG加工されており、これは作者の奥浩哉が本作の前に連載した『01 ZERO ONE』から導入した手法で、同様の手法使用の草分け的存在でもあった。

作中の宇宙人との戦いの後の採点システム等は、作者が幼少期に見ていたテレビ番組『がんばれ!!ロボコン』に登場するガンツ先生の採点がアイデアの元となっており、タイトルの『GANTZ』もこのキャラクターが由来である。

派生作品

2004年、公式ファンブック『GANTZ/MANUAL』が発売。登場キャラクターの設定や、各戦いの詳細や武器などのギミックが紹介されている。

2009年、ノベライズ作品『GANTZ/MINUS』が「週刊ヤングジャンプ」で連載。原作コミックの第1話目よりも過去の物語で、小説オリジナルの主人公が設定されている。タイトルの「MINUS」=マイナスは、本編よりも過去であることを指している。作者は『NARUTO』のノベライズ作品も手がけた日下部匡俊。

2010年、ノベライズ作品第2弾『GANTZ/EXA』が「週刊ヤングジャンプ」で連載。こちらも本編とは主人公を別にして描かれている。連載では完結されておらず、単行本化された際に結末は描かれた。作者は2008年に『地図男』でダ・ヴィンチ文学大賞を受賞した真藤順丈。

2011年、「Webヤングジャンプ」で漫画コミックに声優が声をあてたラジオドラマが2話展開された。

2012年、原作者本人が『GANTZ』を描くのに影響を与えたSF映画作品100タイトルを紹介した『GANTZなSF映画論』を刊行。

メディアミックス

テレビアニメ

2004年4月にフジテレビで深夜2時台に放送される。当初全13話で放送される予定だったが、作品内の暴力表現や性表現を規制するために全11話に再編集されている。放送内容はコミック1巻から5巻にかけての「ねぎ星人編」「田中星人編」を展開。

同年8月からは放送局をアニメ専門チャンネルのAT-Xに変え第2期全13話を放送。コミック5巻から始まる「仏像編」とアニメオリジナルのシナリオ「玄野星人編」を展開。第1期同様に過激な表現が多かったが、再編集はされずそのまま放送。しかし視聴年齢制限により15歳未満には見られないよう設定された。

監督はいずれの作品も『バイオレンスジャック 地獄街』や『孔雀王2』などハードな暴力表現に定評のある板野一郎。

DVD・BD

アニメ放送された第1期、2期がDVDアニメ化されている。第1期は再編集される前の全13話がノーカットで収録されている。

また2011年に実写映画化された『GANTZ』もDVD及びBDになって発売されている。映画では表現されていなかったシーンもDVDなどでは追加されている。

映画

2011年に2部作で公開。主演は嵐の二宮和也と松山ケンイチ。物語は原作漫画のなかから「ねぎ星人編」「田中星人編」「仏像編」「小島多恵編」「黒服編」が描かれている。

キャラクター設定が映画ではオリジナルになっており、原作では高校生だった主人公の玄野計と準主役の加藤勝は共に22歳の青年となっている。その他の登場人物も細かく設定が変更されている。また、原作漫画には登場しない人物も多数登場する。

ゲーム

2005年にPlayStation2用ソフトとして『GANTZ THE GAME』が発売されている。ゲームジャンルはアクション。銃や格闘などで宇宙人を倒していく。

記録・受賞歴情報

映画前後編共に映画観客動員ランキングで同時期作品の中で初登場1位を記録している。

また2011年にDVD&ブルーレイデータ大賞にて日本映画賞を受賞。

登場人物・キャラクター

玄野 計 (くろの けい)

ごくごく平凡な高校1年生の男子。地下鉄のホームで小学校時代の友人加藤勝と共にホームレスを助ける羽目になり、そのまま電車に轢かれて死亡した。その後ガンツにより再生され、数々のミッションに身を投じることとなる。特にこれといった取り柄もなく、家族にも優秀な弟と比較され、鬱屈とした日々を送っていた。 しかし、ガンツが課すミッションを生き延びることに関しては類まれな才能を発揮し、自分の居場所を求め徐々にガンツの世界へとのめりこんでいく。最初のミッションで居合わせた岸本恵に好意を抱くが、彼女自身は加藤にぞっこんのため見向きもされなかった。その後、学校の罰ゲームで地味な少女、小島多恵と不本意ながらも付き合うことになるが、徐々に彼女を大切な存在として認識するようになる。 ガンツにつけられたあだ名は、「くろの」、「くろのくん」、「パシり」など。

加藤 勝 (かとう まさる)

オールバックで強面の青年。玄野計は小学校時代の友人であり、憧れの存在だった。見た目とは裏腹に強い正義感を持ち、人間はもちろんのこと、星人を殺すことにさえ躊躇いと罪悪感を覚える。ホームレスが地下鉄の線路に転落したことを見逃すことが出来ず、玄野と共に助けようとするが、電車に轢かれて死んでしまう。 ガンツに再生された後はその高い身体能力を生かして活躍した。アパートで弟と二人暮らしをしており、弟を守るため、必ず生きて帰ると誓いを立てるが、千手観音の手により殺害されてしまう。数ヵ月後、累計100点を達成した鈴木が、加藤の再生を要求したため復活。大阪におけるミッションでは玄野計が不在のため、代わりにリーダーとしての役割を果たした。 ガンツにつけられたあだ名は、「かとうちゃ(笑)」。

和泉 紫音 (いずみ しおん)

謎のサイト「黒い球の部屋」に載っていた「クロノケイ」という人物と接触するために玄野の学校に転校して来た男子高校生。眉目秀麗、成績優秀、スポーツ万能という完璧人間で、身長も187cmと高い。その万能さゆえに、退屈な日常に飽き飽きしており、ガンツの世界を追い求めるようになる。実は、以前ガンツのメンバーだったことがあり、はっきりとした記憶は無いながらも、日々の生活に違和感を感じている。 また、ガンツに似た小さい黒色の球を持っている。玄野計との接触を通して、ガンツの部屋の存在を確信し、ガンツに大量の人員を送るために新宿で大量虐殺を企てる。ガンツにつけられたあだ名は、「和泉くん」。

桜井 弘斗 (さくらい ひろと)

短髪の男子中学生。いじめを苦に、ネットの掲示板で自殺予告をし実行するが未遂に終わる。その時掲示板の「サカタ」という人物の書き込みに興味を持ち、接触。「サカタ」こと坂田研三に超能力を伝授してもらう。その後、自分をいじめていた三人の同級生を超能力によって殺害するが、罪悪感に苛まれ、以後超能力を人を救うためだけに使うと決心する。 和泉紫音が引き起こした大量虐殺事件に巻き込まれ、坂田と共に和泉紫音に立ち向かうが、後一歩のところで仕留めきれずに殺害されてしまう。その後ガンツによって再生され、数々のミッションに参加することになる。ガンツにつけられたあだ名は、「チェリー」、「もうチェリーではない」。

坂田 研三 (さかた けんぞう)

常にサングラスをかけており、決して外すことはない。インターネットの掲示板で桜井弘斗の自殺予告を目にし、彼を救うべく接触、超能力を伝授する。和泉紫音が引き起こした大量虐殺事件に巻き込まれ、桜井と共に和泉紫音に立ち向かうが、後一歩のところで仕留めきれずに殺害されてしまう。 超能力を使って人々を助けることが多いが、いじめの主犯や和泉紫音など、罪を犯した人間に対しては、死んで当然という態度を示す。ガンツにつけられたあだ名は、「アホの、、、」。

風 大左衛門 (かぜ だいざえもん)

博多弁を喋る筋骨隆々の男性。和泉紫音が引き起こした大量虐殺事件に巻き込まれ、身一つで和泉紫音に立ち向かうが、後一歩のところで仕留めきれずに殺害されてしまう。中国武術の八極拳の達人で、対星人戦でもXガンなどの武器を使うことなく、体術のみで敵に立ち向かう。オニ星人ミッションから登場した幼児、コウモトタケシには筋肉ライダーと呼ばれ慕われており、徐々に親心が芽生える。 ガンツにつけられたあだ名は、「いなかっぺ大将」、「きんにくらいだー(仮)」。

西 丈一郎 (にし じょういちろう)

ガンツを良く知る謎の中学生。約一年前からガンツのミッションに参加しており、ガンツの武器やガンツスーツを使いこなす熟練者であるが、同時に他のガンツメンバーが敵の星人に襲われてもなんとも思わないサディストでもある。時には、自分の得点のために初心者をだしに使うこともある。 また、破壊行為に性的興奮を覚える異常者である。田中星人ミッションの際、他のガンツメンバーに遊び半分でXガンを撃たれ、スーツの耐久性が低下した結果、田中星人の攻撃に耐え切れなくなり命を落とす。ガンツにつけられたあだ名は、「西くん」。

下平 玲花 (しもひら れいか)

容姿端麗な黒髪の女性。グラビアアイドルとして活躍しており、特に若い男性の間での知名度は高い。和泉紫音が引き起こした大量虐殺事件に巻き込まれ死亡、ガンツによって再生される。初めて参加したミッションで、強力な星人にも怯まず立ち向かっていく玄野計に魅せられ、恋心を抱く。玄野と小島多恵の関係を知り、小島多恵を殺害するミッションでは、多恵をエリア外に連れて行くため玄野に協力する。 ガンツにつけられたあだ名は、「くろののファン1号」、「レイカ」。

コウモトタケシ

幼稚園児ほどの年齢の男の子。母親の交際相手に虐待を受け、母親からも放置された結果死亡、ガンツにより再生される。自身が考えたキャラクター筋肉ライダーに風大左衛門が似ていたため、風を非常に頼りにしている。登場した当時は敵に怯えてばかりで泣きじゃくっていたが、風の雄姿を目の当たりにし、見よう見まねで風の戦闘術を身につけ、幼いながらも敵に立ち向かう心の強さを獲得していく。 ガンツにつけられたあだ名は、「タケシ」、「こども」。

岸本 恵 (きしもと けい)

ショートカットの女性。家庭環境の息苦しさに耐えかねて自殺し、ガンツによって再生される。しかし、自殺が未遂に終わったためオリジナルは依然として存在しており、2人の岸本恵が同時に存在している状況となった。その結果、帰る家もなく、玄野計の家に居候する。玄野から好意を向けられているが、本人にとって玄野は眼中ですら無く、加藤勝にぞっこんである。 ガンツにつけられたあだ名は、「巨乳」。

桜丘 聖 (さくらおか せい)

グラマーな体型の女性。バイクによる転落事故で死亡し、ガンツに再生される。岸本恵への恋が実らず自暴自棄になった玄野計の初体験の相手となる。おこりんぼう星人ミッションでは、キックボクシングの経験を生かして、星人との初めての戦闘ながらも、優れた適性・判断力を見せ、同ミッションのラスボス、千手観音に勇敢にも立ち向かうが、致命傷を負い死亡する。 ガンツにつけられたあだ名は、「美形」。

小島 多恵 (こじま たえ)

おさげ髪で地味な見た目の少女。以前より好意を抱いていた玄野計に告白され、恋人同士になる。玄野自身は罰ゲームとして告白しただけだったのだが、徐々に多恵を大切な存在として意識するようになり、相思相愛の関係となる。ミッションの一場面をカメラで撮影してしまったことがきっかけでガンツに狙われるようになり、直後の緊急ミッションの標的となる。 玄野計の抵抗むなしく殺されてしまい、現実世界では失踪扱いとなるが、その後100点を獲得したレイカによって再生され、いつも通りの日常で暮らすようになる。

鈴木 良一 (すずき りょういち)

ガンツに「ハゲ」というあだ名で呼ばれている通り、頭髪が薄い。柔和な顔つきをした中年の男性。和泉紫音が引き起こした大量虐殺事件に巻き込まれ死亡、ガンツによって再生される。これといって秀でた戦闘能力は持ち合わせていないが、決して勝利を諦めない玄野計の姿勢に感化され、強い正義感と勇敢な心で強大な星人にも立ち向かうようになる。

山咲 杏 (やまさき あんず)

ショートヘアでさばさばした性格の女性。23歳、大阪メンバーの1人で、息子と二人暮らしをしているシングルマザー。当初、人助けのために尽力する加藤勝を「ギゼンシャ星人」と呼び嘲笑うが、自分の危険も省みず信念を貫こうとする加藤の一途さと優しさに、徐々に惹かれていく。その後、弟がいることを打ち明けた加藤に、4人家族で過ごすことを提案し、お互いに生還することを誓い合ったが、加藤を庇ってぬらりひょんに殺されてしまう。

岡 八郎 (おか はちろう)

パーマがかった黒髪で逞しい顔つきをした男性。大阪メンバーの中で最強の男で、100点を7回も達成しているほか、100点の敵をたった1人で倒したこともある。所持している武器も多彩で、ハードスーツや巨大ロボットも所持している。他の者が手も足も出せないぬらりひょんに対して善戦するが、最後まで戦闘を続けるのは「リスクが高い」と判断して戦線離脱する。 その後、最終形態へと変身したぬらりひょんに追撃され、死亡する。

氷川 (ひかわ)

金髪で美形の青年で、吸血鬼のリーダー的存在。吸血鬼にとって危険因子である玄野計を殺害した際、今まさに転送されつつある鈴木良一と接触していたため、共にガンツ部屋へと転送されてしまう。同時に、脳に爆弾を埋め込まれ、吸血鬼の立場でありながら、ガンツメンバーと共にミッションに参加しなければならなくなった。 ミッションには非協力的なものの、いざ戦闘となると驚異的な戦闘能力で相手を圧倒し、作中でもほとんど負傷していない。愛煙家であり、常にタバコを吸っている。

星人 (せいじん)

『GANTZ』に登場するキャラクターの総称。ガンツがミッションの標的としている謎の生命体達。一見弱そうに見える敵でも、驚くべき戦闘能力を身につけている。ガンツによって知らされる星人達は、最初に倒すべき雑魚敵でしかなく、それらを倒すと比較にならないほど恐ろしいラスボスが登場する。その正体は、他の惑星から移住してきた異星人である。 ミッションの際はガンツのメンバーしか視認することが出来ないため、一般人にはその存在を知られていない。しかし、オニ星人以降は一般人にも見られるようになる。

ねぎ星人 (ねぎせいじん)

『GANTZ』に登場するキャラクター。白い顔と緑の髪の毛をした、葱のような細い顔の星人。追い詰められると身体中から臭気を発する液体を分泌する。最初に登場したのは子供の姿をしたねぎ星人で、ほとんど攻撃をしないままXガンで倒されたが、その後登場した大人のねぎ星人は、体表が鉄のように硬い上に、Xガンの連射を避けられるほど素早く、油断した多くのメンバーを惨殺する。

田中星人 (たなかせいじん)

『GANTZ』に登場するキャラクター。人型のロボットのような見た目の星人。外装は生命維持装置となっており、中には鳥のような姿の本体が潜んでいる。口から強力な音波を発し、これを受けたものは耳や眼から血を流し死んでしまう。ラスボスは非常に大型の田中星人で、外装の代わりに呼吸器をつけて生命を維持している。 人間の身体を簡単に引き裂くことができるほどの鋭利な爪を持つ。

あばれんぼう星人・おこりんぼう星人 (あばれんぼうせいじん・おこりんぼうせいじん)

『GANTZ』に登場するキャラクター。金剛力士像の姿をした星人。5mにも及ぶ巨体でガンツメンバーを攻撃する。玄野計の活躍とメンバーの協力により討伐に成功するが、その後、羅鼎院に所蔵されている像たちがメンバーに襲い掛かる。ラスボスは千手観音像で、手に持っている円形の装置が壊されない限り無限に再生できる身体を持ち、目にも留まらぬ速さで攻撃を繰り出す。 また、人間の脳を摂取し、その人物の記憶や人格を利用することもできる。

チビ星人 (ちびせいじん)

『GANTZ』に登場するキャラクター。千手観音像との死闘後、唯一生き残りとなった玄野計が戦った星人。小さい身体からは想像も出来ないほどのスピードとパワーを持ち、複数体で迫ってくる。死の寸前まで追い詰められるが、一匹を除いて殲滅することに成功する。しかし、残りの一匹が玄野に強い復讐心を抱き、ミッション外にも関わらず、クラスメイトに擬態して玄野の学校に潜入、生徒達を虐殺した。

かっぺ星人 (かっぺせいじん)

『GANTZ』に登場するキャラクター。麦藁帽を被り、タンクトップを着た人型の星人で、ゆるキャラのような顔をしている。攻撃を受ければ受けるほど巨大化して強くなるが、あっけなく和泉紫音に倒されてしまう。手下である無数の恐竜達を操ってメンバーを苦しめる。ラスボスはブラキオサウルスで、巨大な身体にも拘らず驚異的な速さで移動し、鋭利な首や尻尾を振り回して攻撃する。 首が跳ねられても、心臓が破壊されない限り死ぬことは無い。

オニ星人 (おにせいじん)

『GANTZ』に登場するキャラクター。普段は人間に擬態しており、一般人とまったく同じ生活をしている。中にはグラビアアイドルのレイカのファンもいる。擬態を解くと、いくつもの屈曲した角や牙が体中から生える。吸血鬼と同様にガンツメンバーをハンターと呼び、吸血鬼と共闘している。ラスボスのオニ星人は身長が人間の2倍程にもなり、圧倒的なパワーとスピード、能力を誇る。

ぬらりひょん

『GANTZ』に登場するキャラクター。大阪にて出現した、妖怪の姿をした星人達のラスボス。このぬらりひょんを倒すだけで一度に100点を獲得できるが、その分途方もないほどの戦闘能力を有している。倒しても倒しても、新しい姿となって復活し、その度に戦闘力が上昇していく。大阪メンバー中最強の岡八郎でさえも、最初こそは善戦するものの、戦線離脱後に最終形態のぬらりひょんに捕らえられ、瞬殺された。

集団・組織

吸血鬼 (ゔぁんぱいあ)

『GANTZ』に登場する種族。血液中にナノマシンが混入することによって吸血鬼化した人間を指す。人間とは比べ物にならないほど身体能力が向上するほか、手のひらから鋭利な日本刀のような刀を取り出す能力を持ち合わせている。ガンツのメンバーをハンターと呼び、彼らを殲滅することを目的としている。太陽光に非常に弱く、昼間は高価な薬を服用することで免れているが、夜間は薬を使用していないため、太陽光に準じた光を浴びるとたちまち灰と化してしまう。

巨人 (きょじん)

『GANTZ』に登場する種族。カタストロフィのXデーに地球に襲来した異星人。人間の何倍もの大きさの身体を持ち、4つの目を持つ。また、高度な科学技術を用いた戦闘スーツや兵器を大量に保有している。地球を植民地にするべく人類に対して攻撃を仕掛け、人間を大量に捕獲し、食肉として用いたり、ペットとして鑑賞したりしている。 人間と同等かそれ以上の知能と感情を持っており、彼ら独自の言語を発する。また、居住区では地球のものと非常に良く似た都市が栄えており、ファッションや動物園といった文化も、人間のそれに酷似している。

その他キーワード

ガンツ

『GANTZ』に登場する物体。東京都内のマンションの一室にある、謎の黒い球体のこと。死んだ人間達を部屋の中に再生し、彼らに凶悪な星人を討伐するミッションを与える。ガンツの中には呼吸器を装着した全裸の男性が眠っているが、決して目を覚まさず、殺すことも出来ない。ミッションの参加者には、ターゲットのプロフィールや、武器・防具の一式を与えるが、詳しい説明は一切施さない。 ミッション開始と同時に参加者を街中へと転送し、ミッション終了と同時に再び部屋の中へと呼び戻す。ミッション終了後には“採点”が行われ、ミッション成功に貢献した者ほど高い点数を与えられる。ガンツの説明によれば、累計100点を達成すれば、3つの特典のうちのひとつを手に入れることが出来る。 “採点”終了後、生き延びた参加者達は生前と同じように生きた人間として不自由なく過ごすことができるが、ガンツの召集からは逃れることが出来ず、強制的にミッションに参加させられる。ミッションから離れようとしたり、ミッション内で使用される武器を現実世界で過剰に使用すると、脳内に埋め込まれた小型マシンが爆発し、絶命してしまう。 呼び方は違えども、同じような黒色の球体が世界各地に存在しているらしい。

カタストロフィ

『GANTZ』に登場する用語。ガンツによって予言されている、地球に訪れる大災厄のこと。その内容は明らかにされておらず、西丈一郎は核戦争が勃発すると予想している。Xデー当日、空は真紅に染まり、巨大な宇宙船が飛来した。そして、カタストロフィとは、宇宙人による地球侵略であることが判明する。

ガンツスーツ

『GANTZ』に登場する衣服。ガンツが所蔵している、黒く体にフィットするスーツ。このスーツを着た者は、通常の数倍の筋力と耐久力を手に入れることができ、ビルとビルの間をジャンプで飛び越えることさえ可能になる。しかし、耐久性には限界があり、それを超えた攻撃を受けると、首周りに付いた円形の装置から液体が漏れ出し、スーツの一切の機能が使えなくなる。

Xガン (えっくすがん)

『GANTZ』に登場する武器。ガンツが所蔵している拳銃型の武器。加藤勝によってXガンと命名される。撃ったものを内部から破裂させることが出来る。撃ってから破裂するまでには若干のタイムラグがある。Xガンの他にも、遠距離用のXショットガン、転送用のYガン、眼前の広範囲を円形に押しつぶすZガンなどが存在する。

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書誌情報

GANTZ 全37巻 集英社〈ヤングジャンプコミックス〉

第1巻

(2000-12-11発行、 978-4088761053)

第37巻

(2013-08-19発行、 978-4088796277)

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